傷がつきにくい丈夫な結婚指輪~打ち出しを入れる前に、下地に鎚目を入れる

鍛造で作る丈夫な結婚指輪をご紹介
プラチナで鎚目&打ち出しデザイン
つや消し仕上げで、ライン入りです

 

ジュエリーコウキのブログをご覧頂きまして
本当に感謝しております。当店2代目の池田です
本日も結婚指輪の作り方を日記にまとめました!

デザインは冒頭でお伝えしたように、打ち出しを
メインとした平打ちのシンプルなPT結婚指輪です
ラインがワンポイントで入るのでお洒落です(^ω^)

今回の記事は、前半と後半の二部にさせて頂きます
忙しくて記事を書く時間がないのが理由です(汗)

●前編では鍛造から指輪の形にして槌目を入れるまで
●後半は打ち出しを打ち込み最終仕上げまでの工程です

ジュエリーコウキは、ハンドメイドの専門店です
結婚指輪の制作工程も、他と違い珍しい工程です
1から手作りでプラチナを溶かす所からスタート!

 

溶解(ようかい)

当店では1つのプラチナ塊から2つの指輪を作ります
同じプラチナから同じ結婚指輪を誕生させていきます
まずは2つのペアリングを作るのに必要な地金を溶解

プラチナやゴールドなどの地金類を溶かす作業を溶解

分かりやすいように動画で撮影をしました(^ω^)
プラチナが溶ける温度(融点)が約1770度です
それ以上の火力がある酸素バーナーの炎で溶かします

 

 

鍛金(たんきん)

鍛える地金と書いて鍛金と呼ばれる作業です
溶かして丸い塊になったプラチナを鍛えていきます

鍛冶(かじ)とも言われる作業で力と技術が必要です
角床という台にプラチナを乗せて金槌で叩き上げます

もっと詳しく地金の鍛金のメカニズムを説明すると
地金の中には、ほんの少しの空気が入っています
その空気が入っていると地金の強度が弱くなります

それだけではなく、何度も叩き上げてナマス(焼く)
この作業を繰り返す事によって地金の密度が増します
密度が上がったプラチナは、粘り強く強度も増します

鍛金の様子を動画で撮影しましたのでご覧下さい!
プラチナを叩く衝撃音、炎で焼いた熱、力強いです

 

鍛造(たんぞう)

鍛金で鍛え上げたプラチナで結婚指輪を作ります
鍛えた地金で造る方法を鍛造(たんぞう)と呼びます

動画のような鍛金作業をつづけて画像のような板状に
なるまで地金を叩き伸ばしながら成形をしていきます。

鍛金で叩きあげて最終的には結婚指輪の太さにします
この時点で2本分のサイズに必要な長さに調整します

例えば10号の指輪を作る場合、約55ミリの長さが
必要になるんです(10号が2つの場合は110ミリ)

結婚指輪やペアリングでは、2つの指輪のサイズが
同じという事は少なく男性の方がサイズが大きいです。

1本のプラチナ棒を2枚にします

こちらの作業工程を見ていただいて分かると思いますが
完全に同じ1つのプラチナから2つの結婚指輪を作ります

同じプラチナから男性と女性の指輪を作るんです
すっごい素敵で、魅力的な事だと思いませんか(*´Д`)

お互いの結婚指輪から愛情や絆を感じられるんです!
仕事などで離れていてもお互いを近くに感じられる指輪
ハンドメイドで作るからこそ対応できる作業工程ですね♪

指輪の裏側に刻印

丸めた時に指輪の内側になる面に、刻印を打ち込みます
お客様の記念日やメッセージなどの刻印は完成後ですが
金槌で深く打ち込む刻印は、この時に打ち込むんですね

結婚指輪の素材を証明するプラチナ900の刻印と
ジュエリーコウキで手作りをした証明のJKの刻印です。

指輪の形になるように丸めます

プラチナ棒に刻印を打ち込んだら次は丸める作業
いよいよリングの形になるという事ですね(^ω^)

丸める作業は単純のように見えるかもしれませんが
これが意外や意外、綺麗に丸くするのは難しいんです
写真のようにしてプラチナの板を曲げていく作業です。

丸棒という鉄棒にプラチナ板を巻き付ける感じ

丸め方にも色々な方法があり、ヤットコなどで
掴んで丸くなるように曲げる方法もありますが
歪んだ円になる可能性もあるので、自分の場合は
真円の丸棒に板を巻き付けるという方法で丸めます

もともと真円の棒なので、上手に金槌で叩きながら
丸める事が出来れば綺麗な円に丸める事が可能です。

共付け(ともづけ)

丸くなったプラチナリングの繋ぎ目を溶接します
この時、繋ぎ目をピッタリと隙間なく合わせます

溶接する事を共付け、またはロウ付けと呼びます
共付けとは、本体の地金と同じ地金を溶かして溶接
ロウ付けとは本体の地金よりも溶けやすい地金で溶接

ロウ付けと共付けの違いを説明いたしましたが
溶けやすい地金でするロウ付けと違って、共付けは
指輪本体と同じ地金です。という事は同時に溶けます

ロウも指輪も一緒に溶けるという危険な溶接です(;´Д`)
理論上、指輪が溶けてしまうのは仕方のない事ですが
溶ける箇所を極力小さくする事が職人の腕となります!

ちなみに写真で説明すると、指輪の角が溶けています
しかし溶けている範囲が少ないので大丈夫なんですよ
※あらかじめ予定の指輪の太さよりも太くしてあります

歪んだ円を綺麗な真円にする

丸棒にプラチナを巻き付けて、金槌で叩いて丸めました
パッと見は綺麗なリングに見えますが歪んでいるんです

歪んだまま指輪を作る事はできないので、もう一度
丸棒にリングを入れて今度は金槌で叩いていくんです
金槌で細かく隙間なく叩く事で真円に成形できるんです。

槌目(つちめ)を指輪に打ち込む

プラチナリングを綺麗な真円に丸めた事を確認したら
プラチナリングの表面に金槌で鎚目模様を打ち込みます

ここで注意する点が、深い鎚目ではなくて浅い鎚目です
メインデザインの打ち出し模様の下地としてつけるので
デザインが入りやすいように浅く広い槌目をつけます。

画像のように浅くて広い鎚目が入りました

男性も女性も同じような槌目を指輪全面に打ち込みます
下地に鎚目を打つ事によって、打ち出しが引き立ちます
絵画などの油絵のように重ねていく事で魅力が増します

もちろん見た目だけではなくて、強度も増しますよ~
金槌で叩いて槌目をいれてからタガネでまた叩くので
プラチナの密度も増しますし、更に粘り強くなります!

さて、本日の制作工程はここまで<(_ _)>
記事を見て頂いて、ありがとうございました
また後日に結婚指輪作りの記事を更新いたします
次回は槌目の上から打ち出しを入れる作業になります

 

【追記】
こちらの記事の後編(続き)も後日書きました
このまま前半と一緒に読んで頂くと嬉しいです コチラ

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

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