【朗報】使わない指輪を溶かしてリフォーム!指輪の素材をそのまま利用

手作り指輪の宝石店・ジュエリーコウキです
当店2代目の池田が書くプロの指輪作りブログ

手作りにも種類が沢山ありますが当店の場合は
昔から伝わる伝統工芸の鍛造で指輪を作ります
鍛造(たんぞう)地金を”鍛えて造る”伝統技法

鍛造の内容は後ほど詳しく記事内に書きますが
継承された技術をもった特定の職人しか指輪を
作る事ができないという本物の手作りの専門店

いつもは鍛造で手作りをする結婚指輪がメイン
の記事ですが他にもジュエリーリフォームにも
力を入れております(もちろん鍛造で作ります)

今回は指輪のリフォームを記事にします(^ω^)
昔の使わない指輪を新しいデザインにリメイク
溶かして作り替えるので素材は受け継がれます!

後光留め 五光留め 指輪

写真のリングの素材はプラチナ900です
そしてリングの形は月形甲丸という形です

リングの中心にダイヤが石留めされていますが
後光留めや五光留めと言われる石留め方法です
どちらも「ごこうどめ」と言われる石留めです

昔に流行った指輪のデザインで、おじいちゃん
おばあちゃんが大事にしている事が多いんです
なので形見で貰ったという人が多いと思います

当店では、このように大切な想い出のつまった
指輪をそのまま溶かして同じ地金で作ります!
もちろんダイヤもそのまま使って作るので安心。

 

 

リフォームの前にする事

まず最初はプラチナリングに埋め込まれている
ダイヤモンドを取り外します(爪を起こします)

お預かりの指輪にはダイヤが入っていましたが
他の宝石も同じ事ですので宝石は全て外します

そのままでは指輪を溶かす事ができない為です
指輪の素材となるプラチナとダイヤを分けます
これで指輪を溶かす準備ができました(^ω^)

ダイヤ 後光留め 五光留め

ダイヤを外したら溶かします

昔の古いプラチナといってもプラチナです(^ω^)
古い新しい関係なくプラチナなので大丈夫ですよ
傷だらけでも変形していても問題なく使えますよ

※昔のプラチナは混ざり物がある場合もあります
混合物が多い場合は別で分析をする事になります

このまま昔のプラチナリングを溶かしてリメイク
をする事も可能ですが、溶かすのでヘリ(減り)
という現象で総重量の1割~2割程度が減ります

※火花になって飛び散ったり粒子なって消えます

使わない指輪を溶かす

新しいプラチナを足す事も可能

今回の場合、新しくリフォームをして作るリングの
デザインは幅が5mmの平打ちデザインを作ります
リングの幅が広くてダイヤを埋める厚みも必要です

お預かりしたプラチナリングの重さが足りないので
新しくプラチナを足して一緒に溶かして増やします
※新しく足した分のプラチナ代金が別途かかります

地金を溶かす専用の皿(溶解皿)にリングを置いて
酸素バーナーの強烈な炎でプラチナリングを溶解!
※溶解(ようかい)とは地金を溶かす作業の事です

プラチナリング 溶解

溶けて塊になりました

プラチナの融点(溶ける温度)は約1770℃
酸素バーナーはそれ以上の火力があるという事です

この溶解作業中は、溶接専用のゴーグルをかけます
肉眼では眩しさと熱で目が焼けるので要注意ですよ

溶かしたプラチナが冷めると写真のようになります
深い銀色という感じです(シルバーは浅い銀色です)
ここから地金を鍛えて造る鍛造製法の始まりです!

プラチナ900

形見の指輪を溶かしてリフォーム
そのままの指輪の素材で作り替え

これは当店では物凄く重要な事だと考えています!
何故なら、リフォームで使う元となるジュエリーは
お客様にとって重要な意味がある事が多いからです

例えば、祖父母から貰った形見のリングであったり
形見のネックレスなどのジュエリー類である為です
もしくは何らかの記念や想い出の大切な物なんです

この前、当店でリングをリフォームさせて頂いた
県外のお客様のお話しなのですが、地元の宝石店で
ダイヤリングをリメイクしたら別の素材になったと

古い指輪からダイヤを外して、新しい指輪を選んで
そこに取り外したダイヤを入れてリフォームが終了
それって”作り替え”ではなく”入れ替え”ですね・・・

当店では間違ってもそんな”入れ替え”はしません
確実にお客様の指輪を溶かしてリフォームします
安心して想い出のジュエリー類をお持ちください

プラチナ 鍛造

当店自慢の鍛造

溶かしたプラチナを鍛えていく作業になります
鍛えて造る事から鍛造(たんぞう)と言われます

かなり地道で、コツコツとする作業になりますが
これが鍛造という肝になる部分ですので重要です
時間がかかっても納得をするまで育て上げます!

一連の流れは、金床や角床と呼ばれる鉄板台に
プラチナを置いてハンマーで叩いて締め上げます
何度もハンマーで叩き上げる事により締まります。

プラチナ 鍛冶

満遍なく叩いて伸ばす

プラチナの全体が万遍なく締まっていくように
四角形になるように四方向から叩いて伸ばします

この理由は、満遍なく叩けるという理由の他にも
これから作る指輪の幅と肉厚にもする為なんです
それとリングのサイズの長さになるようにします

この3つの事を頭に入れながら地金を伸ばします
何も考えないで叩いていた訳ではなかったんです
地金を鍛える作業と、サイズを考えての作業です。

プラチナ 焼きなまし

焼きなまし

地金を叩いて締め続けると硬くなっていきます
プラチナに限らずゴールドでも同じ事がいえます
超硬くなった地金を叩いても育ちが悪くなります

何度も叩いて超硬くなったら(かなり締めたら)
炎で真っ赤に焼いて地金を柔らかくしてあげます
この炎で焼く作業の事を”焼きなまし”と言います

真っ赤になった地金はまた叩けば更に締まります
”叩いて締めて焼く”の工程を繰り返していきます
手間は凄くかかりますが、これが一連の流れです。

プラチナ 鍛冶

鍛造のメリットは凄まじい!

鍛造という言葉を何度も連呼しておりますがw
地金を鍛えて造るから鍛造と何度も言いましたが
そのメカニズムとメリットを詳しく説明をします

まずメカニズムですが、金槌で何度も叩き上げて
プラチナを絞め続け炎で焼いての繰り返し作業で
地金に含まれた微量な空気を放出させていきます
同時に粒子が締まるので密度が上がります(増す)

次にメリットですが、密度が増したプラチナは
粘り強くなっているので変形に強くなっています
そして粘りが強いのに強度も強くて頑丈なんです。

指輪を作る

伸ばしたプラチナ板を丸める

板状に伸ばしたプラチナ板を丸めてリングに成形
指輪のリフォームがどんどん進んでいきます(^ω^)

板状に伸びた時点で指輪の幅と肉厚になっており
丸めるとそのまま指定サイズのリングになります

丸棒という道具にプラチナ板を押し当ててから
木槌でプラチナ板を叩きながら丸めていきます
棒に巻き付けるイメージですると綺麗になります。

手作り リング

隙間がないように合わせる

プラチナ板を丸めると最後は重なって合いますが
この合わせた口に隙間が無いように調節をします
糸ノコギリやヤスリなどで削ると綺麗に合います

※画像は丸めただけで隙間がある所を写しました

隙間が少しでも開いていると、指輪の溶接作業で
溶け具合(溶接具合)が悪くなる場合があります
具体的にいうと食い込んだり割れたりするんです。

指輪 ロウ付け

ファイヤー!!

プラチナリングの溶接をしている場面です
ジュエリー業界では溶接を”ロウ付け”と言います

ロウという地金を溶かして付けるのでロウ付けと
言いますがロウにも溶けやすい物から溶けにくい
物まで何種類もあります(弱い強いと表現します)

当店の場合は最高に強くて溶けにくいロウを使用
何と鍛造で育て上げたプラチナの一部を使います
同じ地金同士なので相性がよくて強度もあります。

リング 曲げる

曲線のリングに成形

リフォームで制作中のリングは平打ちなんですが
普通のストレートタイプの平打ちではありません

お客様の好みでウェーブタイプの平打ちなんです
ウェーブと言っても強い曲線ではなく優しい曲線
浅い波のようなイメージが指輪から感じられます

万力という挟む工具にプラチナリングを固定して
ヤットコでリングを挟んで曲線に曲げていきます
思い描いた曲線になるように曲げていくんですね。

指輪 サイズ

お客様のサイズに指輪を合わせます

指輪のサイズを調節する前にまず綺麗に丸めます
完全な円=真円(しんえん)になるようにします
丸棒にリングを入れて全体を金槌で叩くんですね

真円になったら同じように金槌で叩いて伸ばします
一部分だけ叩いてしまうと真円が歪んでしまいます

指輪の肉厚やサイズも変わってしまうので万遍なく
指輪を叩いて平均的にサイズが伸びるようにします

サイズが合ったら指輪の幅を削って整えていきます
曲線ですが全部の幅が5mmになるように合わせます。

リングの太さを調節

気になる指輪のリフォーム価格は
デザインと指輪の重さで決まります

指輪のリフォームですが値段が気になると思います
一概にリフォームはいくらです!とは言えませんが
溶かしたい地金が重ければ安くリフォーム出来ます

というのもリフォームをするデザインで違いますし
作ろうとするジュエリーの重さによっても違います
お客様がお持ちの溶かす地金の重さでも違うんです

1番は当店にご来店を頂ければ価格は出せますが
県外なんで無理!というお客様でもご安心下さい!

お手持ちの貴金属を写真に撮ってメールに添付して
このデザインにリフォームがしたい!と思う画像を
添付して頂ければ(最低この2枚の画像でOKです)
大体の見積もりで金額は出せますので大丈夫です!

指輪 石留め

指輪にダイヤを入れる準備

リフォームの前に、昔の指輪から外したダイヤを
再び新しい指輪に埋め込む石留めの準備をします

ダイヤの直径と厚みを計りドリルで穴を開けます
ブカブカの穴は絶対に駄目で、きつい位にします

ダイヤ角度も合わせないと石が動いてしまうので
穴を開けたら先端工具で角度を調整して削ります

同時にダイヤのテーブル面とリングの表面の高さ
が同じ高さか(もしくはダイヤが少し出る)位に
合わせてダイヤモンドを沈ませて固定をさせます。

指輪にダイヤを石留め

ダイヤモンドの石留め

平打ちリングにダイヤを入れて石留めをします
大きなダイヤなのでリングに目一杯に入ります

”伏せ込み”という石留め方法でダイヤを入れます
ダイヤの周りのプラチナをタガネで叩いて寝かせ
フチを出してフチでダイヤを留めるやり方ですね

縦爪のダイヤリングをリフォームで
婚約指輪のデザインで作る事も可能

今回の指輪リフォームは平打ちのデザインですが
例えば、昔の縦爪のダイヤの指輪をリメイクして
エンゲージリングとして作り替える事も可能です

お母さんがお父さんに貰った想い出の婚約指輪を
娘さんや息子さんが、結婚の時に受け継いで使う
というリメイクも年々増えているのでお勧めです

この場合も、昔の縦爪デザインからダイヤを外し
縦爪リングを溶かして新しいデザインにリメイク
そして外したダイヤを留めるので素材は一緒です。

リング 平打ちにリフォーム

リングの表面を平に整える

平打ちリングの特徴はフラットで平な表面です
金槌やタガネでリングの面に凹凸がありますので
平なヤスリで凹凸が無くなるよう削り合わせます

荒い目のヤスリで削って平にしてから次は細かい
目のヤスリで表面を整えながら仕上げていきます
ヤスリ目を使い分ける事で面が滑らかになります。

指輪 リメイク 内側を丸める

指輪の付け心地は 重要なポイントです!

指輪の内側を削る事で、つけ心地が良くなります
具体的にはリングの内側の角を削り落としながら
リングの中面が滑らかに丸くなるように削ります

形で表現をするなら「楕円形」が1番良いですね

指には楕円形が1番相性が良くてフィットします
指を曲げても痛くなく水はけも良いのがポイント
毎日する指輪はストレスを感じない事が重要です。

平打ちリング ライン入れ

平打ちリングのデザインにラインを入れる

こちらの平打ちリングにはラインが入ります
よくある真っすぐなストレートラインではなく
リングのフォルムに合わせて曲線のラインです

しかもリングフォルムと非対称にするんですよ
入れ方によって見た目がガラリと変わります!
まず糸ノコギリで細いラインを刻んでいきます。

平打ちリング ライン

ラインの太さと形と深さを整える

糸ノコギリのラインでも仕上げれば綺麗ですが
ヤスリを入れる事で太さと深さを調節できます
使うヤスリの形状でラインも変わるんですよ~

例えばヤスリの大きさでラインの太さも異なり
ヤスリの形のラインの形も変わっていくんです

三角形や四角形のヤスリなら角のあるラインで
丸いヤスリで削ればラインも丸くなるんですね。

平打ちデザイン ライン

ラインを磨いて光らせる

糸ノコギリでラインを刻み、ヤスリで整えて
そしてラインを磨いて光らせる作業になります

シリコンポインターという研磨ゴムで磨きます
色々な形状があるシリコンポインターなんですが
ラインの形状に合わせて円盤型を使って磨きます。

指輪 リフォーム 傷消し

プラチナリングの傷を消します

プラチナリングの彫金作業や石留めをしたので
プラチナの表面に小傷がたくさんあります(汗)

この小傷を綺麗に無くさないとリングの完成度に
大きな差がでてきます(見た目ですぐ分かります)
なので小傷を徹底的に消していく作業になります

耐水性の紙ヤスリを使い水を付けながら擦ります
水と研磨砂が混ざって傷の奥まで浸透するんです
という事は、傷が綺麗に消えやすくなるんですね。

指輪 リフォーム 仕上げ

シリコンポインターで仕上げる

ラインを磨いた時に使ったシリコンポインターで
同じようにプラチナリングの全面を磨き上げます

シリコンポインターには主に2種類の素材があり
茶色のゴムは研磨材が入っていて研磨をする役目
(紙ヤスリで擦った髪の毛のような細い傷を消す)
水色のゴムは磨きゴムで地金を光らせる役目です。

指輪 リフォーム 光沢

ヘラ掛け(へらがけ)

ヘラ掛けをすると鏡のように反射をするんですね
シリコンポインターだけでは光沢どまりの状態で
光沢から鏡面に仕上げるにはヘラ掛けが必要です

ヘラ棒を磨きたい面に強く押し付けて潰して磨く
そうする事で面が潰れて鏡面が表れてくるんです
磨くコツが必要で熟練した職人の技術が必要です。

指輪 リフォーム 磨く

バフ掛け(ばふがけ)

ヘラ掛けの次ぎの作業はバフ掛け、似ていますw
作業の名前は似ていますが内容は全然ちがいます

磨き専用の硬い布や、硬い厚紙で全面を磨きます
リューターの先端にセットする小型タイプの物から
大きくてパワフルなグラインダータイプで磨きます

徹底的にバフで磨けば鏡面の反射度が増すんですね
高速回転で磨くので高温になるので火傷に注意です。

指輪 リフォーム つや消し

つや消しのマット加工をする

こちらの曲線の平打ちリングはコンビデザインです
ラインをセンターとして鏡面と艶消しにするんです

片面の鏡面部分は既に磨き終わって完成しましたが
もう片面を艶無しのマット加工に仕上げていきます

マット加工の種類(やり方)は色々とあるのですが
今回はキラキラと光る珍しい綺麗なマット加工です
ダイヤの先端工具で仕上げるとキラキラになります。

指輪 リフォーム コンビネーション

マットと鏡面のコンビネーション
曲線平打ちダイヤデザインの完成!

指輪のリフォームが完成いたしました(^ω^)
完全なリメイクとなるので1から作り替えました
昔の素材をそのまま使って作るので大満足ですね

大切な想い出のジュエリーが、素材はそのままで
昔のジュエリーから新しいジュエリーデザインに
大切な物だからこそ使ってあげたいですもんね!

ネックレスをリフォームする事も可能

今回はリングを溶かしてリフォームをしましたが
下地金がネックレスでも同じように作り替え可能

ネックレスの場合は、繋ぎ目にロウを沢山使って
いる事が多いので分析をしないと使えない場合が
ありますが、分析をすれば使えますのでご安心を!

基本的にリングやネックレス以外でも、ピアスや
イヤリングやペンダントなどなど何でもokですよ

リフォームの記事は、これで終わりになります
最後までお付き合いを頂いて有難う御座いました

最後にこちらのリフォームをした指輪を色々な
角度で見て頂きたいので動画で撮影をしました

=================================

鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に惚れてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
==================================

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA