結婚指輪 ウェーブ ダイヤなし【鍛造】プラチナを彫金した荒仕上げ!

鍛造マリッジリング専門店、ジュエリーコウキ
2代目の私、池田が鍛造で指輪を作っています

結婚指輪を手作りする鍛造リングの専門店になります
新潟県長岡市にある自社工房で1つ1つ手作りします

鍛造(たんぞう)とは指輪の素材を鍛えて造る事です
後ほど鍛造製法については詳しく説明をいたしますが
昔から受け継がれている日本の伝統技法となります!

写真は自分です(49歳 既婚 三姉妹の父)だから何w
鍛造とは画像のようにハンマーで打つ鍛冶で作ります。

ジュエリー職人

ハンドメイドの手作り結婚指輪がとても流行っていますが
ほとんどがロウワックスで作るキャスト製法になるんです

私がしている製法は指輪の素材=地金を叩いて削って作成
正真正銘の手作りする鍛造の結婚指輪という事です(^-^)

鍛造製法でリングを作るので鍛造リングと呼ばれています
代々受け継がれた技術と知識、専門の工具と設備が必須で
全国でも極一部のジュエリーショップしか販売できません

 

【ウェーブした結婚指輪】

さて、本日の記事でご紹介をするのは曲線の結婚指輪です
どんな感じで曲がったマリッジリングのデザインなのか?

ピカピカの光沢のマリッジリングが当たり前になっている
ジュエリー業界であえて定番の鏡面ではなく、かと言って

光沢がないマット仕上げでもなくプラチナにはもう一つの
魅力があるという事を伝えたくて考案した仕上げ方法です

”光沢と艶消し”の2パターンが代表的な仕上げ方法ですが
どちらにも属さないのでまずは完成した指輪をご覧下さい

【プラチナ 結婚指輪 荒い仕上げ】

マリッジリング ウェーブ

プラチナの結婚指輪 S字ウェーブ

上記のマリッジリングの画像が”荒仕上げ”

光沢とはまた違った渋い輝きが魅力的だと思いませんか?
完全に光沢が無くなる艶消しとも違って荒く光るんですね

画像のような独特な渋い輝きを放つ結婚指輪をどうやって
作るのか?また指輪をS字に曲げるやり方などを書きます

ジュエリーコウキで作るマリッジリングは全て手作りです
当店2代目の自分が1つ1つ丹精をこめて工房で作ります

冒頭でもお伝えしましたが日本伝統技法の鍛造で作ります
鍛造の事を詳しく説明をしながら記事を書きます(^ω^)

プラチナ 溶解

【プラチナ結婚指輪 鍛造の製造工程】

結婚指輪の素材~プラチナを溶かす

ジュエリーコウキでリングを作る時はここから始まります
マリッジリングの素材となるプラチナを溶かす作業ですね
完全な手作りにこだわっているので、ここから始まります

地金全般を溶かす作業の事を溶解(ようかい)と言います
溶解皿という容器に地金を乗せ酸素バーナーで溶かします

プラチナ 画像

プラチナの融点は約1770℃

プラチナがドロドロに溶ける温度は約1770℃です
普通の火力では溶けないので酸素バーナーで溶かします
輝きと光熱で肉眼では見れません(溶接ゴーグルが必要)

当たり前ですがマリッジリングは2本のペアが必要です
という事で2本分のリングを作る為に必要となる地金を
計算して溶かして1つのプラチナの塊にしたという事です

プラチナ 鍛冶

日本伝統技法の鍛造(たんぞう)
これが本物の鍛造リングの作り方

これからお見せする作業が本物の鍛造で作るリングです
リングの素材から”鍛えて造る”という事から鍛造リング

溶かして塊になったプラチナをヤットコで強く掴んだら
角床という鉄板台にプラチナを置いて金槌で叩きます!
鍛造リングを作るうえでポイントとなる1番重要な作業

一般のジュエリーショップや宝石店で販売をしている
既製品のマリッジリングの99%は鋳造という製品です

鋳造(ちゅうぞう)とは溶かした地金を製品の型に流し
固めて作る一般的な製造方法です(大量生産が可能な為)

※鍛造と鋳造は全くの別物と認識して頂いて結構です
鍛造は世の中で1%以下しかない特別な制作方法です

プラチナ 鍛造

四面から万遍なくプラチナを叩き上げる

地味で地道な”鍛冶作業”が長くつづく事になります
金槌で数えきれないほど叩く鍛冶は忍耐と根気が必須!
自分の子供を育てるようにプラチナも大切に育てます

プラチナを万遍なく叩くように四面から叩き上げます
ハンマーで四面を万遍なく叩くと四角形に成形をします
四角形になりながらプラチナは伸びていきます(^ω^)

このように叩き上げる作業の事を”締め上げる”とも言い
実際にプラチナ自体が、締まって詰まっていくんですよ

プラチナ 鍛造リング

締まり続けると硬くなるので
焼きなまし作業で柔らかく戻す

何度もハンマーで地金を叩き上げて締め上げていくと
カチカチに硬くなって伸びずらくなっていきます(汗)

そうなると鍛冶の効果を発揮しずらくなってしまうので
酸素バーナーで地金を真っ赤になるまで焼き上げます
そうする事で地金が柔らかく戻ります(焼きなまし作業)

ハンマーで何度も叩いて締めて硬くなったら焼きなまし
このような繰り返し作業をする事で地金が鍛えられます

プラチナ 画像

鍛造のメリットは密度が上がる事

鍛造で作るマリッジリングのメリットは密度が濃い事!

ハンマーで何度も叩いて締めて炎で焼きなましの連続で
地金中に含まれた微量な空気を、地金の外に放出させて
さらに地金の粒子が締まって密度がぐんぐん増すんです

密度が上がったプラチナで作るマリッジリングは強い!
粘り強くて頑丈になるので指輪の変形に凄く強いんです
鍛造リングは密度が濃いので変形しずらいという事です

※変形しずらい結婚指輪として圧縮をするという技術が
あるみたいですが鍛造ではないので間違えないで下さい
鍛造は宝飾職人が手間暇をかけて作る事しかできません

鍛造リング 制作工程

ハンマーで叩いて締め上げて、炎で焼いての繰り返し
じっくり時間をかけて最終的には画像のように伸びます
最初の画像と比べてみると細長く伸びた事が分かります

実はこちらの長く伸ばしたプラチナ板は、これから作る
マリッジリングの幅の広さと肉厚になっているんですよ
そして2本分のリングに必要なサイズの長さなんですね

こちらの板を2枚にして丸めると指定のマリッジリング
の幅と肉厚、そして指輪のサイズ(号数)になるんです

鍛造リング 制作方法

同じプラチナから2つの指輪を手作り

1つの同じプラチナの塊から2つのマリッジリングを
誕生させるという”鍛造だからこそ”のこだわりが可能!
工房で1つ1つ手作りが出来るからこそ対応ができます

例えば出来合いの既製品は、鋳造製法の大量生産なので
同じ素材からマリッジリングを作る事が難しいという事

それに比べて自社工房で作れる鍛造製法は魅力的ですね
同じ素材で作ったマリッジリングは思い入れが違います
どこにいても2人の絆とLOVEはずっとずっと一緒です!

マリッジリング 作り方

男女の結婚指輪のサイズに合わせる

マリッジリングを男性のサイズと女性のサイズにします
サイズの長さの仕組みですが、約55ミリで10号です

11号だと1ミリ伸びて56ミリになるという計算です
このように10号を基準として1号=1ミリの計算です

これは当店のサイズの合わせ方ですので工房や職人さん
によってはサイズの号数の計り方が違うので参考までに

指輪 丸める方法

真っ直ぐな板を丸めてリングにする

丸棒という工具と木槌を使って丸めます(自分の場合)
こちらも工房や職人さんによって丸め方が変わります

自分のやり方は、丸棒は真円なので丸棒にそって板を
木槌で叩いて丸めれば綺麗なリングになるからです
ただ完璧な真円ではないので後で叩いて真円にします

2枚のプラチナ板を丸めて綺麗なリングの形にしてから
板と板の合わせ口の繋ぎ目を「ロウ付け作業」をします
ロウ付けとは繋ぎ目をロウで溶かして溶接する方法です

当店ではマリッジリングを作るときに一般的なロウ付け
とは違って「トモ付け」という方法で溶接していきます

マリッジリング 繋ぎ方

共付け(ともづけ)とは?

マリッジリングの素材のプラチナの一部を薄く伸ばして
それを繋ぎ目に挟み込みこんで溶かして一体化させます

同じプラチナなので相性は抜群で繋ぎ目が分かりません
しかも強度も同じなので溶接箇所も同じく強いんですよ

ただ、同じプラチナ同士なので溶ける温度が一緒(汗)
1番最初の溶解作業と同じ融点が約1770℃なんです
溶かした時に繋ぎ目の周辺が一緒に溶けてしまうんです

プラチナ 鍛造リング

ということで予め指定された結婚指輪の幅と厚さよりも
幅を広くもち、肉厚を厚くもつ事が必要になりますよね
共付けは熟練された職人さんでないと難しいと思います

共付け作業の様子を動画で撮りましたのでご覧ください
溶接部分が溶解と同じように溶けているのが分かります

 

結婚指輪をS字ウェーブに曲げる

共付け作業が完了後に曲線になるようリングを曲げます
大きなSカーブの曲線のあるマリッジリングになるので
工具を使い分けながらSカーブの曲線を調整し曲げます

マリッジリング S字

マリッジリングをカーブに曲げる方法は色々ありますが
今回の曲線の造り方は万力(まんりき)に指輪を挟んで

固定をしてヤットコというペンチのような工具を使って
曲線の角度やSカーブの曲がり具合を調整して曲げます

万力で固定をした指輪を一箇所から曲げるのは駄目です
一箇所を集中で曲げてしまうとカーブに癖がでてきます

強く曲がった部分と、曲がりが浅い部分ができるんです
カーブに曲げる時はバランスを見ながら全体で曲げます

マリッジリング ウェーブ

マリッジリングの号数サイズまで伸ばす

マリッジリングの形状を完璧な円(真円)に整える為に
丸棒という鉄棒にリングを入れハンマーで叩いて丸めて
指定されたサイズになるまで叩きます(曲線の角度に注意)

叩くと曲げたカーブが戻ってしまう事も多々ありますので
カーブのバランスが崩れていないか確認しながら叩きます
綺麗なS字カーブのあるカーブリングが出来上がりました

マリッジリング S曲線

上下左右のカーブが整っていて完璧な仕上がりです(^ω^)
指定の結婚指輪のサイズになって、そしてSカーブの確定
これでマリッジリングのベースが完成したという事ですね

次の作業工程はリングの側面をヤスリで削り幅を整えます
削ったり彫ったりをする彫金(ちょうきん)の始まりです

マリッジリング 彫金

今回のリング幅は3.7ミリで作ります

通常のデザインでは3.7ミリになるまで削っていきます
しかし今回のマリッジリングのデザインは側面から表面へ
繋がる特殊な形状のマリッジリングを削り出していきます

その為に指輪の幅の太さに余裕が欲しいので3.9ミリに
なるようにヤスリで削って側面の幅を合わせます(^ω^)
両方の側面から削っていく事でバランスが保てるんですよ

マリッジリング 設計図

削り出すデザインの設計図を描く

マリッジリングの幅の広さと曲線が確定したらデザインを
リング全面に入れてデザインを作っていく作業になります

その為にまずは計算をしてリングの表面に下書きというか
設計図が必要になるので針のような工具で描いていきます
この設計図を描く作業を「ケガキ・ケガク」と言います

設計図のように設計された繊細なラインが書いてあります
このラインに従ってリングを削ったり彫ったりするんです
赤い太いラインはセンターとなるメインのラインなんです

マリッジリング 削り方

ケガキが完了したら削って形を作る彫金作業

荒いヤスリでガツガツと削りだしていく作業からスタート
細いケガキの線と赤マジックで書いたトップの曲線を元に
ヤスリでガッツリ削っていく彫金の王道作業が始まります

荒い目のヤスリなのでガツガツと削れますが注意も必要で
削り過ぎると削った地金を足す事ができないので慎重に!
特に立体的なラインはすぐに削れるので気を付けましょう

赤マジックで書いたラインが中心となる大事なラインです
赤いマジックで書いたラインがカーブを作り出すんですよ
指輪のフォルムも曲がっていますがデザインも曲がります

マリッジリング 曲線を作る

ライン全体がリングの中で繋がるイメージ

S曲線のカーブがポイントになる変形マリッジリングです
S字に曲がっている結婚指輪のフォルムをベースとして
更にデザインでも曲げていくという難しいポイントが満載

削り落とす角度、削り落とす範囲、全てを頭の中で考えて
イメージをして形を作っていくことが大事で、イメージが
出来上がっていないのにガッツリ削ると失敗するので慎重に

マリッジリング ウェーブ プラチナ

荒仕上げでプラチナ結婚指輪を仕上げる

記事の最初に言っていたプラチナを荒く仕上げるというのは
もしかしたら、このまま指輪を削って出来たのが荒仕上げ?
いやいや荒仕上げは、そんな単純な仕上げ作業ではないです

確かにヤスリで削って仕上げる方法が荒仕上げと言いますが
荒い目のヤスリから滑らかな目の細かいヤスリに替えてから
またマリッジリングの全体を整えて仕上げていくんですよ~

これからプラチナリングの荒仕上げ作業に突入いたします
また後程、記事の続きを書きますのでお楽しみにして下さい
指輪作りの記事を最後まで見て頂いてありがとう御座います

制作工程のつづきを読む

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法

熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

ネット販売はコチラから→ジュエリーコウキ ヤフーショップ

結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
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