鍛造の結婚指輪の専門店ジュエリーコウキ
工房で1つ1つ鍛造で指輪を手作りします
鍛造(たんぞう)という製法は日本の伝統技法の1つ
鍛えて造るという意味で鍛錬しながら指輪を作ります。
この技術は昔から受け継がれてきた日本の伝統技術で
代々鍛造技術を継承してきた宝飾職人しか作れません。
近年、鍛造という製法が注目されて鍛造の結婚指輪が
増えてきましたがほとんどは鍛造ではなく鍛造風です
鍛造に似せて作る鍛造風は本物の鍛造と全く違います。
例えばですが機械で地金をプレスして圧縮をする製法
こちらは機械で圧縮をする圧縮リングで違う鍛造です
昔から伝わる本物の鍛造は鍛冶で職人が手作りします。
ちなみに本物の鍛造で手作りをした結婚指輪は全体の
結婚指輪の1%未満しか存在しない特別なリングです
当店は全国でも数少ない本物の鍛造リング専門店です。
こんにちは (*´Д`)
当店ジュエリーコウキの二代目で宝飾職人歴29年です。
私、池田が師匠である父から代々受け継がれてきた鍛造
という技術を継承して工房で1つ1つ手作りしています。
鍛造とは画像のように金槌で地金を叩いて鍛える鍛冶で
手間をかけながら指輪を手作りしていくという製法です。
鍛冶で鍛錬をされた指輪は、密度が増して強靭な指輪に
育ちますので変形や歪みや傷や衝撃に耐えられるんです
鍛えて造る指輪という意味で「鍛造リング」と言います。
【結婚指輪 鍛造】
ご紹介をする鍛造の結婚指輪は打ち出したリング
ハンマーで打つハンマリングで作り上げるリング
制作過程は終始、ハンマーを使って作っています
結婚指輪は槌目加工
デザインは槌目(つちめ)という金槌で打ち出す
伝統的な模様で唯一無二の模様で同じものは無し
今回の槌目加工は金槌と鏨(たがね)を使います
可愛いハートと桜の花びらのオリジナル槌目加工
すでに完成していますので完成品をご覧ください。
結婚指輪は3mm幅
素材はプラチナです
鍛造で作り上げた結婚指輪の幅は3mm
結婚指輪の素材はプラチナ(pt900)です
結婚指輪の幅が3mmというのは太過ぎず、
細すぎず、幅としては3mmは丁度いいですね
リングの素材となるプラチナは結婚指輪では
1番人気でpt900を使ってお作りいたします
他にも珍しい純プラチナのpt1000もあります
鍛造の結婚指輪 作り方を徹底解説
鍛造の結婚指輪のご依頼主様は、何と大阪のお客様
大阪府にも沢山のジュエリーショップがあるんだと
思いますが新潟の田舎の小さなジュエリーショップ
を探して見つけて頂いて感無量でございます(涙)
ご依頼を頂いたお客様の為に他では見れないような
工程を記事にできればと思います。鍛造の結婚指輪
の完成までお付き合いを頂ければと思います(^ω^)
【結婚指輪 鍛造 制作過程】
指輪を作る為に必要な地金を溶かす
結婚指輪の素材となる地金(じがね)を溶かします
地金とはジュエリーの素材の事です(今回は指輪)
今回の場合はプラチナ900が指輪の地金になります
結婚指輪は2本セットで、ペアリングと同じ2本組
という事ですのでペアのプラチナリングを作る為に
必要なプラチナの重さ(重量)を計算して溶かします。
プラチナ 熔解(ようかい)
地金を溶かす作業の事を”熔解”と言います
プラチナを溶かす専用の皿、溶解皿に地金を乗せて
酸素バーナーの炎でがっつりプラチナを溶かします
ちなみにプラチナがドロドロに溶ける温度(融点)
は約1770℃です(プラチナ1000も含みます)
溶かして固まったプラチナ
酸素バーナーで溶かしている段階ではドロドロ
しかし炎を地金から外すと写真のようになります
すぐ固まって丸くなります(溶解皿が円形なので)
炎を外しても冷めている訳ではないので注意!
真っ赤になっていなくても強烈に熱く火傷します
完全に地金が冷めるには時間をおくか水に入れます。
プラチナ 鍛金の開始
鍛える地金と書いて鍛金(たんきん)と言います
そして鍛金で鍛えた地金で造る事を鍛造と言います
鍛造製法でリングを作るので鍛造リングとなります
鍛金やら鍛造やら似たような言葉で頭が(・・?と
なってしまいそうですがシンプルに考えて下さい
まとめると指輪の素材を鍛えて造るリングですw
角床にプラチナを置いて金槌で打つ
角床(金床)という鍛冶専用の台に地金を乗せて
大き目の金槌(鋼鉄のハンマー)で叩き潰します
これからする作業が鍛金ですが鍛冶とも言います
がっしりと掴めるヤットコで地金を掴まないと
金槌で叩いた衝撃で飛びはじく事もあるので注意
それ程に力を入れて叩くので地金が潰れるんです。
プラチナを四角形にしながら伸ばす
ハンマーでプラチナを叩きながら伸しますが、
四角形になるように整えながら叩いていきます
理由は、万遍なく平均的にプラチナ全体を叩いて
衝撃を加えられる為と、リングを作るのに四角形
が向いているという理由(後で詳しく説明します)
鍛造をする理由=密度を上げる為
地金を鍛えて造るから鍛造リングと言いました
ハンマーで叩いて絞めて(潰して)叩き上げて
酸素バーナーの炎で地金を真っ赤に焼きなまし
「火入れ」と呼ばれる工程で鍛冶の重要な作業
この刺激的かつ衝撃的な”鍛金”を繰り返す事で
プラチナに含まれる”ス”と呼ばれる微量な空気
を放出させて、プラチナの粒子が詰まっていき
プラチナの密度がぐんぐん増していくんです!
手間をかけてでも地金をじっくりと鍛え上げて
密度を上げる事で、メリットが凄くあるんです。
密度が上がったプラチナは頑丈
鍛造リングのメリットはズバリ頑丈なんです
密度の上がった地金で造るリングは変形にも
強くて曲がりずらく粘り強い特性も持ちます
毎日ハードにつける結婚指輪に最適なんです
リングの形が変形しずらくて既製品に比べて
傷もつきにくい事から鍛造の結婚指輪は最強!
世の中の結婚指輪 99%は”鋳造”
鋳造(ちゅうぞう)と読むのですが製造方法
が鍛造とは別物で、溶かした地金をリングの
原型に流し込んで固めて作る製法の事なんです
型に流し込む事から大量生産も可能という事で
世の中に同じ指輪が大量に出回る事になります
溶かした地金を固めるだけなので密度も弱くて
巣穴がある事もあったり、変形もしやすいです
ロウワックスを使い原型を作る場合も鋳造です。
※鍛造と鋳造は全くの別物です
鍛冶はエネルギッシュな作業の連続となりますが
この鍛冶工程でプラチナの密度が増していきます
今回はプラチナ結婚指輪なのでプラチナですが
素材がゴールドでも同じ工程で密度を上げます
密度を上げるにはこの鍛冶作業が必須なんです(゚Д゚)ノ
結婚指輪のサイズと幅と厚みに
鍛金の時にプラチナを四方向から金槌で叩いて
四角の棒に伸ばしていた理由の1つがコレです!
満遍なくプラチナ全体を叩く為という理由の他に
結婚指輪の幅と厚み、そして必要なサイズの長さ
この条件になるように考えて伸ばしていたんです
サイズに必要な長さというのは2つのリングの事
結婚指輪なのでペアリングとしての長さが必要です。
1つの同じ素材から2つの結婚指輪を手作り
伸ばしたプラチナプレートを糸ノコギリで2枚に
2枚のプレート、これが結婚指輪のベースです
同じ1つのプラチナから結婚指輪を作るんです!
結婚指輪として物凄く魅力がある制作方法ですよ
お互いの結婚指輪から2人の絆や愛情を感じられ
どこにいても2人が繋がっている感覚があります
オートクチュールの結婚指輪だからこそ可能です
※オーダーメイド専門店でもこの工程は困難
ジュエリーコウキは小さい工房で小回りも効いて
時間も自由に使える環境、職人も私だけという
だからこそ工程にもこだわれるという事なんです。
2つの指輪に刻印を入れる
2枚のプレートに刻印を打ち込んでいきます
2種類の大切な刻印を入れる事になります(^ω^)
1つは結婚指輪の素材となるプラチナの証明を
する為のpt900の刻印と、ジュエリーコウキで
鍛造で作った証明のjk刻印のブランドロゴです
どちらも証明をする為の大切な刻印なんですね
お客様の入籍日や結婚記念日、お名前などの
刻印とは別物で、お客様の刻印は最後に入れます。
プレートをリングの形に丸める
真っすぐなプラチナプレートを丸めていく作業
プラチナ自体を曲げる事は難しくないのですが、
綺麗なリングの形に丸める事が難しいんです(汗)
そこで、丸棒という真円の円柱鉄棒を使います
先端が細くなっていて根元が太くなっています
この独特な形に理由があって後程、説明をします。
丸棒に沿って丸めると綺麗に
リングにする時の丸め方は、職人によって様々
ヤットコで掴んで丸める職人が多いと思います
しかし綺麗な円になりにくいので私はしません
丸棒にプレートを押し当てて、丸棒に沿わせて
木槌で叩くと綺麗に丸まります(コツが必要)
完全な真円となると難しい事は事実なんですが
かなり綺麗な指輪の形になるので私はコレです。
丸めると板の端と端が合い”合わせ口”が出ます
この合わせ口に隙間が無いように調節をします
合わせた口に隙間があると溶接で困るんですね
ロウ地金という薄く伸ばした地金を合わせた口
に挟んで炎で溶かすという溶接方法なんですが
隙間が少しでもあると溶かした時にロウ地金と
指輪が食い込むように溶けるので駄目なんです。
溶接の事を”共付け”という
指輪に限らずジュエリー全般の溶接作業の事を
”ロウ付け”または”共付け”と呼びます
ロウ付け(ろうづけ)は、溶けやすいロウ地金を
使って溶接をする一般的で1番多い溶接方法です
共付け(ともづけ)は、溶けにくいロウ地金を
使って溶接をするのですが当店の場合は結婚指輪
の地金の一部を使うので指輪とロウの素材が同じ。
ファイヤアアアアアアー!!
指輪の一部からとった地金なので融点も同じです
プラチナの溶ける温度が約1770℃という事で
リングもロウ地金も同じ融点1770℃という事
同時に溶けるので溶接の技術が必要になりますが
共付けが成功すると同じ地金同士なので一体化し
強度も強いですし変色もなく溶接として最高です。
リングの融点と、ロウ地金の融点が同じですので
同時に溶ける事になって指輪の角が少し溶けます
技術がないと角どころではなく全部溶けます(汗)
ドキドキする共付け作業ですが、せっかくの
鍛造リングですので溶接部分にもこだわります
共付けが完了すれば繋ぎ目のない指輪の完成です
溶接部分をヤスリで削って馴染ませれば繋ぎ目が
分からなくなって完全なリングの完成となります
丸棒で丸めたので綺麗な円ですが、完璧な真円で
ないので再び丸棒に入れて叩きながら成形します
今度は木槌ではなく、金槌で叩いて真円にします
金槌はインパクト力があるので綺麗に丸まります。
手作りなので指輪のサイズも自由自在
2つの指輪が真円になったのを確認したら次は
サイズの号数を合わせるサイズ合わせになります
先ほどもお伝えしたように金槌は衝撃力があって
リングを叩き過ぎるとすぐサイズが伸びるんです
なので力加減をしながら細かく叩いて伸ばします
この方法だとサイズの号数も1号単位ではなくて
0.5号単位や更にもっと細かく対応ができます
しかし細かすぎても、指にリングをはめてみても
分からないと思うので0.5号単位で十分ですね
オートクチュールなので号数は自由自在なんです。
プラチナの結婚指輪にハートを入れる
ペアリングが重なるとハートになります(*´ω`*)
とってもLOVEなデザインで、愛を感じる結婚指輪
2つのリングが重なるとハートになるんですが
1つの時はハートの半分しか見えないデザイン
男女でハートを非対称にしたアンバランスタイプ
ハートが可愛すぎるかな?と思う男性でも大丈夫
片側だけのハートは意外とハートに見えませんね。
ヤスリでハートの輪郭だけ削る
最終的にはハートを深めに彫っていくのですが
今、ここで深めに彫って彫金作業をしてしまうと
タガネで打ち出し作業をする時に不具合が出ます
※不具合というのは、鏨(たがね)で打ち込むと
衝撃でハートの形が崩れたり凹んだりする事です
輪郭程度で浅く削るだけなら叩いても崩れません
ここの作業ではハートを薄く削る程度で十分です
深く彫る事が目的ではなく、ペアリングとしての
ハートの位置を知る事が目的という事です(^ω^)
指輪を作る道具も手作りのオリジナル
ここでは鏨という自作工具を使います
鏨(たがね)の種類は本当に沢山あります
彫ったり削ったりする鏨、叩いて打ち込む為の鏨
また石留めに使う鏨などこの業界の鏨は多種多様
これから使う鏨は叩いて打ち出す専用のタガネで
私が叩いて削って焼いて作った自作のタガネです
ジュエリー職人はタガネを自分でも作るんですよ
自分で作る=世界に1つしかないオリジナル工具
という事で桜の花びらの形をした鏨を作りました。
1つの指輪に桜の槌目を5つ入れます
桜の花びらの形と、ハートの形は似ていますね♪
モチーフとなるデザインが似ているので相性抜群
1つの指輪につき5枚の桜の花を打ち込みます
今回はお客様のご指定で5枚分の花を入れますが
お好みで何枚でも可能です(許容範囲内での枚数)
指輪のセンターにハートがすでに削ってあるので
ハートを含めてバランスを考え桜を打ち込みます。
桜のバランスを考えて打ち込む
基本的に指輪作りはバランスが命(指輪以外も)
桜の打ち方によってバランスが狂わないように
考えながら桜の花を打ち込ます(位置、向き、深さ)
今回の結婚指輪は特にバランス感覚が重要です
2つのリングを重ねる事から尚更という事ですね
ですので2つの指輪を重ねながら考えて入れます
打ち込む前にリングを重ねてみると、どの位置に
どの角度で、どの深さが良いのか分かるんですよ。
結婚指輪のセンターにあるハートを中心として
桜の花の位置が、2つのリングでほぼ同じです
ほぼ合わせるというのがポイントになるんです
完璧に合わせ過ぎると機械的になってしまって
手作り感を失ってしまうので、ほんの少しずらす
だけで動きも出ますしバランスも崩れず安心です
ここら辺の感覚は、指輪作りでの経験値が出ます
きっちりと合わせれば良いという物ではないです
※指輪作りの経験が少ない(浅い)人が格好を
つけて適当に崩しても駄目。基本があってこそ!
桜の次は四角い鏨で打つ
桜の花びらを5カ所リングに打ち出しました
これで桜の花びらの打ち出しは完了となります
次は四角いタガネでリングの全面を叩き上げます
下の写真の四角いタガネも、もちろん自作です
本物の手作り鍛造にこだわり抜いた制作工程です。
結婚指輪の表面を満遍なく叩きます
四角いタガネでプラチナリングを叩くと角が出て
モザイク模様のような芸術的な槌目が出てきます
ジュエリーコウキで私が打ち出しリングを作る時
この四角のタガネを1番使いますし1番綺麗です
四角が少し大きくなるだけで模様が大雑把になり
逆に少し小さくなると細かすぎて小傷に見えます
この大きさのタガネが1番綺麗に魅せれるんです。
桜の打ち出しの周りも、ハートの周りもタガネ
で打ち出し模様を入れていきます(側面はナシ)
桜の花やハートの形が崩れてしまうからといって
打ち出しを入れないとそこだけ浮いてしまいます
金槌で鏨を叩きながら万遍なく隅々まで入れます。
四角いタガネは、桜のタガネと違って重ねます
打ち出し模様を重ねる事で槌目に厚みと奥行感が
出てきますので1回だけではなく何度も重ねます
ここでも全体バランスは凄く重要になってきます
一箇所に集中して打ち込むと槌目が固まります
指輪全体に散らすように満遍なく重ねて入れます。
打ち出し模様を重ねるごとに槌目が深くなります
画像を順番に見ていくと槌目が濃くなっています
単純な凹凸から深みのある凹凸になっていますね
逆に”桜の打ち出し”は絶対に重ねてはいけませんw
一発勝負で一発強く打ち込んで桜の花を咲かせます
何度も重ねると桜の形がブレて輪郭も汚くなります。
打ち出す特有のマット感の槌目が魅力
プラチナリングが綺麗なマット加工になっています
普通は艶消し加工と言って、粒子や砂を吹き付けて
艶を消して白くマットにするのが普通なんですよね
しかし画像のマット加工はやり方が違うんですよね
打ち出しのタガネの先端を予め荒くしているんです
先ほどのタガネのアップの写真を見ると分かります
この荒い先端がある一定の力加減で打ち込まれると
写真のように芸術的なマットになるんですよ(^ω^)
このままマットでも商品価値は高いですが今回は
光沢になるので最終的に指輪を光らせていきます
なぜ光沢なのにマットにしてから光らせるのか?
それは艶無しの方が打ち出し具合を分かりやすく
確認できる為で、反射をすると見づらいからです
基本的に打ち出しデザインを作る時は今回と同じ
ように艶無しにして具合を確認するようにします。
鍛造リングは手間が物凄くかかっていますよね
金槌でも叩いて、更に鏨でも叩くという流れで
何万、何十万と叩いている本物の鍛造リングです
鍛造の作業も完了しましたのでいよいよ後半戦へ
プラチナリングを削ったり彫ったりする彫金です。
結婚指輪の幅を削って3mmに整える
1番最初の彫金作業はリングの幅を削り合わせます
金槌やタガネで叩き続けたので幅が広がっています
荒い目のヤスリを使ってガシガシと削っていって
リング幅の広さが整ってきたら細かい目を使います
ヤスリで削る彫金作業は基本的に荒いアラメヤスリ
を使ってから細かいアブラメヤスリを使うのが基本。
3mm幅の結婚指輪
3mm幅の指輪にするので3mmまで側面を削ります
片側だけ削るとハートや桜の位置が変わってしまう
ので両側の側面を同じように均等に削り合わせます
側面を削る時も、すり板にリングを固定しながら
リングを回すようにして側面を削ると安定して幅が
整うのでお勧めです(一部分だけ集中しない対策)
結婚指輪の角落とし
バリ落としという彫金作業になります(^ω^)
”バリ”とはヤスリで地金を削った時に出る角の事
ルーペなどで拡大して角を見ると角というよりも
ノコギリのようなギザギザした刃のような角です
ですので作業中に指をスパッと切ってしまうので
バリが出たらヤスリで削り落としていくんですよ
この作業で角を落とすので着け心地も良くなります。
ハートを深く彫る
最初の段階でヤスリで浅くハートを削りましたが
今度は、しっかりと深く彫っていく彫金作業です
リューターという回転をするペン型機械の先端に
丸い形状の刃をセットして回して彫っていきます
高速回転をするので滑らせないように注意です!
誤って先端工具を滑らせてしまうと他が削れます
もちろん指も切れますが指輪が削れる方が辛いw
ハートを光沢に光らせる
先端工具で地金を削ったままだと荒い面のまま
荒い面で仕上げる”荒仕上げ”も確かにありますが
しかし今回のハートはピカピカの光沢ハートです
シリコンポインターという研磨ゴムで磨きます
この先端工具もリューターにセットして使います
ハートの面がツルツルピカピカになるまでします
※結婚指輪のデザインによっては艶消しもします
またハートの中にダイヤを埋め込む事も出来ます
これで一通りの彫金作業が完了いたしました!
結婚指輪のデザインとしては、ほぼ完成ですね
残りの彫金作業は、結婚指輪の内側を削ります
つけ心地が良くなるように中面を丸く削ります
指に合う丸さがありますので丸さも調節します。
指の形には内甲丸がベスト
内甲丸(うちこうまる)仕上げといいます
結婚指輪の”着け心地を良くする”為にリングの
内側を丸く削るのですが”楕円形”に削るんです
中が丸すぎるとリングが揺れて安定しません
クルクル回り過ぎます(普段でも回りますので)
中が平すぎても平面の面積が多くなりますので
きつく感じたり汗や水など抜けにくくなります
写真くらいの楕円形が指に優しく合うんですよ。
鍛造の結婚指輪を仕上げる
指輪の中を丸く削れば、彫金作業は終了します
ここからは傷を消したり磨いていく仕上げです
出来合いの既製品の結婚指輪は仕上げ方が様々
中にはメッキをしている結婚指輪もあるんです
鍛造の結婚指輪はメッキなどは一切しません
鍛造製法と同じで仕上げも手作業で時間をかけ
昔ながらの仕上げ方法でじっくりと仕上げます。
シリコンポインターでプラチナを磨く
ハートを削った時に使ったた機械、リューターの
先端にシリコンポインターをセットして使います
シリコンポインターとは金属専用の研磨ゴムです
研磨具合も”強から弱”まであるので使い分けます
ハートや桜の花びらを光らせたいので磨きます
高速回転をする研磨ゴムですので、当て過ぎには
注意が必要です(当て過ぎると研磨され過ぎる)
結婚指輪の表、横、裏をすべて磨く
基本的には打ち出し模様にシリコンポインターを
使うのは危険すぎます(凹凸が消える可能性がある)
そこで打ち出し部分には研磨力の少ないゴムを選び
軽く磨く程度で打ち出しの仕上げは十分なんですね
しかしリューターだけではプラチナ特有の鏡面には
なりません ”ヘラ掛け” という磨き作業で光ります。
ヘラ掛け(へらがけ)
ヘラ掛けという特殊な磨き方で鏡面仕上げにします
ヘラ磨きとも言いますが、昔から伝統で伝わる技法
技術の技と書いて技法と呼ばれる位に難しいんです
ヘラ棒という工具に水を付けながら指輪を磨きます
磨くというイメージが出来ない磨き方なんですよ
プラチナリングの磨きたい部分にヘラ棒を押し付け
プラチナの面を潰しながら滑らかにしていくんです
押し潰さないと鏡面にならないという事なんです!
水をつける理由は滑らかに潰して動かす為なんです
押し付けるので失敗をすると凹んだり傷が付きます
指の力加減が難しくてタコもできるほど力強いです
現在は機械で磨けますがヘラ掛けは鏡面が深いです。
バフ掛け(ばふがけ)
ヘラ掛けが完了したら次はバフ掛け(^ω^)
○○掛けという言葉が2回続きますが最終仕上げです
ヘラ掛けで磨いた跡が、プラチナリングに残ります
ヘラ棒で強く押し潰しながら磨いたので凹凸の面に
なっているので凹凸をガッツリ磨いて消すんですね
凹凸になっているといっても肉眼で分からない程度
バフは何かと言うと磨き布が集まってできた物です
高速回転をさせて面を徹底的に磨く時に使うんです。
結婚指輪に日付や名前の刻印を入れる
結婚指輪の中にお客様の日付や名前やメッセージ
などの刻印を1文字づつ入れていきます(^ω^)
結婚指輪の中に入れる定番の文字は”日付と名前”
今回はその他にハートの模様も刻印で入れました
ハートを盛り沢山に取り入れた結婚指輪なんです♪
ハートが満載の鍛造の結婚指輪が完成
センターのメインデザインとなるハートの片側
そしてハートの形に似ている5枚の桜の花びら
結婚指輪の中面にも小さいハートの刻印入りです
男性もする結婚指輪ですので可愛くなり過ぎない
ように表面の全面に”打ち出し”を打ち込みました
打ち出しを入れる事で桜とハートが抑えられます
手作りをした鍛造の結婚指輪の詳細
○製造方法 鍛造(たんぞう)
○使用地金 プラチナ900(PT900)
○指輪の幅 3mm
○指輪の厚 1.6mm
○フォルム 平打ち
○デザイン 打ち出し&ハート彫り
○仕上げ方 鏡面仕上げ
アンバランスなハートが大人可愛い
2つの指輪を重ねるとアンバランスなハートに♪
男性のハートの方だけ少しだけ大きく作りました
綺麗にまとまったハートよりも大人可愛いですね
お客様のお好みで、縦に長いハートも作れますし
横に長いハートも作れますし、凄く小さいハート
だって彫る事もできますので自由自在です(^ω^)
鍛造の結婚指輪の制作をご依頼をいただきました
大阪のお客様には心からありがとう御座いました!
結婚指輪を色々な角度から動画でご覧くださいませ
お手紙も頂きましたので動画の後にご紹介致します
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最後にお客様から頂いたお手紙をご紹介
今日、到着しました。
2人で朝からまだかまだかと待ってました。
本当に素敵な指輪やなって言いながら☆
無理なお願いをしたにも関わらず頑張って
作って下さって感謝の気持ちでいっぱいです。
正直、最初は実物を見れない不安はありましたが
1つ1つの写真を送ってもらう事で、
凄く親近感も湧くし~
文章だけですが池田さんの人柄の
良さが伝わりこの人なら~任せれると思いました。
本当に本当にありがとうございました。
明日、指輪をはめて婚姻届を出してきます。
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に惚れてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。
ネット販売→ジュエリーコウキ ヤフーショップ
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