ハンドメイドの結婚指輪~男性はシンプル平打ち&女性は槌目に桜の花

いつもご観覧を頂きありがとう御座います
新潟県長岡市の宝石店で、結婚指輪を手作りで
制作しているジュエリーコウキの2代目、池田です

本日、ご紹介させて頂く結婚指輪は男女で違います
男性がシンプルな平打ちタイプの結婚指輪で、女性が
槌目をベースとした桜の打ち出しタイプのデザインです

どちらもプラチナリングの幅が3.5ミリです
リングの幅が統一されているのでデザインが違っても
ベースが平打ちという事もあり見た目はバッチリです!

 

さて、さっそく結婚指輪の作り方をお伝えします
完全ハンドメイド、手作りのみで作る結婚指輪!

私が作る結婚指輪はプラチナを溶かす所から始まります
2人分(2本分)に必要なプラチナを溶解(ようかい)します

プラチナが溶ける融点は約1770度と言われており
その融点以上の火力がないと溶けません(当然ですがw)
ですので、火力の超強い酸素バーナーの炎で溶かします

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1つの同じプラチナの塊から2つの指輪を作ります
同じプラチナから結婚指輪が誕生したら最高ですよね
その為に2本分に必要なプラチナを溶かすんです(*´Д`)

 

 

そして溶かしたプラチナを金槌で何度もガンガン叩いて
焼いていく鍛金(たんきん)作業へと進んでいきます
こうして作られる指輪を鍛造(たんぞう)と呼びます

どちらも鍛えるという言葉が入っているように
プラチナを鍛えながら強くして育てる作業という事です
詳しくは動画で紹介をしておりますのでご覧ください
コチラからどうぞ → プラチナの鍛造作業(Youtube動画)

 

動画のような鍛金(たんきん)を続けていくと
最終的に下の写真のようにプラチナが長い板状になります

溶かして丸かった塊のプラチナがこうなるんですよね~
金槌で何度もじっくり叩いて炎で焼いて成形していきます。

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手間をかけてプラチナと真剣に向き合いながらの鍛造
そうする事によってプラチナもきちんと応えてくれます

地金中に含まれる微量な気泡(スと呼ばれています)
そんな微量な空気が地金から放たれて地金が詰まります
そして粒子も詰まり粘り強い上質なプラチナになります

予めプラチナ板の幅と厚みは設定しながら成形します
これが結婚指輪に必要な幅と厚さという事ですね(^ω^)

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1枚のプラチナ板を2枚にします(ペア)

この長いプラチナの棒が2つの結婚指輪のベースです
糸ノコギリで1枚のプラチナの棒を2枚にします(ペア)

作る指輪のサイズによってカットする長さは違います
例えばですが、10号の指輪を1本作るには約54ミリの
長さが必要です(デザインや肉厚によって変わりますが)

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1つのプラチナから2つの指輪(結婚指輪)が誕生!

とっても素敵な工程だと思いませんか(*´Д`)
この工程に憧れてジュエリーコウキにお願いしました
というお客様が全国各地で本当に多いんですよね♪

確かに手間はかかりますが、1つ1つ真心をこめて
精一杯に造る事で、お客様が感動してくれるんです(涙)
ですのでこの工程は一生続けていきます(キッパリ!)

ちなみに自分が約15年前に嫁さんに作った結婚指輪も同じ
工程で作っていますので、今でも仲良しで尻に敷かれていますw

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結婚指輪の内側に刻印を打ち込みます

マリッジリングの内側になる面に刻印を打ち込みます
プラチナ900で制作していますのでプラチナ900の
刻印とジュエリーコウキで間違いなく手作りをしました
というJKマークの刻印を打ち込みます(^ω^)

ちなみにお客様の記念日の数字や、お名前やメッセージ等
などの中文字の刻印は完成後に打ち込みますのでご安心を。

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リングの形になるように丸めていきます

指輪を丸める時に使う棒(芯金、芯棒、金棒)など
呼び方は様々ですが、自分は丸棒と呼んで使っています
その丸棒にプラチナの板を押し付けて金槌で叩き丸めます。

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隙間が出ないように隙間を合わせる

プラチナの板を丸めていくと最終的にくっつきます
くっついた部分に隙間が出ないように注意をします
もし合わせ口に隙間があるなら糸ノコギリを使って
隙間を切り込み100%隙間がなくなるまで調節します

隙間があるとNGな理由は、隙間があるとロウツケという
溶接をした時に溶け過ぎて食い込んだり、溶接自体が
不十分だったりという不具合が出る可能性がある為です。

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ロウ付け(ろうづけ)

地金を溶接する事をロウ付けと呼びます
先程のリングの合わせ口にロウという溶けやすい地金を
挟みこんで酸素バーナーでロウを溶かして融合させます

ロウにも融点が色々とあり溶けやすいロウから溶けにくい
ロウまで様々ありますので、用途によって使い分けます。

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私が結婚指輪を作るうえでこだわっている方法が
ロウ付けではなくトモ付け(ともづけ)という手法です

トモ付けとはロウを使わずに、指輪と同じプラチナを
薄く伸ばして合わせ口に挟み込み、その箇所を溶かす事

ロウを溶かすというよりもリング自体を溶かすイメージ
とっても危険で熟練された技が必要ですが強度が抜群!
指輪と同じ地金なので相性も良いですし変色もありません

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プラチナリングを真円にして指のサイズまで伸ばす

丸棒(芯金、芯棒、金棒とも呼ぶ)にトモ付けが終わった
リングを入れて、金槌でプラチナリングの表面を叩きます

プラチナリングの表面を、くまなく叩く事で綺麗な真円に
なるのですが同時にお客様の指輪のサイズまで伸ばします

金槌で微調整を繰り返しながらサイズを伸ばしていくので
細かいサイズの設定も可能です(例えば10.5号など)

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槌目・鎚目(つちめ)のプラチナリングが完成

真円にする時や、結婚指輪のサイズを伸ばす時に金槌で
プラチナリングの表面をガッツリ何度も叩いているので
槌目・鎚目(つちめ)という模様が打ち込まれています

槌目模様にもバランスが絶対にあるので適当に叩いて
槌目柄を作ろうとせず、バランスを考えながら叩きます
バランスが良い槌目とは何処から見ても綺麗な凹凸です

男性のマリッジリングはシンプルな平打ちになりますが
女性のマリッジリングは「桜の打ち出し模様」を槌目の
上から打ち込むので綺麗な槌目が下地として必須です!

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桜の鏨(たがね)

「桜の花びら」の形をしたタガネで模様を打ち込みます
ちなみに写真の鏨は、完全手作りで私が作ったんです!

焼いて削って〆ての繰り返しでオリジナルの鏨を制作
何度も叩くタガネだからこそ強度と粘り強さが必要です

タガネの先端を桜の花に彫りあげるのも削っただけでは
どんな桜の模様になるのか分からないので実際に見本の
指輪に打ち込みながら桜の形を整えて作っていくんです
という事は、この桜の打ち出しデザインは当店のみです!

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桜の打ち出し・鏨で打つ

整った綺麗な槌目模様の上からサクラの鏨を打ち込みます
下地となるベースの槌目が整っている事が絶対条件ですよ

植物もそうですがベースとなる土が綺麗という事が良いに
決まっています!汚い槌目に桜を入れたら枯れますよね(涙)
桜の打ち出しをするには下地の槌目が本当に大事なんです

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1枚1枚、丁寧に桜を打ち込みます

桜の打ち出しも槌目と同じようにバランスが凄く大事です
適当にサクラのタガネを打ち込むと良い物が出来ません!

桜を打ち込む位置と数、間隔を考えながら作業をします
しかし機械のように計算された完璧キッチリタイプもNG!

キッチリし過ぎるとバランスが機械的で躍動感が消えます
何というか、普通の模様になってしまうんですよね(;´Д`)
うまく説明が出来ませんが・・・センスが超超超重要ですw

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桜の花に動きがでるように打ち込む

パッと見ると桜が均等に揃っているように見えますが
実は微妙に桜の花の位置をずらして大きさも違うんです

全く同じ位置で同じ大きさ、同じ深さだったら・・・
それこそ普通の模様となってしまうからなんですよね
多少ずらして深さ、大きさを変える事で奥行き感を得られます

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世界で1つの桜の結婚指輪

先程言ったように、打ち込む力加減や位置、大きさや向き
色々な要素が絡み合って桜の打ち出し模様が浮き上がります

同じように作ったとしても、全く同じ物を作る事は不可能
1枚1枚の桜に個性があるこの結婚指輪は世界で1つだけ!
もちろんサイズによっても、桜の花の枚数は変わってきます

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結婚指輪の肉厚(高さ)もボリューミー

叩いて鍛えて造る「鍛造の結婚指輪」だからこそ肉厚も重要
金槌で何度も叩いて作る槌目から、更に上から叩いて作る
桜の打ち出し模様となれば指輪の厚みも重要となってきます

薄っぺらな結婚指輪では、この工程に耐えられませんので
結婚指輪の肉厚(高さ)はかなり重要視しております(*´Д`)
もちろん工程の部分だけではなく、つけ心地も良くなります

結婚指輪の肉厚があればあるほど、指輪の内側をヤスリで
丸く削る事ができるので、着け心地が凄く良くなるんですね。

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桜の花が指輪の中で舞っています

桜の鏨と金槌で1枚1枚の桜を打ち込んだデザイン
桜の花の位置、角度、深さ、大きさ、などなど沢山の要素が
重なり合って躍動感と奥行のある桜が浮かび上がるんですね

まるで桜が舞っているかのように見えると思います(*´Д`)
限定された指輪の幅の中でここまで魅せる事が出来るんです

もちろん指輪の幅が広くなれば、入る桜の数も増えますが
幅が狭くても、その幅の中で桜に躍動感を与えるのも技です

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女性の結婚指輪は、桜の打ち出しデザインですが
男性の結婚指輪はシンプルな平打ちデザインです

まだ男性のマリッジリングは表面を削っていないので
槌目のマリッジリングとなっていますが、槌目模様が
好みであればこのまま仕上げても素敵ですよ(^ω^)
打ち出しと槌目の相性は抜群なんでバッチリです!

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結婚指輪の幅を削って整えます

男女ともにマリッジリングの指定幅は3.5ミリです
2本とも金槌で槌目や打ち出しをガッツリしているので
マリッジリングの幅が結構広がっているので幅を削ります

結婚指輪の両側の側面をヤスリで削る作業になるのですが
この時に指輪の側面をクルクル回しながらヤスリで削ると
幅がバランスよく均一に削られてお勧めですよ(^ω^)

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結婚指輪の角を削り落とします

マリッジリング側面を削っていくと鋭利な角が出現します
この鋭利な角を「バリ」と専門用語では呼ばれています

このバリは基本的にどの地金の指輪の場合でも出現します
特に鍛金で作られたプラチナのバリは粘り強くて危険です
拡大して見ると角というよりもノコギリの刃みたい(汗)

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簡単に指がスパッと切れるので本当に危険な角なんです
ですのでバリが出たらヤスリで落としながら作業をします

この時にバリを落とすだけではなく、指への着け心地を
考えて結婚指輪の角をバランスよく落としていくんです

何度もバランス良くという言葉を使いますが、角を落とし
過ぎても駄目、落とさな過ぎても駄目、バランスが重要で
結婚指輪に限らず、指輪はバランスで見た目が決まります!

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槌目からフラットな平打ちに仕上げます

男性のマリッジリングは槌目のままでしたが、いよいよ
フラットでシンプルな平打ちに仕上げていきます(*´Д`)

マリッジリングの表面の槌目は凸凹していますので
マリッジリングと同じ位の幅がある平なヤスリを使用。

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槌目の凸凹が消えるまで平なヤスリで削っていきます
彫金の力加減で、平打ちの肉厚が変わってしまうので
ここでもバランスよく均等に表面を平に削っていきます

力加減も重要と言いましたが、ヤスリの角度も凄く重要
少しでも斜めにヤスリがリングの表面に当たっていると
削るにしたがって次第に表面が斜めに削れていくんです

デリケートな彫金作業になりますので、スケールという
厚みを計れる道具で計りながら彫金する事をお勧めします。

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指輪の着け心地を良くします

ずっと長く指につける結婚指輪は着け心地が凄く重要!
ストレスを感じる指輪は体調も悪くなりますので注意!

つけ心地の良い指輪とは、違和感なくつけられる指輪
もちろんストレスは感じないレベルの着け心地です

しっくりと指に指輪が吸い付くようなイメージで、
うまく説明できませんが指にフレンチキスをしたような
ソフトな感じですw(どんな感じなのか分かりませんw)

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分かりやすく削り方をお伝えすると、結婚指輪の中側を
指の形にフィットするように楕円形に削っていくんです

丸くし過ぎると指と指輪が、くっつく面積が少なすぎて
緩く感じますし平のままだと、くっつく面積が多すぎて
きつく感じるのでストレスを感じるんですよね(汗)
という事で中間の楕円形が指に1番フィットするんです

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ここから結婚指輪の仕上げに作業になります

まずは、ヤスリの彫金作業で全面にできた小傷を消します
結婚指輪のデザインを削ったり、指輪の内側を削ったりと
プラチナリングの全面は小傷が沢山ある状態です(汗)

この小傷を更に小さくしたり、完全に消したりするのに
耐水性の紙ヤスリを使ってプラチナリングを擦ります

何故、耐水性の紙ヤスリが良いかというと、水分を含んだ
紙ヤスリは擦る度に水と研磨砂が混ざり合って威力が出ます

威力というのは削る威力ではなく、小傷に浸透する威力です
紙ヤスリと細かい研磨砂のダブルパンチで小傷を消すんです
プラチナリングの全面が真っ白になればかなり消えています。

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紙ヤスリの次は研磨ゴムで磨いていきます

シリコンポインターという研磨ゴムでリングを磨きます
紙ヤスリで擦ると紙ヤスリの跡が残りますので消します

茶色いシリコンポインターは研磨材の入った硬いゴム
水色のシリコンポインターは滑らかにする柔らかいゴム
デザインによって使い分けるポインターの形が様々です。

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男性の平打ちを磨くときには注意が必要!

男性のマリッジリングは平打ちでシンプルなデザイン
平打ちはシンプルなので作るのに簡単そうに見えますが
意外と難しいんです(シンプル過ぎると肉眼で分かる為)

研磨ゴムで磨いていくんですが、同じ場所を研磨ゴムで
集中してしまうと、あっという間に凹んでしまうんです
シンプルがゆえに凹みや歪みが目立ってしまうという事

シリコンポインターで磨くときは一定の場所ではなくて
バランスを考えて平均的に全面を磨くようにするんです。

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ヘラがけ(ヘラ磨き)

ピッカピカの光沢を作るのに必要で重要な磨き工程です
ヘラ棒という道具を使ってプラチナリングを磨きます

水色の仕上げ用のシリコンポインターで多少の光沢は
出るのですがピッカピカの鏡のような鏡面は出ません
反射するような鏡面や光沢を出すにはヘラ棒が必須です

プラチナの面を潰すような感覚で、ヘラ棒をプラチナに
強く押しつけながら潰して滑らせて磨いていくんです
とっても原始的な手法ですが実はこれが1番重要です!

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バフ仕上げ(バフ磨き)

ヘラがけが完了するとピッカピカの光沢になりますが
強くヘラ棒を押し付けて磨いたのでヘラの跡が残ります

そのヘラ跡をバフという高速回転の磨き布で磨きます
リューターの先端に設置する小さいバフから、大きな
バッファーというグラインダータイプを使い磨きます

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もの凄い高速回転で回っていてパワフルな機械です
指輪をしっかりと指で掴んでいないと飛ばされます
そして固い布が当たるのでプラチナが超熱くなります

グラインダータイプはパワーが凄いので危ないですが
バフで磨くと鏡面が更に反射して鏡のようになります

このバフ作業を長年続けていると、親指と人差し指の
爪がマニキュアをしたかのようなに艶々で光るんですw
何というか、ちょっと恥ずかしい自分がいます(*´Д`)

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手作りの結婚指輪が完成!

終始、鍛造にこだわり抜いた渾身の結婚指輪です
ここまで指輪に魂や情熱、真心をこめているのは
自分くらいなんじゃ?と錯覚するくらいです(*´Д`)

女性は桜の打ち出しが舞う魅力的な結婚指輪
男性はシンプルな平打ちでスマートに魅せる結婚指輪

この2本ともに同じ工程、同じ幅と厚みなので違和感ナシ
デザインが違っていてもペアに見えるのはテクニックです

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気になる結婚指輪の値段ですが、
一般的な既製品の半額位ですよ(^ω^)

手作りなどのオーダーメイドは値段が高いと思われて
いますが当店は違います(他店は高いと思いますがw)

その理由は素材(プラチナやダイヤなど)を当店で厳選して
値段交渉をして仕入れてから私が制作しているからなんです

分かりやすく言えば、素材は良い物が安くて、指輪を作る
工賃は私と親父が作っているので安く抑えられるからという
簡単な理由なんですが本当にそれで安いんですよね(^ω^)

さて、秋のブライダルシーズンでめっちゃ忙しいので
ブログはここまでにして次の指輪制作にはいります<(_ _)>

 

こだわりの制作記事をご覧頂いて、制作工程に納得をしてから
私の作る結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです
結婚指輪の一覧はコチラ → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧

 

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