いつもご観覧を頂きありがとう御座います
新潟県長岡市の宝石店で、結婚指輪を手作りで
制作しているジュエリーコウキの2代目、池田です
お久しぶりですw 2週間ぶりのブログの更新です(汗)
とにかく超忙しくて、鬼忙しくてPCに触れませんw
ブログに書きたい制作日記と制作写真は山程あるのに・・・
工房から一歩も出れませんが、嬉しい悲鳴だと感じてます!
8月も後半、夏が終わり秋の風を感じる今日この頃
とは言っても日中はまだまだ暑い日が続いております
体調が狂いやすい時期ですので十分に注意したいですね
というのも、秋のブライダルシーズンが始まっており
ブライダル関連のジュエリー制作が忙しくなってきて
体調を崩したら制作スケジュールに大きく関わるので
お客様の為にも店の為にも休む訳にはいきません(*´Д`)
さて、本日ご紹介するジュエリーはエタニティリング
ダイヤが指輪の半分入るハーフエタニティリングです
ご紹介するハーフエタニティリングのご依頼主様は
何と栃木県から新潟県の当店までお越し下さいました
めっちゃ嬉しいです!本当にありがとう御座います!
お客様のお話しによると栃木県から新潟県長岡市まで
車で片道3時間くらいだったという事です(;´Д`)
本当にわざわざお越し下さり有難う御座いました!!
3時間かけてでも手作りのハーフエタニティリングと
同じ位にイケメンの私を見たかったらしいです(嘘こけw)
まあ・・・いつかそうなるように頑張りますwww
すでに指輪は完成してお客様のお手元へありますが
制作工程はたっぷり撮影してありますのでご紹介します
完成した最強のハーフエタニティリングのお写真がコチラ
めっちゃ魅力的なハーフエタニティリングです!
鍛造(たんぞう)と彫金(ちょうきん)にこだわって
最初から最後まで手作りするので、プラチナ自体に傷が
つきにくく強度が強い!粘り強いプラチナなので変形にも強い!
そしてダイヤモンドも最高クラスのルースを使っていますし
(カットが綺麗すぎてハートが見える上質なダイヤです)
指への着け心地もストレスを一切感じない最強の指輪です!
さて、ハーフエタニティリングの作り方です
当店で制作する指輪はエタニティリングに限らず
プラチナを溶解(ようかい)する所から始まります
いつもの結婚指輪を制作する時は、ペア分の2本分の
指輪を作るのに必要なプラチナを溶かして制作しますが
今回のハーフエタニティリングは婚約指輪ですので、
1本分を作るのに必要なプラチナを計算して溶解します。
溶かしたプラチナの塊を叩いて鍛えます(鍛金)
溶解後のプラチナの塊を金床(角床)という台に載せて
大きな金槌でガンガン叩いてプラチナを育てていきます
じっくりと時間をかけてプラチナを鍛えぬいていきます
叩いて叩いて、炎で焼いてまた叩いて、この繰り返しの
作業をする事でプラチナが上質に育っていくんですよね
この作業を鍛金(たんきん)鍛造(たんぞう)と呼びます
エタニティリングのベース(土台)となる指輪ですので
時間をじっくりとかけてプラチナの育成を進めていきます
育成と聞くと生き物のように感じてしまいますが、
生き物を育てると同じような思いでプラチナを育てます
金槌で叩けば叩くほど、炎で焼けば焼くほどプラチナが
締まっていき地金中にある「ス」と呼ばれる微粒の空気が
抜けながらプラチナの粒子が整い粘り強くなっていきます
これが鍛金(たんきん)鍛造(たんぞう)の仕組みです
刀を作る刀職人さんと似ている部分が多いと思っています
鍛造作業の動画がありますので、そちらをご覧頂ければ
プラチナを鍛えて育てるってこういう事なのか~と
視覚と聴覚で分かると思いますのでご覧ください(*´Д`)
溶解したプラチナの塊を鍛金して四角く成形していくと
最終的には写真のような長い板状のプラチナになります
このプラチナ板がエタニティリングのベースとなります
丸かったプラチナの塊が叩かれて焼かれての繰り返しで
時間をかけると、このような板状になるんですね(^ω^)
この状態でのサイズが幅が3.2ミリ、肉厚が2.0ミリ
実際にエタニティが完成すると幅3ミリ、肉厚1.8ミリ
となるので作業の初期は余裕を持ちながら作業をします
リングの幅や高さに余裕をもって作業をするのには
きちんとした理由があります。まだ鍛造作業は続きますし
プラチナを削る彫金(ちょうきん)という作業もあります
ロウ付けと呼ばれる溶接作業もあります(他にも多数あり)
このようにまだ先に作業工程が沢山あるのでカツカツの
状態の幅と高さで進めると、もしかしたら削りすぎた!
叩きすぎた!溶け過ぎた!などありえるからなんですね
考え方によっては指輪の保険のようなものですね(^ω^)
指輪の内側になる部分に刻印を打ち込む
プラチナ板を丸めてリング状にした時に、
内側になる面に刻印を2種類、打ち込みます
1つはプラチナの地金を証明する刻印
1つは当店で手作りをした証の刻印です
プラチナ板を丸めてリングにする
いよいよ板状のプラチナが丸くなります(^ω^)
丸棒という鋼の棒にプラチナ板を押し付けながら
隙間が出ないよう金槌で叩いて丸めていく作業になります
丸棒と金槌を使って丸める方法以外にも、沢山の工具が
あるので色々な丸め方があるのですが、私がしている
この丸棒と金槌を使って丸める方法は親父直伝なんです
慣れるまで丸めにくいやり方なんですが、この手法が
出来るようになるとプラチナ板に傷をつけないで丸める
事が出来るようになるんです(昔の職人はこの方法)
ロウ付け(ろうずけ)
プラチナの板を丸めると端と端が合わさりますので
合わせ口ができます。この合わせ口に隙間があるとNG
合わせ口の隙間がゼロになるよう調節しながら合わせます
その合わせた隙間に薄く伸ばしたロウという地金を挟み
約1800度のバーナーの炎で溶かして溶接をするんです
この方法をロウ付けと呼びます(当店ではトモ付けです)
当店のトモ付けと、普通のロウ付けの違い
一般的なロウ付けに使用されるロウは溶けやすい
融点が低いので(融点によって多数のロウがあります)
指輪が溶けませんが、トモ付けに使用するロウは何と
今現在制作しているプラチナリングの一部なんですよね
ですので指輪もロウも一緒に溶けてしまいます(;´Д`)
熟練していけば溶ける箇所も少なくなっていきますので
まずは経験で感覚を鍛えるのみ(何年もかかりますが)
習得すれば割れにくいし色あせないし最高のロウ付けです
指輪のサイズを調節する
トモ付け(ロウ付け)が完了してリングが完成したら
次は完璧な円、真円になるように叩いて丸くしていきます
ハーフエタニティリングのベースになる真円が完成したら
細かく叩いて指輪のサイズを伸ばして指定サイズにします
細かく調節が可能ですので、細かいサイズ設定も可能です
普通のジュエリーショップは、1号づつのサイズ設定が
一般的なのですが手作業なので柔軟に対応できるんですね
ハーフエタニティリングの幅を整える
指定されたハーフエタニティリングの幅が3.0ミリ
しかし金槌で真円からの~サイズ伸ばし作業で指輪の
幅は広がっております(写真の段階で約3.3ミリ)
ですので指輪の幅を削り、指定の幅になるように調整。
エタニティリングの角を削り落とします
指輪の幅をヤスリでガツガツ削っていくと鋭利な角が
自然と出てきます。この削った時にでる角を「バリ」
と呼びますが、このバリが鋭利すぎて危険なんです
精密ヤスリで指輪全体のバリを丁寧に削り落とします
削り落とす角の角度は、触って痛くないような角です
この角が指への着け心地に影響しますので慎重に(*´Д`)
ダイヤを埋め込む位置に印をします(設計図)
今回のハーフエタニティリングは、上質なダイヤモンドを
14ピース使用します(厳選された高いレベルのダイヤ)
その綺麗なダイヤモンドを埋め込む位置を決定します
スケールなど細かく計れる工具で計算しながら書きます
この設計図が綺麗にできていないと彫金作業が進みません
ですのでキッチリと計算してダイヤと爪の位置を描きます
ダイヤを埋め込む「彫り留め」に進みます
設計図をプラチナリングに書きこんだら繊細な工具を使い
彫り留め(ほりどめ)という作業で削ったり彫ったりして
爪や枠などを作っていく彫刻作業にはいります(*´Д`)
エタニティリング制作の1番の見せ場の作業だと思いますw
しかーしw 続きを書きたかったのに
忙しくて記事を書く時間がないという(涙)
PCが駄目ならスマホから書けばいいじゃん!
と思う人もいると思いますが挑戦したんですが駄目w
文字が小さくて指が触れて違う文字を打ち込んだりして
記事更新が進まないしイライラしてしまうんです(;´Д`)
やっぱ自分にはバシバシとキーボードを叩く方が合ってるw
さて、すぐ工房に戻らないとなので今日はここまでにします
また後日にハーフエタニティリングの彫り留め作業の続きを
書きたいと思いますので、もうしばらくお待ち下さいませ!
こちらの記事の続きはコチラから
ハーフエタニティリングの作り方【彫り留め・石留め編】
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。
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