ドラマチック!お父さんの20金の指輪を溶かして結婚指輪にリフォーム

ハンドメイドジュエリー専門店、ジュエリーコウキです
2代目で宝飾職人歴25年の私、池田が書く指輪作り日記

いつも私の書くブログを見て頂いてありがとうございます

鍛造(たんぞう)という珍しい伝統技法で造るジュエリーで
全国でも鍛造を極めた宝飾職人は少数精鋭に限られている
ことから、このブログには多くの方からご覧頂いています。

鍛造の魅力や内容をもっと多くの人に知って頂きたいので
ブログやSNSから発信をさせていただいております(^-^)
鍛造を極めた宝飾職人は絶滅の危機ですので踏ん張ります!

ジュエリーコウキがメインで作っているのは「鍛造リング」
指輪の素材であるプラチナやゴールドを鍛冶で鍛錬をして
鍛えあげて造る事から鍛造リングと言われ希少な指輪です。

宝飾職人

主に結婚指輪がメインなのですが、他にはリフォームにも
力を入れていてお客様のお手持ちのアクセサリーの地金を
そのまま溶かして使う鍛造リフォームにもこだわります!

本日の記事は鍛造でするリフォームを書きたいと思います
リフォームのご依頼を頂いたお客様は、東京のお客様です。

当店は新潟県長岡市ですがメールやお電話でリフォームの
ご依頼を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。

全国各地どちらからでも大丈夫ですのでご安心ください!
こちらのHPにもお問い合わせフォームがあります(^-^)

 

さて、いよいよ本題に入ります!
ご紹介をさせて頂く、東京のお客様のリフォーム内容は
お父様から受け継いだk20印台リングを利用したいので

お父さんのk20リングを溶かして
その金で結婚指輪に作り替えたい!

という内容のリフォーム仕事のご依頼をいただきました
当店は鍛造専門店ですので工房で鍛冶作業もしています
地金を溶かす設備もあるのでリフォームは得意なんです。

しかも実際にお客様からお預かりした地金を溶かす工程
を証明としてデジカメで撮影してお客様にお見せします
数あるリフォーム専門店でも、他にはないサービスです。

金の印台リングを溶かしてリフォーム

金が足りない場合は、金を足して溶かす

画像の溶解皿に入っているのがお客様のk20印台リング
そして結婚指輪は指輪が2本必要になるペアリングです。

今回、リフォームで作り替える結婚指輪の幅が約3ミリ
指輪の肉厚もあるのでお預かりしたk20印台リングでは
足りないので新しいk20をプラスして溶かして増やします。

※ 溶解皿に乗せたk20印台リングに降りかかっている
白い粉は、金が綺麗に溶けて混ざり合わせる為の粉です。

金の指輪を溶かす

ファイヤアアアアアー!!

バーナーの炎でk20リングを溶かす溶解作業(ようかい)
お父さんの金の指輪が溶けていく瞬間を撮影しました。

ずっと大切にしていたお父さんの指輪が溶けていく工程
淋しい思いもありますし、生まれ変わる希望もあります
どちらの想いも抱きながら自分は地金を溶かしています。

金の指輪 融点

この金を溶かして作ることに意味がある

今回のお父様の20金の指輪のリフォームもそうですが
お手持ちの金を使いたい!というお客様は多くおります。

お客様それぞれに色んな想いが貴金属に込められており
形見であったり、何かの記念であったり、思い出など、
大切にしていた貴金属をそのまま使いたいという願望が
圧倒的に多いので、その気持ちを大切にしたいんです!

本当に自分の地金を使っているのか不安というお客様が
でないように私はこうしてデジカメで撮影をしています。

金の溶解

金を溶かすと、必ずヘリという目減りが発生

金を溶かしてリフォームする場合、必ず目減りが出ます

具体的に、地金を溶かす溶解作業中に地金が火花になって
飛び散ったり、リングを彫金するときに地金が細かい粉や
粒子になって散ったり、ジュエリーの研磨のときに地金が
摩耗して消えて無くなったりというのが主な原因なんです。

金を溶かしてリフォームをするということは、そのままの
金を使えますが目減りが必ずでるという事をご理解下さい。

ネックレスやブレスレットなどの方がコマが沢山あるので
目減りの量は多くなります(もちろんデザインにもよる)

20金の溶解

金の鍛造で結婚指輪を作る!

溶解皿(皿チョコともいいます)で溶けた20金を鍛えます
鍛えて造るリングという意味から鍛造リングと呼ばれます。

鍛造リングのシェア率は世の中にあるジュエリーの中でも
わずか5パーセント以下、実質では数パーセントのみです
それほど珍しくて手に入れるのが困難ということなんです。

ちなみに鍛造リングが約5パーセントほどしか無いのなら
残りの95パーセント以上は、どんなジュエリーなのか?

それは鋳造(ちゅうぞう)という製造方法で、ジュエリーの
原型(型)に溶かした金やプラチナを流して造る製造方法で
大量生産が可能なことから世界中では鋳造製法が主流です。

※ちなみに有名ブランドだとしても、ほぼほぼ鋳造品です

金の鍛造

金の鍛錬のやり方

鍛造リングを作るということは素材となる20金を鍛えます
下地金としてお預かりした20金の印台リングを溶かして
リングから1つの塊になった20金を鍛冶で鍛えていきます。

やり方は、金塊を金床(かなどこ)に乗せて叩いて鍛えます
ヤットコというペンチのような工具で金塊をしっかり掴み
大きなハンマーでガンガン叩き上げて金塊を締め上げます。

分かりやすく言うと鍛冶(かじ)をするという事になります
刀を作る刀職人さんがしているような作業ということです
鍛造リングを作るということは、鍛冶をして作ることです。

金の鍛冶

金を鍛える目的は、金の密度を上げる為

鍛造リングは、金を鍛えて造るという事は分かったけど
どうして金を鍛えるのか?それは金の密度を上げる為です。

金に限らずプラチナやシルバーもそうですが、鍛冶をして
何度も繰り返して地金を締め上げると密度が濃くなります

具体的に言うと、地金に含まれた微量な空気が放出します
地金を締め上げる事で空気が抜けて粒子が整っていくので
根気よく鍛錬を繰り返す事で地金の密度が増していきます。

※地金に含まれた空気がジュエリーの強度に凄く影響して
巣穴やひび割れなどの原因となるので空気を抜くんですよ
鍛錬して空気を抜いて密度を上げられるのは鍛造製法のみ。

金 焼きなまし

20金を焼きなまし

20金を何度も繰り返して叩き上げて、締め上げていくと
20金が締まり過ぎて硬くなります(他の金も同じです)
締まり過ぎた地金を叩き続けても、締めることが困難です。

しかし、まだまだ叩いて締め続けないと密度が増しません
そこでバーナーの炎で20金を焼いて柔らかくするんです
地金を炎で焼く工程のことを「焼きなまし」といいます。

金のプラチナもそうですが、硬くなった地金は反発します
ハンマーで叩いても跳ね返ってくるので絞められません
焼きなましをすると地金が柔らかくなるので絞められます。

鍛冶の流れは、地金をハンマーで叩いて締める、地金が
締まり過ぎて硬くなったら炎の焼きなましで柔らかくする
そしてまた地金を叩いて締めるの繰り返しで鍛えられます。

20金 伸ばす

20金の指輪を溶かしてリフォーム
新しく20金の結婚指輪にリメイク

鍛冶作業で20金を鍛錬しながら板状になるまで伸ばします
板状になった20金はこれからリフォームをして作り替える
新しい結婚指輪の幅と厚みと2本分の指輪サイズなんです。

最終的に金塊が結婚指輪の寸法になるようにしていました
もともと印台リングだった形が結婚指輪に!不思議ですね
これがジュエリーコウキの鍛造リフォームのやりかたです。

20金で結婚指輪を作る

2本の指輪を作るので板を2枚にする

1本の長い板まで伸ばした20金が、ここで2枚になります
もともと1本だったお父さんの印台リングがペアリングに!

男性と女性の結婚指輪のサイズを計算してカットをします
必要となる長さは、仮に10号サイズだった場合は約55ミリ
必要になる長さは、サイズが大きければ比例して伸びます。

きっちりと計算して板をカットしないとサイズが狂います
1ミリ違っているだけでサイズが1番も変わってしまいます。

金の結婚指輪 作り方

1つの20金から2つの結婚指輪が誕生!

1つの同じ地金から2つの結婚指輪を誕生させています!
この工程は私が超こだわっているロマンチックな工程です
工房で1つ1つ手作りで対応しているので可能な仕事です。

同じ20金から結婚指輪を手作りすることで、お互いの指輪
から絆やLoveを感じられますし、プラスαでお父さんの
20金から誕生した結婚指輪なのでドラマチック過ぎます!

20金 k20 刻印

結婚指輪に刻印を入れる

結婚指輪の裏側になる面を決めて、刻印を打ち込みます
結婚指輪の素材である20金を証明するk20の刻印と
ジュエリーコウキで鍛造制作をしたjkマークの刻印です。

お客様の記念日や、名前などを入れる刻印とは別物です
お客様の刻印は結婚指輪が完成した最後に彫り込みます。

金の指輪作り

20金の板をリングの形に丸めます

結婚指輪のベースとなる2枚の20金の板を丸める作業
ようやく溶かして鍛えた20金がリングの形になります。

もともとお父さんの印台リングだったのに不思議ですね
鍛造リフォームの魅力は溶かして使える事だと思います。

作業工程に戻りますが、丸棒という鉄棒に20金の板を
押し当てて”棒に巻き付ける要領”で板を丸めていきます
手の力で板を綺麗に曲げられませんので金槌で叩きます。

20金リング ロウ付け

20金の指輪 ロウ付け

丸めた金の指輪に溶接をして繋げてリングにします
溶接のことをロウ付け(ろうづけ)と言って、リングの
合わせた繋ぎ目にロウという地金を挟んで溶かします。

リフォーム中の指輪は20金なので20金ロウを使います
18金の場合は18金ロウ、24金なら24金ロウという具合
に金の種類によって溶接に使うロウを合わせて使います。

金の結婚指輪 鎚目

ゴールドで鎚目の結婚指輪を作る
鎚目(つちめ)とか金槌で叩く模様

リフォームをしている結婚指輪のデザインは鎚目模様です
鎚目(つちめ)とは、金槌で叩いたときに出る跡の模様の事。

日本の伝統の模様で、金槌で叩いた凹みを利用しています
しかし、ただ叩いて凹ませればいいという単純な物でなく
デザインのバランスを考えて鎚目を配置するセンスが必須!

鎚目模様は、金槌の形や大きさや重さ、金槌の叩く力加減
そして金槌で叩いたときの角度でも変わる繊細な模様です
その為、同じ模様を2つと作ることが出来ない”唯一無二”

結婚指輪 金 鎚目

オーソドックスな鎚目を打ち込む

鎚目の打ち方と模様は様々ありますが、今回の鎚目模様は
とってもシンプルでオーソドックスな鎚目模様を入れます。

叩くハンマーの形によって鎚目の凹の形も変わるのですが
一般的によくある金槌を使って打ち込む定番の鎚目柄です
細かくもなく深くもなくシンプルでスッキリした鎚目です。

丸棒に金の指輪を入れてハンマーで細かく叩いていきます
鎚目を打ち付けるのと同時に、指輪のサイズも伸ばします。

指輪の幅を削る

指輪の幅の広さを3ミリに整える

リフォームをした後の結婚指輪の幅は3ミリになります
金槌で叩いて指輪を作っているので、3ミリ以上の幅に
広がっている状態ですので指輪の幅を削って狭くします。

指輪の幅の削り方は、すり板に固定して指輪の両側面を
同じだけヤスリで削り3ミリになるまで削り合わせます。

指輪の角落とし

指輪の表の角落とし

日常生活で長く指にする結婚指輪は、付け心地が重要です
指輪の付け心地を良くするには角を落とす必要があります。

指輪の外側と内側の角を削り落とすのですが、まずは外側
の角をヤスリで削り落としていきます(表面二ヵ所の角)
指に角が当たっても痛くないように確認しながら削ります。

指輪の裏側の角落とし

指輪の裏の角落とし

今度は指輪の裏側、内面の角を落としていきますが表の
角を落とす時とは少し工程が違っていて、内側の角を
落とした後に内側の平な面が丸くなるように削ります。

内側に関しては、角を落としただけでは不十分なんです
平な面を楕円形に削ると付け心地が更に良くなります
指と指輪の接触面が滑らかになるので良い付け心地に!

丸い形をした指輪を甲丸(こうまる)リングといいますが
内側が丸い指輪の形を内甲丸(うちこうまる)といいます。

内甲丸リング 金

内甲丸リングのメリット

画像のように指輪の内側が丸いことを内甲丸といいます
結婚指輪に限らず、指輪を作る時は内甲丸に作りますし
リフォームで指輪を作り替えるときも内甲丸に削ります。

そこまで内甲丸にこだわる理由はメリットが多いからで
リングの内側が丸くなれば当然ですが滑らかになるので
指を曲げても痛くないし、圧迫感や締め付け感がないし、
水はけもよくなるので指がふやけにくいので衛生的です。

金の指輪 キズ消し

20金の指輪のキズを消す

彫金でリングの形を作るということは削った跡が出ます
この削った跡はキズとなって20金に残ってしまいます
そこでリングにあるキズを徹底的に消していく作業です。

まずは、ヤスリで削った深いキズ跡を消す作業からです
耐水性の紙ヤスリを使ってヤスリの彫金の傷を消します。

なぜ耐水性の紙ヤスリを使うのかというと水を含ませて
金を擦ることで水と混ざった研磨砂がキズの奥まで浸透
してキズの深さや形に関わらず奇麗に消えやすいんです。

金の指輪 光沢にする

金の結婚指輪の外側は艶消し
結婚指輪の内側は光沢にする

リフォームで新しく作り変えた指輪の表面は艶消しです
そして指輪の内側の内甲丸はピカピカの光沢仕上げです。

先ほどの耐水性の紙ヤスリでキズを消した裏側を光沢に
光らせる為にシリコンポインターという研磨ゴムを使い
徹底的に研磨をして細かい小さな傷を消していきます

※耐水性の紙ヤスリで擦って目に見える傷は消せますが
今度は紙ヤスリで擦った細かい線が残ってしまうんです
その髪の毛のような細かい線を消していく作業なんです。

20金の結婚指輪 艶消し

k20リングの表面を艶消しにする

k20リングの表面を艶がないマット加工に仕上げます
k20はピカピカに光った光沢も奇麗ですが艶が全くない
艶消しのマット加工も奇麗で品があるのでお勧めです。

マット加工のやり方も様々ありますが今回の艶消しは
細かい砂の粒子を吹き付けて艶を消していく方法です
定番のピカピカの金の黄金色が渋い金色に変化します。

結婚指輪 鎚目 金

お父さんのk20印台リングを溶かして
k20鎚目模様の結婚指輪にリフォーム

お父様もきっと喜んでいただけると思いますよ(^-^)
大好きな娘さんが結婚指輪に作り替えるんですもの!

自分が大切に使っていた指輪がリフォームで娘さんの
結婚指輪になるなら親としてめっちゃ嬉しいはずです!
自分も娘が3人いるので将来そうして貰いたいです(涙)

今回のリフォームのご依頼は、お父さんの指輪でしたが
お母さんの指輪だったり、おばあちゃん、おじいちゃん
大好きな家族の思い出がある地金を使えるのは幸せです!

 

k20イエローゴールド・リフォーム後の指輪データ

○製造方法 鍛造(たんぞう)
○使用地金 20金イエローゴールド(k20)
○指輪の幅 3.0mm
○指輪の厚 1.7mm
○仕上げ方 マット仕上げ(内側は鏡面仕上げ)
○デザイン 鎚目(平打ちリングがベース)

k20 結婚指輪

記事の最後にリフォームのご依頼を頂きました
東京のお客様からのお手紙をご紹介いたします

ネットでジュエリーコウキを探していただいて
ご依頼をいただいて本当にありがとう御座いました

当店は宝飾職人の私がリフォームをする宝石店です
お手持ちの地金を間違いなく使って作り替えます!
リフォームに関してはお気軽にお問い合わせ下さい。

お仕事のお問い合わせやご依頼は→コチラ
私が作る鍛造の結婚指輪の一覧は→コチラ

 

===========お客様の声============

池田様 お世話になっております。
本日、指輪を受け取りました!!

本当にありがとうございます!!
すごくすごく素敵です!!!

入籍後、毎日つけるのを楽しみにしています。
それまでは頂いた箱の中で大事にします。

宝物になりました。
明日、父にも報告に行ってきます!

手作りが好きな父も、
頂いた製造過程の画像を見たら、
本当に喜ぶとおもいます。

この度は、製造過程の様子から
とても丁寧に対応していただき、
ありがとうございました。

また、何かありましたら、
ぜひ、池田様にお願いしたいと思っています。
本当にありがとうございました。

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧

 

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