鍛造の結婚指輪の専門店、ジュエリーコウキ
伝統技法の鍛造と彫刻(彫金)で手作りします
新潟県長岡市にあるジュエリーコウキは伝統技法の
鍛造(たんぞう)と彫金彫刻の技術で指輪を作ります。
昔から代々受け継がれてきたハイレベルな制作技術
ですので技術を継承した宝飾職人しか作れない製法
全国でも限られた工房でしか製造販売ができません。
こんにちは (゚Д゚)ノ
ジュエリーコウキの2代目で、宝飾職人の池田です
宝飾職人歴は30年で鍛造と彫金を継承した職人で
ブログも私が書いていますので宜しくお願いします。
彫刻と彫金で作る結婚指輪
本日のブログも結婚指輪の制作風景をお伝えいたします
彫刻作業(彫金作業)がメインの記事内容となります
プラチナの彫刻彫金にこだわった渾身の結婚指輪ですね!
結婚指輪のご依頼主様は、群馬県のお客様になります
結婚指輪のご依頼をいただきまして有難うございました。
とっても親切なお客様で、毎日のようにメールを頂いて
素敵なメールのご返信に、毎日凄く楽しかったです(^-^)
魂をこめて結婚指輪の彫刻作業にどっぷり没頭しました!
彫刻や彫金で作る結婚指輪とは?
まずここからです。簡単ですが説明させていただきます
彫金や彫刻の意味なんですが金槌とタガネという工具で
地金をコツコツ削ったり彫ったりして模様を彫刻したり
様々な種類のヤスリを使って、プラチナリングを削って
リングのデザインを作っていく伝統技法の事を言います。
そして地金とは、リングを作るの為のベースとなる金属
今回はプラチナの結婚指輪、地金はプラチナという事で
プラチナを彫金や彫刻で結婚指輪を手作りしていきます。
ジュエリー業界の中で彫金や彫刻といえば、鏨や金槌を
使って表現する彫金の他にも、ヤスリで地金を削ったり
リュータの先端工具などで地金を削ったり彫ったりして
形を造ったり、模様(和彫りや洋彫り)を彫ったりする
などの作業を全部まとめて、彫金や彫刻と呼んでいます。
簡単に説明させていただきましたが、今回の記事内容は
工具を使ってプラチナを削ったり、彫り出したりという
これこそ彫金と彫刻!という作業工程をお見せ致します。
プラチナリングを彫刻&彫金
彫刻や彫金作業で造り上げる結婚指輪のデザインですが
滴(しずく)をモチーフにして制作した個性的なデザイン。
可愛い滴の粒が繋がってリングになるように考えました
優しく流れ落ちる滴をイメージするために動きも加えて
形だけではなくて、光沢と艶消しも使って仕上げました。
文字だけでの説明がかなり難しいので、すでに完成した
彫刻と彫金にこだわった結婚指輪の画像をご覧ください。
結婚指輪 彫刻 彫金 デザイン
とっても特徴があって、珍しいデザインの結婚指輪です
滴の1つ1つを彫刻や彫金で擦り出して手作りしました。
こちらの彫刻デザインの結婚指輪が完成するまでの工程
を細かく撮影してアップしますので楽しんでご覧下さい。
ヤスリや工具で、ガッツリと削ったり彫ったりする彫金
プラチナを彫刻する光景は、見ていて最高に爽快です!
それでは結婚指輪の完成までよろしくお願いいたします。
結婚指輪のベースとなる
プラチナを溶かして塊に
結婚指輪は2本のペアリングという事になりますので
2本分のプラチナリングを手作りする為に必要になる
プラチナを計算して割り出して、溶かして塊にします
溶解皿(溶解るつぼ)にプラチナを入れて酸素バーナー
の強烈な炎の火力でドロドロに溶けるまで溶かします
このように溶かす作業を溶解(ようかい)といいます。
溶解皿から地金塊を取り出す
溶解皿の坩堝(るつぼ)が丸い容器の形なので、地金が
溶けて地金塊になると丸い形の塊になって固まります。
これが結婚指輪の1番最初の姿ということになります
結婚指輪というかリングの形にもなっていない姿です。
ここから時間をじっくりとかけながら鍛造作業からの
彫金、彫刻作業で結婚指輪の形に作っていくんですね!
日本伝統技法の1つ
鍛造(たんぞう)です
これからお見せするのが、日本が誇る鍛造という製法
鍛冶と金物の町、新潟が誇る全国でも屈指な鍛造技術
メイドインジャパン!メイドインニイガタの鍛造です。
金床(かなどこ)という鍛冶台に溶かしたプラチナ塊を
乗せてヤットコで掴んで固定してハンマーで叩きます!
真っ赤に熱しているプラチナ塊はとても危険ですので
ヤットコでしっかりと掴んで固定をして鍛冶作業です。
地金塊を締め上げて鍛錬
鍛冶で地金塊を叩き上げる事を締め上げるともいって
金床に乗せたプラチナ塊をハンマーで叩いて締めます。
鍛えて造ると書いて「鍛造」という意味になります
溶かした地金塊をハンマーで叩いて締めて鍛錬します。
画像でお分かり頂けるかと思いますが、ハンマーを
振りかざす勢いと、力強さが凄まじいのが分かります。
怪我と火傷に要注意
鍛造のメインとなる鍛冶作業はめちゃめちゃ危険です
真っ赤なプラチナ塊をハンマーで力強く叩きますので
ヤットコの掴みが甘いと衝撃ではじいてしまうんです!
床に落としてしまうと床が燃えて焦げてしまいますし
もし体に飛んできたら火傷をしてしまうので危険です。
かといって、火傷が怖いからと臆病になってしまうと
プラチナ塊を鍛えることができないので真剣勝負です
鍛造を継承した職人は体を張って指輪を作っています。
万遍なく締める事がポイント
万遍なく叩いて締められるように四面から叩きながら
四角形になるようにハンマーで成形をしながらの作業。
丸かった地金塊が少しづつ鍛冶作業で四角になります
地味で地道な鍛冶を続けながら叩き伸ばしていきます。
まだリングの形になるのには程遠い状態になりますが
じっくり丹念に鍛えていきながらリングに近づけます。
巣穴の原因を無くす
プラチナに限らずゴールドでもシルバーでも地金内に
微量な空気が入っているんですが、この空気が厄介で
巣穴の原因になるので何度も締めて空気を抜きます
地金内に微量とはいえ空気が入っているということは
結婚指輪の強度に深く関係してきますので鍛冶作業で
空気を完全に地金内から外に放出させることが重要。
空気が地金内に残っているということはスポンジ状態
強度も弱くなりますし、表面から巣穴が出たりします
出来合いの既製品に巣穴がたまにあるのがそれが原因。
※出来合いの既製品は巣穴が表面にでたらロウ付けで
巣穴を溶かして隠しますが内部の巣穴はそのままです。
焼きなまし
プラチナ塊をハンマーで叩き上げて締め上げていくと
プラチナ塊が締まり過ぎてカッチカチになってきます
硬くなりすぎると叩くとハンマーが跳ね返ってきます
結婚指輪の強度を上げるために締めているので実際に
硬く締まってきたということは良いことなんですが、
まだまだ更に締め続けていくことで更に強くさせます。
そこで地金塊をバーナーの炎で真っ赤に焼き上げます
そうする事で締まりの硬さが緩和するので更に叩いて
締め上げて強度を上げることができるようになります。
鍛造の指輪=密度が濃い指輪
鍛造で手作りをする結婚指輪は、密度が増しています
鍛造で鍛えて造るとなぜ頑丈で強くなるのかというと
指輪の素材 プラチナ密度が高くなる為
鍛冶でプラチナをじっくり鍛錬する事で空気が抜けて
粒子が整い締まって密度がどんどん増していくんです
地金の密度が増すと、粘り強くなって頑丈になります
ただ硬くて頑丈ということではなく、粘り強くなると
リングの変形に強くなって衝撃や傷にも強くなります。
既製品は鋳造という製法
では、一般的に販売している出来合いの既製品は何か?
それは鋳造(ちゅうぞう)という製法で作られた製品です。
リングのデザインの原型となる型をロウワックスで作り
そのリングの型に溶かした地金を流して固めて作ります。
機械生産なので大量生産ができるというメリットがあり
世の中のジュエリーの99%以上が鋳造製品なんですね
有名なブランドのジュエリーもほとんどが鋳造製品です
鋳造のデメリットは、溶かした地金を型に流して固めて
作るので地金は絞まっていないので地金密度がそのまま
そして巣穴のそのままなのでリングの強度が弱い事です。
完成したジュエリーの見た目は同じに見えたとしても
鍛造と鋳造は全く制作工程が違うので性質も違います
結婚指輪のサイズに合わせて伸ばす
鍛冶を続けながらプラチナ塊がプラチナ板になるように
最初から計算をしながら叩いて伸ばしていたんです(^-^)
計算というのは、結婚指輪の幅の太さと結婚指輪の厚み
そして2本分の結婚指輪のリングサイズということです。
この3点を頭に入れながら計算しながらの鍛冶作業です
指輪の幅と厚みがピッタリでもサイズが足りなかったら
結婚指輪を作れませんので正確な計算が重要になります。
同じ素材から作る結婚指輪は感動
今までの指輪作りの工程を見ていただいて分かっている
方も多いと思いますが、1つの同じ地金から結婚指輪を
2本手作りするという感動的な制作工程なんです(^-^)
お客様目線で考えて、お客様が1番喜んでいただける事
それは当店でしか出来ないことをるすのが1番だと思い
手間を度外視して1つの素材から作っているんですね!
同じ素材で手作りした結婚指輪だからこそお互いの絆や
愛情を指輪から感じられるという究極の結婚指輪です!
いつでも一緒だね!という想いを指輪から感じられます。
メンズとレディースの
リングサイズに調整する
1枚の長いプラチナ板を糸ノコギリを使い2枚にカット
メンズの結婚指輪に必要なサイズの長さでカットをして
レディースの結婚指輪に必要なサイズの長さにもします。
ちなみに、10号の指輪を手作りするために必要になる
板の長さは約55ミリになのですが、サイズによっては
必要になる板の長さが変わってくるので正確に出します。
1ミリでも板の長さを間違えてしまうと1号も変わって
しまうという作業になるので寸分の狂いも許されません。
指輪に刻印を入れる
結婚指輪の内側になる面を決めて、刻印を打ち込みます
ここで入れる刻印はお客様用の記念日などの日付などや
お名前やメッセージの刻印ではなく店側専用の刻印です。
店側が入れる刻印は2通りあってどちらも重要な刻印で
1つは結婚指輪の素材を表すプラチナのpt900の刻印と
ジュエリーコウキで私が鍛造で手作りをした証明となる
ジュエリーコウキのブランドロゴjkの頭文字の刻印です。
地金板を丸めてリングにする
プラチナ板を丸めてプラチナリングにしていきます
いよいよ指輪の形になっていくということです(^-^)
鋳造のように原型に流して指輪の形にするのではなく
鍛冶で伸ばした地金板を手作業で丸めて指輪にします
それが鍛造という伝統技法ですべてが手作業なんです
鍛造の地金板の丸め方は、丸棒という道具に地金板を
押し付け木槌で叩きながら丸棒に巻き付けていきます
丸棒に沿って丸まるので金属疲労も起きにくいんです。
繋ぎ目に隙間が無いように
地金板をリングの形に丸めていくと合わせた繋ぎ目が
必ずでてきますが、ここの繋ぎ目に隙間がもしあると
地金溶接のときに不具合がでるので隙間を無くします
地金溶接の方法は、隙間なく合わせた繋ぎ目に「ロウ」
という薄く伸ばした地金を挟んで溶かし溶接をします
そこに隙間が少しでもあると、地金溶接をしたときに
隙間に溶けて流れてしまったり食い込んだりするので
そのような不具合が出ないように隙間を無くします。
ファイヤアアアアアアー!!
これがプラチナリングの溶接作業の様子です(^-^)
プラチナ塊を溶解したときと同じようなパワーです!
こちらの地金溶接は共付け(ともづけ)という溶接です
一般的にジュエリーの溶接のときは、ジュエリー本体
よりも溶けやすいロウを使うのでロウ付けといいます。
しかし鍛造指輪の場合は、溶けやすいロウで溶かすと
溶接箇所が弱くなってしまうので、ジュエリー本体と
同じ地金を使って溶かします!それが共付けなんです。
本体の溶け過ぎに注意!
共付けはジュエリー本体と同じ地金で溶かしますので
とても難易度が高く難しい理由は、融点が同じなので
挟んだロウとリング本体が同時に溶けるんです(汗)
画像を見ても分かりますが、溶接部分のリングの角が
少し溶けて融合をしているのが分かりますよね(汗)
しかしこの程度で抑えられたのは溶接技術があるから。
溶接が苦手な職人さんが共付けをすると本体もロウも
同時にドロドロに溶けてリングではなくなります・・・
それほど難易度の高い溶接が共付けという事なんです。
しかし!同じ地金同時なので相性もよく頑丈な事から
鍛造指輪には最適な地金溶接だと自分は思っています。
結婚指輪のサイズ合わせ
共付けが完了すれば完全なプラチナリングになります
プラチナリングを丸棒に入れて、ハンマーで万遍なく
細かく叩くことで歪んだ指輪が綺麗な真円になります。
真円になったのを確認したらハンマーで強めに叩いて
プラチナリングのサイズを伸ばして合わせていきます
メンズのサイズ、レディースのサイズに合わせます
リングサイズを伸ばす作業は手作業で伸ばしますので
細かい微妙なサイズも対応ができるのが手作りの魅力
例えば1号より小さいサイズの0.5号でも可能です。
プラチナリングの彫金開始!
まずは鍛冶作業で叩きまくって育てられたプラチナの
リングの幅が大幅に広くなっているので削り整えます。
結婚指輪のベースは4ミリ幅の結婚指輪になりますが
最終的には側面もがっつり削ってデザインを出すので
幅が4ミリの部分もあれば、3ミリの部分もあります
肉厚の凹凸も結構でるデザインを彫刻していきます。
プラチナを彫刻する前に
指輪にデザインの下書き
動きのある水滴のようなデザインを削ったり彫ったり
彫刻をしていくので、まずは下書きが必須になります。
絶対に失敗が許されない高価な素材のプラチナなので
下書きといってもラフスケッチのような下書きではなく
設計図のような細かくキッチリとした下書きになります。
このようにリングの表面に下書きというか設計図を描く
この下書き作業を「ケガキ作業」とも言います(^ω^)
プラチナリングをいよいよ彫刻&彫金
いよいよ設計図に合わせて実際にプラチナを彫刻します
均等に割り出した位置、間隔、ラインと重要な線を描き
そこからデザインとなる部分を削っていく事になります。
今回の彫刻&彫金で使う工具は様々なヤスリを使います
様々な大きさや形があってデザインに合わせて使います。
最初は細かいデザインに手をつけていく事が出来ません
そこで最初は大きなパーツ、重要なデザインから削って
そこからまた計算で細かく位置を割り出して削るという
順番を繰り返しながらリングの全面を彫刻していきます。
大きなパーツから彫刻していく
荒い目のヤスリを使って彫刻作業&彫金作業をします
大雑把ですが、それとなくデザインが見えてきました
丸くなっている所が、水滴をイメージした部分ですね。
デザインの輪郭を削り出しながら位置を調整します
設計図の通りに削れば、ある程度は大丈夫なんですが
削って行く段階で位置がずれたりする場合があるので
微調整を繰り替えしながらリングを削る事になります。
ちなみに彫刻と彫金はほとんど同じ意味になりますが
彫刻は彫って刻むと書いて彫刻、彫金は彫る地金と
書いて彫金と読むので基本的には意味はほぼ同じです。
彫刻中のリングを横から見ると
彫刻&彫金中のリングを横から見るとこうなっています
結婚指輪の肉厚の凹凸が肉眼でハッキリとわかりますね。
このような凹凸を側面だけではなく、表面にも出す事で
デザインの立体感や全体の動きが増していくということ
流れる水滴のイメージもありますので動きは重要ですね。
リングの肉厚に凹凸の段差がハッキリと出れば出るほど
当然ですが立体感も出ますし、奥行も出てくるんですね。
彫刻でパーツとパーツを繋げていく
プラチナリングの彫金作業&彫刻作業が進むにつれて
結婚指輪のデザインも少しづつですが現れてきました
まだ平っぽいですが、滴っぽい感じが出てきましたね
大きいパーツをヤスリで彫刻と彫金をしていきながら
ある程度の形になったらデザインを繋げていきます
デザインが繋がることでリングが回っても繋がります。
最初の設計図の時から、かなり外見が変わりましたね
何もなかったフラットな平打ちがヤスリなどの彫刻や
彫金で削ったり彫ったりでこんなに形が変化します。
結婚指輪はバランスが重要!
2本のバランスを合わせる
荒目のヤスリで豪快にプラチナリングを削っていますが
まだまだ、中盤くらいの彫金&彫刻の擦り出し作業です
このような擦り出しでデザインを頭に入れながらの彫刻
そして結婚指輪は2本のペアリングというのが基本です
2本のリングサイズが違っていても見た目のデザインの
バランスが合うように2本同時での彫刻&彫金をします。
設計図通りに削れば良いというのは彫金の初期段階のみ
彫金作業が中盤に入ればリング表面も削る事になるので
表面に書いた設計図も消えるので付け足しながらの彫刻。
結婚指輪のフォルム制作
ここまで彫刻が進むと、リングに書いてあった設計図は
もはや消えて分からないレベルまで来ております(汗)
彫金や彫刻でプラチナリングを削ったり彫ったりなので
下書きの細いラインが消えるのは当然なのことですよね
下書きで書いたラインが消える度、その上から書きます
設計図のラインを付けたし、付けたしで彫刻をします
彫刻で削ってラインが消えたらラインを書いてまた彫刻
地道なこの作業を続けてると指輪のフォルムができます。
2本の指輪のフォルムも合わせる
2本の指輪のデザインもフォルムも見た目を合わせます
滴が優しく流れるようなイメージのベースができました
輪郭は角ばったフォルムなのでこの後は丸めていきます。
かなり勢いよくプラチナリングをガッツリ削っています
基本的にはプラチナは余計な削り方をしたら失敗します
削る箇所を絞って(狙って)削るのも職人の腕前ですね。
そのままの地金のみを彫刻
ロウ付けや、共付け、レーザー溶接などでプラチナを
失敗した箇所に足すことは出来ない事もないのですが
足すという行為は同じ地金じゃなくなるのでしません
しかも溶接をしてしまうと、焼きなまし効果がでるので
せっかく叩いて締めて鍛えた地金が柔らかくなるんです
ですので修正はしないように最初の地金だけで作ります。
これが1つの同じ素材から二人の結婚指輪を作るという
作り手としてのこだわりですので修正等は一切しません!
擦り出したパーツを丸める
滴のデザインとなるデザインパーツを表面に入れたら
彫金と彫刻で、擦り出した平面のパーツ類を丸めます!
角を取り丸める作業でデザインに立体感が生まれます
滴のデザインの凹凸によって丸め方を変えていきます。
パーツの全てを丸めるのではなくてデザインの流れに
合わせて丸めていくことで更に立体感と奥行きが出ます。
ヤスリを使った彫刻と彫金で
ここまでの立体感を出せます
めちゃくちゃリングに動きと流れが出てきましたね!
ヤスリだけの彫金作業と彫刻作業でここまで出来ます
他の工具も使いますが画像の段階ではヤスリのみです。
ヤスリには様々な大きさと様々な形状の種類があって
擦り出しをするデザインに合わせてヤスリを選んで
頭の中のイメージ通りに彫刻をしていく事がコツです。
精密ヤスリや先端工具を使って
更に細かい部分の彫刻をします
結婚指輪のデザインフォルムがかなり見えてきました
ヤスリが入らないような繊細な面はリュータの先端に
先端工具を装着して高速回転で回して地金を彫刻です。
リュータに装着をする先端工具にも様々な種類があり
他にも精密ヤスリがあるので使い分けて彫金彫刻です。
結婚指輪のフォルムの隅々まで仕上げていく彫金彫刻
大きなヤスリで対応ができない全ての面を仕上げます。
プラチナリングの彫刻や彫金で
擦り出した面を滑らかに仕上げる
油目ヤスリという目の細かいヤスリや先端工具でも
刃の細かい種類を使ってプラチナ面を滑らかにします。
滴の良さが全面にでるように微調整を繰り返しながら
自然な水滴の流れになるようにフォルムを調整します。
そしてこれだけ指輪を彫りこんだデザインとなると
気になるのが着け心地(指への負担)だと思います
次の工程で結婚指輪の着け心地を良くしていきます!
結婚指輪 着け心地を良くする
指輪の着け心地を良くするには角を滑らかにすること
結婚指輪の表面といい、側面といい、凹凸が激しめの
デザインではありますが角という角を丸めてあります
デザインが損なわれない程度の角落としなので大丈夫
もちろん指輪の内側も、指の形の角度に合わせて丸く
削ってありますので着け心地に何の問題もありません
そして指輪の内側の場合は指輪の角を多めに落として
そして角を落とすだけではなく甲丸のように丸めます
内甲丸(うちこうまる)という形状で滑らかになります。
内甲丸リングのメリット
内側を削るヤスリも目が優しく細かい種類のヤスリを
何種類も使って丸めていくのでフィット感も抜群です。
そこで内甲丸リングのメリットをお伝えいたします!
内側が甲丸リングのように丸くふっくら滑らかになる
ので指への当たりが優しく馴染むようになるんですね。
指を曲げても痛くありませんし締め付ける感じもなく
水はけも良くなるので衛生的になるのでお勧めです!
結婚指輪の着け心地を実際に指で確認して良かったら
プラチナの彫刻作業と彫金作業は完了になります(^-^)
耐水性の紙ヤスリで傷消し
プラチナリングをヤスリで彫刻と彫金をしましたが、
地金の彫刻跡の傷はどうしても残るので処理をします
ここで傷を完全に消さないと最後まで傷が残ります
耐水性のサンドペーパーでプラチナの小傷を取ります
水に濡らしながら何度も何度も指輪の全面を擦ります
凹凸が激しいフォルムですが全てのパーツを擦ります。
こうすると水分を吸収した細かい砂が摩擦を繰り返し
プラチナの傷を消してくれるという仕組みになります
プラチナに傷がなくなると真っ白いプラチナになります。
シリコンポインターで
プラチナの面を滑らかに
次は、サンドペーパーで擦った細かいキズを消します
紙ヤスリでも擦れば髪の毛のような極細のキズがでて
ヘアラインとも言いますが、この小傷を消す作業です。
シリコンポインターという研磨ゴムで消していきます
研磨剤が含まれた特殊な研磨用のゴムで仕上げます。
シリコンポインターにも様々な形や大きさがあるので
デザインやパーツに合わせてポインターを使用します。
滑らかにすると光沢が出てきます
プラチナリングを光沢に光らせるには何度も磨きます
何度も磨くことでプラチナの表面が滑らかになります。
指輪のパーツに合わせてシリコンポインターを選んで
パーツに1番合う形を使って仕上げながら光らせます。
シリコンポインターは「シリコン」と名がつくので
そんなに地金が削れないと思う人も多いと思いますが
研磨ゴムなので意外と地金が削れてしまうんですね
同じプラチナ面ばかりをヒットさせてしまうと・・・
プラチナが凹んでしまうので注意が必要な作業です。
研磨用ゴムの次は、磨き用ゴム
茶色い研磨ゴムでリングの全面の小傷を取り除いたら
次は青色の柔らかい磨き用ゴムで磨く作業になります。
このシリコンポインターも様々な形があるのでパーツ
や用途に合わせながら高速回転をして磨いていきます
この青いゴムは柔らかくて研磨ではなく磨き専用です。
光沢の輝きが増してきました
磨き用のシリコンポインターで指輪の全面を徹底的に
磨き上げることで地金の光沢の輝きが増していきます。
指輪の全面ということは、指輪の表面以外にも内面や
側面も含まれているので指輪を全て光沢にするんです。
こちらの結婚指輪は、鏡面と艶消しのコンビデザイン
指輪の全面を光沢に仕上げてから艶消しに仕上げます。
光沢を更に磨くと 鏡のような鏡面になる
滴や水滴をモチーフにしたナチュラルなデザインです
とっても優しい感じが視覚で伝わってくると思います。
しかし、もっと輝きがあれば更に滴のようになります
今の段階では光沢という仕上げで鏡面ではありません。
ピカピカに輝いてこその水滴だと思っておりますので
プラチナを光沢から鏡面に仕上げる最終磨きに進みます!
ヘラ掛けという工程で鏡面に
ヘラ掛け(へらがけ)という工程で鏡面に仕上がります
使い方は簡単そうに見えますが簡単ではないんですw
ヘラ掛けに使うこちらの棒を「ヘラ棒」といいます
ヘラ棒をプラチナリングの磨きたい部分に押し当てて
地金面を潰すように磨くと鏡面が少しづつ出てきます。
鏡面を仕上げるのは職人さんの技術力で違いが出ます
ヘラ掛けが下手な職人がするとキズだらけになります。
力を込めて目に見えない傷を潰していくイメージです
鏡のような鏡面を生み出すにも全てが手作業なんです。
バフ掛けで鏡面の最終仕上げ
ヘラ掛けで鏡面を出したらバフ掛けで最終仕上げです
磨き布でヘラで仕上げた鏡面を磨いて更に光らせます。
プラチナリングの面が鏡と同じように反射をするまで
とことんプラチナリングを磨き倒して反射を出します。
画像はリュータに装着できる小さいバージョンですが
大きな機械に装着されたフル回転のバフでも磨きます。
艶消しのマット加工
これで指輪が完成!と言っても過言ではないのですが
艶消しのマット加工を使ってデザインを引き締めます。
画像を見て分かるかと思いますがピカピカ光りすぎて
デザインの区別が分かりません(これで完成でもOK)
全面光沢が悪い訳ではないですよ~好みの問題ですよ。
滴のデザインはピッカピカの鏡面、その他の部分には
艶消しを効果的に使って滴が目立つように仕上げます。
鏡面と艶消しのコンビ
プラチナといえばピカピカに光った鏡面が定番ですが
最近ではプラチナの艶消しも人気があってよくします。
そして今回の結婚指輪のように鏡面と艶消しを効果的
に合わせた鏡面と艶消しのコンビも人気上昇中ですね。
特に今回の結婚指輪のデザインは、水滴をモチーフに
しているので水滴を光らせることで美しさが増します。
流れるような優しいフォルム
何処から見ても滑らかで流れるような優しいフォルム
エッジが一切無いツルツルとした滑らかなリングです。
彫刻と彫金で凹凸がけっこう出ているデザインですが
角という角を丸めているので凹凸でも滑らかなんです。
水滴が流れるイメージをモチーフにした結婚指輪です
自然を感じられるデザインなので癒されてほしいです!
彫刻と彫金に超こだわった個性的な結婚指輪
もちろん彫刻や彫金だけではなく、鍛造製法で1から
叩いて焼いての繰り返しで作る手作りの結婚指輪です。
手間がかかっても本物を多くの皆様に届けたいです
価格もお求めやすいように価格設定しておりますので
是非、結婚指輪のご依頼をお待ちしております(^-^)
最後になりますが、こちらの結婚指輪をご依頼された
群馬県のお客様から頂いたお手紙をご紹介いたします
作り手として、貰ったお手紙がとても嬉しかったです。
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池田さん、忙しい中、私たちの為に早く
納品して頂いて本当にありがとうございました。
ずっと、指から外すことなく付けますと2人で誓いました。
本当に、お世話様になりました。
これからも、素敵なお仕事を自信持って続けてください。
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〒940-2003
新潟県長岡市渡場町2-7
株式会社ジュエリーコウキ
結婚指輪の一覧 → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
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