鍛造の結婚指輪の専門店、ジュエリーコウキ
二代目で鍛造職人の私、池田が書く日記です
今、手作りで作る結婚指輪が全国的に流行っていますが、
その製法のほとんどはロストワックスというキャスト製法
具体的に説明をするとロウ材を削って指輪の原型を作って
その型に溶かした地金を流して固めるという製造方法です。
この製造方法が手作りとして一般的に多く使われています
しかし手作りで指輪を作ったというより原型を作るんです
原型に地金を流し込む製法を鋳造(ちゅうぞう)と言って
大量生産が可能なことから世界で1番多い製法なんですよ。
ジュエリーコウキの二代目の私が作る手作りは違います!
鋳造ではなく鍛造(たんぞう)という日本の伝統技法です
鍛造とは、文字の通りに地金を鍛えて造るという意味です。
代々、一部の鍛造職人が受け継いできた伝統工芸なんです
刀を作るような工程で、鍛冶場で鍛冶をしながら作ります
地金に直接触れながら叩いたり削ったり彫ったりして制作
これが鍛造リングと言って全国で1%以下のシェア率です。
シェア率がこれほど少ない理由は、鍛造技術を受け継いだ
鍛造職人が全国でも極めて少ない事と職人を育てる手間が
相当かかる事、専門設備や専門道具が必要などの理由です。
本題に入りますが、これから紹介をする鍛造の結婚指輪は
純度が高い純プラチナで作成したマットの鍛造の結婚指輪
【マット加工 結婚指輪】
マット加工がメインとなるデザインの鍛造の結婚指輪です
マットでも白く見えるように細かいマットで仕上げました
デザインはウェディングドレスのフリルをモチーフにした
結婚指輪でメンズ用とレディース用でリング幅が違います
そしてレディース用にカラーダイヤを入れて(ブルー色)
更に、結婚指輪の内側にお互いの誕生石を埋め込みたい
というご要望で誕生石も入れました(別途料金が必要です)
マットの結婚指輪が完成するまでを画像と説明文をいれて
記事を書き上げていきますので完成までご覧ください(^-^)
【結婚指輪 マット 純プラチナ 作り方】
結婚指輪を作る為に必要な
プラチナを用意して溶かす
制作する結婚指輪は2本の純プラチナ製のペアリング
指輪の幅と厚み、2本分のサイズを考えて計算をします
そして指輪を手作りするために必要な地金を用意します。
地金を溶かすことを溶解(ようかい)というのですが、
地金を溶解をするための専用の容器を溶解皿といいます
溶解皿に用意をしたプラチナを乗せて、炎で溶解します。
※純プラチナが溶ける融点(温度)は約1770度
溶けたプラチナは眩しく熱い!太陽のように
もちろんですが溶解作業を肉眼ですることは出来ません
溶接専用のサングラスやゴーグルを付けて作業をします
仮に肉眼で溶解作業をすると目が焼けます(軽く経験あり)
その時はまだ若くて自分の不注意から肉眼でしてしまい
何日も目の前に黒い影(残像?)が残って辛かったです
太陽を見ると目が眩んでしまいますがその何倍も辛いです。
それくらいにプラチナが溶けるエネルギーは凄いんです
眩しいのはもちろんですが近くに寄るだけで火傷をします
改めて溶解作業は危険な作業なので身支度は大事ですよ!
鍛造リングの醍醐味~純プラチナを鍛錬
地金を鍛えて造ることを鍛造と言いますが、その鍛えた
地金でリングを作ることを鍛造リングと言います(^-^)
具体的にプラチナを鍛錬する方法ですが、鍛冶作業です
鍛冶場でハンマーで地金をカンコン叩いて刀を作る画像
や映像を見たことがありますか?ほぼほぼあの工程です
金床(かなとこ)という台に溶かしたプラチナを置いて
鉄製のハンマー(金槌)を振りかざして叩いて締めます
この業界では叩いて鍛えることを締めるとも言うのです。
鍛錬をすると地金密度が上がる
鍛造リングは鍛えて造るリング、鍛えるとどうなるの?
今回の素材はプラチナですが、これはゴールドも同じで
何度もじっくりと地金を鍛錬することで地金に含まれる
微量な空気が放出されて粒子が締まって密度が増します。
密度を上げて地金を濃くする為に鍛錬をするという事で
密度が増したリングは変形しにくく傷が付きにくいです
この素晴らしいメリットを得るために鍛えているんです。
普通のジュエリーショップに並んでいる結婚指輪などは
鍛造製品ではなく鋳造製品(ちゅうぞう)という製法で
予め用意したデザインの原型に、地金を溶かして流して
作る製法で大量生産も可能なことからシェア率99%以上。
※鍛造(たんぞう)はシェア率1%以下の伝統技法
鍛冶の鍛錬に「焼きなまし」は必須
何度も何度も繰り返してハンマーで地金を絞めていると
地金が締まり過ぎてカチカチに硬く変化していきます
こうなるといくら叩いても硬くて反発をするばかりです
まだまだプラチナを叩いて締めて密度を上げたいので、
炎でプラチナを真っ赤にします。これが焼きなまし作業
焼きなましをする事で、地金が緩和されて少し柔らかく
変化するので、再度ハンマーで叩いて締め上げられます
叩いて焼く、この繰り返し作業が鍛冶作業には必須です。
満遍なく叩いて伸ばす
プラチナを万遍なくハンマーで叩けるように四面から
叩きあげ四角形の板にしながら地金を伸ばしていきます。
最終的にこれから作る結婚指輪の幅と厚みになるように
考えてノギスという定規で計りながら伸ばしていきます
幅の広いほうに合わせて伸ばす
通常の結婚指輪の幅は、男女で同じものが多いのですが
今回は男性の指輪が太くて、女性の指輪が細くなるので
まずは男性の結婚指輪の幅に合わせて全体を伸ばします。
ちなみに男性の結婚指輪の幅の広さは5ミリで作ります
女性の結婚指輪はそれより1ミリ狭い4ミリで作ります。
同じ純プラチナから2つの結婚指輪を作る
ここまでの鍛冶作業で伸ばした1枚の板を2枚にします
という事は、同じ1つの純プラチナから結婚指輪が誕生!
同じ素材から結婚指輪を2つ作るという工程は全国的に
見ても、ほぼほぼ無いという凄く珍しい工程になります
普通に考えれば出来合いの大量生産では無理ですもんね
ジュエリーコウキでは自社工房で私が1つ1つ手作りで
指輪を作っているので、細かい所まで対応ができます!
同じ素材から誕生した結婚指輪はロマンチックですよね
お互いの指輪からLoveや絆をダイレクトに感じられます
この工程をしている店は、全国でもほとんどありません!
女性用の結婚指輪の幅に合わせる
2枚になったプラチナ板ですが男性の幅になっています
男性のリング幅が5ミリなので5ミリの板が2枚の状態
そこで、1枚の5ミリ板の幅を金槌で叩いて狭くします
女性用の結婚指輪の幅の広さは、4ミリになりますので
5ミリから4ミリになるように幅を1ミリ狭く縮めます
リング幅は男女で違いますが、厚みは2本同じにします。
ウェディングドレスをモチーフにした結婚指輪
男性の指輪が5ミリ幅、女性の指輪が4ミリ幅
良い感じに結婚指輪のベースが出来上がってきましたね
2枚の板を丸めれば、5ミリと4ミリの指輪になります
そして画像をみると2枚にした板の長さが違いますよね
その理由は、お客様指定の指輪のサイズになっています
1枚の板を2枚にした時点で2本のサイズに合わせます
ちなみに指輪サイズが10号の場合に必要になる長さは
約55ミリで、11号の場合は56ミリの1ミリ伸ばし、
9号の場合は54ミリで1ミリ縮めという計算式ですが
指輪の厚みによって計算式も微妙に変わってくるんです。
結婚指輪に刻印を入れて穴を開ける
結婚指輪の中側になる内面を決めて刻印を打ち込みます
2種類の刻印を入れるのですが1つは純プラチナを証明
pt1000の刻印と、ジュエリーコウキで私が鍛造製法で
手作りをしましたという証のjkマークの刻印を入れます
ジュエリーコウキのブランドロゴのマークの刻印です
そして別途料金が必要になりますが、お互いの誕生石を
結婚指輪に2ピース入れたいとの事で2つ穴を開けます。
※この時に開ける穴は誕生石よりも小さい穴を開けます
この段階で大きくて深い穴を開けると強度が弱まります。
プラチナ板をプラチナリングに丸める
刻印を入れて誕生石を入れる穴を開けたら板を丸めます
鍛造職人によってリングの丸め方は違いますが私の場合
丸棒という道具と木製ハンマーの木槌を使って丸めます
丸棒は先端が細くなっていて根元が太くなっている鉄棒
この形には理由があって、先端がリングの1号サイズで
根元がリングの30号サイズ、中間が15号サイズです。
お客様のリングのサイズに合わせて丸棒の位置を決めて
板を丸棒に巻き付けていくイメージで木槌で板を叩くと
丸棒に沿って板が丸まっていくので綺麗な形になります。
繋ぎ目に隙間が無いように丸める
丸めていくと繋ぎ目が必ずでますが、合わせた繋ぎ目に
隙間が少しでもあると、この後にする溶接作業で不具合
が出てくるので合わせた繋ぎ目に隙間ないようにします
というのも合わせた繋ぎ目にロウという薄いプラチナを
挟んで酸素バーナーで溶かして溶接をするやり方なので
隙間が少しでもあると薄いプラチナが先に溶け繋ぎ目が
食い込んで溶けたり、びび割れが出たりするんです(汗)
そんな不具合が出ないためにも隙間を完全に無くします。
ファイヤアアアアアアアー!
酸素バーナーからでる強烈な炎でリングの溶接をします
この溶接方法は共付け(ともづけ)といい難易度が高く
難しいのですが私は結婚指輪を作るときには共付けです。
共付けとは? ロウ付けとは?
一般的なジュエリーの溶接をする時はロウ付けをします
ロウ付けとはジュエリー本体よりも溶けやすい弱いロウ
を使うので本体が溶ける心配がないのでよく使われます。
共付けの場合は、本体と同じ地金をロウとして使うので
溶ける温度、融点が本体もロウも同じということなので
本体もロウも同時に溶けるという難易度が高い溶接です。
共付けをした鍛造リングのメリット
本体とロウが同じ地金で溶ける融点も一緒という難しさ
しかし難易度が高くても共付けのメリットは凄いんです
分かりやすく言うと、同じ地金なので相性がいいんです
溶接部分の強度が強くなっているのでロウ付けより強く
溶接したところが丈夫なのでヒビ割れなどしにくいのと
変形もしにくい、変色などの不具合も出にくいなどです。
デメリットとしては何度も言っているように難しいです
融点が同じなので指輪本体も一緒に溶ける事もあります
画像のように指輪の角が少し溶ける程度なら大成功です。
鍛造の結婚指輪のサイズ合わせ
共付けが完了したらお客様の指輪サイズまで伸ばします
共付け作業が終わった時点で指輪のサイズが指定よりも
大きくなっていると駄目なので小さめに作っていました。
平均で指定サイズよりも1番ほど小さく作ってあります
共付けが成功すれば指定サイズまで伸ばしてもOKです
丸棒にリングを入れて金槌で叩いてサイズを伸ばします
手作りで指輪を作っているのでサイズの微調整も可能で
出来合いの既製品のように1号単位しかないのではなく
0.5号などのように1号単位でなくても対応できます。
結婚指輪のサイズが2本かなり違っても大丈夫
男性と女性の指輪のサイズが、かなり違っていてもOK
今、ご紹介をしている結婚指輪のサイズも結構違います。
出来合いの既製品の場合 ○番~○番まで対応しています
という場合がよくありますが特にブランド品が多いです
しかしジュエリーコウキでは私が1本1本作っています
何番でもお客様のサイズに合わせて作る事が出来ます
極端な話、1番でも30番でも作れますのでご安心を!
結婚指輪の幅を男女で合わせる
指輪のサイズを伸ばしたら、次は指輪の幅を削ります
金槌で何度も指輪を叩いているので幅が広がっています。
男性用のリング幅は5ミリ、女性用のリング幅は4ミリ
幅が上記の指定幅になるように両側面を削り合わせます。
ヤスリで地金を削ることを彫金というのですが、彫金を
するとバリという角がリングに出てきますがこれが痛い
バリが出たらヤスリでリングの角を削り落としましょう。
ウェディングドレスに合う結婚指輪!
ドレスのフリルをプラチナで表現する
結婚指輪にドレスのデザインの設計図を書きこみます
フリフリが可愛いウエディングドレスをリスペクトして
ドレスに似合う結婚指輪を作るために設計図が必要です。
何もない状態で指輪に彫金をするのには無理があるので
計算をしてフリルの数を出して設計図を正確に書きます。
男女で結婚指輪のサイズがかなり違っている状況なので
フリルの数を合わせるのではなくて、フリルの大きさを
合わせリングバランスを重視してサイズに当てはめます。
本格的な彫金作業が始まります
ヤスリで削ったり、タガネで彫刻をしたり、先端工具で
彫ったり削ったりすることを彫金と言いますがこれから
プラチナリングを彫金作業でデザインを作っていきます
ドレスのフリルをイメージする場所から作っていきます
設計図で入れたラインを頼りに糸ノコギリで刻みます
正確にラインを入れないとフリルの大きさが変わります。
デザインは指輪のサイズに当てはめて
指輪全体から見たバランス重視でいく
結婚指輪は男女でサイズが異なることのほうが多いです
とくに今回の指輪作りのように、男女で指輪のサイズが
大幅に異なるという事も決して珍しい事ではありません。
このような場合は、見た目が同じようになるようにして
リングのバランス重視でデザインを作るのがベストです!
繊細なフリルのデザイン
今回の場合はウエディングドレスのフリルがメインです
フリル数を合わせるのではなく大きさを合わせるんです
当然、男性のリングが大きいのでフリルの数が増えます
逆にフリルの数で合わせてしまうと男性の指輪が大きい
のでフリルが間延びして変になってしまうという事です
2本の指輪、ペアリングを作るにはバランスが大事です。
可愛いフリフリしたフリルを考えて彫金
ドレスについているフリフリしたフリルをイメージして
可愛くなるように丸みを帯びさせながら角を落とします。
1つ1つの模様を丁寧に削って作り出すことが重要です
もし1つでも適当にしてしまうと全体が崩れるからです
1つ1つのフリルを大事にしながら丁寧に削るんですね。
指輪の両サイドのフリルが同じになるように彫金
片側だけを削れば良いというデザインではありません
両面の側面を同じように削って綺麗なフリルを作ります
1つ1つ作るので手間暇がかかりますが当然のことです
ここまで正確に彫金ができるのは最初の設計図のおかげ
少しでも引いたラインが狂ってるとフリルも揃いません
設計図の大切さ重要さが彫金をするうえで身に染みます。
2本の結婚指輪のバランスを確認
彫金作業中に、2本のプラチナリングを何度も比べます
2本を比べるこの工程も大切でバランスを確認できます。
リングサイズが大幅に違っていても、デザインが同じに
見えるというのがペアリングや結婚指輪には重要ですね。
基本は結婚指輪やペアリングはデザインを合わせますが
お客様の好みでデザインが違ってくる場合も当然あって
お客様が1番喜んで頂けるように作るのがプロですよね。
着け心地の良い結婚指輪にする
ずっと指にする結婚指輪は、着け心地の良さがポイント
指輪の着け心地が悪いとストレスが蓄積していくからです。
着け心地の悪いリングの特徴は、指に違和感を感じます
例えば指を曲げた時に痛かったり、締め付け感があったり
指輪の水はけが悪くて皮膚がふやけたり、かぶれたり等。
私が作る指輪は、着け心地の良さを1番に考えます
もちろんデザインも1番に考えますが、付け心地だけは
良くしないとストレスを感じるようになってしまったら
どんなにデザインが良くても指輪を付けたくなくなります。
そのような理由から指輪の付け心地の良さに超こだわって
リングの内側を内甲丸(うちこうまる)にするんですよ!
内甲丸のやり方
つけ心地の良い指輪にする為に、内側を内甲丸にします
内甲丸のやり方は、リングの角をヤスリで削り落として
その延長で内側の面を滑らかに丸く削っていくんですね。
形状的にいうと楕円形になるように指輪の中を削ります
こうする事で指輪の中が滑らかになって指の形と合って
しっくりとして付け心地の良さを感じることができます。
指を曲げても全く痛くありませんし、水はけも良いので
かぶれたり、ふやけたりもなく、衛生的にも良いですね
ストレスを感じない付け心地の良い指輪が内甲丸なんです。
動きが出るように指輪に”くぼみ”を入れる
プラチナリングの両サイドは、フリルを作りましたが
リングの表面はフラットで真っ平の平打ちのままです
このままだとフリルに動きを感じなくて硬く見えます
ヒラヒラとした動きのあるフリルにしたいですよね~
実際にヒラヒラと動かすのは無理ですが、ヒラヒラと
動いているように見せることは可能なんですよ(^-^)
試行錯誤をして1番動きがあるように見えたやり方が
平打ちの表面に”くぼみ”を入れる事だったんですよね。
平打ちの指輪に”くぼみ”を入れることで
指輪の角が立って翼を広げたように見える
これは発見でしたね~今でもこの技術を応用しています
くぼみを平打ちの表面に凹ませて入れることによって、
リングの左右の角が立って翼を広げたように見えました。
翼や羽のデザインにも応用が利くので本当に良かった~
という事でフリルがヒラヒラと舞う感じが表現できました。
くぼみの削り方ですが、丸いヤスリではなくて楕円形の
ヤスリを使ってリングの表面を削ると半円の形に凹みます
荒い目のヤスリから目の細かいヤスリまで使って削ります。
石留め~ドリルで指輪に穴を開ける
女性の結婚指輪の中心にはブルーダイヤを埋め込みます
※一般的な定番人気の透明のダイヤにしてもGOODです
ブルーダイヤの直径と同サイズのドリルで穴を開けます
ダイヤモンドの直径の他にもダイヤモンドの厚みも重要
ダイヤのテーブル面とリングの高さが同じになるように
少しづつドリルで穴を深くしてダイヤを沈めていきます。
丁度いい高さになったらブルーダイヤの石留めをします
タガネでダイヤ周りの地金のフチを叩いて伏せ込みます。
ドレスのフリルに見えるように削って
フリルの角を落として柔らかさを出す
くぼみを指輪に入れて、角を立たせて動きを出しても
よく見るとフリルに角があるので硬く見えてしまいます
せっかく動きが出たのに硬そうなフリルでは駄目ですね
そこで、1つ1つのフリルにある角を落として丸めます
角を落とすだけではなくて少しだけ角を丸めるんです!
そうする事で柔らかさと軽さがでてフリルに近づきます。
もちろん見栄えだけではなくて、リングの角が丸まれば
痛くなくなるので付け心地の良さにも繋がっていきます。
ドレスをイメージしたリング
フォルムが出来上がりました
荒い目のヤスリである程度の形を削って作っていって、
目の細かいヤスリで繊細な部分を仕上げていく彫金作業
ようやくドレスをイメージした指輪の形が完成しました
画像のプラチナリングの状態は、荒仕上げという状態で
ここから更に目の細かいサンドペーパーでキズを消して
リング全面を仕上げていくという作業に進んでいきます。
その前にお客様のリクエストでお互いの2つの誕生石を
結婚指輪の内側に入れる石留め作業で誕生石を入れます。
※誕生石を指輪に入れるには別途料金が必要になります
4月の誕生石、ダイヤモンド
7月の誕生石、ルビー
こちらの誕生石は、お客様の誕生月の石になっています
この2つの誕生石が1つの指輪に2ピースづつ入ります。
今回の指輪には誕生石を入れましたが、お客様の好みで
誕生石にこだわらずに、守護石やパワーストーンなどを
結婚指輪に入れてみても効果がありそうで面白いですね
※着け心地を優先している場合は、何も入れないほうが
リングの内側がツルツルで滑らかなのでお勧めですね。
削った彫金の跡をサンドペーパーで消す
ヤスリで削りまくった彫金作業、キズが沢山あります
キズと言えばキズなんですが彫金で出来たキズですので
ヤスリで削った削り跡ということで様々な傷があります。
深かったり浅かったり、細かったり太かったりと様々で
それだけプラチナリングを削った証拠という名誉のキズ。
さて、様々な傷をプラチナから消していくには耐水性の
サンドペーパーで擦って仕上げる事が効果絶大なんです。
耐水性なので紙ヤスリに水をつけながら指輪を擦る事で
研磨砂と水が混ざって傷の奥まで浸透するという仕組み
どんな形や深さのキズでも綺麗に消えやすくなるんです。
このまま仕上げればヘアライン加工
耐水性のサンドペーパーで擦りまくって傷を消しました
サンドペーパーは凄く細かい目で、擦ると細かい無数の
ラインが地金につきます。これがヘアライン加工の原点
実際にヘアラインで仕上げたい場合は、ラインの向きを
整えながら綺麗に仕上げるとヘアライン加工になります。
こちらの結婚指輪はヘアライン加工ではなくて、純白の
ウエディングドレスをイメージしていますので艶消しの
マット加工をしてプラチナリングを真っ白に仕上げます。
結婚指輪の内側を研磨ゴムで仕上げる
結婚指輪の内側をシリコンポインターという研磨ゴムで
滑らかに仕上げサンドペーパーの小傷を消していきます。
リューター機というペン型の機材の先端にセットをして
シリコンポインターを高速で回転させて使う作業の流れ。
研磨材が入った研磨ゴムを使って、細かいキズを消して
次は滑らかなシリコンで出来たゴムで滑らかに磨きます。
ヘラ掛け作業で内面をを鏡面にする
プラチナを鏡にように光らせるにはヘラ掛け(へらがけ)
という昔から伝わる職人の磨き作業が必要になります
今では機械でプラチナを光沢にすることも出来ますが
昔は宝飾職人が手間をかけてヘラ掛けで磨いていました
やり方はヘラ棒をプラチナに押し付けて潰して磨きます。
私は、今現在でもヘラ掛けでプラチナに鏡面を出します
というのもヘラ掛けの鏡面は奥深い輝きが出るんですよ。
※ヘラ掛けは単純な作業に見えますが実は難易度が高く
下手な職人さんがするとプラチナが傷だらけになります。
結婚指輪に日付や名前の刻印を入れる
結婚指輪の内側に入れる刻印文字は、強制ではないので
シンプルにまとめたいという方は入れなくて全然OKです。
どうしても彫るのでザラザラして水はけが悪くなるので
お客様のお好みで刻印を入れるか入れないかの判断です。
刻印を結婚指輪に入れる場合、定番の文字は日付と名前
ほぼほぼ結婚指輪の刻印といえば、この2つが定番です。
バフ掛けで刻印のバリを取る
プラチナリングの側面を削ったときにバリという角が
出るので削り落とすといいましたが彫る場合の刻印も
少なからずバリが発生します(彫った文字の縁に出る)
そこで「バフ」という研磨布で徹底的に磨き上げます
シリコンポインターと同様の使い方で回して使います。
文字のバリを取る役目と同時に「ヘラ掛け」で磨いた
鏡面を更に光らせて反射させて滑らかにするのが目的。
結婚指輪を艶消しのマット加工で仕上げる
純白無垢のウエディングドレスをイメージするように
プラチナ結婚指輪を艶消しのマット加工に仕上げます。
マット加工は何種類もありますがここでするマットは
1番細かくて1番白く見えるような細かいマット加工
粒子を結婚指輪に吹き付けて真っ白のマットにします
真っ白になるのでブルーダイヤの青色が際立ちます
けがれのない純白無垢のウエディングドレスが完成!
ウエディングドレスが完成というか指輪が完成ですね
ウエディングドレスに似合うマット
可愛いフリルと純白のマット仕上げ
これほどウエディングドレスに合うように作られた
結婚指輪は無いんじゃないかなと思う位の結婚指輪!
純白のカラー&ヒラヒラしているように見えるフリル
ドレスに似合いますが普通に使っても可愛いデザイン。
ご依頼を頂いたお客様には感謝の言葉しかありません
結婚指輪のご依頼を頂き本当にありがとう御座いました。
ウエディングドレスをイメージして
制作をしたマットの鍛造の結婚指輪
○製造方法 鍛造(たんぞう)
○使用地金 プラチナ900(PT900)
○指輪の幅 女性4.0mm 男性5.0mm
○指輪の厚 2本ともに1.8mm
○使った石 ブルーダイヤ(内側はルビーとダイヤ)
○仕上げ方 マット仕上げ(内側は鏡面仕上げ)
マットの結婚指輪を隅々まで見て頂きたいので
動画で撮りましたので是非、ご覧下さいませ!
最後にマットの手作り結婚指輪のご依頼を頂いた
お客様からのお手紙をご紹介いたします(^-^)
なんと鹿児島県のお客様からのご依頼だったんです
ネットでジュエリーコウキを探して見つけて頂いて
ご依頼を頂きまして本当にありがとう御座いました!
========お客様の声=========
本日、指輪が届きました(^^)
本当にありがとうございました!
ジュエリー皇妃の池田様にお願いしてよかったです。
サイズもピッタリでつけ心地もよく、
二人して感動しました。感謝しかないです。
また、メンテナンスなど
お願いすると思いますがその時はお願い致します。
この度は本当にありがとうございました。
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。
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