手作り結婚指輪の専門店、ジュエリーコウキです
鍛造という伝統技法で手作りをする結婚指輪です
鍛造(たんぞう)とは、日本の伝統技法の1つで指輪の
素材となるプラチナやゴールドを、金槌で叩き上げて
鍛え上げながら作っていくという刀鍛冶の指輪版です
代々受け継がれてきた技で、鍛造を継承した宝飾職人
しか作ることができないというハイレベルな製造方法
全国で鍛造指輪の製造販売店は一部に限られています。
こんにちは (゚Д゚)ノ
ジュエリーコウキ2代目で宝飾職人の池田と申します
宝飾職人歴は31年で父から鍛造技術を継承しました。
鍛冶と金物の本場、新潟県長岡市にある工房
全国的にみても少ない本物の鍛造専門店ということで
全国各地から鍛造指輪のご依頼をいただいております
当店を探して頂いて本当にありがとうございます(^-^)
本日のブログの内容は、鍛造の結婚指輪の制作工程を
紹介していきますがリングのデザインが太めで個性的。
太め 結婚指輪×月形甲丸リング
月形(つきがた)というリングを、詳しく説明をすると
リングの中心の幅と厚みが広くてリングの下にいくと
幅と厚みが狭くなるという形で三日月のような形です。
太めの月形リングを甲丸のように丸く作っていくので
月形甲丸(つきがたこうまる)リングと言っています。
ちょっと何を言っているか分からないwと言われそう
なので完成をした月形の結婚指輪をまずご覧ください!
結婚指輪が太い!
太い結婚指輪ですよね!でも、かっこいいですよね!
これが月形という形で横から見ると三日月のような形
分かりやすく言えば指輪の上が太くて下が狭いんです。
今回は月形リングが丸い甲丸なので月形甲丸になって
月形リングが平打ちなら月形平打ちリングと言います。
太い月形甲丸の結婚指輪が出来上がるまでの制作工程
を記事に書いていきますのでよろしくお願い致します
伝統技法の工程なので滅多に見れない工程ですよ(^-^)
太め プラチナ結婚指輪 作り方
プラチナを溶解(ようかい)
太い結婚指輪を2本作るために必要となるプラチナを
計算して割り出し、そして溶かして1つの塊にします
地金を溶かす作業のことを溶解(ようかい)といいます。
地金を溶かす専用の溶解皿という「るつぼ」に入れて
酸素バーナーの強烈な火力でドロドロに溶解をします。
ファイヤアアアアアアー!!
めちゃくちゃ酸素バーナーの火力の勢いが凄いです!
プラチナがドロドロに溶ける温度の融点は、約1770℃
プラチナが溶けているときの火力が凄すぎてバーナー
を持っている右手が焦げそうな熱さを感じる作業です。
熱さだけではなく眩しさも相当なものなので溶接用の
ゴーグルをして作業をしないと目が焼けてしまいます
眩しさと熱さ、まるで太陽のような存在という事です。
丸く溶けたプラチナ塊
溶解でプラチナが綺麗に溶けて丸い塊になりました
どうして丸い形になって溶けたのかというと・・・
それは溶解皿が丸い形だからです(そのままですw)
そして、丸い形に溶けた真っ赤な熱いプラチナ塊は
冷めると凄く美しい銀色(銀色というより鏡のよう)
になって周りの景色が映り込むほど鏡面になります。
太い結婚指輪なので
塊を2つにして制作
通常サイズの結婚指輪なら、プラチナ塊をある程度
板状に伸ばしてから2つにして結婚指輪を作ります。
しかし、これから手作りで制作する結婚指輪は太い!
どのくらい太い指輪なのかというと月形の1番太い
部分の幅が9ミリもあるという極太のフォルムです。
※月形の1番細いリングの下の部分でも4ミリです
これだけボリュームがある結婚指輪となると地金塊
を2つに分けて作ったほうが効率がよくなるんです
そこでプラチナ塊を2つに分けて1つづつ作ります。
1つの同じプラチナから
2つの結婚指輪を手作り
1つのプラチナ塊を2つにしたら、鍛冶がしやすい
ようにバーナーで溶かして米俵のような形にします
切断した箇所が溶けて鍛冶で叩きやすい形になります。
1つの同じプラチナ塊から2つの結婚指輪を作ります
ということは彼氏、彼女の指輪が同じ素材ということ。
お互いの結婚指輪からLoveや絆を感じることができて
離れていてもいつも一緒!という感覚を得られます!
この素敵な工程は小さい工房で私が作るから可能です。
普通のジュエリーショップで販売している出来合いの
既製品の結婚指輪では絶対に真似ができない製法です。
日本の伝統技法の1つ「鍛造」
昔から受け継いできた鍛造作業がいよいよ始まります!
鍛えて造るという意味で鍛造=鍛冶作業で鍛錬します。
金床(かなどこ)という鍛冶台に、プラチナ塊を乗せて
ハンマーで力強く叩き上げて締め上げていく作業です。
万遍なく地金塊を叩けるように四面から叩き上げます
この鍛冶を何回も何回も繰り返して鍛え上げていきます。
締め上げて空気を抜く
プラチナやゴールドなどの地金には「す」と呼ばれる
微量な空気が含まれているんですが、これが厄介です
何が厄介かというと、これが巣穴の原因になるんです
地金内に巣穴があるということは、大袈裟にいうと
スポンジ状態の地金ということになるので結婚指輪を
作ると巣穴が含まれているので強度が弱くなるんです。
強度が弱くなるだけでなく、表面に巣穴が出る場合も
多々あるので巣穴の原因となる「す」を抜きたいので
鍛冶で鍛錬をして地金塊を締め続ける必要があります。
鍛造 結婚指輪の魅力は密度が濃い!
伝統技法の鍛造で手作りをする指輪のメリットとは、
ズバリ密度が濃い!密度が濃いので頑丈になるんです。
鍛冶で地金塊を鍛錬することで地金内の「す」が放出
して締まって更に粒子も整って更に地金が締まります。
プラチナ塊を叩き上げて締め続けることでプラチナの
密度が上がって増していくというメカニズムなんです。
結果、鍛冶で鍛錬されたプラチナ塊は密度が上がって
粘り強さと強度が増すので頑丈な結婚指輪になります。
鍛造で作る指輪、鍛造指輪の魅力
地金を鍛冶で何回も何回も鍛錬すると「す」が抜けて
地金塊の密度が増して粘り強くなって頑丈になります。
そんな素晴らしい地金で手作りした指輪のメリットは
変形しにくくて傷や凹みも付きにくい指輪になります
これが、日本伝統技法の鍛造の最大のポイントで魅力!
日常生活で1番長く指にすることになる結婚指輪には
鍛造で得られたメリットは、とてつもなく有難いです!
月形リングの作り方
手作りをしている結婚指輪のフォルムは月形ですので
月形になるように引き続き鍛冶で叩いて成形をします。
太い結婚指輪で月形ということで1番太い部分の幅が
9ミリ必要なのでセンター部分を9ミリ確保してから
1番細い4ミリ幅の太さになるように整えていきます。
四角形にした分厚い地金板の表面と側面を叩きながら
リング幅の太さと厚みを調節して月形にしていきます。
焼きなまし
地金塊を叩き続けて、締め続けていくと硬くなります
強度を上げるために鍛えているので硬くなるのは良い
ことですが、この硬さは絞まりの硬さで密度が増して
硬くなったのとは少し意味が違って締まりの硬さです
もちろん密度も増していて硬くはなっているのですが
更に叩いて締めればもっと密度が増して強くなります
しかし硬くなりすぎた地金は叩くと跳ね返ってきます
そこで「焼きなまし」という工程で硬くなった地金を
真っ赤に焼くと、締まりが少し解けて更に叩き上げて
締め続けることが可能になるので密度も更に増します
鍛造は、叩いて締めて焼いての繰り返しという事です
地道で地味な作業ですが、これが1番大切な作業です
鍛造指輪は果てしない鍛冶から生まれる指輪なんです。
月形の形になってきました
計算しながら鍛冶を進めていくと月形リングのベース
となる地金板の形が月形になってきたのが分かります。
地金板の中心となるセンターの太さが9ミリあります
そして板の両端が月形リングの下になる部分になって
太さが4ミリということで月形のバランスが大切です。
リング幅だけではなくて、リングの厚みも変わります
中心部分が肉厚になっていて両端が薄くなっています。
ただ、9ミリと4ミリで今の段階で設定してしまうと
幅の余裕が無くなって、彫金作業で削ると予定よりも
細くなって薄くなるので1ミリづつの余裕を持ちます。
鍛造と鋳造の違い
私がこのブログで紹介をしている指輪の作り方が鍛造
では、一般的なジュエリーショップで販売をしている
指輪の製法は何か?それは鋳造(ちゅうぞう)製法です。
世の中にある指輪の99%以上が鋳造で作られた指輪
世界的に1番多い指輪の製造方法という事になります。
鋳造製法は、用意をした指輪のデザインの原型の型に
溶かした地金を流し込んで、固めて作る製造方法です
大量生産が可能なので、世の中のほとんどが鋳造です
しかし鍛造と違って、溶かした地金を固めて作るので
密度もそのままで巣穴も入ったままという事なんです
出来合いの既製品に巣穴があるのはそういうことです。
今の時代では、レーザー溶接で巣穴を隠していますが
地金の中までは隠せないので巣穴が含まれております
ということで強度も弱いのでリングが変形するんです。
手作りでもロウワックスで
原型を作っているのは鋳造
結婚指輪を手作りする事がとても流行っていますよね
しかし、手作りといってもほとんどが鋳造なんですよ。
手作りで結婚指輪を作っています!という店の製法で
1番多いのが青や緑のロウワックスを削って作る方法。
いわゆるロウ材を削って指輪の原型の型を作るんです
ロウ細工で指輪の原型を作って、その原型を型にして
溶かした地金を流して固めて作るので鋳造になります。
直接、地金に触れて作っていないので手作りというと
ロウ細工で指輪の原型を手作りしたということですね。
私がしている伝統技法の鍛造とは全くの別物という事
私が継承した鍛造は鍛冶作業で鍛えて造っていきます
鍛造指輪の製造販売店は全国でも本当に少ないんです。
圧縮をして作る指輪も
鍛造とは違うので注意
地金を圧縮(プレス)をして、作るリングもありますが
これは地金塊を機械で急激に圧縮(プレス)をしてから
圧縮した地金板をリングの形に、くり抜くという製法。
これを鍛造と言っている業者もありますが、伝統技法
の鍛造とは作り方も違えば、地金の質も違っています
圧縮された地金は硬いんですが粘り強さが無いんです
本物の鍛造で鍛えられた地金は、粘り強さがあります
「しなり」とも言いますが地金にしなやかさがあって
この「しなり」が指輪の変形のしにくさに繋がります。
なので圧縮リングは別の鍛造リングだと考えて下さい。
結婚指輪が太めで 後悔する人の理由
結婚指輪が太めで後悔をする人の特徴は、付け心地が
凄く悪いというのが1番の理由だと思っておりますが
私が手作りをしている太い指輪の付け心地は良いです!
太い指輪=指輪面積が広いということで違和感を感じ
てしまう方が多いというのが最大の理由だと思います。
私が手作りをする結婚指輪は、内側が丸くて滑らかに
なるので指に優しく馴染んで付け心地が良いんです。
そして月形リングの場合は、リングの下が細くて薄く
なっているので、指を曲げた時に違和感を感じません
太い幅が全周していない月形は付け心地が良いんです。
作業工程に戻りますが、月形リングのベースとなる板
が完成したらプラチナとジュエリーコウキの2種類の
証明刻印を月形リングの内側になる面に打ち込みます。
月形の地金板をリングに丸める
鍛えまくったプラチナの板をリングの形に丸めます
丸棒という先端が細くて、根元が太い鉄棒で丸めます。
丸棒の形がこうなっている理由は、リングのサイズに
合わせて棒の位置を決めて丸めることができるんです。
丸棒の先端が1号で、根元が30号になっているので
丁度、真ん中で丸めれば15号になるという感じです。
板の丸め方は板を丸棒に押し当てて木槌で叩きながら
丸棒にプラチナ板を巻き付ける要領で丸めていきます
そうすることで金属疲労も無く、綺麗に丸められます。
繋ぎ目の隙間を無くす
プラチナ板をリングの形に丸めると合わせた繋ぎ目に
隙間が出やすいですが隙間が少しでも開いてしまうと、
リング溶接をしたときに食い込んで溶けてしまったり
ひび割れをしたりなどと不具合がでてしまいますので
繋ぎ目の隙間は完璧に無くなるようにして合わせます。
もし合わせた繋ぎ目に隙間があるようなら糸ノコギリ
で繋ぎ目を切るようにすると隙間が無くなり合います。
ファイヤアアアアアアー!!
本日、2度目の強烈な火力のファイヤアアアー!です
プラチナを溶かしたレベルの強烈な炎で溶接をします。
共付け(ともづけ)という特殊な溶接方法でリング本体
のプラチナと同じプラチナを薄く伸ばして、繋ぎ目に
挟んで同時に溶かすという難易度が凄く高い溶接です
同じプラチナ同士ということで融点が全く同じなので
リングも挟んだプラチナも同時に溶けてしまいますが
同じプラチナ同士で相性も良くて頑丈になるんですね。
太いプラチナの結婚指輪ですね~
地金板だったときよりもリングになると太く見えます
真っ直ぐな地金板のときとは感じる太さが違いますね!
そして共付け作業が完了したホヤホヤ状態の指輪です
真っ赤で熱くて溶解作業のときと似ている雰囲気です。
リング幅が太くてリングの肉厚も厚いので、なかなか
熱が逃げないので、冷めなくて真っ赤な状態なんです
太い指輪が真っ赤になってるとインパクトがあります。
プラチナリングを真円に
そしてサイズを調整する
更に月形甲丸の形にする
共付けが完了したプラチナリングを100%の真円に
成形しながら結婚指輪のサイズまで伸ばしていきます。
丸棒でプラチナ板を丸めているので、そんなに歪みは
出ていないのですが、それでも完璧な円形の真円では
ありませんので再度、丸棒に入れハンマーで叩きます。
ハンマーでプラチナリングを叩いて、真円にしながら
指定された結婚指輪のサイズになるように伸ばします。
真円にすることと、サイズを伸ばして調整することと
更にもう1つ、月形平打ちリングの形から月形甲丸に
なるように平打ちの角を叩き落として丸めていきます。
3つの同時作業で進める
プラチナリングを真円になるように叩きながら指輪の
サイズをお客様の指定サイズになるように伸ばして、
更に平打ちリングを甲丸リングになるように叩きます
3つの重要な工程を同時に進めていく難しい作業です
ちなみに甲丸とは蒲鉾のように丸く膨らんだ形のこと
月形甲丸と月形のフォルムで甲丸になる事をいいます
共付け後のプラチナリングの形は、月形平打ちリング
そこで月形平打ちの角を叩き落として丸めていきます
どこまでも鍛冶にこだわり続ける、それが鍛造リング。
段階的に角を落としていく
月形平打ちリングから月形甲丸リングにしていくには
プラチナリングの角をハンマーで叩いて落としながら
丸めていきますが段階的に落とすことがポイントです。
段階的に角を叩いて落としていくことで丸さの角度の
微調整ができるので必ず段階的に少しづつ落とします
一気に落とすと急角度になって修正が効かないんです
焦らず、ゆっくりと少しづつ指輪の角を落としながら
甲丸の丸さを調節していきます(地道がもの凄く重要)
月形甲丸のバランスが重要
月形甲丸リングは月形と甲丸が融合したフォルムです
普通の甲丸リングはリング幅も厚みもほぼ同じなので
同じバランスで角を落として、丸めていけば整います。
しかし月形リングとなると、中心の幅が太くて肉厚で
下にいくに従って、リングが細くなって薄くなります。
月形リングは地金の面積が変わるので甲丸のバランス
が重要になってくるので全体を見ながら馴染ませます。
ハンマーで叩いた槌目模様もGOOD!
ハンマーでプラチナリングを強く叩くと打痕が出ます
画像を見ると、細かい打痕が沢山あるのが分かります。
この打痕が槌目(つちめ)という模様で日本の伝統模様
の1つなんです(普通の打痕ではなく考えて打つ打痕)
適当にハンマーで叩いた打痕は模様ではなく凹みです
しかし考えながら配置された打痕はデザインになって
キラキラと光るミラーボールのような指輪になります。
槌目のデザインも人気がありますので槌目フォルムで
結婚指輪を仕上げる場合はこの時点で仕上げ始めます。
かなり太めの結婚指輪
月形甲丸リングのフォルムが出来上がってきました!
改めて見ると、かなり太めの結婚指輪だと分かります。
というのも実際は9ミリの太さで仕上げていきますが
この時点では、余裕を持ってリングを作っているので
10ミリ以上の極太の結婚指輪になっているからです
もし、10ミリがいい!超極太の結婚指輪がいいです!
となれば、このまま仕上げていきますが、本当に太くて
結婚指輪には見えないですw(そこが好きな方も多いです)
月形甲丸のバランス 最終確認
かなり太めの月形甲丸だからこそバランスが重要です
基本的にはバランスを考えながらの作業になりますが
月形甲丸のフォルムが完成に近くなれば最終確認です。
月形甲丸リングを色んな角度から見直しての最終確認
丸さが足りないと思えば角を叩いて丸めていきますし
幅の太さのバランスが変だと思えば彫金で整えます。
まずはヤスリでの彫金作業の前に、ハンマーで叩いて
修正できるところは修正をしてフォルムを整えます。
太い月形甲丸 フォルムが完成!
地道な作業でハンマーでプラチナリングを叩き続けて
バランスがとれた美しい月形甲丸のフォルムが完成!
美しいリングフォルムで、我ながらウットリしますw
ハンマーで叩いて指輪の形を作っていくという技法は
金物の町、燕三条の鎚起銅器の技術に凄く似ています。
当店は隣町の長岡に工房があるのでまさに本場ですね
鍛冶と金物で有名な町、新潟で作る鍛造品は逸品です!
結婚指輪の幅のサイズを合わせる
手作りしている月形甲丸の結婚指輪の太さはセンター
の1番広い部分の幅が9ミリという超幅広になります
そして1番狭い下の部分で4ミリですので合わせます
ヤスリでプラチナリングの側面の幅を削りながら幅の
太さを調節するので、すり板にプラチナリングを固定
してヤスリで両方の側面を削って太さを合わせます
両方の側面を同じぶんだけ削らないと、月形リングの
幅のバランスが歪むので必ず同じだけ削っていきます
センターが9ミリ、下が4ミリになるように削ります。
太い結婚指輪だからこそ、
付け心地の良さが凄く重要
太い結婚指輪や、太い指輪にして後悔をしている人は
太い指輪の特有のキツサや、付け心地の悪さを感じて
太い指輪にしなければ良かったなと思う方が大半です。
しかし!手作りで1つ1つの工程を丁寧に作っている
当店の場合は、太い結婚指輪でも太い指輪でも指輪の
内側(裏側)を丸く滑らかにするので付け心地が良いです
内甲丸(うちこうまる)というのですが、指輪の内側が
丸く楕円形に削ってあるので指と指輪が優しく触れて
違和感を感じませんしフィットするので凄く優しいです。
内甲丸のメリット
太い結婚指輪でも内甲丸にすれば付け心地は良いです
手作りなので結婚指輪の付け心地にも超こだわります!
内甲丸にすることで結婚指輪の内側の角が丸くなって
角と一緒に全体も丸くなるので滑らかさが増します。
太い指輪でも指を曲げても痛く感じませんし、キツサ
も感じませんし、何より付けている感覚が優しいです。
水はけも良いのも特徴なので、汗や水が指輪に入った
としても水分が結婚指輪から抜けやすくなりますので
衛生的にも良いですし、指がふやける事も減るんです
太い指輪だから・・・付け心地が悪いのは仕方がない
という考えは私には無く、指輪の太さに関係なく指輪
の付け心地には宝飾職人として絶対の自信があります!
月形甲丸リング 表面の彫金作業
月形甲丸リングの幅の太さを合わせたら次は表面です
ハンマーで叩いて打ち付けた槌目を消していく作業。
太い槌目リングが良ければ槌目のまま仕上げることも
できますので槌目模様を希望の方はここで仕上げです。
今回、手作りをしている結婚指輪は槌目模様ではなく
ピカピカの光沢の鏡面仕上げにしますので、ヤスリで
槌目の凹凸を削って消していきながら整えていきます。
槌目模様が消えて滑らかに
ヤスリで槌目を削りながら滑らかに整えていきます
槌目の凹凸がけっこうあるので荒い目のヤスリを使い
槌目の凹凸が無くなるまで荒く綺麗に削っていきます。
基本的にヤスリの使い方は、荒目ヤスリ、中目ヤスリ、
最後に、油目ヤスリという感じで目を細かくしながら
プラチナリングの削った面を滑らかに仕上げていきます。
ヤスリの目が細かくなるにつれて、プラチナの表面の
キズが小さくなっていくので滑らかになっていきます。
1番目の細かい油目ヤスリで最終仕上げ
先程の画像と比べてみると分かるのですが使っている
ヤスリの目が荒いものから細かいものに変わったのが
わかるかと思いますが、最終的には油目で仕上げます
油目ヤスリはヤスリの目が細かいのでヤスリでの彫金
の最終段階ということになりますので、荒目ヤスリで
削った深いキズも油目ヤスリで擦って消していきます。
彫金の流れとしては荒目ヤスリでリング全体を削って
フォルムを作り出してから、中目ヤスリで全体を整わせ
最後に油目ヤスリでキズを消しながら仕上げる流れです。
荒仕上げのプラチナリング
目の細かい油目ヤスリでプラチナリングの傷を消して
デザインを整えたら月形甲丸のフォルムが完成です!
この状態のプラチナリングを「荒仕上げ」と当店では
いっており、彫金技術だけで仕上げるとこうなります。
荒仕上げデザインが良い!となればこれで仕上げます
荒仕上げは光沢でもなく、艶消しのマットでもなくて
彫金技術がある工房でしか表現できない仕上げですね。
プラチナの渋い見た目が、お洒落!とよく言われます
今回のデザインに限らず荒仕上げは、よく出ます(^-^)
耐水性の紙ヤスリで小傷を消す
ヤスリでの彫金が続いておりましたが、これが最後の
ヤスリになって金属のヤスリではなく紙ヤスリを使用。
耐水性の紙ヤスリですので、水を含ませながら擦ると
絶大な効果を発揮するヤスリ、それが耐水性の力です。
水を含ませプラチナを擦ることで水と研磨砂が混ざり
小傷の奥まで浸透するので小傷が消えやすくなります
この作業で結婚指輪にある小傷を全て綺麗に消します。
シリコンポインターで更に滑らかに
紙ヤスリで徹底的にプラチナリングの傷を無くしたら
シリコンポインターという研磨ゴムで滑らかにします。
というのも紙ヤスリで指輪を擦ると小傷は消えますが
今度は紙ヤスリで擦った細かいラインが無数に出ます。
髪の毛のような無数のラインということでヘアライン
と言って、このまま仕上げるとヘアライン加工として
1つのデザインになるのですが、手作りをしている
月形甲丸は光沢仕上げになるので更に小傷を消します。
リュータ機の先端にシリコンポインターをセットして
高速回転で回して小傷を消して滑らかに仕上げます。
プラチナを光沢に仕上げる
ここまでに来るまでに、何通りもの仕上げをこなして
やっとプラチナが光ってきて光沢になってきました。
シリコンポインターのゴム素材は主に2種類あります
茶色いゴムは、研磨材が含まれた地金を研磨するゴム
青色は研磨された地金を光沢に光らせる磨き用のゴム。
どちらのゴムも様々な形が何パターンも存在するので
結婚指輪のデザインに合わせて選んで使っていきます。
プラチナのヘラ掛け
シリコンポインターで指輪を仕上げて光沢にしました
しかし滑らかに光る光沢には仕上がっているのですが
鏡のように反射する鏡面で無いのが分かると思います。
プラチナを鏡面にするにはヘラ掛け(へらがけ)という
磨き作業をすることでプラチナが鏡面に仕上がります。
昔から受け継がれた磨き工程なので難易度が高めです
鏡面にする磨き方は、ヘラ棒をプラチナに押し当てて
面を潰すように伸ばすと鏡面に仕上がっていくんです
プラチナ特有の鏡面仕上げはヘラ掛けで出すんですね
現代では機械でプラチナに鏡面をだす事もできますが
昔ながらのヘラ掛けで生み出す鏡面は輝きが深いです。
バフ掛けでプラチナの鏡面を更にアップ
プラチナリングにヘラ掛けをすると、ヘラ棒で押して
潰して磨いた跡が、薄らとプラチナの表面に残ります。
そこでバフ掛けという磨き布の束で徹底的に磨きます
リュータ機にセットをする小型のバフから、モーター
タイプのパワーのあるバフ機で徹底的に磨き上げます。
そうすることでヘラ掛けの薄らとした跡が消えていき
反射度が増していき鏡面が最高の状態に仕上がります
まるで鏡のようにプラチナがなれば鏡面仕上げの完成!
月形甲丸の太い結婚指輪が完成!
ついに!手作りの結婚指輪が完成いたしました(^-^)
鍛造という日本の伝統技法で手作りをした結婚指輪は
他の手作りとは違って結婚指輪からオーラを感じます。
1つ1つを手作業で作り上げているので、月形甲丸の
バランスが完璧で、横から見ると美しいフォルムです。
指のサイズが違っていても月形甲丸のバランスは全く
同じに見えるのは宝飾職人の技術の高さです(自画自賛w)
2本の結婚指輪を同時に手作りする事がポイントです。
結婚指輪の下側が狭くなっているので
太い結婚指輪でも付け心地は良いです
月形甲丸を正面でなく反対側から見るとこうなります
1番狭い箇所のリング幅が4ミリになっていますので
太いデザインでも、下が細いので指を曲げても自然な
感覚のまま指に付けていられるので付け心地はGOOD!
太いデザイン特有の締め付け感、きつさは感じません
体感的には4ミリのリングをしている感じに近いです。
太い月形甲丸の結婚指輪を動画で紹介
画像だけでは、手作りをした月形甲丸リングの魅力を
余すことなくお伝えをするのが難しいと思いますので
動画の方でも撮影しましたのでご覧くださいませ(^-^)
手作りした太い月形甲丸 結婚指輪の詳細
○製造方法 鍛造(たんぞう)彫金(ちょうきん)
○使用地金 プラチナ(pt900)
○デザイン 月形甲丸リング
○指輪の幅 1番広い上が9ミリ、1番狭い下が4ミリ
○仕上げ方 鏡面仕上げ
月形甲丸リングの魅力は、その見た目のインパクトです
幅の太さが広くなればなるほど結婚指輪に見えませんw
それがこのデザインの魅力にもなっております(^-^)
重厚感、重圧感もあるのでお洒落で格好いいデザインで
普通の結婚指輪には無いインパクトを感じられますよね。
当店はネット販売をしておりますのでご依頼を頂ければ
指輪を手作りをして全国発送もしている宝石販売店です。
指のサイズが分からなくても、サイズを計れるゲージを
発送しておりますので全国どこでも対応できて安心です
鍛造の結婚指輪の記事を読んで頂き有難うございました。
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お問い合わせは、問い合わせフォームか
メールや お電話でもご対応しております
○「お問い合わせフォーム」
○電話番号 0258-27-1771(日曜は定休日)
○メールアドレス j_kouki_ring@yahoo.co.jp
〒940-2003
新潟県長岡市渡場町2-7
株式会社ジュエリーコウキ
デザインを選んでご購入ができます
鍛造の結婚指輪の一覧 → 鍛造の結婚指輪 デザイン一覧
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
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