手作りジュエリーの専門店・ジュエリーコウキ
宝石店が作る珍しいゴルフのマーカーをご紹介
同店二代目の私、池田が書くジュエリーブログ
いつもの記事は手作りの結婚指輪や婚約指輪の
制作工程を書いていますが今回は全然違います
ゴルフのマーカーを作成
ゴルフで使うマーカーを作ってみました(^ω^)
いつもはリング作りなので違う刺激がありますw
私の鍛造技術を使ってマーカー作りに挑戦します
ジュエリーとボールマーカーの素敵なコラボ
槌目をメインとしたプラチナで作るマーカーは
豪華すぎるので緊張しながら制作いたしましたw
画像のようにしてハンマーで叩きながら伸ばし
槌目模様を全面に魅せたいので地道に叩きます
シンプルにしたいので画像がほぼ完成の形です。
ゴルフマーカーはオリジナル
プラチナで作成した超豪華版!
プラチナ製のゴルフマーカーは珍しいと思います
オリジナルで作成をしないと難しいと思います。
ジュエリーで使われる代表的な素材、プラチナは
高価なのでゴルフマーカーを作ると高くなります
しかし値段以上に珍しいオリジナルなのでGOOD!
ゴルフマーカー 制作工程
それでは、ゴルフマーカーが完成するまでを
詳しく書いていきますので宜しくお願いします
ゴルフに使うボールマーカーの種類から
ボールマーカーには芝生に刺すタイプのモノと
芝生に刺さないで置くタイプのモノがあります
今回のタイプは、芝生に置くマーカーのタイプ
そして、作るゴルフマーカーのサイズによって
必要になるプラチナの総重量が決まってきます
サイズが決まったら必要なプラチナを溶かします。
プラチナの溶解(ようかい)
プラチナに限らず地金(じがね)を溶かす事を
溶解と言います。実際の文字は熔解と書きます
漢字が難しいので現在では溶解と書いています
※地金とはジュエリーの素材の事を言います
プラチナもゴールドもシルバーもまとめて地金
プラチナが溶ける融点は(溶ける温度の事)
約1770度(地金によって融点は違います)
炎を地金から外すと、すぐ硬くなり固まります。
おしゃれなゴルフマーカーが多い!
自分はゴルフをした事がないので、ゴルフの事
を全くと言って良い程、知らなかったんですが
見本としてゴルフのマーカーのデザインを
何種類も見させて頂いたんですがどれも凄いw
ゴルフのマーカーがジュエリーなんです(゚∀゚)
ダイヤがパヴェ留めでマーカーに入っていたり
名前や、模様などがマーカーに彫ってあったり
銅を叩いて造ったボールマーカーだったりして
ジュエリーとして見られるお洒落なマーカーで
ゴルフで使ったら目立つし個性があって良い!
ボールマーカーはこんなに種類があるんですね。
ジュエリーコウキが作るマーカーは鍛造
ジュエリーコウキといったら鍛造(たんぞう)
鍛造をする宝石店は、全国でも極一部だけです
須田さんも鍛造の魅力にハマッている一人です
鍛造とは、その書いた文字の通りで鍛えて造る
ボールマーカーを鍛えながら造っていきます!
ボールマーカーの素材となるプラチナを金槌で
何度も何度もじっくりと叩き上げ(締め上げ)
炎で焼きナマシを繰り返し鍛え上げていきます。
鍛造のメリット
先ほど説明したように、鍛造は鍛えて造ります
手間をかけて丁寧にじっくりと金槌で叩き上げ
地金の粒子が締まり、地金中に含まれる微量な
「ス」と呼ばれる空気を地金外に放出させます
締まっていく地金は、硬くなっていきますので
炎で真っ赤に焼いて(焼きナマシ)硬くなった
地金を柔らかくします。また更に叩き続けます
叩いて焼いての繰り返しで地金の密度が増して
粘り強い地金に育ち、強度もあがり丈夫になり
変形しにくい傷のつきにくい地金になるんです
鍛造で作ったリングは変形にも傷にも強いので
鍛造で作ったマーカーも同じように強いんです
多少の力で踏まれても変形がしにくいという事。
槌起銅器のようにマーカーを作る
新潟で有名な「槌起銅器」のような制作方法
金槌で地金を叩きながらゴルフマーカーの形
フォルム全体を作っていく手法ですね(^ω^)
角床や金床と呼ばれる叩き専用の台に地金を
置いてハンマーで強弱をつけながら叩きます
強弱だけではなく打ち込む角度や位置も重要
計算すれば完成するというモノではないので
頭の中で考えながら(叩き方を考えながら)
バランスを1番に考えて形状を叩き出します
※熟練された鍛造技術のある職人のみ可能
円盤状のマーカーにする
お客様のご提案で、ボールマーカーを円盤の
ようなフォルムにする事になりました(^ω^)
中心部の肉厚が厚くて、端が薄くなるような
フォルムになるとマーカーを掴みやすいとの事
芝生に置いたときに取りやすいという事ですね
自分はゴルフをしないので、なるほど!と思い
叩きながら実際に工房の床に置いたり外の草の
上に置いてみて掴み心地を考えて成形しました。
細かく叩いてフォルムを調整
大雑把にハンマーで叩いて形を出していました
しかし、ある程度のフォルムが出来上がったら
小さい小回りの効く金槌で叩いて形を整えます
綺麗な円盤状になるように全体を叩き上げます
同時に鎚目(つちめ)という伝統工芸の模様を
ゴルフマーカーの全面に打ち付けていきます!
※金槌で叩いて出る模様を槌目と言うのですが
何も考えないで打ち込むとバランスが崩れます
デザインとしても槌目にするには、バランスを
考えながら全体に鎚目を入れる必要があります。
槌目のゴルフマーカー・手作りマーカー
マーカーに名前を入れる人は多いみたいですが
マーカーに鎚目模様を入れる人は、凄く珍しく
ほぼ見かけないそうです(手作り限定の為です)
槌目の工程や、鎚目の魅力を知っている人しか
槌目という伝統工芸のデザインは分かりません
なので鎚目を知っている人しか作れないんです
自分は槌目デザインの結婚指輪を昔から数多く
作っているので槌目のエキスパートですので
槌目の魅力を最大限に発揮する事が出来ます!
マーカーを綺麗な楕円形にします
金槌で叩き出して作った鍛造マーカーなので
ゴルフマーカーの輪郭が整っていませんよね
これは金槌で全面を叩いたので当然なんです
綺麗な楕円形のゴルフマーカーに調節します
楕円形のテンプレートを使って、マジックで
正確な楕円をマーカー自体に書いていきます
もちろん楕円形ではなくても、普通の円でも
同じように作れますし三角や四角でもOKです。
ゴルフマーカーの側面を削る
マーカーの表面に綺麗な楕円になるように
マジックで印をした線をヤスリで削ります
この削る作業でマーカーの形状が決まります
ヤスリが滑ってしまうとマーカーの側面では
なくて、表面や裏面に傷がついてしまうので
擦板(木の板)にしっかり固定して削ります
もしヤスリで削っている時に誤って滑らせて
しまうと槌目が削れるので要注意です(汗)
※偶然の産物の槌目を再生する事は難しい為
マーカーが綺麗な楕円形になりました
マーカーのバランスが整いましたね(^ω^)
計りながら削りますが肉眼で見るのも大事
見た目で形が狂っているとそれだけでNGです
計りながらと見ながらで彫金をして整えます
このままゴルフに持っていっても使えますね
しかし、まだマーカーは完成ではないんです
ジュエリーを作る職人が作るマーカーなので
もっと細かい部分にも気を使って仕上げます。
ボールマーカーの裏側を丸くする
ボールマーカーの裏側にも超こだわります!
マーカーの表が、円盤型になっていますので
裏も若干丸めて円盤型にする必要があります
マーカーの表と裏のバランスが合ってこそ
綺麗な円盤型のボールマーカーになるんです
マーカーの表ほど膨らみは必要ありませんが
それでも膨らみを出す為に丸くして削ります
※ゴルフの時にボールマーカーの表と裏に
膨らみがると側面が浮きますので掴みやすい
ゴルフマーカーに刻印
ゴルフマーカーの裏側の中心にある刻印は
プラチナ900を証明する PT900 の刻印と
ジュエリーコウキのハンドメイドを証明する
為の jk マークの2種類を打ち込んでおります
今回のゴルフマーカーに限らず、ジュエリー
を作る時にも表と裏に気を使って仕上げます
もっと細かく言えば見えない所も仕上げます
ペンダントにしてもリングにしてもそうです
見えない所に気を使う事でジュエリー全般の
完成度が変わりますので妥協は一切しません!
ゴルフマーカーの角を丸める
出来合いの既製品のゴルフマーカーには
角がある物が多いそうです(金属製のマーカー)
打ち抜きなどの型抜きが多いからだと思います
エッジが効いているので、ゴルフで使っていて
掴んだりすると、たまに痛いらしいんですよね
ゴルフマーカーの角で指を切る事は、さすがに
ないと思いますが、角が鋭利なら痛みは感じます
それならエッジがない丸い横にすれば解決します!
リングで言うと甲丸のような丸み
リングを作った場合でも、プラチナでもゴールド
でもエッジが効いている角が出る場合が多いので
ヤスリで角を削り落としたりして滑らかにします
最大のポイントは角を削って落とすだけではなく
角以外にも側面全体を丸くする事により滑らかに
なるのでリングの甲丸デザインのように丸めます
エッジが全く無くなったボールマーカーですので
引っかかりも一切なくて、触り心地も優しいです
そして掴みやすい形状になったので一石二鳥です!
ゴルフマーカーの裏をマット加工
ゴルフマーカーの表面はピカピカに光らせますが
裏面は荒めのマット加工をします(艶消し加工)
荒目のマット加工というのがポイントなんです!
指輪に使用するマット加工よりも何倍も荒いです
荒目に仕上げるとザラザラした感触が出ますので
指の腹や爪に引っかかりやすいという事なんです
ボールマーカーを掴みやすく落としにくいんです。
ボールマーカーの鎚目を磨きます
ボールマーカーの槌目を1つ1つ丁寧に磨きます
シリコンポインターという研磨ゴムで仕上げます
先端にセットした研磨ゴムを回転させて使います
槌目は、金槌で叩いた跡なので形が様々なんです
形以外にも大きさや深さも様々なので、小回りが
効きやすい小さいシリコンポインターで磨きます
ここの磨き作業で、注意するポイントがあります
研磨ゴムなので当然ですがずっと同じ場所ばかり
磨いていると、凹んでしまうんですよね(;´Д`)
槌目の角も消えてしまうので磨き過ぎに注意です。
バフ掛けで徹底的に磨く
シリコンポインターで鎚目を磨いたら次の工程へ
バフ掛け(ばふがけ)という磨きで磨き倒します
バフとは研磨布が集合して塊になったアイテム
バフを高速回転させる事で徹底的に磨けるんです
バフが緑色に見えるのは、磨き油を使っている為
写真はリューターの先端にセットをして高速回転
をさせて磨いていますが、大きいグラインダーの
威力のあるバフ機もあるので、どちらも使います。
オリジナルのゴルフマーカーが完成!
完全な手作りで1点物の珍しいゴルフマーカー
プラチナという高価な素材を使って作ったので
ゴルフマーカーからオーラを感じまくり(*´ω`*)
ジュエリーを作る技術を応用して作りました!
ジュエリー職人が作るので細かい部分まで綺麗に
作ってありますので、完成度が物凄く高いですね!
ゴルフマーカーとして見るのかジュエリーとして
見るのか見た人の感性によって違うと思いますが
間違いなくこのマーカーは存在感がありますよね!
基本的に当店では結婚指輪の制作がメインです
しかし、ご依頼を頂ければジュエリー以外でも
今回のようにゴルフマーカーも制作いたします!
新しいタイプの制作だったので楽しみながら
考えながらワクワクして作りましたよ(^ω^)
ジュエリーの職人がジュエリーを作る要領で
他のアイテムも作ってみたいと思いますので
お気軽にお問い合わせを頂ければと思います!
手作りをしたオリジナルのゴルフマーカーを
動画で撮影しましたので、色々な角度から
ご覧頂いて凄いマーカーだなと思って下さいw
今回のゴルフマーカーのサイズはお客様の
指定サイズですが、どんなサイズでも作れます
サイズが分かれば重量も分かるので金額も出ます
お仕事のご依頼やお問い合わせは
お問い合わせフォームからどうぞ
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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです
その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為
伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います
指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。
お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。
ネット販売→ジュエリーコウキ ヤフーショップ
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