婚約指輪 結婚指輪 リフォーム【結婚20周年】溶かして作り替え

鍛造リング専門店ジュエリーコウキです
私が工房で1つ1つ指輪を手作りします

鍛造(たんぞう)という製法は日本の伝統技法の1つ
鍛えて造るという意味で鍛錬しながら指輪を作ります。

この技術は昔から受け継がれてきた日本の伝統技術で
代々鍛造技術を継承してきた宝飾職人しか作れません。

近年、鍛造という製法が大注目されて鍛造のリングが
増えてきましたがほとんどは鍛造ではなく鍛造風です。

鍛造に似せて作る鍛造風は本物の鍛造と全く違います
昔から伝わる本物の鍛造は鍛冶で職人が手作りします。

ちなみに本物の鍛造で手作りした鍛造リングは全体の
リングの内1%以下しか存在しない特別なリングです
当店は全国でも数少ない本物の鍛造リング専門店です。

ジュエリー職人

こんにちは (*´Д`)

当店ジュエリーコウキの二代目で鍛造職人歴30年です。

私、池田が師匠である父から代々受け継がれてきた鍛造
という技術を継承して工房で1つ1つ手作りしています。

鍛造とは画像のように金槌で地金を叩いて鍛える鍛冶で
手間をかけながら指輪を手作りしていくという製法です。

鍛冶で鍛錬をされた指輪は、密度が増して頑丈な指輪に
育ちますので変形や歪みや傷や衝撃に耐えられるんです
鍛えて造る指輪という意味で「鍛造リング」と言います。

今回の記事内容は指輪を溶かしてリフォーム&リメイク
鍛造という技術を応用してリフォームもしているんです。

 

【結婚指輪をリフォーム】

ジュエリーコウキでは鍛造の結婚指輪がメイン商品ですが

鍛造技術の応用をしたリフォーム&リメイクも大人気です
ご紹介をする今回の記事内容も指輪のリフォームです(^-^)

結婚20周年という事で20年間使っていたご夫妻の指輪、
結婚指輪と婚約指輪の合計3本を溶かして新しく作ります!

20周年という大切な結婚記念日にご依頼を頂いて感動(涙)

当店を探して見つけて頂いて本当にありがとう御座いました
それでは早速、結婚指輪のリフォームを始めたいと思います

 

【婚約指輪のリフォーム】

まずダイヤの婚約指輪をリフォームをする前段階の準備です
ジュエリーのリフォームをする前は色々な準備があるんです。

今回は立て爪のダイヤリングで素材がプラチナリングですが
他にもプラチナとゴールドのコンビネーションだったりする
事もありますので持ち込みのデザインで下準備が変わります。

婚約指輪 リフォーム

最初は婚約指輪のダイヤを立て爪から外す

婚約指輪と言えば定番で人気のダイヤモンド、そしてダイヤ
の指輪と言えば立て爪のデザインが定番で1番多い種類です
お客様の大事な婚約指輪です。丁寧にダイヤを外しましょう

いよいよリフォームの作業が始まりますよ!石起こしという
道具を使って立て爪の1つ1つを起こしてダイヤを外します

立て爪から外したダイヤモンドは超音波洗浄機でよく洗います
ダイヤの汚れも落ちてキラキラです!輝きが蘇りました(^-^)

ダイヤ 婚約指輪 リフォーム

【結婚指輪をリフォーム】

婚約指輪のダイヤ外しが終われば、次は結婚指輪の石外しです

お客様の結婚指輪の中側に誕生石のサファイヤが入っています
同じサファイヤが婚約指輪にも入っているので合計で3ピース

指輪の内側に入っている誕生石は、基本的に指輪を切らないと
誕生石を外す事ができないので糸ノコギリで指輪を切断します

結婚指輪 リフォーム

ダイヤとプラチナリングに分けました

ダイヤ×1と サファイヤ×3と そしてプラチナリングが×3
これで結婚指輪のリフォームの下準備が完了いたしました(^-^)

ルースは全て超音波洗浄機で洗って汚れを落として綺麗にして
3本のプラチナリングは、まとめて溶かして1つの塊にします

今回のリフォームでは前の結婚指輪と婚約指輪、合計で3本を
溶かして2本の新しい結婚指輪にするというご依頼となります
結婚記念日に新しく結婚指輪を作り替えるのも感動的ですよね

結婚指輪 プラチナ リメイク

今までの婚約指輪と結婚指輪を溶かして
新しい結婚指輪にリフォーム&リメイク

長年使っていた結婚指輪と婚約指輪、そのままの指輪を溶かし

新しく結婚指輪を手作りするので素材はそのままという事です
指輪のデザインが変わっても素材は変わらないので安心ですね

今回のリフォームでは奥様の指輪は結婚指輪と婚約指輪の兼用

そして旦那様の結婚指輪は幅広で肉厚になるデザインですので
3本を溶かしても足りないので足りない地金を足して作ります

 

お客様の貴金属を溶かしてリメイクする方法は3通り

(1)そのままの地金を溶かして目減りが出てもその
重さ内で作れる重さで溶かしてリングを作るリメイク

(2)目減りを計算するとある地金では足りないので
新しい地金を追加して増やして溶かしてするリメイク

(3)地金に不純物が混ざっていたり純度が低い場合
分析専門機関で分析を依頼して綺麗な地金に分析する

ネックレスの場合は溶接が多いので分析を推奨します
プラチナとゴールドのコンビも分析が必要になります
分析は専門機関しかできないので分析費用が必要です。

他にも分析をすれば18金を純金にすることも可能です
18金に含まれた銀と銅を不純物として取り出すんです
不純物の重さで結構な重さが減りますが魅力的ですね。

今回は(2)のリメイクでお客様が持ち込みの地金に
新しいプラチナを追加して増やして溶かして作ります。

結婚指輪 婚約指輪 リフォーム

【指輪のリフォーム&リメイク開始】

溶解専用の器(オチョコや溶解皿という)に指輪3本を乗せて
不足分のプラチナの塊をオチョコの中央に置いて準備完了です

PTリング3本と追加したプラチナを万遍なく溶かせるように
3本のリングを重ねています。同じ理由で足す地金も真ん中に
そして酸素バーナーの強烈な炎でPTリング3本を溶かします

立て爪 リフォーム

ファイヤアアアアアアアー!!

酸素バーナーの強烈な炎がプラチナリング3本を包みます!

ちなみにプラチナが溶ける温度(融点)は約1770℃です
それ以上の火力が火口から噴き出ているという事になります

溶解皿に乗せてあるプラチナリングが真っ赤になっています
火力が上がるにつれて更に真っ赤になって肉眼で見れません
溶接専用のゴーグルをかけながら溶解作業を進めていきます

立て爪 リメイク

溶解作業で地金に目減りがでます

ジュエリー業界では目減りの事を”減り”と短縮して言います

プラチナに限らずゴールドでもそうなのですが地金を溶かす
という事は火花になって散っていく地金も出てくるんですね

例えば今回の場合、3本のリングを溶かしましたが目減りが
あるので3本分のPTリングよりも総重量が軽くなるんです
そこら辺も含めて新しいプラチナを追加して溶かしたんです

指輪 溶かしてリメイク

太陽のように眩しくてエネルギッシュ!

プラチナが溶ける姿は太陽のように強いパワーを感じます
眩しさといい熱風といいプラチナのエネルギーは凄まじい!

プラチナリングを3本重ねて溶かしているという事は上から
順番に溶けていく事になるのでプラチナリングが全て溶けて
全部が綺麗に混ざるように万遍なく炎を当てて溶かします

プラチナ 指輪 溶かす リメイク

今まで長年使ってきた愛着のある結婚指輪をリフォームする

というのは勇気がいる事だったりすると思いますが同じ地金
で作り直せるというメリットが凄く大きいのでご安心下さい

結婚記念日10周年、20周年、30周年など10周年単位
で結婚指輪を新しく作り替えるご夫婦が多いと感じています
結婚指輪を25年作っている私としたら凄く嬉しい事ですね

プラチナ指輪 溶解

プラチナリングが完全に溶けました

溶解皿の中で丸くなって溶けて、そして固まったプラチナ
プラチナが溶けるとこのような状態になるんですね(^-^)

旦那様の結婚指輪、奥様の結婚指輪と婚約指輪の計3本が
1つになった瞬間です!これだけでも感動巨編です(涙)

これでプラチナリング3本の溶解作業が完了となります
これから新しい結婚20周年の結婚指輪の制作となります

プラチナの塊

プラチナの塊を2つにしてから
先に奥様の指輪制作をスタート!

まずは奥様の結婚指輪と婚約指輪の兼用リングを先に制作
溶かしたプラチナ塊を2つにしてダイヤに合わせて作ります

ご夫婦でお揃いのデザインであれば、まだこの段階で2つに
する必要はないのですが、デザインが違うので最初の段階で
2つにして別々に指輪を作っていく方法が向いているんです

プラチナ 鍛冶

鍛冶作業のスタート

鍛える地金と書いて鍛金(たんきん)という作業がスタート
2つにしたプラチナの1つをまず先に使っていきます(^-^)

文字通りリングの素材となるプラチナを鍛え上げる作業です
聞き慣れた分かりやすい言葉でいうと、鍛冶(かじ)ですね

金床という鉄板台にプラチナを乗せて金槌で叩きまくります
ヤットコというペンチに似た掴む工具でしっかり固定をして
プラチナを潰して伸ばすイメージで金槌で叩きまくります!

鍛金

鍛金作業に”焼きなまし”は必須

万遍なくプラチナを叩いて伸ばす為に四面から叩き上げます

一定箇所だけを集中して叩くのではなく万遍なくがポイント
※プラチナを万遍なく鍛え上げる為にはバランスよく叩く事

分厚い金床に乗せて、ハンマーで力強く叩かれたプラチナは
どんどん締まって硬くなっていきます(締めるとも言います)

叩いて締め上げるたびに地金が硬くなるのですが締め上げる
限界がやってきます(硬くなりすぎるとそれ以上締めれない)
そこで炎で真っ赤にして柔らかくします(これが焼きなまし)

鍛冶

鍛造リングは密度が高いリング

鍛金で鍛えた素材でリングを作るので鍛造リングと言います

素材を金槌で叩いて締め上げて、炎で焼きなましの繰り返し
手間は凄くかかりますが実はこの連続作業で密度が増します

プラチナの中に含まれる微量な空気が放出していくんですね
同時に相乗効果で素材の粒子が整って締まって密度がアップ
結婚指輪の密度を増す為(上げる為)に鍛えていたんですね

月形リング 作り方

密度が増した鍛造リングは変形に強い!

鍛えた地金で創った鍛造リングは頑丈で変形に強いんです!
変形しにくい結婚指輪は本当に魅力的で理想ですよね(^-^)

ちなみに一般のジュエリーショップで販売をしている指輪は
鋳造(ちゅうぞう)という製造方法で鍛造製法とは別物です

鋳造は予め用意したリングの原型に溶かした地金を流し込み
固めて作るという製法なので金槌で叩いたりは一切しません

なので微量な空気が残っている事も多くて巣穴があるんです
そして大量生産が可能なので世の中の貴金属はほぼ鋳造です
その逆に鍛造は極めて珍しく1%しかないと言われています

○鍛造(たんぞう)素材を叩いて焼いて締めて削って造る
○鋳造(ちゅうぞう)溶かした素材を型に流して固めて造る

月形指輪 作り方

月形リングのベースを鍛造

まだまだ鍛えて造る鍛造作業は続いていきますよ(^ω^)
四角形に成形をしたプラチナを今度は月形に成形をします

月形とは三日月のように真ん中の幅は広くて肉厚も厚い事
リングを横から見た時に三日月に見える事から月形リング

ちなみに月形リングの形状には代表的な形が2つあります
平らな月形平打ちリング、甲丸のように丸い月形甲丸リング
今、制作をしている月形を分類すると平打ち月形リングです

月形リング 鍛造

ダイヤを埋め込む部分は肉厚で幅広に

指輪を横から見た時に三日月の形になるように作りますが
1番肉厚で1番幅が広い部分にダイヤが埋め込められます

ダイヤモンドのサイズによって手作りをする月形も違って
ダイヤの直径と肉厚のバランスを考えて鍛造制作をします

幅以上に1番重要になるのがダイヤモンドの肉厚(高さ)
ダイヤの尖ったお尻が指輪から出ないようにするんですね

月形リング プラチナ

綺麗な月形リングになるように整える

大きいハンマーと、小さいハンマーを使い分けて整えます
最初は大きいハンマーで勢いよく叩いて伸ばしていきます

ある程度の月形になるまで大きいハンマーで良いのですが
細かいサイズ調整をする時には小さいハンマーを使います
小さい方が細かく叩けてサイズの微調整が可能になります

そして月形を見ると分かるのですが中心の幅広&肉厚部分
を中心として両サイドに地金が伸びて幅も肉厚も細くなり
薄くなるので両サイドが同サイズになるように合わせます

月形リング 刻印 誕生石

月形リングに刻印と誕生石

月形リングのベースとなる地金板が完成しました(^ω^)

この地金板を丸めると綺麗な月形リングになるのですが
丸める前に月形リングの内側になる部分に印を入れます

ジュエリーコウキで手作りをしたリングに入れる jk 刻印
指輪の素材、プラチナを証明するpt900の刻印を入れます

そして溶かす前の婚約指輪と結婚指輪から外した誕生石の
サファイヤ2つ分の穴を開けます(奥様は2つ入れます)

月形リング 丸め方

綺麗な月形リングになるように丸める

丸棒という鉄の棒で月形リングとなる地金板を丸めます

丸棒に地金板を当ててハンマーで叩いて丸めていきます
地金板を丸棒に”巻き付けるイメージ”で叩くと丸まります

リングの丸め方は職人さんによって様々とあるのですが
私の場合、より綺麗に丸めたいので丸棒を使って丸めます

指輪 丸め方

繋ぎ目に隙間が出ないように合わせる

地金板を丸めた時のリングの繋ぎ目に隙間が出ないように
丸める事が最大のポイントで、とっても重要になるんです

丸めた後にロー付け(ロウ付け)という指輪の溶接をする
のですが隙間があるとロウ付けをした時に不具合がでる事
が多々あるんです(例えば食い込みやヒビ割れの原因です)

今後、長くする結婚指輪ですのでロウ付けは凄く重要です
不具合が出ないようにロウ付けには細心の注意を払います

月形リング ロウ付け

ロウ付けより強力なトモ付け(ともづけ)

指輪の溶接の事をロウ付けと言いますと説明をしましたが

実はロウ付けよりも更に強力で頑丈な溶接があるんです!
それが共付け(ともずけ)と言いますが難易度が高いです

ロウ付けとはリング本体のプラチナよりも弱いロウという
地金を使って溶かすのですが、共付けはリング本体と同じ
地金をロウとして使うので融点が同じなので難しいんです

極めて難易度が高い共付けですがメリットが大きいんです
同じ地金なので相性も良く強度も強く変色も無いんですね

月形リング 伸ばし

月形リングのサイズを合わせる

共付けが完了すれば晴れて月形リングとなります(^ω^)
再び月形リングを丸棒に入れて金槌で叩いて成形をします

ここでする成形というのは完璧な綺麗な円、真円にする事
そしてお客様の指のサイズまで伸ばしていくとう事ですね

手作りですので細かいサイズにも対応できるのも強みです
例えば1号単位ではなく0.5号単位でも対応ができます

月形リング 幅を削る

彫金作業の開始

彫金(ちょうきん)とは、地金を彫ったり削ったりして
地金で形を作ったりデザインを入れていく手法の事です

まずは月形リングの幅の広さを削って合わせていきます

指輪の両側面のバランスを取りながらヤスリで削ります
ダイヤモンドのサイズを見て計りながらの彫金作業です

月形リング 高さを削る

指輪の広さを合わせたら肉厚も合わせる

月形リングの幅の広さが確定したら次は肉厚の彫金作業

ダイヤモンドが入るセンタートップ部分がメインですが
そこだけ肉厚を合わせれば良いという訳でもありません

センターだけを合わせるとリングのバランスが崩れます

センターを中心として他の肉厚も合わせていくんですよ
リング全体のバランスが合うように全体を削るんですね

月形リング 厚みを揃える

婚約指輪と結婚指輪の兼用

月形リングの作り方をご紹介しているようになりましたが

月形はベースのフォルムで、婚約指輪と結婚指輪の兼用で
使えるウエディングリングを作っているという事です(^-^)

ウエディングリングとは結婚指輪も婚約指輪も含まれます

という事で兼用リングの場合でもウエディングリングです
結婚指輪としても婚約指輪としても使えて最高ですよね!

ウエディングリング 作り方

ダイヤを入れる石枠を作る

めちゃくちゃ細かいダイヤ部分の彫金作業が始まります

さっきまでの彫金作業はヤスリで削るのがメインでしたが
ダイヤが入る石枠はヤスリだけで形にする事が難しいです

細かい部分も削れる精密ヤスリをメインで使う道具として
他にリューターの先端に設置して高速回転で使う先端工具
他に鏨(たがね)といって彫刻刀のような小さい刃を使用

エンゲージリング 作り方

結婚指輪と婚約指輪の兼用になるウエディングリングです
兼用という事は見方によってはどちらにも見えるという事

リフォーム前の婚約指輪は定番の6本爪でしたよね(^-^)
これは誰が見ても婚約指輪で結婚指輪には見えませんよね

しかし今回は兼用リングなので結婚指輪にも見える必要性
が絶対にありますので爪は使わずに伏せ込みという石留め
で婚約指輪&結婚指輪にもどちらにも見せる事が出来ます

婚約指輪 作り方

伏せ込みという石留めとは

伏せ込み(ふせこみ)という石留め方法とはルース周辺の
地金を鏨で叩いて縁を作りルースを額縁のように留めます

フチを作って爪の代わりにしてルースを抑えて留める方法

一般的に伏せ込みというとルース全体を地金で埋め込んで
いく方法なのですが写真のように一部でも伏せ込みは可能

普通の伏せ込みだとルースに合わせて枠を下げていきます

しかし今回はルースの一部を抑えるので一工夫が必要です
ダイヤの角やお尻が石枠に収まるように細かく合わせます

婚約指輪 枠作り

石枠を磨いて光らせる

ダイヤモンドのサイズに合わせて彫金作業をしてピッタリ
ダイヤモンドが収まるようになったらピカピカに磨きます

ダイヤの台座も含め石枠全体を徹底的に磨いて光らせます

無色透明で反射度も極めて高いダイヤモンドですので石枠
が光っていないとダイヤに写り込んでダイヤも光りません

石枠がピッカピカに光ればダイヤも相乗効果で光ります!

ダイヤリング 石留め方法

ダイヤモンドの石留め作業

ウエディングリングにダイヤを留めていく石留め作業です
ダイヤモンドを石枠に入れズレがないか確認したら石留め

石留め専用の鏨(たがね)の先端をダイヤの周りの地金に
当てて鏨の上をハンマーでコンコン叩いて地金を伸ばして
縁を作って額縁のようにしてダイヤを抑え込んで留めます

※鏨でダイヤを叩かないように!衝撃でダイヤが割れます

ダイヤリング 伏せ込み

指輪にダイヤモンドが入りました

ダイヤモンドの伏せ込み作業が無事に完了しました(^ω^)

フチでがっちりとダイヤが留まっているのが分かりますね
6本爪に関わらず爪でルースを留めるより外れにくいです

爪は、服などの繊維が爪の隙間に入って引っかかって爪が
起き上がってルースが外れる可能性もあるのですがフチの
場合はフチが起き上がるという心配はほどんとありません

特に今回の場合は結婚指輪と婚約指輪の兼用リングなので
結婚指輪として見ても毎日つけるので外れにくい方が良い!

ダイヤリング 滑らか

リングの側面を滑らかに

兼用になる指輪ですので”付け心地は重要なポイント”です

今までの立て爪めダイヤリングは毎日使いませんでしたが
兼用となると結婚指輪としても婚約指輪としても使います

一般的な結婚指輪は同じ幅で同じ厚みが多いのが普通です
その方が結婚指輪が回っても違和感なく使えるからですね

しかし今回はダイヤモンドが入っているので同じ幅&肉厚
ではなくダイヤが入っているトップが分厚くなっています

分厚い部分があるという事は側面の面積が増えるという事

そこが付け心地に影響してくるので影響が少なくなるよう
側面部分を丸く滑らかにすると付け心地が良くなります!

ダイヤリング 角落とし

リングの角を無くす

続けて”リングの表面”の付け心地を良くする為の作業です
側面を丸く削りましたが表面を丸く削ると甲丸になります

こちらのデザインは甲丸ではなく平打ちがベースですので
平打ちフォルムが損なわれないように角を削り落とします

月形平打ちリングの角を削り落とすだけでも付け心地はUP
どうしても角が痛くなる原因なので落とせば良くなります

しかし付け心地が良くなるからといって角の落とし過ぎは
駄目です!この次の作業で平打ちの面にミルを入れるので
角を落とし過ぎるとミルを入れるスペースが減るからです

エンゲージリング 作り方

ミル打ちを入れる箇所を決める

先程も言いましたがウエディングリングにミルを入れます

ミルとは小さい球体のデザインでミル打ちとも呼ばれます
ミル打ちにも大きさが何通りもあって見た目も変わります

ミルが大きければ球体がハッキリと見えますしミル打ちが
小さければ球体というより小さいダイヤモンドに見えます

こちらの結婚指輪と婚約指輪の兼用リングは月形フォルム
という事で幅の広さが上下で全然違うのでミルの大きさも
替えていきながらグラデーションになるように位置を決定

エンゲージリング ライン

糸ノコギリでラインを刻んでいきます

糸ノコギリでラインを深めに入れる事でスペースを確保
ある程度の深いラインで区切る事でデザインが締まります

糸ノコギリをツルッと滑らせないように注意が必要です!

鋭利な刃ですので深い傷が簡単に指輪についてしまいます
指輪作りがここまで来ると傷を消す事が簡単にできません

エンゲージリング ライン入れ方

彫り専用の鏨も使ってラインを入れる

糸ノコギリだけではライン入れに限界が出てきますので
彫り専用の鏨(彫刻刀のような鏨)を使い彫り進めます

やり方は彫刻刀や大工道具のノミと同じ要領で使います
鏨の刃を地金に当てて、金槌で鏨を叩くと彫れます(^-^)

糸ノコギリで刻んだラインの上から彫っても光りますが
ラインが2重に重ならないように注意して彫り進めます

ダイヤリング ライン入り

リングにミル打ち

指輪に入れたラインスペースにミルを打ち込んでいきます
ミル打ちがグラデーションになるように考えて入れます!

1番先端のミルは大きいミルで下にいくに従い小さいミル
になるので、バランスを考えて1つ1つ手作業で入れます

奥様の兼用リングにミルを打ち込んでいますが、旦那様の
結婚指輪にもミル打ちが入るので相互性があります(^-^)

ミル 入れ方

1つ1つ丁寧にミル打ち

同じ大きさのミル打ちを入れるなら間隔と深さだけ考えて
打ち込んでいくのですが今回の場合はグラデーションです

間隔も深さも考えながらミルの大きさも考えて入れます

ミルの大きさが突然小さくなるとバランスが悪くなるので
1番大きいミルを基準として段階的に小さくしていきます

ミル打ち 打ち込み方

ミル打ちを左右対称に

上の画像と下の画像のミルの大きさを比べてみて下さい

左右のミル打ちの大きさが一致している事が分かります
ウエディングリングをどちらから見てもバランスが一緒

左右対称になるようにセンターの大きいミル2ヵ所から
ミル打ちをスタートして鏨の大きさを変える位置も同じ
だからこそ左右対称でミル打ちを入れられるんです(^-^)

ミル 打ち込み方

金槌で叩いて球体に膨らみを出す

1つ1つ手打ちでミルを打ち込んでいきましたが最後は
ミル鏨を金槌で叩いて球体に立体感がでるようにします

1つ1つ全てのミルを同じ力加減で叩いて出していきます

同じ力加減でないとミルの膨らみが変わってくるんですね
並んだミル打ちの高さも同じに見えるよう高さも揃えます

結婚指輪 ミル打ち

ミル打ちリング サイズ直しは可能?不可能?

お問い合わせで「ミルの指輪はサイズ直しが出来ますか?」
という内容の質問がよく届くのですが結論から言うと

サイズ直しは可能です!ですが・・・

ですが・・・が気になりますがサイズ直しは出来るんです

ただサイズ直しをする部分にミルがあった場合は切ります
サイズ直しは基本的にリングの何もない下部を切断します

そこにミル打ちがあれば切断をするしかないという事です

サイズ直し後にミルの修復作業をしますが指輪の状態次第
ではミルを元通り修復できない可能性もあるという事です

婚約指輪 ミル打ち

綺麗にミル打ちが繋がっています

大きいミルから小さいミルまでバランスが完璧です(^ω^)
ミルの間隔、高さと膨らみも揃っているのが分かります

出来合いの既製品でミル打ちの指輪は ほぼ機械で入れます
原型の段階ですでにミルが入っているものが大多数ですね

私のように手作業でミルを打ち込むのは ほんの一握りです

指輪 内甲丸

リングの付け心地を良くする

指輪の付け心地を良くする為に先程はリングの角を落とし
そして側面を丸めて滑らかにしましたが次は内側です(^-^)

ウエディングリングの内側は真っ平ですので、まずは角を
削り落としてそれから内側が甲丸になるように丸くします

指輪の内側が甲丸のように丸くなる事を内甲丸と言います

指輪 内甲丸 やり方

内甲丸になるとメリットがいっぱい(^-^)

写真を見るとリングの内側が丸まっているのが分かります
こちらが内甲丸(うちこうまる)という丸め方になります

内甲丸のメリットは付け心地が良くなるというのが1番の
メリットですが他にも指を曲げても痛くない、水や汗など
水分が捌けやすいので衛生的(水はけが良い&乾きやすい)

リングを常に付けていてもストレスを感じないというのが
毎日する結婚指輪に本当にありがたく良い事ですよね(^-^)

プラチナリング 傷消し

プラチナリングの小傷を消す

ヤスリで彫金作業が続いていたプラチナリングは傷だらけ
大きい傷や小さい傷、深い傷や浅い傷など色んな傷だらけ

色んな種類の傷を消す為に耐水性の紙ヤスリが超使えます
耐水性なので水を含ませて擦れば効果が倍増していきます

水をつけて仕上げる事で、紙ヤスリの研磨砂と水が混ざり
傷の形や深さに関係なく奥まで浸透して消えやすいんです

傷を奥から消していくという事で綺麗に消す事が出来ます

指輪の中側 誕生石の入れ方

誕生石の石留め~誕生石の入れ方

リフォームをする前に(溶かす前に)誕生石を外しました

ご夫妻の結婚指輪に1個づつ合計2ピースのサファイヤと
婚約指輪に1ピースのサファイヤが入っていましたよね

全部で3ピースのサファイヤがあるのですが、奥様の指輪
にもともと合計2ピース入っていたので新しくリフォーム
をしたウエディングリングにもサファイヤを2つ戻します

指輪の内側 誕生石

四点留めで誕生石を留める

1つの誕生石に4つの小さい爪で対角線上に留めます
この石留め方法を四点留め(よんてんどめ)と言います

あくまで例え話ですが4つの爪のうち1つが何かの原因で
無くなったとしても3つの爪が残っていれば外れません!

石留め方法では1番ポピュラーな定番の石留め方法ですね

指輪 中を磨く

リングの内側と側面を仕上げていきます

シリコンポインターという研磨ゴムでプラチナリングの
内側(中側)と両方の側面を磨いて仕上げていきます

リューターという歯科医師さんが使うような道具の先端に
シリコンポインターをセットして高速回転で回して使用

かなりの高速回転ですので同じ箇所で回し続けると地金が
凹むのでポインターを万遍なくリングに当てて使用します

ミル打ち 磨き方

磨き用のシリコンポインターで光らせる

シリコンポインターは大きく分類すると2種類あります

ブラウンのポインターには研磨材が含まれた研磨用のゴム
ブルーのポインターは研磨材が一切無くて磨き専用のゴム

プラチナリングの光らせたい部分のみブルーを使用します

ミル打ちも光らせるのでブルーを使って仕上げていきます
ミル打ち以外の表面は特殊なマット加工を施します(^ω^)

プラチナリング ヘラ掛け やり方

ヘラ掛け(へらがけ)

ブルーのシリコンポインターで磨くと光沢に光りますが
プラチナ独特の鏡のような反射をする鏡面ではありません

鏡面にする為には鏡面仕上げという仕上げ方でする必要が
あります。ヘラ棒という道具を使うのですが仕上げ方法は
ヘラ棒をプラチナに押し付けて潰すように伸ばして磨く!

早い話が面を潰して鏡面を生み出すという珍しい手法です
昔の職人さんも今の職人さんもヘラ掛けはずっと同じです

機械が発展している現代でもこのような磨き方をします!

ダイヤリング バフ掛け やり方

バフ掛け(ばふがけ)

ヘラ掛けに似ている言葉ですよね~バフ掛けは(^ω^)

バフとは地金を磨く為の布が束になってできた道具です
こちらのバフも同様に高速回転で回して地金を磨きます

写真はリューターにセットする小さいタイプのバフですが
大きいバフはバフ機という大きなグラインダーもあります

リューターよりも更に高速回転をしてパワーも凄いんです

指輪 ダイヤを使ってマット加工

ダイヤモンドの先端工具で美しいマット加工

ウエディングリングのミル以外の表面をマットに施します
通常の艶消しのマット加工とは全く違ったマット加工です

通常のマット加工は艶が無くて白くなるのですが、ダイヤ
を使ったマット加工はキラキラと美しく光るマットの輝き

まるでダイヤモンドダストのように見える仕上げ方ですね

エンゲージリング ミル打ち

ダイヤの先端工具を高速回転で回して傷を付けるんですが

ダイヤバーのカットが綺麗だとカット部分でスパッと地金
をカットするので反射する面が出るという仕組みです(^-^)

肉眼では分かりませんがルーペで拡大をして地金を見ると
地金が細かくダイヤでカットされているのが分かるんです

それが集まるとダイヤモンドダストのように光り輝きます

ホームセンターなどで販売をしているダイヤバーではなく
ジュエリーを作る為のメーカーが販売をしているバーです

荒いダイヤバーだと傷になって台無しになる可能性大です

婚約指輪 ミルグレイン

結婚指輪と婚約指輪の兼用リングが完成!

ついに奥様の指輪、兼用となるウエディングリングが完成

こだわりが沢山詰まった結婚20周年記念の指輪です(^-^)
リフォーム前のリングから想像ができないデザインに変身!

普段使いができるように気になっていたダイヤモンドの高さ
をギリギリまで下げましたので違和感も少なくて済みますし
結婚指輪と同じ使い方で使って頂いても丈夫なので安心です

伏せ込みでダイヤを留めてありますので立て爪めリングより
断然邪魔になりませんので普通の結婚指輪と何ら変わりません

婚約指輪 マット加工

奥様の兼用になるウエディングリングが完成したという事で
次の作業からは旦那様の結婚指輪の制作へと進みます(^ω^)

この記事の最初の方で1つのプラチナを2つにしましたが
そのもう1つのプラチナを使って結婚指輪を手作りします

久々に長い記事になりますが完成までよろしくお願いします

結婚指輪 極太を作る

もう1つのプラチナで旦那様の結婚指輪を作る

奥様のウエディングリングの制作工程で鍛造製法の仕組みを
詳しく書きましたので、鍛冶作業2回目となる今回は鍛冶の
様子を少し省かせて頂きますのでご了承下さいませm(__)m

もう1つのプラチナも同じように金槌で叩いて焼きなましを
繰り返して結婚指輪の密度を上げながらベース板を作ります

奥様の兼用リングを作った工程と鍛冶の工程が違っています
奥様の兼用リングのフォルムは月形でしたが旦那様は平打ち

フラット面で肉厚と幅が一定して同じ平打ちがフォルムです

結婚指輪 幅広を作る

ちなみに旦那様の結婚指輪の幅は 6.5mmの幅広になります

肉厚も分厚くなるのでリフォームをする前の結婚指輪よりも
リフォームをした指輪の方が幅も肉厚もサイズアップします

鍛冶でプラチナ板を鍛えながら伸ばして指輪のベースが完成
したら刻印を入れて(奥様と同じ工程です)そして丸めます

幅広リング 丸め方

幅広リングを丸めるのは大変(汗)

丸棒に地金板を押し当てて巻き付ける要領で叩いて丸めます

厚みにバラつきがある月形のリングを綺麗に丸めるのも大変
ですが幅と厚みが揃っていても幅広いと丸めにくいです(汗)

どうしてもリングの面積が多くなるので硬さも増すからです
焦らずゆっくりと金槌で叩きながら丸めるようにしましょう

結婚指輪 6ミリ以上

合わせた繋ぎ目には隙間が出ないようにキッチリ合わせます

繋ぎ目に隙間があるとロー付けを行った時に食い込んだり
ヒビ割れが入ったり不具合が出る可能性が非常に高い為です

隙間を無くした繋ぎ目に薄く伸ばしたプラチナを挟み込んで
奥様のリングを共付けをした時と同じように共付けをします

幅広の結婚指輪なので溶かすのが難しいので気を付けて溶接

幅広リング ロー付け

ファイヤアアアアアアー!!

2度目のファイヤーですね!幅広いので溶けそうで怖いw

共付けは作業は緊張感があってドキドキしますが楽しいです
溶けてしまったらどうしようというギリギリの感覚がグッド

しかし実際に溶かしてしまうと失敗となってしまいますので
スリルを味わいながらキッチリ共付けを成功させるのがプロ

幅が広いほど溶接面が多いので指輪の端が溶けやすいんです

幅広リング サイズ伸ばす

リングを真円にしてサイズ伸ばし

月形リングと平打ちリングは制作工程は少し違いますが
基本的には同じような工程を経てリングを作っていきます

指輪作りの基本がしっかりしているからブレないという事
フォルムやデザインが違っても応用をして作れるんですね

丸棒に幅広リングを入れて金槌で叩いて真円に成形してから
お客様の指のサイズまで金槌で叩いて伸ばして調整をします

結婚指輪 幅を削る

6.5mm幅に削って側面を綺麗に仕上げる

幅広の指輪なので擦り板にしっかりと指輪を固定をしないと
幅を削っている時にヤスリに持っていかれます(引っかかる)

指輪が擦り板から離れないように力を入れて削っていきます

幅の広さを削る=リングの側面を削る事
6.5mm幅に削ったら両側面に削り傷がないように仕上げます
旦那様の結婚指輪の両側面にはミル打ちが入る為です(^ω^)

奥様の結婚指輪は表面にミル打ち、旦那様の結婚指輪は側面に
ミル打ち、共通の結婚指輪のデザインがミルという事なんです

もう1つデザインに共通点があってダイヤでのマット加工です

指輪の側面にミル打ち

それでは、ミル打ちが両側面に入っていく過程を
連続画像でご覧ください!余計な説明は不要だと
思うので画像でミル打ちのやり方を見てください

結婚指輪 ミル打ち 入れ方
結婚指輪 ミル打ち やり方
結婚指輪 ミル打ち 側面
結婚指輪 横 ミル打ち
結婚指輪 平打ち ミル打ち

1つ1つ手作業でミル打ちをしていますが、最後の1つまで
ピッタリと側面に入る技術は自分でも凄いと思います(*´Д`)

もちろんある程度の計算はしていますが計算通りになりません
ミル打ちをしながら僅かな修正をして数を合わせているんです

基本的なミル打ちの流れはミル鏨(ナナコ鏨)で印をつけます
手作業で軽く入れる(手打ち込み)仮打ちのようなものですね
仮打ちで間隔や位置を確認してOKなら金槌で強く入れて完成!

平打ち 作り方

フラットな平打ち指輪に仕上げる

リングを真円にしたりサイズを調整したりでリングの表面を
ハンマーで叩き続けていたので表面は凹凸になっております

これがいわゆる鎚目(つちめ)といわれる伝統的な模様です

鎚目模様で仕上げる場合は、このままの表面で良いのですが
真っ平でフラットの平打ちリングにするので凹凸を削ります

平打ちリングの幅と同じサイズのヤスリを用意して削ります

平打ちリング ヘアーライン

細い線が重なったヘアラインの平打ちリング

アブラメヤスリという目の細かいヤスリで地金の面を削ると
髪の毛のような細いラインが重なり合い繊細な模様がでます

これがヘアーラインと言われる模様で荒仕上げとも言います

更に細かいサンドペーパーで仕上げるとヘアーラインの線が
もっと細かくなって繊細なヘアーラインにもなります(^-^)

ヘアーラインで仕上げた結婚指輪も魅力的で人気があります
しかし今回は鎚目でもなくヘアーラインでもなくマットです

一般的なマット加工ではなくダイヤでするマット加工ですよ
マット加工の前に、結婚指輪の付け心地を良くする作業です

平打ち指輪 付け心地が良い

太い指輪でも内側は内甲丸にする

奥様の兼用リングの内側も付け心地を良くする為に内甲丸に
しましたが、旦那様の結婚指輪も同じように内甲丸にします

特に今回の平打ちリングは幅が広いです 6.5mmもあります

指輪の幅が広ければ広いほど面積が多くなりキツク感じます
キツク感じないように角を削って丸めて内甲丸に仕上げます

平打ち指輪 内甲丸

幅の広いリングを内甲丸にする場合は肉厚が必要になります
これは幅の広さに比例してくるので広ければ肉厚も厚くです

特に幅の広い平打ちリングは水はけが悪くなってしまいます
ですので内甲丸にして水はけを良くする事が重要になります

当店では10mmもある指輪もよく作りますが全て内甲丸です

平打ち指輪 傷消し

耐水性の紙ヤスリで小傷を徹底的に消す

奥様の兼用リングの時と同じく耐水性の紙ヤスリで徹底的に
小傷を消していきます(ここからの工程は一緒になります)

ヘアーラインになっている指輪表面も紙ヤスリで仕上げます

ミル打ちが打ち込まれている側面も内甲丸の内側も全部です
徹底的に傷を取り除く事で完成度(出来栄え)に差が出ます

平打ち指輪 中を磨く

シリコンポインターで更に滑らかに

幅が太い結婚指輪は、それだけで面積が大きいので仕上げを
する面積も広くなりますので仕上げ方にムラが出ないように
注意をしながらシリコンポインターで全体を滑らかにします

平打ち指輪 鏡面仕上げ

ヘラ掛けも範囲が広いので丁寧に

鏡のように光る鏡面仕上げにはヘラ掛けが必須になりますが
やはりヘラ掛けの範囲が広いのでムラが出ないようにします

平打ちの表面は、マット加工をするのでヘラ掛けはしません

平打ち指輪 磨き方

バフ掛けも範囲が広いので丁寧に

他の仕上げ同様にバフ掛けの範囲も広いので丁寧にします
曇りの無いピカピカの鏡面になるようにガンガン磨きます

平打ちリングの両側面にあるミル打ちにもバフを当てます
1つ1つ球体が光った球体になるように心がけて磨きます

平打ちリング 誕生石

リングの内側に誕生石と日付刻印を入れる

旦那様の平打ち結婚指輪にはサファイヤが1つ入ります

ご夫妻の結婚記念日の日付やイニシャルの刻印を入れます
リフォームした結婚指輪の完成が近づいて来ました(^-^)

いよいよ次でする作業が指輪作りの最後の工程となります
最後の作業工程は、ダイヤモンドでマット仕上げをします

マットも平打ちリングの幅が広いのでムラが出ないように
平打ちリングと同じ幅があるダイヤの先端工具を使います
リング幅より大きい工具は問題ないですが小さいのは駄目

平打ちリング マット

婚約指輪と結婚指輪を溶かして
新しい結婚指輪にリフォーム!

ついに完成いたしました!新しい結婚指輪の誕生です!

20周年の結婚記念日に20年間つけていた結婚指輪を
新しくリフォームで作り替えるという感動的なプレゼント

しかも20年間使っていた結婚指輪と婚約指輪を溶かして
作り替えたので素材は20年前のままですので安心です!

同じ素材が形を変えて生まれ変わった瞬間ですね(^ω^)

奥様は兼用となるウエディングリング、旦那様は幅広の
平打ち結婚指輪でフォルムはご夫妻で違いますがデザイン
は共通点があります(ミル打ち&ダイヤのマット加工)

2本の指輪を並べてみると凄い素敵な結婚指輪ですよね

結婚記念日にリフォームした結婚指輪

リフォームをした結婚指輪の詳細

○下地金有 結婚指輪2本 婚約指輪1本
○製造方法 鍛造(たんぞう)
○使用地金 プラチナ900(pt900)
○指輪の幅 メンズ6.5mm レディースはダイヤに合わせて制作
○指輪の厚 メンズ1.8mm レディースはダイヤに合わせて制作
○デザイン メンズは平打ち レディースは月形 どちらもミル
○仕上げ方 ダイヤモンドでマット加工 それ以外は鏡面仕上げ

 

大切な結婚指輪のリフォームのご依頼を頂きましたお客様には
心から本当に感謝いたします。誠にありがとう御座いました!
そして記事を最後まで読んで頂いた方にも感謝感謝ですm(__)m

記事の最後に、今回ご紹介をさせて頂いた結婚20周年記念で
リフォームをして新しく作った結婚指輪を動画で撮影しました
色々な角度から結婚指輪が見れますので是非ご覧くださいませ

 

 

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今までリメイクをした過去のリメイク記事が沢山あります
リメイクの参考にご覧下さいませ → 過去のリメイク記事

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪

世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント以下と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法

熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

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