鍛造の結婚指輪の専門店ジュエリーコウキです
私が工房で1つ1つ鍛造で指輪を手作りします
鍛造(たんぞう)という製法は日本の伝統技法の1つ
鍛えて造るという意味で鍛錬しながら指輪を作ります。
この技術は昔から受け継がれてきた日本の伝統技術で
代々鍛造技術を継承してきた鍛造職人しか作れません。
近年、鍛造という製法が注目されて鍛造の結婚指輪が
増えてきましたがほとんどは鍛造ではなく鍛造風です。
鍛造に似せて作る鍛造風は本物の鍛造と全く違います
昔から伝わる本物の鍛造は鍛冶で職人が手作りします。
ちなみに本物の鍛造で手作りをした結婚指輪は市場の
結婚指輪の1%以下しか存在しない特別なリングです。
当店は全国でも数少ない本物の鍛造リング専門店です。
こんにちは (*´Д`)
ジュエリーコウキ 2代目の池田です 鍛造職人歴は31年
私、池田が師匠である父から代々受け継がれてきた鍛造
という技術を継承して工房で1つ1つ手作りしています。
鍛造とは画像のように金槌で地金を叩いて鍛える鍛冶で
手間をかけながら指輪を手作りしていくという製法です。
鍛冶で鍛錬をされた指輪は、密度が増して頑丈な指輪に
育ちますので変形や歪みや傷や衝撃に耐えられるんです。
市販の既製品の指輪よりも、数倍は頑丈で強い指輪です
鍛えて造る指輪という意味で「鍛造リング」と言います。
ご紹介をさせて頂く鍛造リングはファミリーリングです
鍛造の技術でファミリーリングも作っているんです(^-^)
40代 50代 再婚の方にお勧めの指輪
再婚の結婚指輪がファミリーリング
ファミリーリングのオーダーも自慢の鍛造で作ります
鍛造リングのメリットは地金が鍛えられて丈夫な指輪
鍛えて造る指輪ですので家族の絆もガッチリ強いです!
【ファミリーリングの使い方は人それぞれ違います】
結婚指輪を買っていなかったご夫婦が子供が産まれた
記念に家族分のリングをオーダーしたり、子供が親や
祖父母と一緒にする為にオーダーしたり、結婚何周年
に家族の指輪も含めて新しく作ったりと様々あります。
そして最近ファミリーリングで1番ご依頼が多いのが
子連れ再婚の指輪
再婚で家族が増えることも多いので再婚をきっかけに
家族分のファミリーリングを作る人が多くなりました。
新しい家族全員で同じファミリーリングを指に着けて
家族の絆や家族愛が感じられるので凄くおすすめです!
再婚の指輪 ファミリーリング 3人
本日ご紹介をするファミリーリングは全部で3本です
再婚をされた夫婦のご家族が全員で3人という事です。
ファミリーリングは家族でする指輪ですので家族の
人数によって必要になってくる指輪の本数が違います。
今回、家族のリングは3本でしたが 4本でも 5本でも
何本でも同じ1つの地金から作るのでご安心ください。
それでは早速、本日ご紹介をするファミリーリングは
既に完成していますので完成した指輪をご覧ください。
ファミリーリング 再婚の指輪
手作りをした家族3名様のファミリーリングの指輪は
甲丸(こうまる)というデザインで制作を致しました。
甲丸リングや甲丸の指輪といわれてシンプルな形です
昔は板に乗った蒲鉾の形に似ているので蒲鉾指輪とも
言われた昔から愛された定番のデザインのリングです
ベースは甲丸ですが、少し細工をしてハート模様を、
甲丸リングに取り入れたファミリーリングです(^-^)
こちらの家族リングが出来上がるまでをご覧ください。
プラチナを溶かす溶解作業(ようかい)
ジュエリーコウキでは1つの地金から数分を作ります
今回のファミリーリングの素材はプラチナになります。
ご家族3名様分のファミリーリングを作る為に必要な
プラチナを計算して割り出して用意をして溶かします。
プラチナを溶かして塊にする
プラチナが溶ける温度の融点は、約1770度です
という事は、この超高温に耐えられる器が必要ですし
約1800度以上の火力が出せるバーナーが必要です
地金溶解をするための溶解皿(ちょこ皿とも言う)に
計算をして割り出した必要なプラチナを容器に入れて
強力な火力が出せる酸素バーナーを使って溶解します。
プラチナの溶解を動画でご覧ください
プラチナを溶かすエネルギーは凄まじいものがあって
熱く、眩しく、強いパワーを感じて太陽のようです
通常は溶解作業をする時は肉眼で見る事が出来ません
溶解専用のゴーグルをしないと見る事ができませんが
画像では、そのまま肉眼で見れますのでご安心下さい。
ファミリーリング プラチナで制作
溶解皿にファミリーリング3本を制作する為に必要な
プラチナを入れ酸素バーナーでドロドロに溶かします。
溶解皿の底が丸い形状になっているので、プラチナが
溶けて固まると(火を離すと固まります)丸い地金の
塊になるのでハンマーで叩いて四角形にしていきます。
鍛造リングの作り方
鍛造リングは、リングの地金を鍛えて造るリングです
ファミリーリングの地金はプラチナなので鍛錬します。
地金を鍛錬するには、金床(かなとこ)という丸太に
刺さっている鉄板台にプラチナ塊を乗せてハンマーで
プラチナ塊をガンガン叩き上げて締め上げていきます
丸いプラチナ塊をヤットコというペンチのような道具
でガッチリと掴んで、固定をしてハンマーで叩きます
ガッチリ掴まないと真っ赤な地金が弾き飛ぶので注意!
四面から万遍なく叩く
溶かしたプラチナ塊は丸い形ですが鍛冶で鍛錬をして
丸い形から四角形へと叩きながら成形をしていきます。
なぜ四角形にするのかというと地金の粒子を万遍なく
叩いて平均的に鍛錬する意味合いと、指輪のベースは
四角い地金板にして丸めて指輪にするからという理由。
金床にプラチナ塊を乗せて、ヤットコで掴んで固定を
してハンマーで四面を叩いて締めて伸ばすという流れ。
鍛錬をすることで地金の空気が抜ける
鍛造リングの作り方は、プラチナ塊を鍛えて造るという
ことは分かったけどプラチナ塊を鍛える意味はなにか?
それは地金内に含まれた微量な空気を放出させる為です
地金内には「す」と呼ばれる微量な空気が結構あります。
「す」という空気が含まれたままジュエリーを作ると、
当然ですが微量な空気が入ったまま出来上がりますよね
それが巣穴の原因なので凹んだり巣穴が見えたりします
極端にいうとジュエリーがスポンジ状態になってるので
ジュエリーに何かしらの負荷がかかると壊れやすいです
変形しやすかったり凹みやすかったりなど弱いという事。
そこでスポンジ状態のプラチナから空気を抜いてあげて
プラチナの密度を上げながら作っていくのが目的です!
鍛造リングは密度が濃いので強い!
何度も何度もプラチナ塊をハンマーで叩いて締め上げて
「す」を抜きながら繰り返して鍛冶作業をすると粒子も
締まってプラチナの密度が上がって濃くなっていきます!
密度が増して濃くなった地金で作る指輪は強くなります
何かしらの負荷がかかっても、変形しずらくなりますし
凹みや歪みなどの衝撃にも強くなるのが最大のメリット。
これが日本伝統技法で作る鍛造リングの魅力になります
家族の絆の強さも鍛造製法で更に強くなるという事です!
プラチナを焼きなまし
何回も何回も鍛冶作業でプラチナを叩いて締め続けると
プラチナ塊が締まり過ぎて、カッチカチに硬くなります
この現象は地金が締まっている証拠なので良い現象です
しかし、締めすぎてプラチナ塊が硬くなりすぎると更に
金槌で叩いても跳ね返って、締め続ける事ができません
まだまだ締め続けてプラチナ塊の密度を上げる必要性が
あるので「焼きなまし」という作業でプラチナが真っ赤
になるまで酸素バーナーで焼きます。これが焼きなまし
焼きなましをする事で、更に鍛冶作業が続けられるので
プラチナ塊の密度を極限まで上げることができるんです
叩いて締めて焼きなまし。この繰り返しで鍛錬をします。
出来合いの既製品は、鋳造製法です
プラチナ塊を鍛冶で鍛錬しながら作る製法が鍛造ですが
鍛造は伝統技法ですので全国でも一部の専門店のみです。
では、一般的なジュエリーショップや、宝石店で販売を
している既製品の出来合いのジュエリーは一体何なのか?
それは鋳造(ちゅうぞう)という製法で作った製品です
鋳造製法とは、あらかじめ用意をしたジュエリーの原型
となる型に、溶かした地金を流しこんで固めて作る製品
大量生産も可能なので世の中の製品のほとんどが鋳造品
しかし、溶かした地金をそのまま型に流して固めて作る
ので巣穴もそのまま地金内に入ったまま製品になります
出来合いの既製品に巣穴がよくあるのはそういう事です。
ファミリーリングのサイズに伸ばす
金槌でプラチナ塊を叩いて、締めて、焼きなましをして
地道な作業を繰り返しながらプラチナを伸ばしています。
溶かした時は丸だったプラチナ塊が板になってきました
じっくりと時間をかけて締めて伸ばして板になるんです。
手作りしているファミリーリングのサイズに合わせます
家族3人分に必要な1人1人の指輪のサイズはもちろん
ファミリーリングの幅の太さや指輪の肉厚も合わせます。
ファミリーリングを着ける指は
好みで付ける指を決めて大丈夫
ファミリーリングのお問い合わせの件で、よく頂くのが
どの指にファミリーリングを付けるのがベストですか?
という内容が多く頂いておりますが決まりはありません
結婚指輪は左手の薬指というのが定番で知られています
ただファミリーリングは、お好みで付けても大丈夫です
再婚の指輪、子連れ婚の指輪として使うなら結婚指輪の
意味になるので、パパとママは左手の薬指がベストです
でも子供さんはどの指にしても良いので安心して下さい。
最近ご依頼を頂いたファミリーリングの場合、リングを
つける指を家族の全員が小指のピンキーリングにすると
いう事をお聞きしたので理由を聞いてみたら素敵でした
再婚で子供さんが増えたのは運命の出会いということで
運命の赤い糸を感じたということで小指だったんです!
ロマンチックで素敵な再婚の指輪だなと感動しました(涙)
1つの同じ地金から家族人数分を作る!
全く同じ1つのプラチナから家族分のリングを作ります
今回の場合は3人分ですが、4人でも5人でも何人でも
同じ1つの地金から作ることに私はこだわっています!
同じ素材から家族全員分のファミリーリングが誕生する
という物語は、ドラマチックでロマンチックですよね!
家族が何処にいても、いつでも一緒という意味なんです
お互いの指輪から家族の絆や家族愛を感じて欲しいので
私はファミリーリングの制作工程に超こだわっています
これこそ本物のファミリーリングだと思いませんか?
自社工房で1つ1つ私が作るので対応ができるんですね
大量生産の出来合いの既製品には絶対に真似ができません。
家族1人1人のサイズに合わせる
ファミリーリングのサイズになるようにカットをします
基本的に複数本のサイズが一緒ということは少ないので
1人1人の指のサイズに合わせて地金板をカットします。
参考として、サイズ10号のリングを作る場合に必要に
なる地金板の長さは約55ミリの長さが必要になります。
10号サイズが基準となって11号は約56ミリ必要で
9号サイズの場合は約54ミリの長さが必要になります
1ミリ違うだけでサイズが1号も変わるということです。
ファミリーリングに刻印
ファミリーリングの内になる面を決めて刻印を入れます
ここでいう刻印とはリングの素材となるプラチナの刻印
そしてジュエリーコウキで鍛造で作った証明の刻印です。
お客様の記念日や、お名前や、メッセージなどの刻印を
入れる場合は、ファミリーリングがすべて完成した後に
アルファベットや数字の刻印を入れるのでご安心下さい。
ここでは、リングの素材となるプラチナ900の刻印と
ジュエリーコウキ鍛造制作の証、JKマークの刻印です。
板からリングに丸める
地金板に刻印を打ち込んだら地金板をリングに丸めます
刻印を打ち込んだ面が指輪の内側になるように丸めます。
地金板の丸め方は、色んなパターンのやり方があります
私の場合は地金に金属疲労など負担をかけたくないので
出来る限り負担を少なくして綺麗に丸める方法をします
そのやり方は、丸棒という道具とハンマーを使います
丸棒は先端が細くなっていて根元が太くなっている円錐
完璧な真円なので丸棒に沿って丸めると綺麗になります。
プラチナ板を綺麗に真円に近くなるように丸める方法は
丸棒にプラチナ板を当てて丸棒に板を巻き付ける要領で
丸めていくと地金に負担が少なく綺麗に丸まっていきます
プラチナ板の厚みが凄く薄い場合は手でも曲げられます
しかし指輪になる板の場合は、ある程度の厚みがあるので
手では難しくて金槌で叩きながら丸めるとやりやすいです。
リングの繋ぎ目の隙間を無くす
プラチナ板をリングの形に丸めていくと合わせた繋ぎ目
が出来ますが、繋ぎ目に隙間が無いように調節をします
少しでも隙間があると不具合の原因になるので隙間無し
不具合とは、リングを溶接したときにでてきます(汗)
リングの合わせた繋ぎ目にロウという地金を挟みこんで
バーナーの炎で溶かして繋ぎ合わせる溶接方法なんです。
繋ぎ目に隙間があると、溶接をしたときに食い込んで
溶接の箇所が溶けてしまうので修正が難しくなりますし
食い込み過ぎた場合は修正が出来ない場合もでてきます。
ファイヤアアアアアアアー!!
共付け(ともづけ)という溶接技術を使って溶かします
一般的には共付けではなく、ロウ付けという溶接方法が
この業界では当たり前なのですが当店は共付けでします。
ロウ付けの場合は、リングの繋ぎ目に溶けやすいロウを
挟んでバーナーで挟んだロウを溶かして溶接をしますが
共付けの場合はリング本体と同じ地金をロウとして使い
繋ぎ目に挟んで溶かすので本体もロウも一緒に溶けます
地金の融点が同じなので難易度が凄く高い溶接技術です
丈夫な鍛造リングの溶接には、丈夫な共付けが合います
同じ地金同士を溶かして繋げるので相性もよく頑丈です
細かい製品にはロウ付けですが鍛造リングは共付けです。
リングを叩いてサイズを伸ばす
共付けが完了すれば繋ぎ目のない完全な指輪になります
溶接をしたので焼きなましと同じ効果で地金の締まりが
少し解けているので、また叩いて締めて密度を上げます。
同時にリングを真円にして、サイズを伸ばしていきます
サイズを伸ばすときもリングを叩くので更に締まります
鍛造リングは何千、何万と叩いて作るので強いんですね
注意する点は、共付けが完了してから何回も叩くので、
お客様のサイズよりも予め小さくして作るのがポイント
ハンマーで何度も叩いて指定サイズになるのがベストです。
手作りなのでサイズは自由自在!
出来合いの既製品のリングはサイズ1号単位が定番です
ほとんどのお店が1番単位でリングのサイズを計ります。
しかし当店の場合、サイズは自由自在に合わせられます
丸棒に指輪を入れてハンマーで叩きながら伸ばすので
細かいサイズにも対応ができるというのが手作りの魅力!
1号単位は当然ですが、0.5号単位、それ以上細かく
サイズを合わせることが出来るので、お客様のベストの
指サイズで指輪を作ることが出来るというのが魅力です!
例えば10号よりも、ほんの少しだけ大きくしたい場合
10.5号も出来ますし10強という微妙なサイズもOK
ファミリーリングの幅を3本揃える
家族3名様分のファミリーリングの幅を削って揃えます
サイズの調整時に金槌で叩き上げたので幅が太くなって
いるので、ヤスリで幅の太さを削って3本を合わせます。
ちなみに今回ファミリーリングの幅は2.9ミリ幅です
擦り板にリングを固定してヤスリで側面を削って太さが
2.9ミリになるように削ります(両側の側面を削る)
ファミリーリングにデザインを入れる
3名様分のサイズを合わせて、リングの両側面を削って
幅の太さを合わせればファミリーリングのベースが完成。
今は真っ平の平打ちリングの形になっていますが彫金で
平打ちリングを削っていって丸い甲丸リングの形にして
ワンポイントとなるハート模様を削って彫っていきます。
いよいよ本格的にデザインを削り出す彫金へと進みます
3人のリングはサイズが違いますがハートは合わせます。
3本の指輪に彫るハートが繋がるように
今回のファミリーリングのデザインは3本の甲丸リング
を3つ重ねるとハートが3つ繋がるというデザインです
ハートも家族3人で共有できるのでとても嬉しいですね!
画像のようにハートを彫ると3本のハートが繋がります
真ん中のファミリーリングを起点としてハートが繋がる
ので、真ん中のリングはハートが2ヵ所彫り込まれます
今回は3人分の指輪ですが、4本でも5本でも何本でも
ハートを繋げて入れることができるのでご安心下さい!
もちろん指輪のサイズが違ってもバランスを合わせます。
ハートの彫金作業
ファミリーリングのサイズが異なっていてもバランスを
合わせることが重要です(ハートの位置、大きさ、深さ)
そこで3本のファミリーリングを合わせて、計算をして
どこにハートが入るとバランスが良いか下書きをします
マジックで指輪に直接ハートを書くと分かりやすいです。
そして下書きのハートの位置が確定したら彫金開始です
まずは、ハートの輪郭にそってヤスリで削っていきます。
ハートが繋がるようにバランス重視
精密ヤスリでハートの大きさと彫る位置を確定させます
3本の指輪を実際に重ねて、ハートの位置関係を見ます。
指輪のサイズが違うので指輪の面積も違ってきますので
3本を重ねたときのバランスを考えながら彫金作業です。
まだヤスリで浅めに削っただけですが、これ以上に深く
削ってしまうとハートの修正が効かないのでこれで十分。
先端工具でハートを深く彫る
ハートの位置が確定したらいよいよ深く彫っていきます
ヤスリで削っていましたが今度は削るではなく彫ります。
リュータという機材に先端工具をセットして彫金です
リュータは先端工具を高速回転をさせる事が出来る機械
先端工具を高速回転させて地金を彫っていくことが可能
先端にセットする先端工具の種類は数えきれないほどの
種類があるのでデザインに合わせて選んで使用をします
今回の場合は、球体型の刃の先端工具で彫っていきます。
ハートの深さを3本とも合わせる
3本の指輪を重ねて見ながらハートの深さを合わせます
ハートの位置は確定しているので、後は深さとなります。
ハートの彫った深さ=全部の指輪が一致をしていないと
ハートを合わせたときに段差が出てしまうからなんです
リングを合わせたときに段差がでないように合わせます。
指輪の内側を丸く滑らかにする
ファミリーリングに限らず指輪の付け心地の良さは重要
付け心地が悪い指輪はストレスが蓄積していきます(汗)
そこで指輪の付け心地が良くなるように内側を削ります
まず、指輪の裏側の角を削り落としてから、裏側全面が
丸くて滑らかになるように楕円形になるように削ります
指輪の内側が丸く滑らかになる事で付け心地が良くなり
指を曲げても痛くないですし水はけも良くなるのでGOOD
子供さんでも安心してファミリーリングを付けられます。
指輪を甲丸の形にする
平打ちリングのフォルムだった指輪を甲丸の形にします
甲丸(こうまる)は昔から定番で丸い形のデザインです
昔は蒲鉾の形に似ているので蒲鉾リングとも言いました。
平打ちから甲丸にする作業手順は、平打ちの角を削って
リングの角度を出しながら丸めていくのですが段階的に
角を削りながら丸さの角度を見ながら調節して削ります
一気に角を落としてしまうと、丸い甲丸ではなくなって
三角のような尖った丸さになってしまうので、段階的に
角を少しづつ削り落としながら丸さを出すのが安全です。
滑らかな丸い甲丸リングにする
平打ちリングの角を、段階的に削り落としながら甲丸の
丸さを作っていきますが、段階的に角を落としていると
カクカクとしたミラーボールのような甲丸になります
滑らかなツルツルとした甲丸リングになるようにします
カクカクとしたリングの表面をヤスリで削り合わせます
ミラーボールのような角が無くなると滑らかになります。
目の細かいヤスリで表面を仕上げる
目の荒いヤスリでガッツリと彫金作業をしていましたが
甲丸リングの形が決まったら、次は目の細かいヤスリで
プラチナの面が滑らかになるように再度削っていきます。
荒いヤスリでガッツリ彫金からの~目の細かいヤスリで
整えながらファミリーリングの全体を仕上げていきます。
ファミリーリングのフォルムが完成
目の細かいヤスリで丁寧に仕上げるとフォルムが完成!
優しい丸みを帯びた甲丸リングのフォルムが出来ました。
ハート模様とファミリーリング3本のバランスはGOOD
サイズが違う3本のリングでも綺麗に3本が重なります。
ここからはファミリーリングの仕上げに進んでいきます
画像のプラチナは、まだ少し荒いですが滑らかにします
プラチナの輝きを出す前に誕生石を指輪の中に入れます。
ファミリーリングに誕生石を3石入れます
ジュエリーコウキで作る鍛造のファミリーリングには
ファミリーリングの内側に誕生石を1つ埋め込みます
今回は3本の指輪に1石づつで3本で合計3石入ります。
誕生石の大きさ(直径と厚み)に合わせて先端工具で
リングの内側に、誕生石と同じ大きさの穴を開けます。
その指輪の持ち主の誕生月の誕生石を1つ埋め込みます
基本的に1つの指輪に1つの誕生石を入れておりますが
お客様のご希望があれば、誕生石を家族分入れることも
可能です(誕生石の追加料金+石留め工賃がかかります)
ファミリーリングの傷消し仕上げ
ヤスリや先端工具での彫金作業で、プラチナリングは
細かいキズが多く残っている状態です(彫金の跡です)
プラチナリングにある小傷を徹底的に消していきます
耐水性の紙ヤスリを使ってプラチナ全面を仕上げます
耐水性なので、水を付けながらプラチナを擦ることで
水と研磨砂が混ざりあってキズの奥まで浸透するんです。
キズの形や大きさや深さに関わらず、どんなキズでも
奇麗に消しやすくなるので耐水性の紙ヤスリを使います。
シリコンポインターで更に滑らかにする
耐水性の紙ヤスリを使いプラチナリングの全面を擦って
キズを消しましたが、今度は”紙やすりの跡”が残ります。
擦ると細い髪の毛のような、細かい無数な線がでるので
その細かい線を、シリコンポインターという研磨ゴムを
リュータにセットして高速回転で回して消していきます
彫ったハートの中も傷が完璧に消えるように仕上げます
ちなみに茶色いシリコンポインターは研磨用の固いゴム
青っぽい色のシリコンポインターは磨きの柔らかいゴム。
プラチナリングを光沢に仕上げる
茶色い研磨用のシリコンポインターでプラチナリングの
細かいキズを徹底的に消したらプラチナを光沢にします。
青い色のシリコンポインターを使ってプラチナリングに
光沢が出てくるまで何度も磨いて艶をだしていきます。
そして光沢になりましたがプラチナ特有の反射する鏡面
にはなっていないので、次の工程で光沢を鏡面にします
鏡面にする前に滑らかな光沢にするのがポイントです。
プラチナリングを鏡面に仕上げる
磨き用のシリコンポインターで指輪を光沢に仕上げたら
ヘラ掛け(へらがけ)という磨き作業で鏡面を出します。
ヘラ掛けは、ヘラ棒という道具を使って磨いていきます
プラチナリングにヘラ棒を強く押しつけて、潰すように
何回も同じところを擦っていくと鏡面になっていきます
単純な作業にみえますが、技術とコツがとても重要です
力をこめてヘラ棒で磨くので、失敗をすると深いキズや
凹んだりするので、実は凄く難しい磨き作業なんですね。
ファミリーリングの裏側
誕生石と刻印を入れます
ファミリーリングの裏側に、誕生石と刻印を入れます
誕生石は1本の指輪に1つの誕生石を入れておりますが
ご希望があれば家族分を入れることも可能(別途料金)
ファミリーリングに入れる刻印は、記念日などの日付や
家族全員の頭文字のアルファベットを入れることが多い
ですが、メッセージを入れる方もいらしゃいます(^-^)
逆にシンプルにしたいので誕生石だけで良いですという
お客様もいらっしゃいますのでお客様のお好みでOKです。
最終磨きのバフ掛け
バフ掛け(ばふがけ)という最終工程の磨きをします
ヘラ掛けでプラチナリングは鏡面に仕上がっていますが
バフという磨き布で磨きあげると鏡面の反射が増します。
プラチナリングのハート彫りも含めてバフ掛けで全面を
徹底的に磨き上げて周りの景色が映り込むようにします
これが宝飾職人のプラチナリングの鏡面仕上げになります。
ファミリーリングが完成しました!
家族の絆やLOVEを感じられる最高のファミリーリングです
このような工程で1つの地金から作るファミリーリングは
他店では出来ないと思います(鍛造技術と工房が必要な為)
今回、ご紹介をさせて頂いたお客様は大阪府のお客様です
当店はネットの通信販売で全国販売をしている会社なので
全国どこからでもご依頼を承りますのでご安心ください
ファミリーリングの制作工程を見て、依頼をしたいけど
遠いから店に行けないと思っても、メールでのやりとりで
指輪制作が可能なのでお気軽にメールを頂ければと思います。
手作りをしたファミリーリングの詳細
○指輪の数 3本
○製造方法 鍛造(たんぞう)
○使用地金 プラチナ900(pt900)
○指輪の幅 2.9ミリ
○指輪厚み 1.7ミリ
○仕上げ方 鏡面仕上げ
○デザイン 甲丸リングにハート彫り
○誕生石 ご家族1人1人に誕生石が1つ埋め込み
ファミリーリングのご依頼を頂きましたお客様には本当に
感謝しております!誠にありがとうございましたm(__)m
こちらのファミリーリングの制作工程の記事を見て頂いた
皆様にも感謝致します!最後までありがとうございました。
=============================
【ファミリーリング お問い合わせ】
ファミリーリングのお問い合わせや、ご購入希望の方は
お問い合わせフォームからご連絡を宜しくお願い致します
結婚指輪の一覧からデザインを選んで頂きたいと思います
結婚指輪の表示価格はペア2本の価格になりますので表示
価格の半分がファミリーリングの1本の価格になります。
※ファミリーリングは人数分の指輪が必要となります
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。
結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
=================================
鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
=================================