指輪の作り方【金の結婚指輪を手作り】5.5ミリの幅広い指輪を叩き出し

手作りで結婚指輪を作る宝石店 ジュエリーコウキ
当店2代目で宝飾職人でもある私が書くブログです

最近、流行っている手作りの結婚指輪ですが手作りと
いっても様々なパターンがある事を知っていますか?

例えば、部品などのパーツを組み合わせたタイプとか、
指輪の原型をロウワックスという青色のロウ材を削って
指輪の型をつくって溶かした地金を流して造る方法など。

ジュエリーコウキがしている手作りは、どれとも違って
直接、地金に触れて作っていくという珍しいスタイルで
昔から伝わる日本の伝統技法で宝飾職人が作る指輪です。

鍛造(たんぞう)という製法で文字通り鍛えて造ります
分かりやすくいえば鍛冶で鍛錬をした地金で作るんです
鍛冶場でカンカン叩いて作るイメージの指輪です(^-^)

宝飾職人

鍛造で作るリング=鍛造リングと言いますがシェア率が
少ない製法で、全国でも限られた専門店しか作れません
そのシェア率は全てのジュエリーを含めて何と5%以下。

当店2代目の私、池田も師匠である父から25年の修業で
鍛造製法を受け継いだ宝飾職人で45歳のおっさんですw
いい年齢になってしまいましたが生涯現役でいきます!

さて、私が書いているこのジュエリーコウキのブログは
鍛造の指輪を多くの人に知ってほしいので書いています
当店が手作りしているのは結婚指輪が多いですが本日も

金の結婚指輪の作り方

を制作工程の画像とともに、説明文を入れながら細かく
指輪の作り方や、やり方などを詳しく書いていきます!
それでは結婚指輪の完成までよろしくお願いします(^-^)

金 鍛冶

金を鍛冶で鍛錬する

宝飾職人が鍛えて造るリングなので鍛造リングです
という事で早速、結婚指輪の素材となる金を鍛えます
指輪に使う金はK18YG(18金イエローゴールド)です。

金床(かなとこ)という鉄板台に金を置いて叩きます
ヤットコで金を掴んでハンマーでガンガン叩きあげます
これを、締める(しめる)地金を締め上げると言います。

金 鍛錬
金を締めると金が強くなる
強くなった金は密度が濃い

金が強くなる事が鍛造リングの最大のメリットとなります
ハンマーでガンガン叩きあげて金を締めていく事によって
金に含まれる微量な空気(巣穴)が絞めると無くなります。

微量な空気が金から放出されることで金の粒子も整います
何度も繰り返す事で金の密度が増して密度が濃くなります
密度が増した金は変形しにくく硬度も上がるという仕組み。

金 焼きなまし

金の焼きなまし

鍛冶はハンマーで地金を叩いていればそれで良しではなく
何度も繰り返して地金を叩いていると地金が締まり過ぎて
カッチカチに固くなって、叩いても跳ね返ってくるんです
もともと金には反発力はありますが何倍にもなるんですね。

こるなるとハンマーで叩いても締める事が難しくなります
そこでいったん炎で金を真っ赤に焼く事で柔らかくなって
また叩いて締める事ができます。これが”焼きなまし”です

画像の金が黒くなっていますがご安心下さい!大丈夫です
これは炎を当てると金が酸化して黒くなっているだけです
酸化膜といって硫酸水に入れたり研磨をすれば消えます。

金 鍛冶作業

鍛造リングは変形しにくくて
キズが付きにくく強度がある

締め続けて密度が上がった金で作る結婚指輪は強いんです
具体的には、指輪でよくある変形のお悩みがなくなります
完全に変形しないとは断言できませんが変形しにくいです
出来合いの製品に比べたら何倍も変形しずらいといえます。

そして金の指輪の強度も硬度も増しているのでキズや凹み
などにも強くて「既製品の指輪と鍛造の指輪」を比べると
同じ衝撃を受けたとしてキズや凹みは鍛造リングのほうが
断然つきにくいということが証明されているんです(^-^)

金 指輪の作り方

結婚指輪のサイズ&幅と厚みに合わせる

鍛冶作業で最終的に画像のように金を板状に成形します
この時点でこの板の幅と厚み=結婚指輪の幅と厚みです
結婚指輪の全体のサイズを考えながら伸ばしていました。

それともう1つ、結婚指輪の全体のサイズといいました
これは指輪のサイズも含まれます(もちろん2本分です)
男女のサイズに必要となる長さになるように伸ばします。

鍛冶は何も考えずに締めて密度を上げていただけでなく
2本分の結婚指輪のサイズ、指輪の幅や厚みなども考え
実際にそうなるように考えながら叩いて伸ばしています。

金 ペアリング 作り方

1つの金から2本の結婚指輪を作る

鍛冶で鍛錬して伸ばした1枚の長い板を2枚にします
糸ノコギリで男性用と女性用のサイズにカットをします
という事は!1つの同じ金から結婚指輪を作るという事!

素敵でロマンチックな指輪作りの工程だと思いませんか?
同じ素材から誕生した結婚指輪なのでお互いの指輪から
愛情や絆を感じることが出来る愛のある結婚指輪なんです

たとえ離れていても、どこにいても、ずっと一緒みたいな
こんな感覚を結婚指輪から感じられるなんて最高ですよね!

これは私が工房で1つ1つ手作りをするので可能なんです
大量生産などの出来合い品には絶対に真似ができませんよ。

金 結婚指輪 作り方

板を丸めてリングの形に

2枚の板になったら1枚ずつに刻印を打ち込んでいきます
リングの素材がK18だと証明するK18の刻印と、もう1つ
ジュエリーコウキで私が手作りした証明のjkマークです。

この2つの刻印を打ち込んだらリング形に丸めていきます
丸棒という円柱の道具があるので、丸棒に板を当てながら
木槌で板を叩いて丸棒に巻き付けるイメージで丸めます。

指輪 丸め方

鉄製のハンマーの金槌で丸めることも出来ますが、金槌は
固いので板が凹んだりするので木製の木槌がベストですね。

丸棒は先端が細くて根元が太い形の鉄棒になっています
その理由は、リングのサイズに合わせて丸める事が可能と
いうことで丸棒の先端は1号、根元が30号という事です。

という事は丸棒の真ん中あたりは15号くらいという事で
これから作る結婚指輪のサイズを確認しながら丸めます。

指輪 丸める

隙間が無いように丸める

板をリングの形にまるめると必ず合わせた口、繋ぎ目が
でてきますので繋ぎ目に隙間が無いようにして丸めます
もしも隙間が出きてしまったら削って隙間を無くします。

この後で「ロウ付け」という指輪の溶接をするのですが
合わせ口に隙間があると溶接をしたときに食い込みます
最悪の場合、指輪の繋ぎ目が溶ける場合もあるからです。

金の指輪 ろう付け

k18リングのロウ付け

金の指輪にある繋ぎ目を、溶接で溶かして融合させます
この溶接方法をロウ付けというのですが指輪の合わせた
繋ぎ目に薄く伸ばしたk18を挟んで溶かすという仕組み。

焼きなましと同じですが、k18に火を当てると酸化膜で
結婚指輪が真っ黒に変色しますがロウ付けが完了したら
硫酸水に入れて酸化膜と落とすと金色に戻るので大丈夫。

金の指輪 サイズ伸ばし

リングを綺麗な真円にしてサイズ調整

丸棒に巻き付けて丸めたので、ある程度は綺麗な丸ですが
完璧な真円ではない状態なので再び丸棒にリングを入れて
今度は木槌ではなく金槌でリングを叩いて真円に丸めます。

この時にある程度、指定の指輪サイズになるようにします
この後の作業で「打ち出し」というタガネを叩いて模様を
出す工程があるので、そこで最終的なサイズに伸ばします。

ここではリングを綺麗な真円にして、指輪のサイズを指定
よりも半番くらい小さいサイズまで伸ばしておきましょう。

鏨の叩き方

鏨で叩いて指輪に打ち出し模様を入れる

金の結婚指輪に鏨で打ち出し模様を打ち込んでいきます
事前にハンマーで真円にしながら叩いていたので薄い
槌目模様が下地となって打ち出し模様が映えるんですね。

宝飾職人さんはオリジナルの鏨(たがね)を持っている
ことが多いんです(画像の指輪を叩く道具がタガネです)

自分もオリジナルの鏨を何種類も作って持っています
鍛冶で鋼を叩いて伸ばして削って形を作って火に入れて
まるで刀を作っているような作業工程で鏨を作るんです。

金の指輪 叩く

打ち出し模様は、唯一無二の模様

今回の結婚指輪のベースとなる形は平打ちリングの形です
K18平打ちリングの全面にガッツリと入るように叩きます
幅が5.5ミリありますので端から端まで全部打ち込みます。

平均的に全面を鏨で叩きますが、スタートは指輪の真ん中
から打ち始めて、両脇の端にいくようにしながら叩きます

鏨の角も利用しながら叩くことで、浅い凹みも深い凹みも
織り交ぜながら叩いていくと模様に立体感が出てくるので
面だけではなく角も上手に使いながら叩く必要があります。

k18指輪 叩き模様

打ち出しの指輪は奥深いデザイン

打ち出し模様は、鏨の硬さや長さ、打ち込む位置、角度、
また打ち込む力加減などで模様の全てが変わってくるので
打ち出し模様は唯一無二の模様となり、それが魅力ですね。

当店では伝統技法を大事にしていますので模様の入れ方も
こだわります。昔から受け継がれてきたやり方で進めます

鏨で打つ模様=打ち出し 金槌で打つ模様=槌目 などなど
昔から受け継いだ技術をそのままと+αで現代に残します
宝飾職人が減っている今、この技術を何としても残したい!

金の結婚指輪 幅広い

金の結婚指輪が太い&肉厚
K18をたっぷり使った指輪

唯一無二の模様なので模様を合わせる為に(似せる為に)
2本のリングを同時に打ち出しを入れる必要があります。

1本づつ入れると模様が決まってしまうので2本交互に
叩いて打ち込んでいくことで模様が平均になって似ます。

2本の金の結婚指輪をご覧ください!模様が似ています
そして、このボリューム満点の幅の広さと分厚い肉厚が
ゴージャスなジュエリーの大人の雰囲気を出しています。

指輪の幅を削る

結婚指輪の広さを5.5ミリに合わせる

叩きまくって手作りした金の指輪の幅が太くなっています
ハンマーで叩きまくって鏨で叩き出したので当然ですよね

完成したときの指輪の幅は5.5ミリの指定ですが画像の段階
では6ミリ近くまで幅が広がっていますので幅を削ります
バランスよく削りたいので両方の側面から同じだけ削ります。

金の指輪 角落とし

結婚指輪の角を削る角落とし
角が指に当たっても痛くない

基本的に、平打ちタイプの指輪は角があって痛く感じます
指輪の角が鋭利であればあるほど痛くなるので要注意です。

指輪の角が指に当たっても痛くないレベルになるまで角を
ヤスリで削り落として、指輪の角の角度を微調節をします。

しかし、平打ちリングの角の削り過ぎには注意が必要です!
角を斜めに落とし過ぎると平打ちの魅力が半減するからです
平打ちリングのバランスを保ちながら角を落としていきます。

結婚指輪 内側が滑らか

結婚指輪の内側は「内甲丸」にする

指輪の外の角を落としたら次は指輪の中の角を落とします
結婚指輪の中の角を落とすだけではなくて内甲丸にします。

内甲丸(うちこうまる)とは甲丸のように丸くする事です
内側を甲丸のように丸くするので内甲丸と呼ばれています
流れとしては内の角を落としてから内全体を丸く削ります。

内甲丸

内甲丸にすると付け心地が滑らかに

指輪を内甲丸にすることで素晴らしいメリットがあります
指の形と内甲丸が馴染むので滑らかで付け心地が良くなり
内側が甲丸なので水はけが良くなって指がふやけません。

水はけが悪い指輪は、いつまでも指輪の裏に水が残るので
指がふやけたり、かゆくなったりして不衛生なんです(汗)
リングの内側が平になっていると水はけが悪くなります。

特にリング幅が広ければ広いほど水はけが悪くなりますし
指を曲げた時に角が当たって痛くなるので内甲丸にします。

金の指輪 傷を消す

K18結婚指輪の傷を消して仕上げる

K18結婚指輪の形が完成したのでキズを消して仕上げます
指輪の表面には打ち出しが入っているのでそのままでOK
K18リングの側面と内面はヤスリで削ったので仕上げます。

基本的にヤスリで金を彫金をするときは荒い目のヤスリで
荒く削って形を出してから、細かい目のヤスリで整えます
しかし目が細かいといってもヤスリなので削り跡は出ます。

そこで彫金でできた小傷を耐水性のサンドペーパーで擦り
消していきます(耐水性は水と合わせて擦ると効果大です)
水と研磨砂が混ざりキズの奥まで浸透して消えやすりです。

金の指輪 磨き方

研磨ゴムで滑らかに仕上げる

サンドペーパーで彫金をした小傷を消したら次は研磨ゴム
シリコンポインターという種類の研磨ゴムを使用します。

サンドペーパーで擦った細かい髪の毛のような線があって
それが無数にあるので消えるまで研磨ゴムで仕上げます
ここで完璧にキズを消さないとキズが残るので最終仕上げ。

金の指輪 磨く

最後はK18に光沢を出して完成

シリコンポインターでK18リングの内側のキズを取ったら
バフという研磨布で磨きますがこれが最後の磨き作業です。

K18YGがピッカピカに光るまでバフで何度でも磨きます
青粉や赤粉という地金用の磨き油をつけて磨くと光ります
バフは結構なパワーで回っているので火傷に注意です(汗)

金の結婚指輪 幅広い

K18YG 艶消し&打ち出しの
幅広い結婚指輪が完成です!

手作りでコツコツと作った結婚指輪がついに完成しました
打ち出しデザインのマット加工が渋くてお洒落でGOOD!
鏨で叩いたナチュラル感を出したいのでマット加工は少々。

幅が5.5ミリある金の結婚指輪なので見た目がゴージャス
しかし打ち出し効果と艶消し効果で派手さは感じません
逆にもっと目立たせたいなら光沢にすれば目立ちますね。

K18結婚指輪 太い

和紙のようにも見える不思議な打ち出し模様です(^-^)
オリジナルで私が自作した鏨で打ち付けたデザインです
このような模様を出すことは私にしか出来ないという事。

私は鍛造を受け継いだ宝飾職人ですので得意は叩きです
金槌を使って叩いたり鏨を使い叩いたり叩きのプロです
今回のように叩いて作る指輪は1番得意とする分野です。

槌目の結婚指輪や打ち出しなどの叩き模様のデザインを
お探しのお客様は是非、私に作らせて頂きたいですね!

最後に、こちらの金の結婚指輪を動画で撮りましたので
色々な角度からリングをご覧頂ければと思いますm(__)m

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

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