【感動】おばあちゃんのダイヤリングを結婚指輪にリフォーム・リメイク

いつもご観覧を頂きありがとう御座います
新潟県長岡市の宝石店で、結婚指輪を手作りで
制作しているジュエリーコウキの2代目、池田です

本日の記事は、感動する指輪の制作風景ですよ(*´Д`)
若いご夫婦が祖母、おばあちゃんからの形見で大切に
持っていたダイヤの指輪を結婚指輪に造り替えるんです!

指輪のリフォーム、リメイクという事です

しっかし聞いただけでもウルウルしそうなマイハートw
というのも自分は、おばあちゃんっ子だったからなんです

特に母方の祖父母の家と、自分の家が歩いて行ける距離で
毎日のように弟と遊びに行ったり泊まったりしていましたね
そんな祖母も亡くなり父方の祖母も亡くなり淋しいです(涙)

だからというか、今回のご依頼は凄く嬉しかったです!
そして、おばあちゃんの形見のダイヤの指輪をダイヤだけ
じゃなくて枠のプラチナも使って結婚指輪を作ります(*´Д`)

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作り替えるダイヤモンドの指輪は1つしかないので
結婚指輪を作るうえでプラチナの重さが全然足りません

 

 

足りない分の地金は当店で足しますが、おばあちゃんの
プラチナも混ざっているという事は疑いようのない事実!
おばあちゃんの指輪が結婚指輪として生まれ変わります!

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0.5カラットもある大粒の縦爪のダイヤモンド

昔はよくこのタイプ(縦爪)が流行りましたよね
爪を高くする事によってダイヤが凄く目立つからです
逆に今は、縦爪というよりも背が低いタイプが定番です

時代や流行りうんぬんは置いといて、自分はこの背の高い
6本の縦爪タイプは意外と好きですよ~見た目が華やかで
豪快なのに作りは意外と繊細でフォルムが洗礼されてるから

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ダイヤモンドをプラチナ枠から外します

爪起こしという工具で、爪の1本1本を起こします
指輪を溶かすので糸ノコギリで爪を切ってもいいのですが
おばあちゃんの想い出の指輪なので、ダイヤを外した後の
枠も撮影しておきたかったので丁寧に爪起こしで外しました

しかしダイヤモンドが大きいですよね!
カットが綺麗なルースなので存在感があります
0.3ctが主流の今、0.5ctは大きい部類です
おばあちゃん大きなダイヤを大切にしていたんですね(^ω^)

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プラチナの溶解(ようかい)

ダイヤを外したプラチナ枠と、指輪を作るのに必要な重さの
プラチナ量を計算して、足りない分をプラスして溶かします

プラチナが溶ける温度(融点)は1770度と言われており
約1800度以上の火力を誇る酸素バーナーで溶かします
ちなみに溶解(ようかい)とは地金を溶かすという専門用語。

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おばあちゃんからのプラチナと、足した分のプラチナが
きっちり混ざり合って1つのプラチナの塊が完成(*´Д`)

ここから2つのリング、結婚指輪を手作りしていきます!
そして女性用の結婚指輪には、おばあちゃんからの大きな
ダイヤモンドを留めますので、婚約指輪としても使います

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鍛金(たんきん)鍛造(たんぞう)の開始

溶かしたてのプラチナを叩いて鍛えていきますよ~
鍛金とは金属を鍛えぬく作業の事を専門用語で言います

そして鍛えぬいた金属で作る事を鍛造と専門用語で呼びます
これらをまとめて鍛冶(かじ)とも呼んでいます(^ω^)

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角床、金床と呼ばれる台で地金を叩きます

角床にプラチナを置いて、ヤットコでしっかり掴んだら
金槌でガッツガツ叩きます!バンバンバンバン叩きます!

ここで勘違いしてほしくないのですが、適当にバンバンと
プラチナを叩いている訳ではないんですよ~!

同じ場所ばかり叩くと形が崩れたり、地金の強度や粘りが
集中してしまうので、満遍なく叩いていく事が必要です!

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焼きなまし

プラチナは、ただ叩くだけじゃ駄目なんです
高温の炎でプラチナが真っ赤になるまで焼く事も重要
この作業を専門用語で「焼きなまし」と言います

叩いて叩いて、焼いてまた叩いて、その繰り返しで
プラチナに含まれている「ス」という微量な空気が抜け
そして粒子がまとまって粘り強い上質な地金に育ちます!

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手間がかかりますが指輪のベース作りなので真剣に

鍛冶作業は思っている以上に手間暇がかかります(汗)
根気も力も精神力も必要になるタフな作業なんですよ

しかしこの手間(工程)があるからこそ間違いのない
上質なプラチナで結婚指輪を作る事ができるんです!
妥協せず真心をこめて精一杯に指輪の土台を作ります

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プラチナを成形しながらの鍛金作業

地金を満遍なく叩いて、焼きながら四角形に成形します
もちろん金槌で成形しながら叩くのですが、慣れないと
綺麗な四角形にならないので、その場合はローラーという
地金を綺麗に真四角に伸ばす機械もあるので使って伸ばします

しかし自分は昔から親父の影響でローラーはあまり使わずに
金床と金槌、そして地金から伝わる感覚を大事にしているので
基本的に金槌のみで、ここまで四角い棒に成形して伸ばします
叩けば叩くほどプラチナが育つので出来る限り手作業ですね

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ここから男性用と女性用に区別して作ります

というのも女性にはセンターに大きなダイヤが入りますし
男性は普通の結婚指輪になるので制作工程が違うんですね

指輪を区別して作りますが、ほとんど同時進行で作ります
女性用の結婚指輪&婚約指輪を、まずは作るのですが、
ダイヤの幅も肉厚も大きいので月形という形に成形します

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月形の精度をあげて整えていきます

プラチナの焼きなましを繰り返しながらプラチナを叩き
そして月形を整えていくと、形がハッキリしてきました

ダイヤモンドが埋め込まれる部分のプラチナ板は厚く作り
ダイヤが入らない部分はバランスよく薄く狭くしていきます

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月形を作るうえで必要なものは指輪全体のバランスです
月形リングは本当にバランスが凄く重要になるんですよね

婚約指輪のトップ(センター)から下にいくに従って、
少しづつ指輪の幅と厚みが薄くなって細くなっていきます
このバランスが悪いと指輪全体のバランスが悪くなります
見た目のバランスが1番重要ですが計りながら叩くのもコツです

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自分で言うのもあれですが素晴らしいバランスです(*´Д`)
センターを中心として左右のバランスが一致しています

もちろんスケールという幅や厚みを計る道具で計算しながら
叩いているのですが、左右一致のバランスは難しいんですよ
正直、計らなくても視覚と間隔で出来ますが念の為に計ります

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男性側の結婚指輪になるプラチナのベースも完成

女性の月形リングの工程ばかりを取り上げてしまいましたがw
同時進行で男性の結婚指輪も順調に進んでおります!

男性側の結婚指輪の幅は3.5ミリ、肉厚が1.7ミリ
月形を作る時と同じように鍛金で写真のような板を制作!

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指輪に刻印を打ち込みます

指輪の内側(指に触れる面)に刻印を打ち込みます
プラチナ900を証明するプラチナ900の刻印と、当店で私が
手作りを間違いなくしましたというジュエリーコウキのJK刻印
女性側の月形リングの内側にも同じように刻印を打ち込みます!

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プラチナの板を丸めてリング状にします

女性用の月形のプラチナ板も、男性用の普通のプラチナ板も
丸めてリングの形にします。やっと指輪の形になるんですよ

丸棒という道具にプラチナ板を押し付けながら金槌で叩き
少しづつ丸めていきます(少しづつ丸めないと真円にならない)

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上の写真は通常の結婚指輪に使うプラチナ板を丸めた姿

下の写真は月形の婚約指輪に使うプラチナ板を丸めた姿

横から見ると三日月のような形なので月形と呼びます(下の写真)

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指輪の形になったらロウ付け(溶接)をします

リングの繋ぎ目に「ロウ」という薄く伸ばしたプラチナを
挟み込んで炎で一気に溶かして指輪をくっつけます(融合)

ロウにも沢山の種類があります(融点が異なるロウ)
融点が低ければ低いほど早く溶けるロウという事になり
融点が高ければ溶けにくいロウという事になります(*´Д`)

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ちなみに写真はロウ付けではなくトモ付け

ロウ付けは融点が低いロウを使って溶接しますが
トモ付けとは融点が高いロウを使って溶接します

しかし!私が今ご紹介しているトモ付けは気合満点です
融点が高いというか、指輪と全く同じプラチナを薄く
伸ばしただけのロウというよりも薄くのばした地金ですw

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同じ結婚指輪の地金を薄くのばしただけと言う事は
溶ける融点がロウも指輪も全く同じという事になります

いかに指輪が溶ける範囲を小さくするかという匠の技
どちらも同じ融点なので指輪が溶けるのは仕方ないですが
溶ける範囲を小さく出来るか出来ないかで指輪の運命が!
溶け過ぎてしまったらそこで作業は終了となるので(汗)

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何故そこまで危険なトモ付けにこだわるのか?

理由は簡単、ロウ付けの融点が弱いと変色するから
そして強度も弱いのでヒビが出てくる可能性がある

その点、トモ付けだと同じ地金を使っているので
変色も一切なく強度も指輪と同じで強いからです!

メリットが多いトモ付けですが、デメリットと言えば
作業が難しく溶ける可能性がある。そこですね(汗)

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結婚指輪のベースをS曲線に曲げる

今回の結婚指輪はS字カーブが魅力的なデザインです
フラットで平な結婚指輪を曲げていく作業になります

万力という工具に強く固定して、ヤットコという
掴む(挟む)道具で角度を合わせながら曲げていきます

男性、女性の結婚指輪が同じS曲線になるように
2本を見比べて角度を調節しながら合わせていきます
月形リングの方が肉厚なので曲げるのが難しいですね。

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完全な円(真円)になるように叩く

トモ付けをする前に、丸棒と金槌で指輪を丸めましたが
完全な綺麗な円ではないんです(曲線に曲げて歪んでいる)
真円ではないので完璧なリングにする為に叩いて丸くします

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お客様の指のサイズまで指輪を伸ばす

リングが真円になったらお客様の指定サイズまで伸ばします
丸棒に入れリングの表面全体を金槌で細かく叩いて伸ばします

一気に叩くとサイズが一気に伸びるだけではなくてリングの
表面の一部分だけが凹んでしまうので細かく全体を叩きます

細かく叩いてサイズを伸ばしているので、指のサイズを細かく
調整する事が可能です(0.5単位で細かく指定できます)

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指輪を新しくリフォームするのは、お勧めです!

おばあちゃんの形見のダイヤリングがこうなるんですね
デザインが全く違うので前の指輪の面影が全くないですが
おばあちゃんの指輪を溶かして新しく作り直しているので
使わない指輪よりも使う方が、おばあちゃんも喜びます(^ω^)

今回のご依頼は、おばあちゃんの指輪をリフォームしましたが
使わないリングやネックレスなどあれば溶かして使えますよ~
リフォーム&リメイクは物を大切に使うという事でエコです!

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プラチナリングを削る「彫金」の開始!

今までの作業工程は、叩くのがメインだった鍛造
プラチナリングをこれでもか!という位に叩きました
何千、何万と金槌で叩いたので上質な地金になりました

そしてここからはプラチナリングをヤスリやタガネで
削ったり彫ったりという彫刻のような彫金作業の開始!
いよいよ結婚指輪にデザインが削り出されていきます

そしてプラチナリングの表面にデザインのラインを
計算しながら入れていきます(設計図のような役割)
その描いた細いラインを元にして削っていくんですね。

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男性の指輪も、女性の指輪も、同時進行で彫金

男性の結婚指輪で1番最初にする彫金作業が幅を削る
何度も叩いているので指輪の幅が広がっているからです
S曲線も整えながらリングの幅も3.5ミリに削ります

そして女性の結婚指輪は、婚約指としても使いますので
ダイヤモンドを埋め込むセンター部分の彫金作業の開始。

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精密ヤスリでダイヤを埋め込むスペースを彫金

ダイヤモンドの直径と高さを計算しながら削っていきます
大きなヤスリだと対応できないので精密ヤスリという小さい
ヤスリで地道に削っていきます(ガッツリ削ると失敗します)

ここからの作業は本当に細かいんですよね(汗)
凄くデリケートなダイヤの台座となるので慎重に進めます
センターの台座だけではなくリングの幅も調節していきます

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全体の指輪のバランスを見て彫金する事が重要!

一箇所だけを集中して削っていくと失敗するので注意
リングデザインの見せ場は一箇所だけではないですので
全体のバランスが凄く重要となるからなんです(*´Д`)

こっちを削ったら、そっちを削る、あっちも削る
平均的に指輪全体を彫金する事でバランスが保たれます

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S字カーブが左右対称になるように彫金をします

フラットで平なデザインなら均等な幅で揃える事が意外と
簡単なのですが、今回のように曲線がベースのデザインは
幅を計りながらと同時に曲線の対称も見なくてはなりません

曲線の左右対称、曲線の角度、曲がり具合なども均等に
しないと完成した時に左右が対象じゃないと違和感がでます

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ダイヤモンドが留まる台座の彫金

指輪全体のバランスが大事になるので、全体を削るという
流れは続きますが、ここからは一旦ダイヤの台座作りです

ここは最も重要なダイヤモンドが埋め込まれるデリケートな
部分になるので精密ヤスリの他にもリューターやタガネなど
あらゆる精密な工具を使って台座を作り出していくんですね

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ダイヤモンドが埋め込まれるスペースの完成!

色んな精密な工具で、ダイヤモンドが留まる台座を制作
ダイヤモンドの角度がキッチリと落ち着くように作ります
ダイヤの幅や角度、肉厚を計りながらする細かい作業です

そしてダイヤモンドが両サイドの溝にキッチリと入ります
この2ヵ所の溝もダイヤの角度に合わせて削ってあります
ダイヤが隙間なく吸い付くように落ち着いたら台座の完成!

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結婚指輪の表面のデザインを作ります

ダイヤモンドの台座、そして腕の幅と肉厚が完成したら
次はプラチナリングの表面を削ってデザインを入れます

予め細いラインで設計図のように表面に描いていますので
そのラインを基本としてヤスリで削り出していくんですね
細くてラインが見ずらい場合はマジックで上書きをします

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ちなみに、これから作るデザインは曲線を更に引き出す
為に曲線と同じ方向に削っていき動きを増すやり方です
説明が下手なのでw 写真を見て頂ければと思います!

荒い目のヤスリで、ガンガン枠を削っていっているので
設計図のような繊細な形になっていないので、ヤスリの
目を細かく変更していきながら全体の形を整えていきます

ヤスリの目を細かく替えていく事によって傷も小さくなり
繊細なデザインの角なども仕上がっていくんですね(*´Д`)

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アブラメという目の細かいヤスリで仕上げる

先程の説明のように荒い目のヤスリ(アラメ)から目の
細かいヤスリに替えながら彫金作業を進めていくんですが
最終的には目の超細かいアブラメというヤスリで仕上げます

これで結婚指輪のデザインが完成したという事になります
躍動感のあるS曲線(カーブ)が魅力的になりましたね!
ここまでは女性側ですが、同じように男性側も彫金をします

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男性の結婚指輪を彫金していきます

女性のデザインと同じくなるように彫金作業の開始です!

女性の結婚指輪のデザインと違ってダイヤがありません
という事は、彫金のやり方が多少違ってくるのですが、
最終的には女性のデザインと同じになるように仕上げます

先程の女性側のプラチナリングの彫金作業と同じように
予め書いてある設計図のラインを元に削り出していきます
ラインが細いので見づらい場合はマジックで上書きします

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女性側の結婚指輪は、月形バージョンの造りなのですが
男性側は月形ではなくリング全体の幅と厚みが均等です

ここら辺が月形の時とは削り方が少し違ってきますが
基本的には同じように指輪全体のバランスを確認して
バランス重視で彫金作業を進めていけば大丈夫ですね!

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結婚指輪のメインデザインはセンターのS曲線

トップにある大きなカーブが両サイドに流れていき、
そして逆両サイドの曲線が指輪の甲丸に馴染むという形
本当に・・・説明が下手で申し訳ないです(;´Д`)

ここまでの説明で解って頂けたら幸いですがw
イメージを文字にして説明するのって意外と難しい

特にデザインに対しての説明は複雑すぎますね(涙)
やっぱり・・・写真を見てもらうのが1番分かりやすいw

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写真を見てデザインが分かりましたでしょうかw
言葉だけだと複雑で面倒なデザインだと思いがちですが
曲線を上手に使って複雑ではなくシンプルにまとめました

指輪の全体が大きく曲がっていて更に削って動きを出す
大きく流れるように曲線を魅せるデザインです(*´Д`)

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ヤスリの目を変えながらデザインを整えます

こちらの作業も女性の指輪を彫金した時と全く同じです
荒い目のヤスリから、細かい目のヤスリに交換しながら
デザインの角や、リングの曲線の流れ、枠の甲丸度など
バランスが良くなるように何度も確認して削り出します

デザインの角、フォルムがビシッ!と出てきましたね!
こういった繊細な部分の造りが綺麗かどうかで見え方や
出来栄えが全然違ってきますので真剣に進めていきます。

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結婚指輪の外側のフォルムが完成したら
次は結婚指輪の着け心地を良くする作業です

末永く指につける結婚指輪だからこそ着け心地が命!
どんな場面でも結婚指輪を身につけて頂きたいですので
指輪の付け心地には凄くこだわっておりますよ(^ω^)

指の形にしっくりと合うように、指輪の内側を丸くします
指の形に合う「心地よい丸さ」というものが存在しますので
その丸さになるようにヤスリで削ります(簡単に言えば楕円形)

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女性の結婚指輪の中側も、同じように丸く削っていきます
やはりストレスを感じない付け心地こそが最高の指輪です

指輪の内側を削る時も、指輪の表面を削り整える時と同じく
荒い目のヤスリから細かい目のヤスリに交換していきながら
指輪の内側が滑らかになるように仕上げていきます(*´Д`)

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プラチナリングを紙ヤスリで擦り小傷を消します

男性、女性共に結婚指輪の曲線デザインが完成しました
ヤスリでの彫金作業が続いたので、プラチナリングには
沢山のヤスリ跡(削った小傷)が無数にありますので、
耐水性の紙ヤスリで丁寧に擦り小傷を消す作業となります。

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ちなみに何故、耐水性の紙ヤスリが良いのかと言うと
水を含ませながら紙ヤスリを使用すると、水と研磨材が
混ざり合って傷に入り込むので小傷が消えやすいんです

しかも紙ヤスリで何度も擦る事によって研磨材が薄くなり
荒い紙ヤスリから滑らかな紙ヤスリと変わっていくんです
プラチナリングが真っ白になったのは何度も擦った証拠。

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女性の結婚指輪は婚約指輪としても使用します(^ω^)
ですので男性の指輪にはないダイヤの台座部分も擦ります

細かい台座部分は市販の紙ヤスリの大きさでは入らなく
小さい&狭い隙間に入るように自分でカットして使用します

基本的に小さくカットすると紙ヤスリがすぐ駄目になります
しかし、面倒くさがらずに何度もカットして擦り続けます!
こういった1つ1つの手間が良い物へと結びつくんですね♪

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ダイヤモンドの石留め(セッティング)

ここからはダイヤモンドのルースセッティングになります
かなり細かい仕事となりますので気を抜けない作業ですね

おばあちゃんからの贈り物でもある0.5カラットの
大粒ダイヤモンドがいよいよ指輪に埋め込まれます(^ω^)

ダイヤが落ち着くようにセッティングスペースに入れて
ダイヤの角度と位置がキッチリと収まった事を確認して
鏨(タガネ)という棒状の工具で叩いてフチで留めます

ダイヤが留まる両フチには、予めダイヤと同じ角度の穴を
開けてあるので、そこにダイヤが入り動かなくなるんです。

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フチを整えて石留め(セッティング)作業が完了!

タガネでフチを何度も叩いているので潰れています
潰れてるといってもフチを力強く叩いている訳では
ないですので大きな潰れ具合ではなくご安心下さい

凄く危険なのが力任せで叩く事で、ルース(石)にタガネが
当たらなくても衝撃などでルースが欠けたり、ヒビが入ったり
する恐れがあるので絶対に力任せにタガネを叩いては駄目です!

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石留め跡を綺麗にするとこうなります(^ω^)

めっちゃダイヤリングが綺麗で素敵でしょ~
細身の腕枠に0.5カラットの大きなダイヤモンド
しかし、まだここから石留め作業が続くんですよ!

何とセンターに埋め込まれたダイヤの両フチにも
小さいダイヤモンドがグラデーションで入ります!

大きなダイヤと小さいメレダイヤがコラボして輝きます
ピカピカキラキラと光るダイヤの魅力を魅せる為です♪

 

 

メレダイヤの彫り留め(セッティング)

先程は石留めで、次は彫り留め? 何それ?
何が違うのか分からない方がほとんどだと思いますw

どちらも石留め(セッティング)と呼ばれていますが
彫り留めはタガネという先端が刃物になった棒を使います
大きいダイヤを留めた時に叩いて使ったタガネとは違います
大工さんが使っているノミを小さくした感じですね~

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このような先端に刃物があるタガネを超硬タガネと
呼んでいるのですが先端の刃物の形は無限大なんです

大きく分ければ毛彫りタガネと片切りタガネとあります
しかし職人さんによって自分が使いやすいように彫金して
刃の形を変形させたりするので職人の数だけタガネもw

職人の数と言えば・・・ジュエリー業界の職人さんが
猛烈に減っています(涙)自分が始めた23年前から
かなりのスピードで職人さんがいなくなっているんです

理由は様々だと思います(ノД`)・゜・。
例えば自分が考える理由はこんな感じ(本気で深刻です)
高齢化、跡継ぎ問題、職人の育成、不景気、機械の普及、地味、
稼げない(仕事が取れない)など考えればいくつも理由が(涙)

 

もうね・・・この業界の職人さんは本当に厳しいです
絶滅危惧種に指定してもらいたいレベルで深刻なんです
なので頑張って色々と活動をしている仲間もいます<(_ _)>

自分も何か出来ないかと考えて、こうやって仕事内容を
細かくアップして多くの方々に興味を持って頂きたくて
地道ですが記事を書いてツイッターやFacebookなどで
少しづつでも、こんな仕事もあるという事を広めたいです

おっとw 語ってしまいましたw
ついつい感情が溢れだしてしまって・・・w
制作工程の続き、彫り留めの続きをアップします<(_ _)>

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鏨(たがね)でプラチナを彫ります

タガネを使ってメレダイヤが埋め込まれるスペースを制作
彫り留めの手順を簡単に説明すると、メレダイヤの大きさと
高さに合わせてドリルで穴を開けて、リューターでダイヤの
角度を合わせてからタガネを使って彫り込んで爪や縁を制作

タガネで彫りをするやり方は、タガネの刃を彫りたい部分に
当てて、タガネのお尻を小さい金槌でトントンと叩くんです
金槌で叩いた衝撃でタガネが前へ進んで彫るという仕組みです

タガネの使い方は熟練された職人じゃないと難しいです
ヤスリで削る彫金は趣味や教室などでも体験できますが
シルバーでの場合が一般的なのでプラチナを彫金となると
ある程度の経験や技術がないと難しいのですが、タガネで
彫るのは更に高い技術と経験が絶対に必要になる匠の技です。

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メレダイヤをミルたがねで留めます

タガネで綺麗に仕上がった彫り留めスペースにダイヤを入れ
爪を寝かせてダイヤモンドを留めていくのですが、普通に
爪を寝かせると三角の一般的な爪になってしまうんですよね

エタニティリングやパヴェ留めのようなダイヤが繋がったり
散りばめる場合は、爪を丸くすると相性が凄く良いんです!
ダイヤと一緒に丸い爪が輝いて一体感を視覚で得られるんです
そこでミルを打ち込むミルたがねで爪を寝かせて留めるんです。

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仕上磨きに進みます(シリコンポインター)

石留め&彫り留めが完了したら、仕上げ磨きに進みます
男性と女性の結婚指輪は紙ヤスリまでしてありますので
次はシリコンポインターという研磨ゴムで磨いていきます

まずは、茶色い硬い研磨ゴムでプラチナ全体を磨きます
この形ゴムには研磨材が混入しているので小傷が消えます
指輪の内側、表面、側面、すべての小傷を綺麗に消します

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次に使うシリコンポインターは磨き用

こちらのシリコンポインターのゴムは柔らかくて磨き用
硬い研磨ゴムで磨いた跡を光らせる役目となります(*´Д`)

ポインターバー(先端)にも色々な形がありますので
結婚指輪や婚約指輪のデザインに合わせながら使い分けます

デザインによっては既成の形であるポインターバーで
対応できない場合もあるので、そうなったら自分でゴムの
形を削っていきながらデザインに対応していくんですよね。

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へらがけ(ヘラ磨き)

この磨きが鏡面を作るのに絶対に必要な作業なんです
先程は青色の柔らかいゴムで磨きましたが写真の通り
仕上げ用の磨きゴムで磨いても鏡面にはならないんです
鏡面を作り上げるにはヘラ棒という特殊な棒で磨きます

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ヘラ棒で磨くと言いましたが、磨くというイメージとは
かけ離れた作業内容で、プラチナの面を潰していくんです

力を込めてヘラ棒をプラチナに押し付けて潰していくと
鏡のように反射する鏡面が出来上がるんですよね(*´Д`)

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ちなみにヘラ棒の先端が尖っている理由は、デザインで
狭い箇所や細かい箇所を磨けるように先細りで尖っています

結婚指輪の表面、側面、内面もそうですがダイヤモンドが
留まる台座部分や、目に見える部分すべてをヘラで磨きます

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バフ仕上げ(バフ磨き)

ヘラ棒で鏡面を作りあげたら最後にバフという布で磨きます
長かった磨き作業、このバフ仕上げが最後の仕上げ工程です!

ヘラ棒で強く押しこみながら潰してプラチナを磨いてたので
ヘラ棒の押し付けた跡が、うっすらと残るんですよね(汗)
その跡をバフで磨いて消しながら鏡面の精度を上げるんです

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円盤型の磨き布、リューターの先端に設置するバフバー
色々な種類のバフがありますが使い分けながら磨きます

そして最後に大型のバフ機(グラインダータイプ)を
使ってパワフルに結婚指輪の全面を磨けば完成です(^ω^)

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このパワフルなグラインダータイプは取り扱い注意!

回転力のパワーが凄すぎて指輪を飛ばす可能性も!
回転布に凄い力で引っ張られ物凄く指輪が熱くなり
それが耐えられなくて飛ばす人が多いみたいですね
もちろん私はそんな初心者みたいな失敗はしませんw

この工程で若手の職人さんがよく失敗するんですよね
場合によっては飛ばした指輪が曲がったり傷つけたり
最悪の場合・・・修復不可能になるんですよ(;´Д`)
とくにルースなどの石関係は要注意!ほぼ割れます。

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指輪のリフォーム&リメイクが完成!!

おばあちゃんの大切な想い出が詰め込まれている指輪
そんな大切な形見の指輪を作り替えて結婚指輪に変身!
泣きそうなくらい良い仕事をさせて頂きましたああ(涙)

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曲線のカーブが2つ揃っているので
2つの指輪を重ねる事も可能です(*´Д`)

こういった男女の指輪が重なる結婚指輪って可愛い♪
愛情というか愛らしさというか何か可愛いですよね

0.5カラットの大粒ダイヤモンドと両フチの小粒ダイヤ
見た目以上に大きさが違いますがバランスは完璧でしょ~
これは曲線上にダイヤが流れるように設計した石留めだから

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本日の結婚指輪(婚約指輪)の詳細です

○デザインの特徴としてはS曲線に躍動感がコンセプト
そして女性の結婚指輪は婚約指輪としても使用可能

○男性のリング幅が3.5ミリ(フラット)
○女性のリング幅が2.3ミリ(月形)

○女性のダイヤモンド センターダイヤが0.5ctアップ
両脇のメレダイヤが全部で6ピース使用(グラデーション)

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おばあちゃんの大切に使っていたダイヤモンドの指輪

そんな想い出のダイヤリングが、リフォームやリメイク
によって若いご夫婦の結婚指輪として生まれ変わりました

リングの形は違いますが愛情は間違いなくそのままです!
プラチナも形見のダイヤリングから外したプラチナ枠です
大きなダイヤも一生変わらない輝きを放っています(*´Д`)

おばあちゃんに感謝ですし、それをまたこのような形で
繋いでくれた若いご夫婦さんにも感謝の気持ちで一杯(涙)

おばあちゃんっ子だった私が作ったので気合も十分!
こんな素敵なご依頼を頂きましてありがとう御座いました!

今回は、おばあちゃんの形見のダイヤリングで作り替えを
しましたが、どのようなリフォームでもリメイクでもOK
どんな指輪制作でも「一輪入魂」の精神で造り上げます!

 

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
5パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に惚れてから
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
こちらの「お問い合わせ」もしくはメールで
j_kouki_ring@yahoo.co.jp までお願い致します。

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