甲丸リングの結婚指輪【打ち出しの鍛造リング】光沢&マットのコンビ

ブログをご覧頂きましてありがとう御座います
手作り結婚指輪の専門店ジュエリーコウキです

当店2代目の私、池田が日々手作りをしている
手作り結婚指輪の制作風景をご紹介しています

職人として働き25年になるベテランですので
他店では見れないマニアックな制作工程などの
指輪作りの技術力を見せつけたいと思いますw

職人歴は25年ですが実年齢は44歳(^ω^)
若いのかオッサンなのか自由にご判断下さいw

指輪を作る職人

朝から晩まで工房で結婚指輪を制作中!

紹介をさせて頂く手作り結婚指輪のデザインは
甲丸(こうまる)という丸い形の結婚指輪です

甲丸とは?

甲丸と呼んだりバレルタイプなどと言いますが
一昔前は蒲鉾(かまぼこ)と呼ばれていました
蒲鉾の断面に似ている事から呼ばれていました

指輪のアーム(腕)の形が1番オーソドックス
平打ちリングと並んで指輪のデザインとしては
昔から定番で安定した人気のあるデザインです

ちなみに今、手作りをしている甲丸の結婚指輪
このような珍しい打ち出し状の甲丸も作れます!

甲丸リング

鍛造で作る甲丸リングの結婚指輪です

鍛造(たんぞう)の意味は、のちほど超詳しく
説明をさせて頂きますが早い話が金槌で叩いて
作っていくというバリバリ職人気質の結婚指輪!

一般的にあるピカピカに光かってツルルンとした
滑らかな甲丸リングと明らかに違います(*´ω`*)
叩きながら作ったので芸術的な雰囲気を感じます

では、鍛造で作った甲丸リングが完成するまでを
記事にしますので完成まで工程をお楽しみ下さい。

 

 

指輪の素材となるプラチナの熔解

まずは結婚指輪を制作するのに必要なプラチナの
重さを計算して割り出してプラチナを溶かします

地金(じがね)を溶かす事を→溶解(ようかい)
地金とはジュエリーの金属素材の事を言います
今回のリングで言えばプラチナが地金になります

地金を溶かす

プラチナが溶ける融点は約1770℃

眩し過ぎて肉眼では作業を見る事ができないので
溶接ゴーグルや溶接メガネで溶解の作業をします

指輪を作るのに必要な重さのプラチナを溶解皿に
入れ酸素バーナーで地金をドロドロに溶かします
バーナーの炎を外すと、速攻で地金は固まります。

プラチナ

この丸い塊がプラチナ

ドラゴンクエストに出てくるメタルスライムに
かなり似ているメタルボディーの丸いプラチナ

リングの素材ですので、硬くて丈夫なのですが
鍛え上げる事で更に密度が増し強度が増します
鍛造リングの核となる超重要な作業に進みます!

プラチナ 叩く

鍛造リング = 鍛えて造るリングの事

上の文字の通りにリングを鍛えて造るんです
プラチナリングの素材プラチナを鍛え上げます

鍛金作業(たんきんさぎょう)とも言いますが
溶かして丸くなった地金を金床という台に置き
ヤットコで掴んでハンマーでガンガン叩きます

じっくりと時間をかけて、プラチナを満遍なく
四方向から金槌で叩きながら伸ばしていきます。

プラチナ 鍛造

普通のごく一般的なジュエリーショップでは
鍛造リングを見ることが無いと思って下さい
鍛造リングは、極一部の専門店のみあります!

鍛造リングを作れる環境が必須となるからです
専門設備(機材や道具)そして技術と知識です
その為に熟練された一部の職人のみ対応が可能

ちなみに、大半のジュエリーショップで販売を
している結婚指輪は鋳造という出来合い品です
※鋳造(ちゅうぞう)とは型に流して造る製法

世の中に出回っているジュエリーのほとんどが
鋳造で作られた物で、その割合は95%以上で
残り5%以下が鍛造で作られたジュエリーです。

白金 鍛造

焼きなまし(なます)

金槌でガンガン叩いていると地金が締まります
締まり過ぎるとそれ以上締まる事が難しくなり
プラチナが育つスピードが格段に遅くなります

そこで下の画像のように、締まったプラチナを
酸素バーナーで真っ赤に焼いて柔らかくします
これを”焼きなまし”または”ナマス”と言います

ナマした地金を同じように金槌でガンガン叩き
また締まったら”焼きなまし”の繰り返し作業
根気と時間が必要な作業ですが妥協は一切無し

白金 焼きなまし

粒子が整い、空気が抜ける

鍛金作業を続けていくと地金中に含まれている
”す”と言われる微量の空気を放出できるんです
微量でも空気が放出されれば強度は上がります

同時に、叩いて焼いての繰り返しでプラチナの
粒子が整い締まって密度がぐんぐん上がります
密度が増した地金でリングを作るという事です。

プラチナ 伸ばす

密度が増したプラチナのメリットは凄い!

粘り強くなっていますので指輪の変形にも強く
出来合いの既製品よりも格段に変形がしにくく
頑丈ですので滅多な事が無い限り曲がりません

リングの変形などの強度面の他にも丈夫なので
傷のつき方も既製品よりは傷がつきにくいです

このようなメリットを得る為に、時間をかけて
までプラチナを鍛え上げていたんです(^ω^)
これが鍛造リングの最大のメリットなんですね。

プラチナ なます

結婚指輪のベース板になりました

じっくりと地金を四方向から叩き上げて伸ばし
写真のような長いプラチナプレートにしました

この1枚の板、このプレートから2つの指輪が
作られるんですがリングの幅の広さや肉厚など
2本分のサイズに必要な長さまで計算通りです

やみくもに叩いて伸ばしていた訳ではなくて、
しっかりと計算をしながら伸ばしていたんです。

鍛造結婚指輪 つくり方

同じ素材から作る結婚指輪

結婚指輪としてめっちゃ魅力を感じる工程です!
同じ1つの素材から2つのリングを誕生させます

何処にいてもお互いの結婚指輪から絆やLOVEを
感じる事ができるという同じ素材の結婚指輪です
この工程はジュエリーコウキだからこそ可能です

当然ですが大量生産の鋳造には真似が出来ません
鍛造専門店でも同時にリングを作らないと不可能
地金を溶かす所から始める当店ならではの強みです。

鍛造 ペアリング

結婚指輪の号数(サイズ)に合わせる

1枚の板からカットをして2枚の板になりました
この時点でプラチナ板の長さを調節していきます

(例)女性の結婚指輪の号数が10号だった場合
10号のリングを作るのに必要な長さは約55mm
男性の結婚指輪の号数が15号だった場合65mm

指輪のサイズによって長さは変わっていきますが
リング状に丸める前に長さを合わせていくんです。

鍛造指輪 作り方

プラチナ板を丸めてリングにする

この作業でいよいよ指輪の形になります(^ω^)
丸棒という鉄棒に地金プレートを押し当てながら
丸棒に沿うようにしながら木槌で叩いて丸めます

木製ハンマーの木槌で叩く理由は、プレートに
深い傷や深い凹みがつくのを避ける為に使います
指輪のサイズを伸ばす時だけ金槌を使い叩きます。

鍛造リング やり方

隙間が無いようにキッチリと合わせる

地金板を丸めていくと必ず板の端と端が合い
隙間が合わせ口に出てくるので隙間が完全に
無くなるように糸ノコギリで刻んで合わせます

合わせ口に隙間が少しでもあると溶接をした時
食い込んだり、ヒビ割れしたりなどの不具合が
出る可能性があるので隙間は綺麗に無くします。

鍛造リング 溶接

ロウ付け(ろうづけ)

ジュエリーの溶接の事を”ロウ付け”と言います
リングの合わせ口の隙間に薄く伸ばしたロウを
挟み込み溶かします(ロウとは溶接で使う地金)

ロウ地金の種類には何段階もの融点があります
融点が低いロウを使うと強度に問題が出てきて
衝撃に弱くなり変色したり割れたりします(汗)

なので私が使うロウ地金は融点が凄く高いです
何と指輪と同じ地金を薄く伸ばして溶かします

難易度が高い共付け(ともづけ)という方法で
融点が同じ1770℃なので指輪も少し溶けるので
リスクはありますが強度は指輪と同じで強いです。

鍛造リング 号数

結婚指輪の号数を合わせる

共付けが無事に完了したら再び丸棒に入れます
今度は木槌ではなくて金槌でリングを叩きます

インパクト力が強い金槌なので強く叩くと傷や
凹みが出るので力加減がポイントとなりますね

適度な力加減で万遍なく細かく叩くと伸びます
男性と女性の結婚指輪のサイズまで伸ばします。

プラチナリング 角落とし

甲丸リングの形に削る

サイズを伸ばしたリングは平打ちリングの形です
この平打ちリングの状態から削って甲丸にします

平打ちリングの角をヤスリで段階的に落として
リングの角度を出していくという作業の流れです

角落としの角度が強ければ強いほど丸くなります
しかし角を落とし過ぎると三角形になるので注意
そこで甲丸の角度を知る為に段階的に落とします。

プラチナリング 甲丸

荒いヤスリから細かいヤスリで整える

プラチナリングを平打ちタイプから甲丸タイプへ
角を削り落とす時は、荒い目のヤスリで削ります
荒い目のヤスリのほうが良く削れるので使います

甲丸リングの形状が出来上がったらヤスリを交換
荒い目から細かい滑らかな目の油目ヤスリを使用

目の細かいアブラメヤスリは荒目ヤスリの削り跡
を消していくと同時に整えていく役目があります。

ペアリング 甲丸デザイン

プラチナリングに”打ち出し”を入れる

指輪のフォルムがフラットな平打ちリングから
丸みを帯びた甲丸リングになりましたね(^ω^)

いよいよ甲丸リングに”打ち出し”を入れる作業
鏨(たがね)という鋼の工具を使って叩きます

ちなみに、打ち出しを打ち込む時の鏨は自作です
ジュエリー職人は自分が使いやすいように道具を
自分で作る人が多いんです(既製品もあります)

打ち出し 甲丸リング

タガネを金槌で叩く→ 打ち出し

滑らせないようにタガネを甲丸リングに当てて
金槌でタガネを叩いて打ち出し模様を入れます

平打ちリングの場合は、表面がフラットなので
鏨が滑る事はあまりないんですが甲丸リングは
表面が丸くなっているので鏨が滑ります(汗)

鏨は角があります(角が無いと模様が出ない)
滑らせると鏨の角でリングに深い傷がつきます

甲丸リング本体も打ち出し模様も全て台無しに
なってしまいますので鏨をしっかり固定します。

甲丸 指輪

万遍なくバランスを考えて打つ

平打ちリングと違って甲丸リングは丸いです
先程も言ったように斜めは滑りやすいんです

しかし滑るから斜めは打ち込まないという訳
にはいきませんので、万遍なく打ち込みます
慎重にタガネを固定しながら全面に入れます

打ち出し模様は、全体のバランスがポイント
偏って打ち出し模様が入るとバランスが悪く
見た目で崩れてしまうのでバランスは超重要!

指輪 艶消し

指輪 マット仕上げ
単純にプラチナ結婚指輪の「強度を増す為」この1点に尽きます

「強度=硬い」しかし硬さだけではなく「粘り強さ」も必要なんです
粘り強さがあってこその強度、そんな強度のある結婚指輪を作る為に、
時間がかかったとしても、ここまでの作業にこだわりたかったんです

槌目 甲丸リング
結婚指輪 甲丸

何故ここまで粘り強くて強度のある結婚指輪にしたいのか?

それはお客様のご要望で、力仕事で指に力がかかるので
変形しずらい強度のある結婚指輪を作って欲しいとの熱い想いです!

作り手としてご依頼主様が満足できる指輪を作りたいじゃないですか
結婚指輪作りは、お客様それぞれの思いやドラマがあり職人魂が燃えますw

 

作業の続きに戻りますが、これで終わりではありません
もっとスタイリッシュに魅せるように指輪のフチを落とします

フチを一段落とす事によってセンターの打ち出しが浮き上がります
ただでさえ深い味わいのある打ち出し模様なのに浮きあがるんですよ
しかも落としたフチがアクセントとなり額縁みたいな役割になります

結婚指輪 手作り
指輪の作り方

フチがある事によって中心部の打ち出し模様が引き立ちます
フチは後程ピッカピカに光らせて、打ち出し部分は艶消しにします

そうする事で更にセンターの打ち出し模様がバシッ!と凄く映えます
写真はまだフチを磨いていないので光っていませんが、光ると凄いですよ

甲丸の結婚指輪

この時にセンターの打ち出し部分を艶消し加工に仕上げ、
そして結婚指輪は着け心地が命! なので平だった指輪の内側を
指の形に合うように丸く削って指への負担をなくし着け心地を良くします

甲丸リング 着け心地

ヤスリでの彫金が終われば、仕上げ作業に進んでいきます
耐水性の紙ヤスリでシコシコ擦ります(少量の水をつければ効果大)
ヤスリで削った後(ヤスリ目といいます)それが消えるまで擦ります

ペアリング 傷消し

紙ヤスリ仕上げが終わったら、紙ヤスリでできた跡を消します
シリコンポインターというリューターバーで磨いていきます

ヤスリ目→紙ヤスリ目→ポインターの順番で小さくなった傷を
どんどん小さくして消していく仕上げ作業が続いていきます

プラチナリング 仕上げ方

結婚指輪のフチも綺麗にピッカピカに磨きましょう
鏡面になれば艶消し加工された打ち出しが更に引き立ちます
鏡面磨きと艶消しのコンビは磨けば磨くほどお互いが引き立ちます

プラチナリング 磨き方

仕上げ作業が続いて肉眼で傷が見えなくなったら
最終仕上げのヘラ磨き作業に突入します(この作業が凄く大事)

超硬ヘラ棒という工具に液体をつけ指輪の表面を滑らせて磨きます
磨くという表現ですが肉眼で見えない傷を潰して滑らかにする作業です
なので力を込めて滑らせないと傷は消えませんので指の力が必要な作業

甲丸リング 光沢

ヘラ磨きが終わればピッカピカの鏡面、光沢仕上げになっていますが
ヘラ棒で磨いた跡(滑らせた跡)が多少残りますのでバフという
円盤型の硬い布が高速回転するバフ機というマシーンで最後の磨き

バフ機

最後に油分やミクロの汚れを超音波洗浄機で綺麗に落とせば完成!

プラチナの塊から叩いて始まる鍛冶、そして金槌で叩いて模様を
つけていく槌目、そしてタガネで叩く打ち出しを2度繰り返す事で
プラチナが超粘り強く育ち、強度がグングン増すという渾身の結婚指輪
いや~しかし今回も納得のできる良い仕事をさせて頂き感謝で御座います

結婚指輪 コンビ

笑顔で幸せな気持ちで物作りをすると造ったものに幸せな波動が
入ると聞いた事があるのでいつも幸せ気分で造る事に決めています
それではまた次の結婚指輪の制作に入ります。やりがいのある仕事ですね♪

 

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指輪作りの制作日記をご覧頂いて、工程に納得をしてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです
真心をこめて1つ1つ手作りをする本物の結婚指輪ですよ

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

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