印台リングを手作り・動画と画像あり 【圧倒的な重量感&重厚感】 インパクトが凄いプラチナ60gの鍛造

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いつもご観覧を頂きありがとう御座います
新潟県長岡市の宝石店で、結婚指輪を手作りで
制作しているジュエリーコウキの2代目、池田です

今回、ご紹介する指輪は半端ないです(*´Д`)
これはもう一般的な指輪と次元の違う指輪ですなw
どんな形の指輪かというと「印台」の指輪なんです

まず初めに、今日の指輪は結婚指輪ではないのですが
当店のブログのカテゴリーがブライダル関連しかないので
今回は結婚指輪のカテゴリーに入ってしまっておりますが
結婚指輪ではなく印台リングですのでご了承ください<(_ _)>

さて、今回制作をさせて頂いた特注の印台リングですが
とにかく見た目の重厚感も、実際の重量感もハンパないw

印台リングのレベルを超えた
超印台リングとも言ってもOKですw

 

ご依頼を頂いた方は地元で仲良くさせて頂いている友達で
人として男として職人として尊敬している憧れの存在です!
中学生の子供同士も同級生なので家族でお世話になってます

何より器がデカイw 自分と比べると自分がどんなに小さい事かw
少しでも近づけるように頑張りますよ須田さん!(名前出てるしw)

プロのジュエリー制作の仕事をして今年で23年経ちますが
23年間の中で俺が作った指輪の中で1本としては断トツに重いw

ブログの題名に60グラムと書きましたが、最終的な重さは
約45グラムですが最初から作ると60グラム必要なんです
60グラムのプラチナの塊から叩き出して削って作りました!

うちは結婚指輪の制作をメインとしているので、ここまで重い
指輪を作る機会が少ないのもあるかと思いますが楽しかったです
たまには、こういう骨のある指輪作りも大歓迎ですね(*´Д`)

 

すでに完成しておりますので完成した写真を見て下さい!
スペシャルな印台の指輪です(ゴツ過ぎて凄いですw)

印台に使用されたプラチナの重量も凄いのですが、
印台リングに打ち付けられた「打ち出し」も迫力満点!

印台リングの側面と、中側以外の全ての見える面に
打ち出しを何度も何度も重ねて打ち付けているんですよね

DSCN3213

これはもう指輪というよりもプラチナの塊みたいw
超印台と表現したのが分かるかとおもいます(*´Д`)

ちなみに印台リングは他の呼び名でカレッジリングや
シールリング、シグネットリングとも呼ばれていますが、
日本ではこの形を印台(いんだい)として昔から呼ばれており
平な部分を判子・印鑑として使っていた人も多かったんですね

 

 

印台(いんだい)リングの作り方

写真のようなドデカイ印台がどうやって形に・・・
どうやって作られるのかじっくりとお見せ致します!

まずは写真のような重量感のある印台リングを作るには
約60グラム(実際には62グラム)の地金が必要です
必要な分のプラチナを計算し溶解して1つの塊にします

DSCN3094

約60グラムのプラチナを溶解(ようかい)

プラチナの溶解温度は約1800度弱
最低でも1800度以上の炎でないと溶けません

専用の器から、はみ出しそうな大きさですねw
この重さのプラチナを溶かすには一苦労ですね(汗)

しかし溶けた姿を見ると、太陽のように力強い!
指輪になっていないのに、既に存在感が凄いです

DSCN3097

溶解したプラチナが冷めると綺麗な銀色になります

銀色といっても、シルバージュエリーの銀色とは違って
プラチナは奥深い銀色(ちょっと黒っぽい)なんですよ
ここからプラチナを叩いて育てていく作業が始まります!

DSCN3098

60gのプラチナを鍛金(たんきん)鍛造(たんぞう)

金床(角床)と呼ばれている地金を叩く台にプラチナを置き
大きな金槌(玄翁)でバッチンバッチン叩いていきます!

地金(プラチナに限らず金なども)を鍛えながら造る作業を
鍛金(たんきん)または鍛造(たんぞう)と呼んでいます

さすが60gもあるプラチナは手ごわいですw
気合を入れて地金を叩き続けないとプラチナは育ちません
師匠である親父と私の親子で交替しながら鍛冶作業が進みます

DSCN3099

プラチナを、ナメス(溶かす)ナマス(焼く)

鍛造作業は金槌で地金を叩くだけではありません
酸素バーナーでプラチナの表面をナメしたり(溶かしたり)
ナマしたり(炎で焼く事)しての繰り返し作業なんです

ちなみにナマス温度は、プラチナが真っ赤になれば普通は
それでOKなんですが今回は重すぎるので溶ける寸前まで
ナマしていくギリギリの作業が続いていく事になります。

DSCN3101

印台の形(ベース)になるように四角く叩く

強力なバーナーでナマしたら、金槌で叩いて叩いて更に叩き
プラチナが締まってきて固くなったらまたナマスの繰り返し
正直、プラチナが強靭すぎて腕がもげそうですが楽しいw

地金を叩きながら印台の形に近づいていくように成形します
いきなり最初から印台のベースとなる形を造るのは無理です
まずは作る印台の幅を考えながら四角形になるように叩きます。

DSCN3102

結婚指輪を作る時にも同じように鍛金作業を繰り返しますが
今回使っているプラチナの重さが、桁違いに違いすぎるので
同じような力具合でやってもプラチナの育ちが遅いんですw
なので腕がもげるくらいの勢いでガッツガツ叩いて焼きます

1人でこの過酷な作業を最後まですると、腕や手がしびれて
腕の感覚がマヒしてしまい、肉離れなのか痛くなるんです
他の仕事ができなくなるので親子で交替しながらの作業です

DSCN3103

プラチナの塊が四角くなってきましたね

丸かった地金の塊が鍛金作業によって四角くなってきました
まだまだキッチリと綺麗な四角ではないので整えていきます

ちなみに、この四角い横幅が印台の横幅という事になります
とってもドデカイ印台がこの時点でわかりますよね(*´Д`)

これだけの凄い鍛冶作業を動画で見たいと思いませんか?
画像だけでは鍛冶の迫力の伝わり方が弱いと思いますので
動画で見て感じて頂きたいです(衝撃音が凄いので音量を注意)

鍛造の仕組みは、言葉とおりに地金を鍛えて造る事

地金(プラチナやゴールド)の中には「ス」と呼ばれる
微量な空気泡が入っているんですが、その空気が地金の
強度を弱くしたりするので地金から放出させる作業です

角床という専用台にプラチナを乗せて、大きい金槌で叩き
何度も何度も叩いて叩いてプラチナを絞めあげていきます
絞めあげたプラチナを何度もナマス(炎で焼く事)
そうする事でプラチナの中の「ス」が抜けていきます

同時にプラチナの粒子が綺麗に整っていき、プラチナの
密度がぐんぐん増して粘り強くなり強度も上がります!
これが、地金が育つという鍛造や鍛金のメカニズムです。

DSCN3105

更に印台のベースに近づけていきます

まだまだ金槌での鍛造はつづきますので気合を入れます!
上の写真の段階ですとまだ四角形なので更に成形します

印台はトップ部分の肉厚が厚い方がバランスが良いです
厚みの部分もそうなんですが幅も重要となってくるので
印台のセンターとなるトップ部分以外の箇所を叩きます!

DSCN3108

金槌で金槌を叩く職人技

小さい金槌をプラチナ板にあてて、大きい金槌で
小さい金槌をガツン!と勢いよく叩くんです!

鍛造作業には色々な叩き方があるんですよね(^ω^)
金槌を使って金槌で叩く、これぞ職人技ですよね

この叩き方は金槌の特性を知っていないと出来ません
昔ながらの職人技ですが現代でもこの技術は素晴らしい。

DSCN3110

印台の形が少しづつ見えてきました

金槌を使った職人技で、印台の形が見え始めました
センターの平な部分はそのままで、指輪の腕になる部分を
一段落としながら肉厚を薄くしてバランスを整えたんです

ここまで細かく印台の作り方を説明している記事はないかとw
正直、技術の流失が怖いですが、普通の人には真似できない
という前提で、この手間を見て頂きたくて記事にしています

DSCN3111

ナマして(焼いて)叩いての繰り返し

鍛冶の作業はまだまだ続きます!気合を入れていくぞ!
叩いて叩いてナマしての繰り返しで印台の形を整えます

先程から同じような作業が、延々と続いているように
見えるかと思いますが、これが現実なんです!地道に
コツコツと形を整えていく事によって最高の品になります
時間なんて関係なく、職人が納得するまで叩くのみです!

DSCN3116

ここで地金を育てる鍛金(たんぞう)の事を詳しく

鍛金、鍛造が続いていますが、地金が育つという意味が
何で育つの?と思っている方、不思議に感じる方などなど
いらっしゃると思いますので簡単ですが説明させて頂きます

地金には(プラチナやゴールド、シルバーなど)には
微粒の空気が地金中に含まれている事が多いんです
その微粒な空気を専門用語で「ス」と呼んでいます(^ω^)

既製品の指輪でよくある事が、巣穴という空気の小さい穴
この穴が厄介でリングの品質を大きく下げる事になります
穴が開いていれば当然ですが強度も弱くなりますよね?

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既製品のほとんどは鋳造(ちゅうぞう)という製法なので
予めあるデザインの型に、溶かした地金を流し込むんです
ですのでそのまま空気がはいったりして巣穴が出るんです

当店がこだわっている鍛金、鍛造には巣穴がほぼ出ません
何度も何度も叩いて「ス」を地金から放出しているからです

それでけではなく、先程も説明をさせていただきましたが
プラチナの密度を極限まで詰めて高める事ができるんです
そして印台の形になるように鍛造で地金を成形しています

印台の形を叩いている動画も見たいですよね!
先程の動画も迫力満点でしたが、こちらも引けを取りません

自分の父であり、職人としての師匠がガツガツ叩いています
いい歳なのに鍛冶仕事は常にパワフルで迫力満点です(^ω^)

パワーだけで言えば、親父のほうが今もあると思います
やっぱり、何十年も鍛冶をしている職人はタフですよね

DSCN3119

ヤットコではなく素手(指)で感覚を得る

基本的にプラチナやゴールドなどの地金を叩くときは
ヤットコや専用ピンセットなどを使って地金を強く掴んで
叩きますが、指輪の細かい角度や質感を確かめたい時は
ちょくせつ指で地金を掴んで金槌で叩く事も多いですね

指から伝わる感覚を鍛えていく事で鍛冶のバリエーションも
増えていくので大事な事ですが、怪我には本当に注意です!
怪我をしてしまったら何もなりませんので(;´Д`)

DSCN3120

印台のベースが完成間近ですね(^ω^)

大きなプラチナの塊がいよいよ印台っぽくなってきました
真っすぐな板状ですので、まだ指輪の形ではないのですが
センターは印台特有の四角形で丸めた時の想像が出来ます

しかし、まだ焦っては駄目ですw
この状態の板で丸めてしまうと印台の形にならないんです
このプラチナ板を丸める前にする作業がまだあるんです!

DSCN3121

まだ全体的にプラチナの板が太く(広く)感じますので
綺麗な印台のベースになるように金槌で叩き調整します
印台のセンター部分と腕が区別できるように成形します

先程の丸める前にやる工程があるとお伝えしましたが
まずはその工程をする前に、プラチナ板を整えないと
次のその工程に進めないので、キッチリ綺麗に整えます

DSCN3123

【重要】印台の真ん中を金槌で潰す

先程、大切な作業があると言いましたが、この作業です
印台のセンターとなるトップ部分のド真ん中を潰します!

せっかくここまで印台のベースを作ったのに何故(涙)
と沢山の人がそう感じると思いますが重要な作業なんです

想像をして下さい・・・
真ん中を潰す前の平なままで、丸めるイメージをして下さい
その状態で丸めてみると・・・上が平にならないじゃんw
そうなんです、そのまま丸めるとモッコリして印台じゃない

そこで写真のように印台リングの中心となる部分に
金槌をあててズドーン!と強く叩いて凹ますんですね!

DSCN3132

凹ます(潰す)だけじゃ駄目ですよ!

印台の中心部を潰しただけじゃ印台の形になりません
潰した箇所を丁寧に叩いて逆甲丸のように成形します

写真のように滑らかに丸くなるように鍛造をします
この滑らかな丸みこそ、丸めると印台の平になります!

DSCN3133

指輪の形になるように板を丸めます

手間をかけて叩きあげた自慢の印台のベース板を丸めます
しかし肉厚が厚すぎて硬くて普通に丸める事ができません

硬い工具で強引に曲げてしまうと傷だらけになってしまい
打ち出しを打ち込む事が不可能になるので、傷をつけないよう
丁寧に丸めます(丸棒と木槌を使って丸める方法がベストです)

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しっかし・・・硬くて思い通りに曲がらない(涙)
傷をつけないように金槌ではなく木槌で丸めているのですが
何度も叩いていると木槌の方がボロボロに砕けてきましたw

いや~ここまで太っとい印台となると簡単には曲がらないね
指輪の肉厚も凄いんですが、幅もかなりの太さですので
炎でナマシながら(焼きながら)丸めていくしかないですね

DSCN3136

完全な真円に丸められれば1番ベストな形なのですが、
さすがにこれだけの印台ですので多少の歪みが生じても
あとで真円に修正できますので、とりあえず丸めましょう

やっとベースの板を印台リングの形に丸める事ができました
丸めて出来た合わせ口に隙間が出ないように合わせましょう
この合わせ口に隙間があると溶接をした時に不具合が生じます

DSCN3137

ロウ(溶接地金)を隙間に挟み込みます

地金を溶接する事をロウ付け(ろうづけ)と呼びます
そしてロウとは溶接させる為の溶けやすい地金の事ですが
当店ではロウ付けではなく、共付け(ともづけ)です!

共付けとは、溶けやすいロウを挟み込むのではなくて
指輪本体の地金から一部を取って、薄く伸ばした地金を
ロウとして溶かす荒業です(融点は指輪もロウも同じ)

DSCN3138

印台リングの共付け作業

薄く伸ばした地金を挟み込んだら酸素バーナーで溶解!
溶解という事は指輪も挟み込んだ地金ロウも溶かす事で
融点が同じ約1800度ですので指輪も溶けてしまいます

しかし共付けを極めると、指輪が溶解する地金の範囲を
極力少なくして共付け部分を目立たなくする事が可能です
当店では結婚指輪にも、この共付けを採用しています(^ω^)

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そこまでして危険な溶接をする理由は、溶けやすい一般的な
ロウは基本的に弱いので変色したり割れたりする危険性が
あるんですが、共付けは指輪と同じ地金なので強いんです!
強度が強い、変色に強い、素材が同じなのでメリット大です

デメリットと言えば、指輪が一緒に溶けてしまう事です
そこは職人技術を磨いていけば共付けも綺麗にこなせます

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印台リングを真円にしながら形を整える

共付けをした印台を丸棒に入れて、金槌で指輪を叩きます
印台の指輪を真円にすると同時に印台の形を整えるんです

写真を見て下さい(とくに親指をw)
印台を叩きすぎた衝撃で親父の親指が裂けました(汗)
それほどまでに強烈な衝撃が続いていたという事ですね

職人は怪我がつきもので仕方ないんですが痛いですよw
しかし怪我よりも作業に納得できない方が心が痛いです
職人は自分が納得するモノを作る事が喜びなんですよねw

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印台の形を整えつつサイズを伸ばす

印台リングが真円になったらサイズも伸ばしていきます
そしてサイズを伸ばしながら成形作業も続けていきます

どんどん綺麗な印台の形になってきましたね(^ω^)
須田さんからのご要望で、印台の角を極力丸くして常に
身につけられるようにとのご指定なので角も軽く叩きます

DSCN3153

印台リングの形が揃ったら彫金作業の開始

金槌での鍛造で印台リングの形がバランスよく揃いました
次の作業は、叩きまくって広がった指輪の幅を削ります
印台リング自体が大きいので、大きいヤスリで削り出します

これだけの大物を削るのもやはり大変です(汗)
印台リングが大きすぎるので、なかなか削れない(;´Д`)
しかも粘り強く育ったプラチナなので粘って削れないw

印台リングの表面は綺麗な槌目の模様が出ているので
ヤスリを滑らせて槌目に傷をつける事は許されません!
槌目が綺麗に入っているからこそ打ち出しが映えるからです

DSCN3160

印台リングの形が綺麗に整いました!

ヤスリでの彫金作業で印台リングの形がバランスよく完成
しかしタガネで打ち出しを打ち込む作業が残っています

タガネを打ち込む下地に必要な槌目もまだ完全ではないです
槌目模様もここから更に重ねて打ち込んでいく事になります

金槌やタガネで何度も打ち込んでいくと、印台リングの幅が
広がってくるので、この現状の形をベースにしながらの
叩き出し作業をして幅が出たら削るという流れで進みます

プラチナを削ると出てくる「バリ」という鋭利な角も
出てくるたびに丁寧に削り落として作業を進めていきます

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本格的に槌目(つちめ)を打ち込みます

印台リングの全面はすでに金槌によって槌目があります
しかし新円にする為やサイズを伸ばす事がメインだった
ので、本格的に綺麗な槌目をバランスよく打ち込みます

金槌も何本か用意して槌目模様を打ち込んでいきます
下地となる槌目が綺麗に入ってからこその打ち出しです

打ち出しの下地だからといって甘く見てちゃ駄目です!
ベースとなる槌目がしっかりしていないとなんですよね

DSCN3196

印台リングの側面と中側以外の全ての面に打ちます
金槌の大きさを変える事によって、槌目の模様の
深さや大きさが変化しますので何本も使いましょう

金槌を何本も使う事によって、より重なり合うんです
金槌の形も変われば、叩く力加減も自然と変わります
槌目柄は自然の産物なので叩けば叩くだけ魅力が出ます。

DSCN3198

印台リングにタガネで打ち出しをします

いよいよデザインのメインともなる打ち出し作業です
槌目も完璧にしっかりと入れているので槌目のままでも
十分に魅力的で商品とみれば完成の域に達していますが
更にタガネで叩こうという凄く贅沢な印台ですw(*´Д`)

DSCN3199

いつも結婚指輪に打ち出し柄を打ち込む時に
使用している細目のタガネを使用したら何と!
印台リングの強度に負けて曲がってしまいましたw

プラチナを打ち付ける為の「強度な専用のタガネ」が
まさか曲がるなんて思いもしなかったので驚きましたw
ここまで・・・この印台リングは力強く育っていたのか

作り手として嬉しいというかワクワク感がキターw
という事で新たな極太タガネをこの為に制作しました!
タガネを作るのにも叩いて焼いて彫金して半日がかりw

DSCN3200

親父と造り上げたタガネは最強!

親父とこだわって作りあげたタガネは最高で最強です!
刻印を打ち込む時につかう刻印タガネを改良したんです

ガッツガツと勢いよく何度も打ち込んでも曲がりません
そして印台リングも、打ち込まれる度に更に強くなって
見た目のオーラというか雰囲気が凄い事になってきました!

DSCN3202

印台リングの角も打ち出しで叩いて丸める

一般的な印台リングといえば、カクカクしていて
リングの線というかラインというか、角がキッチリと
出ているものが多いし普通なのですがコチラは違います

須田さんが使いやすいように最初から丸めるんです!
しかもヤスリで削り落とす彫金とは違う落とし方で
金槌とタガネで叩いて強引に角を丸くしていくんです!
そうする事で超強い角になって、角が減りにくいんです

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印台リングの印鑑の面も、超こだわっています

昔は印鑑としても使われていたトップの四角い部分ですが
このメインスペースもタガネで何度も重ねて打ち付けます

印鑑面にも超こだわっており、湾曲になっているんです!
その形を例えるなら、昔のブラウン管テレビのような湾曲
その美しい曲線美のおかげで着け心地が更にアップします

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打ち出しに凄味が増してきました!

何度も重ね打ちをしているので、柄の奥行も出てきましたが
それよりも凄味が半端なくにじみ出てきているのが分かります
この圧倒的な雰囲気・・・作り手の俺ですらビビッていますw

今までかなりの数の打ち出しリングを制作してきましたが
ここまでの雰囲気を出すには、ここまでの重さのプラチナや
打ち付けるタガネの強度、そして打ち込む力加減や数など
必要だという事がわかったので、勉強になりました(*´Д`)

DSCN3208

印台リングの横部分も下部分も凄い事になっています

印台面だけじゃなく、その他の部分の打ち出しも凄いです
結婚指輪の打ち出しは、ここまで深く入る事はないですし
ここまで深く入れると、結婚指輪は壊れてしまいます(汗)

しかしこの印台クラスになると、指輪が壊れるくらいに
力強く叩かないと打ち出しが綺麗に入らないんですよね

この先、ここまでの打ち出しをするか分かりませんが、
自分にとって凄く良い経験&勉強になった打ち出しでした

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つけ心地を良くする為、印台リングの中側を丸く削る

これだけの重量がある印台リングとなると着け心地が超重要!
印台リングの表面は、叩きあげて丸め着け心地を良くしました

しかし印台リングの内側は真っ平のままです
この状態で指につけると、重すぎる上に内側が真っ平なので
内側の面積が大きく締め付けた感じで着け心地が悪くなります

その状態を改善するにはヤスリで中側をガッツリ削ります
丸く削っていく事になるのですが丸め過ぎにも注意なんです

重量が凄すぎるので丸め過ぎると指の中で遊んでしまうんです
平甲丸のような甲丸と平打ちの中間ぐらいの楕円形がベストです

DSCN3210

彫金作業で印台リングの側面を整える

いよいよこれが最終調整の彫金作業となります(^ω^)
印台リングの形をキッチリとバランスよく削って仕上げます

彫金をする時にヤスリを使うので細心の注意が必要です!
こだわって打ちまくった槌目や打ち出しには傷は禁物です
1つ1つの模様が偶然の産物なので修正が効かないからです

DSCN3215

色んな角度から印台リングのフォルムを確認しましょう

ノギスやスケールで計る事も必要ですが、肉眼で見た時の
バランスもとっても重要となるので眼光をギラギラさせます!
ここら辺も熟練された職人じゃないと厳しい作業だと思います

ちなみに下の写真の印台面が黄色く写っているんですが・・・
とくに気にしないで頂いてよろしいでしょうか(*´Д`)

これはカップヌードルカレー味のカップが映り込んで(涙)
仕事柄、忙しいのでサクッと簡単に食べられるカップ麺を
昼飯としてよく食べているんです。23年もそういう生活w

ちなみに「どん兵衛のカップうどん」にお湯を注いで
10分待つと触感がモチモチします(どうでもいい情報w)

DSCN3213

最終仕上げ作業です(傷取り&磨き)

印台リングの表面の打ち出し加工をした部分はこのままで
彫金をしたリングの側面と内面を研磨したり磨いていきます

まずは耐水性の紙ヤスリで擦って小傷を消していきます
なぜ耐水性が良いのかと言うと、耐水性の紙ヤスリに水を
つけて地金を磨くと研磨砂が水と混じり合って細かい小傷の
奥まで浸透して、より傷が消えやすくなるという仕組みです。

DSCN3216

先端工具の「研磨ゴム」で更に研磨をします

シリコンポインターという研磨ゴムでプラチナを研磨します
ヤスリの傷を紙ヤスリで消して、紙ヤスリの跡を研磨ゴムで
消していきながら磨くという流れで進んでいくんです(^ω^)

シリコンポインターで磨き倒したら、磨きの王道「ヘラがけ」
このヘラがけ(ヘラ磨き)が鏡面を出すのに凄く必要です!

DSCN3217

ヘラがけ(ヘラ磨き)

いよいよ仕上げ作業も佳境に入りました!
ヘラがけ、一般の人には聞きなれない言葉だと思います
自分も23年前に初めて聞いたとき、雑巾がけみたいな
似たような何かかと勘違いした程です(アホですいませんw)

やり方は、水分をつけた指輪にヘラ棒を強く押しあてて
プラチナの表面を強く潰して、滑らせながら磨くんです

強く潰す事によって光沢というか鏡のような鏡面が出ます
ヘラ棒の先端が尖っているのは細かい箇所にも対応する為。

DSCN3231

印台指輪の「肉厚」が物凄い件!

印台リングの側面をヘラで磨いていたら自分の顔が映るw
いつも作る指輪では、側面に自分が写るとか少ないんです
顔が全部映るくらいの肉厚があるんだなと驚きましたよw

本当にこの印台の指輪は、どこから見ても凄いですよね
もちろんメインでもあるセンターの印台面は半端ないです
しかしその他の面も、パーツで1つ1つ見るとこれも凄い!

DSCN3236

打ち出し模様の1つ1つもヘラで磨きます

この作業は、正直かなりの手間がかかります(汗)
その手間を面倒くさいと思ったらそこで終わりです!
手間をかけてナンボだと思っているので精一杯に磨きます

打ち出し面は全て凹凸の組み合わせになっているので
1つのコマ、1つのコマという感じで磨いていくんです

その為にヘラ棒の先端も尖っているので対応できます
しかし先端の尖った部分の使い方を間違えてしまうと
深い傷となり修正できずに傷が残ってしまうので要注意!

DSCN3238

バフ掛け(バフモーター)で鏡面を磨き上げます

ヘラがけが完了したら「バフ」という円盤型の磨き布を
高速回転させて、ガッツリと印台の指輪を隅々まで
磨いていく作業になります(最終磨きの工程となります)

高速回転をしているパワフルな円盤布ですので危険です
力を入れてリングを掴んでいないと飛ばされるので注意
しかもプラチナが猛烈な熱を発生するので火傷にも注意

DSCN2749

プラチナ製、印台の指輪が完成!

ついに・・・ついに印台の指輪が完成しました\(^o^)/
約60グラムから叩き出しにこだわって作った印台リング
金槌で地金を叩いた数は軽く1万回以上は超えているでしょう

こんなに指輪を叩いて作ったのは珍しいですもん(*´Д`)
印台の指輪としては、私が作った中でも1番叩いています
プラチナ自体の粘り強さも凄そうですし強度も凄いですね

DSCN3237

フォルムが洗練されて綺麗ですよね

印台の指輪によくあるカクカクしか角は一切存在しません
ハードでワイルドな外見の指輪ですがフォルムは優しい!

打ち出しの模様も凹凸が強いですが角が丸いんですよ~
ザラザラ感は一切ありません!見た目とは全然違いますね

触っていて分かるのですが指の一部になったような感覚
角と感じない柔らかい角が、一層フォルムを引き立てています
それではプラチナをガッツリ使用した印台の指輪の画像をどうぞ

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DSCN3238

ご依頼を頂いた須田さんに感謝です!

自分もここまで重い指輪を作るのは珍しい事なので
とっても勉強になりましたし、刺激にもなりました!
職人としてまた一段、階段を登ったような感じですw

この指輪を作る為だけに、特注で制作した工具のタガネでの
打ち出し模様が、この先どういう味になるのか興味深いです
時間が経過するたびに、指輪が更に魅力的になるはずです!

次は金のごっつい指輪を作ると言っていたので楽しみです
作る喜びというか、変わった物を作るのも面白いですねw

須田さん!ご依頼を頂き本当にありがとう御座いました
これからも親子共々、よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

こだわりの制作記事をご覧頂いて、制作工程に納得をしてから
私の作る結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです
結婚指輪の一覧はコチラ → ジュエリーコウキ 結婚指輪の一覧

 

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