エメラルドの指輪とピアスの物語 | エメラルドの特徴や歴史を読み解く

オーダーメイド ジュエリーの専門店 ジュエリーコウキです
当店2代目で職人歴25年の私、池田が書く指輪作り日記です

毎日、工房で指輪やジュエリーを一生懸命作り続けています
特にメインで手作りをしている製品は結婚指輪になります
そして伝統技法の鍛造で作る全国的にも珍しい製造方法です

いつもは工房で手作りをしている指輪の制作風景を記事内で
ご紹介をさせて頂いておりますが今回はちょっと違う内容で
ジュエリーと関係が深い宝石についての記事をご紹介します

ここ近年、宝石の人気というか影が薄くなっています(涙)
実際に昔より宝石に関する問い合わせが猛烈に減っています
宝石店なのに宝石がほとんど売れず結婚指輪作りが中心にw

それはそれで良いんです!結婚指輪を作るのは凄く楽しいし
代々受け継いだ鍛造技術の為にも指輪作りは使命だと思うし
ただ宝石の魅力について若い世代にも知って頂きたいんです

 

そこで宝石にまつわるエピソードを募集しております(^-^)
お名前はご紹介しませんのでドシドシお待ちしております

多くの方に宝石の魅力やエピソードを知って欲しいんです
今一度、宝石に関心を持って頂きたく宜しくお願い致します

という事でエメラルドにまつわるエピソードを頂きました!
私のブログでご紹介をさせて頂きます。最後までご覧下さい

 

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私が生まれて初めて
手にした宝石はエメラルドです

大学に合格してピアスホールを開けたばかりの
私に母が買ってくれて贈ってくれたものでした

ショッピングセンターでの買い物の途中
テナントの宝石店をふとのぞきこんでいたら

「何か欲しいアクセサリーがあれば1つ買ってあげてもいいよ」

といった気軽さでしたから、そもそも高価な
ジュエリーなどは想定していなかったでしょう

おそらく2千円以上出すつもりはなかったでしょうし
私もそんなに高価な商品をねだる気はありませんでした

 

運命の出会い エメラルドのフック式ピアス

そこで目にとまったアクセサリーが砂粒ほどの
小さなエメラルドが入ったフックピアスでした

「どうせ買うならもうちょっと綺麗なアクセサリーが
良いんじゃないの?宝石なんか入っていなくてもさ~」
と言いながらも母はお金を出してくれました

1980円のフックピアス
落としたら二度と見つからなさそうな小さなピアス
このエメラルドのピアスが私の初めての宝石になりました

エメラルド ピアス

宝石にぜんぜん興味がなかった私は、この緑色の宝石が
エメラルドと呼ばれている程度の事しか知りませんでした

でも、せっかく縁あって私の手元に来たのだから
少しはこのピアスに入っているエメラルドのことを学ぼう
そう考えて図書館で宝石やジュエリーの本を借りてみました

いま思えばこれが、この時の行動が、この本との出会いが
私が宝石に魅了される最初の大きなきっかけだったのです

 

エメラルドの特徴

「エメラルドとはベリルの一種でありクロムやバナジウムに
よって緑色に発色する、モース硬度は7.5から8.0
内包物やキズが多く、キズのないエメラルドを得ることは
欠点のない人間を探すよりも、もっと難しいといわれている」

本に書いてあったことは完全文系の私からすると半分以上は
理解不能でしたがエメラルドに傷が多いという事は分かりました

とはいえ私が持っているエメラルドはピアスに入っている大きさ
それ自体が内包物のような大きさしかありませんしエメラルドを
眺める道具もせいぜい虫眼鏡です。とても検証は不可能でした

 

それでもこの小さなエメラルドはとっても美しいものでした
宝石に興味がなかったはずの私が、時々ピアスケースから
フックピアスを取り出してはじっと眺めるようになりました

ピアスケースの中には少しずつ、アメジストやガーネット、
ペリドットなどの宝石達が時間をかけて増えていきました

貧乏学生から貧乏フリーターになった私が
自分で買える精一杯の宝石でしたが、その中にあっても
まるで緑の火を灯したようにエメラルドは輝いていました

 

時は移り、パワーストーンブームの影響で
私のささやかな宝石熱はすっかり半貴石へと移っていました

産地や内包物によって様々に姿を変える水晶の原石は見ている
だけで面白くて、きらびやかではなくも愛らしい美しさがあり
不思議な謂れを持つ半貴石たちに私はすごく夢中になりました

近隣の鉱物店にも足を運びつつ、
何か珍しい石はないかとインターネットでも検索する毎日

そんなとき画面越しにふと目に飛び込んできたのが
またも緑色で美しいエメラルドでした。

もちろんネットサーフィンをしていればエメラルドの
色々なジュエリー画像はいくらでも飛び込んできます

ですがとても手が届くような値段ではありません
私が買えるのは精々半貴石までです

高価なハイジュエリーはいくら憧れたところで
欲しがるだけ無駄だと思い見て見ぬふりを決め込んでいました

 

エメラルドグリーンが魅力
エメラルドの指輪との出会い

なのにそのエメラルドの指輪は高くないのです
買おうと思えば簡単に買えてしまう値段の指輪なのです
理由は指輪の、真鍮のアームにありました

そのお店ではある理由でエメラルドの
ジュエリーをいくつも引き取ったのだそうです

ただし必要だったのは宝石がついていない貴金属部分だけ
取り外した石は宙に浮いてしまったので、真鍮の枠と指輪に
エメラルドをセットして格安で販売していたということでした

 

画像でその指輪を見る限り、それほど大きい宝石ではありません
でもその青みがかったエメラルドグリーンの美しい事といったら!
早く現物が見たい一心で、すぐさま購入手続きを済ませました

届いた指輪は画像で見た以上に澄んで鮮やかに輝いていました
青みがかったエメラルドグリーンというのはこれほどまでに
美しい緑色なのかと思わずにはいられませんでした

小さい石ながら透明度は高く、ステップカットの内側は
瑞々しく揺らめいて、まるで水に満たされているかのよう

鮮やかな緑色は南の海の色にもよく例えられますが、私は
どちらかといえば生命力にあふれた深い森のようだと感じました

それも、美しいながらときには人を惑わせるような森
危険を覚えながらも魅かれずにはいられない、魔性の森です
たくさんの人たちがこの宝石に魅了されてきたように
私もまたエメラルドの宝石に囚われてしまったようでした

エメラルド 指輪

そしてもう1つとっても嬉しいことに
このエメラルドに目を凝らしてみると、かつて見てみたいと
思っていた石の中のキズをはっきりと眺めることができました

エメラルドのキズは石のグレードを落とすものではありません
むしろ正真正銘の本物のエメラルドである証とも言われています

私のエメラルドの中には小さなキズがいくつもあり、
明るい場所ではまるで光が凝ったように見えるのでした

買った商品にキズがあってすっごく嬉しいなんて事
他であり得るでしょうか?他ではまずあり得ませんよね

 

不思議な魅力を放つエメラルドのキズは
「ジャルダン」と呼ばれます
フランス語で庭園という意味です

クローライトを内包している庭園水晶なども内部に景色を
有していると言われますが、水晶ともっとも違うのはこの
庭園が溢れんばかりの緑の光の中にあるという点でしょう

庭園水晶の庭は苔むした日本庭園のような落ち着きを感じるのに
対しエメラルドのジャルダンはまるで新緑の木漏れ日のようです

今は縁あってダイアモンドやサファィア、
ルビー、オパールなどの石も持っていますが
ここまで心を満たされる宝石は他に思い当たりません

 

エメラルドにまつわる歴史

歴史を見ても、とても古くからエメラルドは
多くの人々を魅了してきたことがわかります

古くは紀元前4千年、古代バビロニア帝国において
既にエメラルドが流通していたといわれています

エメラルドは愛と美の女神イシュタルのための宝石とされ
信者たちもこの石を大切にしていたそうです

またイスラエルのソロモン王が神から与えられた
四つの宝石の内のひとつとも伝えられています

古代エジプトのクレオパトラ七世が
この石をこよなく愛したことは有名ですが
クレオパトラの愛人であったユリウス・カエサルも
てんかんの治療のためにエメラルドを集めていました

古代ローマではさまざまな病気に効くとされ
薬として用いていた人が多かったようです
今思えば少しもったいない話ですね

 

南米インカ帝国では神への捧げ物や宝飾品に用いるために沢山の
エメラルドを採掘していましたが、16世紀に南米へ到達した
スペイン人によって既に掘った石ばかりか鉱山まで略奪されました

教会や城に飽くほどの財宝を蓄えていたスペイン人たちも
ヨーロッパでは見慣れないこの緑の石、エメラルドグリーンの
宝石にきっと魅かれずにはいられなかったのでしょう

このときの残忍な征服行為と
インカ帝国の悲惨な滅亡はいまだ語り継がれています

ちなみに奪ったエメラルドはスペインに送られましたが
スペイン王朝の衰退とともに四散してしまったそうです

その後19世紀に入り、インカ帝国の
エメラルド鉱山があった国コロンビアは独立を果たします

ですがそれからしばらくしてエメラルド鉱山は
マフィアの手に落ち国中を血みどろの争いに巻き込んでいきました

マフィアが取り締まられ、鉱山主間での和平協定が
締結したのは1990年。ごくごく最近の事なのです

 

こうしてエメラルドの歴史を俯瞰すると、
古今世界中の人々に愛されてきたことがうかがえる一方で
その周辺には常に血生臭さが漂っていることに慄然とします

古代バビロニアでエメラルドの女神とされていたイシュタルは、
愛と美、豊穣を司る一方で戦争の女神だったとも言われています

あまりにも美しすぎるものは、
ときに人を残酷な道に導いてしまうのかもしれません
エメラルドがこれから先、また紛争の歴史とともに
記録されることがないよう願わずにはいられません

さてそんな壮大な歴史とは関係なく、今日も私は
自分のエメラルドのピアスと指輪を身につけ愛で続けています

よほどのことがない限り途中で逸失することはないでしょうが
もし私の手を離れたとしても割れたりや粉々にでもならない限り
エメラルドは変わらずこの瑞々しい輝きを放ち続けるのでしょう

自分の石の遥か未来を思うことは私にとってとても楽しい想像です
エメラルドは「未来を見通す事のできる宝石」だと言われています

幻影の中で見た未来、このエメラルドを光に透かして瞳を輝かせる
誰かの幻影は、もしかしたら近い未来に訪れるのかもしれませんね

 

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に惚れてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

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