結婚指輪の縁(フチ)にミル打ち【32面カットの珍しい指輪】太さ3.6ミリのプラチナ鍛造リング

いつもブログを見て頂きありがとう御座います
手作りの結婚指輪の宝石店・ジュエリーコウキ
2代目、池田が書く指輪作り専門のブログです

本日ご紹介する結婚指輪は手間がかかっています
かなり細かい部分まで手作業にこだわりました!

ミルを打ち込むのですが1つ1つ手打ちなんです
ミル以外にも32面のカットを1つ1つ入れます
かなり繊細かつ計算された結婚指輪です(^ω^)

すでに今回の結婚指輪は完成しておりますので
まずは完成した繊細な結婚指輪をご覧ください。

指輪の素材はプラチナ・光沢
指輪の幅の太さが3.6ミリ
指輪の縁にはミル打ちを一周
32面カットの珍しい結婚指輪

職人の技術をを凝縮したような結婚指輪です(^ω^)
1つのリングにデザインをぎゅっと詰め込みました

こちらの結婚指輪の制作過程をお伝えしたいと思います
それでは指輪作りのブログを最後までご覧くださいませ。

 

 

プラチナの溶解から始まります

私が手作りをする指輪は全て溶解からスタートします
結婚指輪でも婚約指輪でもファミリーリングでも全部
この工程(プラチナを溶かす)作業から始まります!

これから手作りをするプラチナリングに必要となる
地金(プラチナ900)を計算して溶かして塊にします

地金を溶かす事を溶解(ようかい)と言います
約1770度でプラチナはドロドロに溶けるんですよ
バーナーの炎を地金から外すと地金はすぐ固まります。

プラチナ(白金)を鍛える
これが鍛造(たんぞう)です

溶かして丸い塊になった白金を鍛え上げていきます
プラチナリングのベースとなる素材から造り上げます

具体的に白金を鍛えるという意味を詳しく解説すると
角床という鉄の台にプラチナを置いて金槌で叩きます
叩いて締まった白金を酸素バーナーで焼くの繰り返し

金槌で何度もじっくりと叩かれた白金は、粒子が整い
地金中に含まれるスという微量な空気を放出させます
そしてプラチナの密度が増していき粘り強く育ちます。

※鍛えて造るという事から鍛造と言います
聞きなれた言葉でいうと鍛冶とも言いますね
動画でアップしましたので作業をご覧ください

鍛え上げたプラチナを板状に成形します
動画のように金槌で何度も何度も叩き上げて
バーナーの炎で焼いての繰り返しで成形します

この時点で、白金板の長さは指輪のサイズの長さで
幅と肉厚はプラチナリングの幅と肉厚という事です

板状に伸ばした白金プレートに刻印を打ち込みます
リング素材のプラチナ900を証明するPT900の刻印と
ジュエリーコウキのハンドメイドを証明する刻印です。

指輪の形に曲げる(丸める)

刻印を結婚指輪の内側になる中面に打ち込んだら
いよいよ指輪の形状になるように曲げていく作業です

丸棒という鉄棒工具と、木製の木槌を使って丸めます
丸棒は先端が細くなっていて根元が太くなっています
これは指輪のサイズに合わせて丸める為なんですね。

例えば、お客様の指のサイズが仮に10号だとしたら
丸めると10号のサイズになる部分があるという事で
丸棒の10号部分の太さに合わせて丸めていくんです

丸棒に白金プレートを押し当てて、木槌で叩きながら
丸めていく事で綺麗なリングの形状に成形できますね
プレートを合わせた時に隙間がないように合わせます。

指輪の共付け(ともずけ)

ここからプラチナリングの溶接作業に進みます
分かりやすく溶接と書きましたが、専門用語では
ロウ付け(ろうづけ)または、共付けと言います

プレートを隙間なく合わせた合わせ口にロウという
薄く伸ばしたプラチナを挟み込みます(写真参照)

挟み込んだロウは、結婚指輪と全く同じ素材なんです
指輪と同じ素材を使う事で溶接の相性が良くなります。

白金の溶解温度と同じ温度で溶かす

結婚指輪と同じ素材という事は、融点も全く同じ
プラチナが溶ける温度が同じなので難しい作業です

約1770度でプラチナリング本体もロウも同時に
溶けるという事ですので技術が必要になってきます

失敗すると指輪がドロドロに溶けるので難しい作業に
なりますが、成功すると完全に一体化するのでお勧め
強度も強いですし、相性もいいので変色もしません!

指輪の角が少し溶ける程度で共付けをするんです
動画で撮影しましたので作業をご覧くださいませ

共付け後はプラチナリングのサイズを伸ばします
丸棒に再びリングを入れて金槌で叩いて伸ばします

今度は木製のハンマーではなく鉄製のハンマーです
インパクト(衝撃力)が強いので真円になります
真円になったのを確認したらサイズを伸ばします。

【重要!】垂直にリングを叩く事

金槌で叩くとインパクトが強いので丸まりますし
リングのサイズもすぐ伸ばす事が出来るのですが
注意する点があります「垂直に叩く事が必須」

これは指輪を真上から平に叩かないとムラがでる為
斜めで叩くとサイズにムラがでて指輪が曲がります
平均的に平に叩くことで面積が均等になるという事

叩いて指輪の内側が均等に丸棒に当たる事によって
サイズも綺麗に伸びて、リングも真っ直ぐ伸びます

確認方法は金槌の跡(鎚目)が平に入っていればOK
サイズ棒にラインがあるのでそちらでも確認します。

結婚指輪の側面を削って幅を調節

金槌でプラチナリングを叩いているので当然ですが
プラチナリングの幅が広がります(太くなります)

指定された結婚指輪の幅(太さ)になるように
指輪の両方の側面を均等にヤスリで削っていきます
今回の結婚指輪の幅は3.6ミリですので合わせます。

デザインの下書き(設計図)

今回の手作りをする結婚指輪には重要な作業です
かなり細かくデザインの配置を設定するからです

結婚指輪のデザインとしては、リングの両方の縁に
小さいミル打ち(ミルグレイン)が打ち込まれて
指輪の中心となるセンターに32面カットを入れる

32面の1枚1枚のカット面を綺麗に区別する為に
カットとカットの間に細いラインを入れるんですよ

説明を聞いただけでも複雑なデザインだというのが
分かりますよね(汗)だからこそ下書きは必須です。

指輪にデザインを入れる彫金作業へ

細かく計算をして出した設計ライン、凄く重要です
この設計ラインに沿ってデザインを入れていきます

結婚指輪のデザインの範囲を簡単に説明させて頂くと
左右のフチにミル打ちが入りますが、片側0.8ミリ
左右を合わせて1.6ミリにミルグレインが入ります
残りのセンター面に32面カットが入ります(^ω^)

糸ノコギリやヤスリ、先端工具やタガネなどを用いて
いよいよ結婚指輪にデザインを入れる彫金へ進みます!

結婚指輪の縁(フチ)を下げる

結婚指輪のフチにミル打ちを入れていくのですが、
センターの32面カットを1つ1つ平のカクカクの
ボルトのようにして1段上げたいのでフチを下げます

カット面がボルトのように角が出せる位まで下げます
フチを下げ過ぎるとミルが入りずらいので注意が必要
0.8ミリの縁ですので、それ以下のミルが入ります

中心のカットをボルトのようにカクカクにしたいので
最初から2ミリ位の肉厚が必要になるんです(^ω^)
それ以下の肉厚だとフチを落とせないという事ですね。

ラインを垂直に入れてカットを区切る

32面あるカットとカットの間にラインを入れます
目立たない程度の細いラインを垂直に入れていきます
深すぎず浅すぎず、丁度良いラインを32本入れます

極端に浅いラインとなると、結婚指輪を長く使って
いくうちにラインが削れて消えてしまうんです(汗)

逆に極端に深いラインになるとゴミなどの汚れが
線に詰まってしまうのでベストなラインが重要です!

リングの縁を丸く整える

ミル打ちを入れる縁を一段落としましたが平のまま
この平のままミルを打ち込むと余りが多くでるので
※ミルとミルの間の余分な地金が盛り上がって出る

そこで縁を丸く削っていくとミル鏨で打ち込んでも
余りが出にくくなり球体の丸さも綺麗に浮き出ます

基本的にミルとは、ミル鏨を金槌で叩いて打つので
球体が出ると凹んだ分だけ余りの地金が浮き出ます

その余りの地金をどう対処(処理)するかで
ミル打ちの完成度が大幅に変わってくるんです(^ω^)

32面を1つ1つ平に削る

センターの32面カットを真っ平に削っていきます
小さいヤスリで1枚1枚を丁寧に削る事になります

ほんの少しでも斜めに削ったりしてしまうとアウト!
最終的に結婚指輪はピカピカの光沢に仕上げますので
斜めになると斜めになった分だけ輝きがヨレるんです

気の遠くなるような彫金作業となりますが1枚1枚を
丁寧に真っ平に削る事で完成後の見栄えが変わります
写真を見て分かりますが平均的にカクカクになります。

結婚指輪の傷消し作業

プラチナリングを仕上げます(傷消し作業です)
この段階では、まだミル打ちが入れられません
小傷を完全に消してからミルを打ち込むんですね

※傷があるままミルを打つと球体に傷が残る為

傷消し作業のやり方ですが、耐水性の紙ヤスリで
水をヤスリにつけながら擦って傷を消していきます
研磨砂と水が混ざって、傷の奥まで浸透するんです

傷の奥まで浸透する事で深い傷も綺麗に消えます
写真のようにプラチナリングが真っ白になるまで
徹底的に傷を耐水性の紙ヤスリで消していきます!

リューターで仕上げる

リューターというペン型の工具を使って仕上げます
歯医者さんが使っている機械とほぼ同じ機械ですね
特徴として高速回転で回るので研磨に最適という事

リューターの先端に、シリコンポインターという
先端工具をセットして指輪の隅済みまで仕上げます

分かりやすくいうと研磨ゴムですので小傷を消します
紙ヤスリで仕上げたので次は紙ヤスリの傷を消します。

シリコンポインターにも色々な形があります
ロケット型の形から円盤型まで様々あるんですよ

結婚指輪のデザインに合わせて使い分けていきます
平な面なら平のシリコンポインターといった具合です
紙ヤスリの傷が綺麗に消えると少し光沢が出てきます

さて、プラチナリングの傷が消えて綺麗になりました
綺麗に仕上がった所で、ミル打ちの作業に進みますよ!

結婚指輪にミル打ちを入れる
ミルを鏨で打ち込むやり方です

綺麗になったプラチナリングにミルを打ち込みます
ミル打ちはミルグレインと言いますが球体の事です
これから打ち込んでいく小さい球体がミルなんです

まずは仮打ち(手打ち)でミルを軽く入れていきます
ミルのような小さい球体を出すにはミル鏨(たがね)
という道具で叩いてミルを打ち込んでいくんですよね

ミルタガネの先端に、小さい穴のような半円が彫って
あるので、打ち込む事によって球体が浮き出てきます。

最終的に小さい金槌でミル鏨を叩いて深く出しますが
いきなり金槌で叩くと修正が効かなくなります(汗)

まずは、ミルの大きさや間隔、バランスを見る為に
修正が効く仮打ちで軽く手の力で入れていきましょう

ミルの大きさによってミル打ちのスタートとゴールが
合わない可能性が出てくるので(隙間が開くか重なる)
ミル打ちの球体がキッチリと隙間なく入る事が理想です

片側にミル打ちを入れたら反対側も

結婚指輪の縁に入るミルの大きさと数が仮打ちにより
分かってくるので片側も同じようにミル打ちをします

片側の縁に入ったミル打ちの間隔がピッタリ入れば
おのずと反対側も同じになります(これが難しいw)
片側と片側を比べながらミルのバランスを合わせます。

ミル打ちの結婚指輪が可愛いから好き(*´ω`*)
っていう人は結構いらっしゃるのですが、作業内容は
こんな感じの地味で地道な作業だったんですね(汗)

作業は地味ですが、見栄えは華やかになるミル打ちは
手間がかかった仕事だからこそ魅力的に見えるんです

ちなみに、出来合いの既製品のミル打ち結婚指輪は
ほとんどが機械で削っているタイプのミル打ちです
手打ちとは全く違う工程ですのでご理解下さいませ。

※手打ちのミルは温かさを感じて球体がふっくらです

ミルを金槌で叩く(本打ち)

仮打ちが完了したら本打ちに進みます
手打ちだった仮打ちとは違い、金槌で深く打ちます

タガネを叩く専用の小さい金槌を使って叩きますが
それでもインパクトが強いので深く入りやすいです

しかし、深く入れば良いという簡単な事ではなくて
深く入り過ぎるとミルの球体が窪んで沈んでしまい
ふっくらとしたミルにならないので注意が必要です

1つ1つのミルに注意しながら打ち込む作業になり
全てのミル打ちの高さ(深さ)を均等に合わせます。

ミル打ちの様子は滅多に見れない工程です

表に出ない地味で地道な連続の作業ですが
このような工程だと知って頂きたいですので
動画で撮りましたよ~是非ご覧ください(^ω^)

結婚指輪の着け心地を良くする

ミル打ち作業が完了すれば結婚指輪のフォルムは
ほとんど完成したという事になります(^ω^)
繊細な作業が続きましたので形になると安心します

今度は結婚指輪の着け心地を良くする工程へ進みます
リングの角を削りお落として内側を丸くする作業です。

リングの内側を丸く削り落とす

リングの内側が真っ平だと、指がきつく感じます(汗)
平であればあるほど指にリングがつく面積が多いからで
しかも角があると痛くも感じてストレスを感じるんです

着け心地の良さというのは、指を曲げた時に分かります
指輪の内側の角がなくて、丸く滑らかになっていれば
指を曲げても痛くないですし、ストレスも感じません!

そして指輪をつけたまま日常生活をしていると指輪の
内側に水分が溜まる事もありますが中が丸いと水分が
抜けやすい(はけやすい)ので衛生的でもあります。

結婚指輪の内側を仕上げます

プラチナリングの表面を仕上げた時と同じ工程です
耐水性の紙ヤスリでリングの内側を傷を取り除いて
シリコンポインターで更に滑らかにする作業です

仕上げの写真を見て分かって頂けるかと思いますが、
結婚指輪の内側が滑らかな楕円形になっていますよね
この位の楕円形が、指に1番フィットして楽なんです。

プラチナ特有の輝きを生み出す

シリコンポインターでプラチナリングを磨くと光ります
しかし光沢は出ていますが反射する程ではありませんよね

プラチナ特有の鏡のように深く輝き、反射させるには
ヘラ掛け(へらがけ)という作業をする事で鏡のように
反射させる事が可能で鏡面仕上げという仕上げ方法です。

ヘラ掛けのやり方

鏡面を出すにはヘラ掛け(ヘラ磨き)が必要になります
やり方は簡単なようで実は難しく、コツが必要なんです

鏡面を出したいプラチナの部分にヘラ棒を強く押し当て
プラチナの表面を潰すようにヘラを押し付けて磨きます
ヘラで潰れた面は不思議なことに鏡のように反射します

とってもシンプルでアナログ的な仕上げ方法なんですが
昔から伝わるプラチナの磨き作業で1番重要な工程です。

バフ掛け(ばふがけ)

これが本当に最後の磨き作業になります(^ω^)
バフという磨き布でリングをガッツリと磨きます
高速回転でクルクルと回る磨き布で磨く方法です

ヘラ掛けは、ヘラ棒を強く押し込んで磨きますので
ヘラ棒の押し付けた跡が薄ら残ってしまいますので
その跡をバンバン磨き消して鏡面度を上げるんです!

ミル打ち 手作り結婚指輪の完成!

ついにミル打ちの結婚指輪が完成しました<(_ _)>
ミル打ち以外にも、こだわりが沢山ある結婚指輪です

32面にカットされた四角形の面も凄く綺麗ですよ
1枚1枚が平面にカットしてあるので指輪を動かすと
ミラーボールのようにキラキラと反射して輝きます!

カット面とカット面の間には、気にならないレベルの
細いラインが入っているので使い込んでカットの角が
消えてしまってもラインがあるので32面はそのまま。

結婚指輪の厚みも2ミリと厚くとってあるので
結婚指輪でよくある歪みや変形の心配もありません

※長く指にするので変形や歪みはよくある話です

今回の結婚指輪は、全面をピカピカに光らせましたが
32面の部分を艶消しのマット加工にしてもアリです
光沢とマットのコンビリングも魅力的ですよ(^ω^)

ミル打ちをもっと前面に魅せたいならミル打ちの縁を
もっと狭くする事も可能ですし、逆にミル打ちの幅を
広くする事も可能です。お客様のお好みに合わせます

※ミル打ちの大きさによって入るミルの数は変化します

手作り結婚指輪の詳細

○素材 プラチナ900(pt900)
○太さ 3.6mmの幅
○肉厚 2mmの高さ
○形状 平打ちデザイン
○デザイン ミル打ち&32面カット
○仕上げ 鏡面仕上げ(光沢)

画像だけではなく色々な角度から結婚指輪を
見て頂きたいので動画でも撮りました(^ω^)

1つ1つ丁寧に打ち込まれた手作業のミル打ち
そしてキラキラ光る32面カットをご覧ください

結婚指輪の制作のご依頼をいただきました
埼玉県のお客様には心から感謝いたします!

しかも埼玉県から新潟県長岡市のジュエリーコウキ
まで車でお越し下さり感謝感激でございます(涙)
ご注文を頂き誠にありがとう御座いました<(_ _)>

 

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指輪作りの制作日記をご覧頂いて、工程に納得をしてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです
真心をこめて1つ1つ手作りをする本物の結婚指輪ですよ

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

結婚指輪の一覧です → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧
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