幅広9mmの太い指輪【曲線美・平甲丸リング】滑らかなエッジのない指輪

鍛造リング専門店(株)ジュエリーコウキ
2代目の私、池田が書く指輪作りの日記です

今回の指輪作り日記で、ご紹介をするリングは
なかなかパンチのある作り応えのある指輪です

パンチが効いていてインパクト満点なんですが
美しい曲線美が特徴なフォルムをしております

パンチが効いているのにシンプルという矛盾
相反すると思われがちですが決してそうでもなく
簡単にですが、リングのデザインをお伝えすると

幅広の指輪で、幅の太さが9mm
肉厚が2.6mmもある平甲丸リング
角が一切ない シンプルな曲線美が魅力

極太リングですのでインパクト満点なんですが
平打ちと甲丸の中間で仕上げた平甲丸デザイン
指輪の表面から側面、裏側とラインで繋がります

説明だけではやっぱり難しいので(汗)
既に完成していますので動画でご覧ください
シンプルでフォルムが滑らかなプラチナリング

こちらの幅広のプラチナリングを制作いたします
9mmもある太目の指輪なのにラインが綺麗でしょ?
この最大の理由は、エッジが100%ないからです

分かりやすくいうと角というか凹凸が一切なくて
全面がツルツルのフォルムに仕上げてあるからです。

極太プラチナリングの側面

表面、側面、裏面、どこにも角が存在していません
優しい形状で指輪として着け心地が最高クラスです

こちらの平甲丸リングの制作工程の記事となります
完成するまでの様子を楽しんでご覧ください(^ω^)

 

 

プラチナ(白金)の熔解

ジュエリーコウキではリングを作る最初の作業は
プラチナを溶かして塊にする所から始まるんです

これから作ろうとするリングに必要なプラチナの
重さを計算して用意して溶かして塊にするんです
今回のリングは幅広&肉厚なので相当な重さです。

溶かしたプラチナ900

プラチナ(白金)の融点は約1770度

強烈な火力がでる酸素バーナーで溶かします
地金を溶かす作業を溶解(ようかい)と言います
地金が溶ける温度を融点(ゆうてん)と言います

白金が溶け始めると肉眼で見る事が出来ません
太陽のように凄いエネルギーと閃光を放ちますので
溶接専用の眼鏡をつけ火傷に注意して作業をします。

鍛金 プラチナをヤットコで掴んで金槌で叩く

素材を鍛え上げる

プラチナリングの素材はもちろんプラチナです
ジュエリーコウキでは、リングを作る前の段階で
リングの素材を鍛えぬいて素材から造り上げます

一般的な普通の宝石店では絶対にない工程ですよね
鍛造(たんぞう)といって鍛えて造る製法なんです
当店は鍛造ジュエリー専門のジュエリーショップです

2代目の私、池田が培った鍛造技術で指輪を作ります
もうかれこれ24年かけて鍛造技術を磨き上げました
何年経っても修業だと思いますが腕には自身があります!

角床にプラチナを置いて金槌で叩いて成形

四角形に成形をしながら叩く

角床(かくとこ)という鉄板台にプラチナ塊を置き
鉄製のハンマー(金槌)で、ガンガン叩き上げます
職人の言葉で「地金を絞めあげる」と言っています

適当に叩いていくのではなく四角形になるように
四面をバランスよく叩きながら成形をしていきます

ちなみに、どうして四角形にするのか?
最終的には正方形ではなくて板状になります
これから作るリングの幅の太さと肉厚にするんです。

ナマス=焼きを入れる

地金に焼きを入れる事を業界ではナマスと言います
焼きなまし ナマシ とも言われていますね
金槌で叩くだけではなく炎で焼きを入れる事も大切

ガンガン叩くだけではプラチナは育ちません(汗)
白金が締まって硬くなるので焼いて戻すんです

何度も何度も叩いて、何度も焼いての繰り返しで
プラチナの粒子が締まって密度がぐんぐん増します
密度が上がったプラチナは粘り強く強度もあります。

プラチナをナマス 焼き入れ

鍛えて造るから鍛造(たんぞう)
作る物が指輪なので鍛造リング

何回も鍛造という言葉がでてきましたが更に詳しく
お伝えすると、地金を鍛える事を鍛金(たんきん)
そして鍛金で鍛えた地金で造る事が鍛造なんです

ややこしや~ですがw
要は、鍛えて造る事をまとめて鍛造と言います
鍛金は作るというよりも素材を鍛えるという意味
聞きなれた一般的な言葉で言えば鍛金=鍛冶です。

鍛金作業(鍛冶作業)の様子を
動画で撮りましたのでご覧ください
エネルギッシュな作業です(*´ω`*)

鍛金作業を続けて最終的には下の写真のように
プラチナを板状(プレート)に成形をします

この板の時点で、これから作るプラチナリングの
リングのサイズと幅の太さと肉厚になっています。

プレートを丸めて指輪の形に

板が指輪のサイズと幅の太さと肉厚になっていると
いう事はそのまま丸めるとピッタリ指輪になります

丸棒とハンマーを使って丸めていく作業なんですが
幅が太くてしかも肉厚なので凄く硬いんです(汗)

強引に曲げようとすると変な形に丸まる恐れがあり
丸まり方によっては肉厚が変わる事もありますので
いくら硬くてもナマシながら少しづつ丸めましょう。

板状のプラチナを丸めて指輪の形にする

共付けの準備

共付け(ともずけ)という溶接作業をするのですが
共に付けるという意味からも同じ素材で溶かします

今回の太いプラチナリングの一部のプラチナを取り
ペラペラに薄く伸ばして、合わせ口に挟みこみます

注意する事は、合わせた口に隙間がないようにする
隙間があると溶接をした時に食い込んで溶けます
ピッタリ隙間を合わせロウが抜けないようにします。

共付けを開始!

隙間なく合わせた部分に、薄く伸ばしたロウを挟む
そしてプラチナを溶解した時と同じようにして溶かす
どちらも同じ素材なので融点は同じ約1770度です

溶解しているのとほとんど変わらないので危険な作業
指輪もロウも同時に溶けるので緊張感MAXです(汗)

ここまで危険な作業をするのには理由があるんです
同じ素材で溶けるので相性がよく一体化するからです
指輪の角が少し溶ける程度で溶接ができれば成功です。

太い指輪のロウ付け 共付け プラチナリング

再び、鍛造で指輪の形を作る

共付けが完了したリングを、再び丸棒に入れます
鍛造リングの真骨頂のような凄い作業が始まります!

プラチナをじっくり何度も鍛える作業も熱いですが
指輪を鍛えて平甲丸にする作業も激熱の作業ですよ!

まずは丸棒に入れたプラチナリングの形を整えます
インパクトが強い金槌でリングをくまなく叩きます
くまなく叩く事により完全な円、真円になるんです。

太い指輪を綺麗な円、真円にするやり方

リングの角を叩いて平甲丸を作る

かなり幅の太い指輪ですので真円にするのは重要です
少しでも歪んでいるとバランスが崩れる為です(汗)
細かく均等に何度も金槌で叩いて真円になったら次へ

プラチナリングの角、この角から叩いていくんです
金槌で叩いて角を潰していきながら形を作るんですよ
左右の角を均一に叩いて、同じ角度で潰していきます。

まず1段目の角、そして2段目、3段目という具合に
プラチナリングの角を1段1段と潰しながら整えます

一般的な平甲丸は、こういう作り方じゃないんですよ
彫金といって、ヤスリで平打ちの状態から角を削って
丸く削りながら平甲丸の形状に合わせていくんです

今している金槌で叩きながら造る鍛造とは別物ですね
叩いて丸くする制作方法の方が何倍も時間がかかります。

指輪の角を端から叩いて落として丸める

プラチナリングをナマス(焼き)

金槌で何千、何万と叩いていくと白金が締まります
締まって硬くなりすぎると地金がカッチカチになって
ハンマーで叩いても跳ね返ってきて、形を整える事が
困難になるので炎で真っ赤に指輪をナマして締まりを
緩くして柔らかくすれば再度フォルムを調節できます

叩いて焼く!このような作業を何度も繰り返します
金槌で平甲丸の形を作っていくという事はこういう事
かなり手間のかかる作業ですが、これが大事なんです。

平甲丸の形状になってきました

プラチナリングの角を段階的に叩いて落として調節して
そんな地道な作業を繰り返す事によって、リングの形が
バランスの良い平甲丸のフォルムになってきましたね

しかしまだ曲線の角度(丸さ)が足りない状態ですので
また同じように指輪の最初の角から叩いて調節をします
端の角を強く叩いて落とせばそれだけ角度が生まれます。

槌目の鍛造リング 金槌で叩いて指輪を平甲丸にする

何度もナマして何度も叩く

リングが綺麗なフォルムになってきましたよね(^ω^)
段階的にリングの角を細かく落とすたびに曲線が成形
カクカクだった叩いた跡も自然に丸まって整ってきます

プラチナリングを削って出した平甲丸の角度ではなくて
ハンマーで叩き上げた衝撃のみで出した角度という事で
さらにプラチナの密度が増して強い素材になっています。

大きいプラチナリングをナマス 焼き入れ作業

平甲丸リングのフォルムが完成!

コツコツと地道な鍛冶を続けてやっと形が完成(^ω^)
ふっくらとして滑らかで柔らかい印象が出ましたね
この太い幅で1番ベストな平甲丸の形状だと思います!

何千、何万とハンマーで叩き上げたので指輪の表面に
槌目という金槌で叩いた時にできる模様が積み重なり
ミラーボールのように細かいカットになって綺麗ですね

このまま仕上げれば槌目リングとして完成となりますが
今回は槌目ではなくツルツルの表面に仕上げていきます。

幅9ミリの極太・鎚目リング プラチナ鍛造リング

太い指輪の金額ですが重量で価格は変わります
お客様のご予算に合わせて幅と肉厚を調節します

ここまで指輪の幅が太くて肉厚もあると値段は?
多くの人が極太リングの値段が気になると思います
こちらの指輪の価格はお客様の物ですので内緒です

しかし一般的には、素材(プラチナやゴールド)の
使った重量で価格が決まるといって間違いありません

※もちろん手間が凄くかかるので工賃も必要ですが
工賃以上にベースとなる素材の重さの方が影響します

指のサイズが大きければ使用する地金も多くなるので
金額も高くなりますし幅も肉厚もあれば高くなります
※お客様のご予算に合わせて作る事をお勧め致します

幅が広い槌目リングの側面を削る

幅広リングの太さを9mmに調整

ハンマーでじっくりと何度も何度も叩き上げたので
プラチナリングの幅が広がって太くなっている状態
指定幅の9mmになるまでヤスリで削っていく作業です

リングの側面を削って幅を調節していくのですが
両側の側面を均等に削っていく事が重量となります

片側だけ集中して削ってしまうと、平甲丸の角度が
変わってしまい肉厚も崩れてしまうので両方の側面を
バランス良く均等に削っていくようにします(^ω^)

幅広なので指輪の着け心地が重要!

プラチナリングの幅を9mmに合わせたら次は中側です
これだけ幅が広い指輪だと普通は着け心地が悪くなり
指を曲げると、きつく感じて場合によっては痛いです
※原因はリングの内側の面積が広いので平面が多い為

しかし私が手作りをする指輪は心配無用です(*´ω`*)
どんなにリングの幅が太くても着け心地は良いです!
それは指の形に合うように滑らかに楕円にする為です。

太い指輪の着け心地を良くする為に内側を丸く削る

プラチナリングの内側の角を段階的に削るんですよ
平甲丸の表面を作ったように、内側も丸くします!

さすがに表面のように金槌で叩いて丸くは無理ですが
ヤスリで削って指にフィットする曲線を出すんですよ
角を何度も落とす事で指への当たりが柔らかくなります。

プラチナリングの表面を滑らかに

指輪の内側を仕上げて、着け心地が良くなったら次は
指輪の表面のカクカクした槌目模様を消していく作業
ヤスリで表面をバランスよく削って整えていきます

槌目模様は大人気なので敢て消すのは勿体ないですが
それはそれ、今回のように柔らかいカーブを強調した
ツルツルでスベスベしたフォルムも綺麗で魅力的です!

太いプラチナリングの彫金 平甲丸に削る

槌目は金槌で叩いた証、しっかりと打ち込まれています
しっかりとした槌目模様なので最初は目の荒いヤスリで
削ってカクカクした槌目のカットを消していきましょう

槌目模様が薄くなってきたら目の細かいヤスリに替えて
平甲丸のカーブの全体バランスを整えながら成形します
目の細かいヤスリで仕上げる事で深い傷が浅くなります。

リングの側面のエッジを丸める

普通の指輪だったら側面はフラットな平のままですが
今回のリングは違います!側面を丸めていくんですね

側面のエッジ(角)を無くして丸める事によって
全ての角が無くなって、面同士が馴染んで繋がります

具体的に言うと、表面と側面と内面が全て繋がります
ラインが繋がるので滑らかな手触りになります(*´ω`*)

エッジが存在しない平甲丸リング

角という角を全て丸めて、面同士が繋がっています
エッジが一切存在しないので当然ですが引っ掛かりが
全くなくて滑らかなリングで着け心地が凄く良いです

リングの見た目もシャープになってまとまっています
エッジがないと形状をキープするのは難しいんですが
逆にここまで綺麗に無くすと柔らかさが強調されます
見た目だけでここまで滑らかに感じられるのは技です。

プラチナリングの傷消し作業

ヤスリでの彫金作業で小傷が無数にある状態です
平甲丸リングの、全ての面の小傷を消していきます

耐水性の紙ヤスリを使います(400~600番がお勧め)
水と合わせて擦ると耐水性の凄い能力が発揮されます
研磨砂と水が混ざり合い小傷の奥まで浸透するんです

小傷の形や深さは様々ですので、傷の奥まで浸透して
小傷を綺麗に取り除けるというのは効率が良いですね
※何度も擦ると写真のように真っ白な状態になります

太いプラチナリングの傷消し

研磨ゴムで仕上げる

シリコンポインターという研磨ゴムで仕上げます
紙ヤスリで小傷を消す為に擦った跡を消すのが目的で
髪の毛のように細いラインが無数にあるので消します

リューター機という機械で、歯科医が使うペン型の
機械に似ている道具です(ほとんど同じだと思います)
その機材の先端にポインターバーをセットして使います。

幅広リングの内側を研磨

シリコンポインターの材質は主に2種類あります
茶色いポインターバーには研磨材が混ざっているゴム
という事は、研磨の為に使います(細かい傷が消せる)

水色のポインターバーには研磨材が含まれていなくて
素材も柔らかいゴムで、こちらは磨き専用のゴムです。

太い指輪の横を磨く

ゴムを高速回転をさせて仕上げていくやり方ですが、
研磨材が入っている茶色いゴムは研磨をする為なので
指輪の同じ場所に当て続けると凹むので注意が必要!

形も色々あるんです(画像はロケットタイプのゴム)
円盤型や三角型などありデザインに合わせて使います

作業の手順としては、茶色いゴムで細かい傷を消して
水色のゴムで滑らかに仕上げて光沢を出していきます。

太い指輪のサイド エッジが一切ありません

プラチナに鏡面を出します

青のポインターバーで磨くと確かに光沢が出てきます
しかし確かに光っていますが反射はしていませんよね
鏡のように反射をさせるには、もう一手間必要です!

ヘラ掛け(へらがけ)という磨き作業へ進みます
ヘラ棒という超硬ヘラでプラチナを磨く作業の事です。

太いプラチナリングのヘラ掛け 磨き作業

ヘラ掛けのやり方

磨き方は単純なんですが、凄く難しい作業なんです
単純なのに難しいという変な表現ですが事実なんです

ヘラ棒をプラチナに強く押し当てて表面を潰しながら
滑らせて鏡面を出していきます。これが鏡面仕上げ
プラチナの面が潰される事で凝縮して鏡面になります

単純な作業なんですがコツや技術が必要な磨き作業で
慣れていないと光るどころか傷だらけになるんですよ
ヘラ掛けを完全にマスターするのに何年もかかります。

バフ掛けで極太プラチナリングを磨く

バフ掛け(ばふがけ)

これが最期の磨きとなります(^ω^)
バフという研磨布でガッツリと指輪を磨きあげて
ヘラ掛けで磨いた鏡面磨きを更に光らせる作業です

リューターにセットする小型のバフで隅々を磨いて、
パワーのある大きなグラインダー機で全面を磨きます
かなりの摩擦力なので高温になるので火傷に注意です。

9ミリの太い指輪 平甲丸プラチナリング

9ミリの極太プラチナリングの完成!

指輪の幅が広いだけではなくて肉厚もあります
そして、ずっしりとした重量感と存在感(*´ω`*)

リングをどの角度から見てもエッヂがありません
ツルッとした滑らかな曲線美が魅力的な指輪です
側面から指輪を見ても丸みを帯びていて優しいです。

角が一切ない優しい指輪 プラチナ平甲丸リング

結婚記念日の刻印をリングに入れる

実はこちらの大きい指輪は結婚指輪だったんです!
結婚指輪に見えない所がまたお洒落ですよね(^ω^)
結婚記念日やメッセージをリングの内側に刻印します

角が一切ない優しいデザインの結婚指輪ですので
角が立たないという意味では結婚指輪には良いかとw

ちなみに私、池田の結婚指輪にも角がないんです!
結婚して15年になりますが、たまに喧嘩しても
角が立たないように自分からすぐ謝ります(゚∀゚)

広い指輪に刻印を入れる 記念日や名前など

手作り結婚指輪の詳細

○素材 プラチナ900(pt900)
○太さ 9mmの幅
○肉厚 2.6mmの高さ
○形状 平甲丸 平打ちと甲丸の中間
○特徴 指輪に角が一切なし
○仕上げ 鏡面仕上げ(光沢)

 

画像だけではなく色々な角度から結婚指輪を
見て頂きたいので動画でも撮りました(^ω^)

極太でインパクトがありますが曲線美が素晴らしく
シンプルでシャープに見えるので癖もありません!

制作のご依頼を頂いた埼玉県のお客様には感謝です
ご注文をいただき誠にありがとう御座いました<(_ _)>

 

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指輪作りの制作日記をご覧頂いて、工程に納得をしてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです
真心をこめて1つ1つ手作りをする本物の結婚指輪ですよ

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
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