5月の誕生石&守護石【エメラルド】婚約指輪として作りました!

いつもご観覧を頂きありがとう御座います
新潟県長岡市の宝石店で、結婚指輪を手作りで
制作しているジュエリーコウキの2代目、池田です

本日は5月の誕生石(守護石)エメラルドを使った
エンゲージリング(婚約指輪)をご紹介いたします

エメラルド(ルース)とプラチナを仕入れて
私がハンドメイドで造り上げる匠の婚約指輪です
今回の指輪作りも一輪入魂の精神で造り上げます!

 

使用するエメラルドです

とっても綺麗なグリーンの緑色が印象的です
しかもルースの透明度も抜群で凄く綺麗な色石です

いつもお世話になっている地元のメーカーさんから
カットをして頂いて、仕入れさせて頂いたルースです
本当に綺麗な石を提供して頂いてありがとう御座います

5月の誕生石は他にも翡翠(ヒスイ)がありますが
お客様が翡翠よりもエメラルドがタイプという事で
エメラルドの綺麗で上質なルースを仕入れました(^ω^)

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ほとんど正方形の四角いエメラルドを使用

エメラルドにも様々な形とカットがありますが、
やっぱり代表的な四角形でエメラルドカットが王道です

このエメラルドは角があるので完全なエメラルドカット
ではなくプリンセスカットに近いと思いますね(*´Д`)

そして四角形のエメラルドカットには長方形が多いですが
しかし今回、使用するエメラルドは珍しい正四角形です♪
こちらのルースでエンゲージリングを手作で制作します。

 

 

エメラルドのエンゲージリングの作り方です

まず当店で、婚約指輪に限らず指輪を作る時は全部
プラチナを溶解(ようかい)して金槌で叩いて鍛える
鍛金(たんきん)という鍛造(たんぞう)で造り上げます

私がプラチナを溶かした塊の状態から1つ1つ手を加えて
指輪の形に造りあげる完全ハンドメイドの婚約指輪です!

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手作りジュエリーと聞くと金額が高いと思われがちですが
当店では一般的に他店で販売されている普通の既製品より
かなり値段を抑えて安くお客様へ提供するようにしてます

これは一貫して手作りで造り上げる当店だからこその特典
理由は「厳選した素材を仕入れて私が全部手で作るから」
本当に簡単な理由ですが、それで価格を安く出来るんです

物によっては一般的な既製品よりも半額くらいですね
なので当店に限っては手作りは絶対に安いですよ(*´Д`)
ただ、私と父の2人体制なので完成まで時間がかかります
それだけがデメリットですが他はメリットが圧倒してます

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鍛造(たんぞう)の指輪はメリットだらけ

確かに制作に時間は時間はかかりますが(数週間です)
プラチナやゴールドなどの地金を金槌で叩いて叩いて
炎で焼いての繰り返しで鍛え上げる手法なので地金の
粘り強さや強度が既製品とは圧倒的に違いますね(^ω^)

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一般的なショップで販売されている指輪は鋳造(ちゅうぞう)
という予め作られた指輪の型に溶かした地金を流し込むだけ
で大量生産されます。鍛造とは全く異なる造り方なんですよ。

皇妃-リング制作(タタキ)

鍛造を鍛冶とも呼びますが、今まで見て頂いた鍛冶の流れで
叩きながら地金を成形していきながら指輪の形にするんです

溶かして丸い塊だったプラチナを妥協せず鍛えながら
成形していき、ここまでの形に造りあげるんですよね
指輪の種類やデザインによって成形する形は違ってきます。

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写真は月形(つきがた)と呼ばれる指輪の形

板の真ん中の地金が肉厚で幅が広くなっており、下にいくと
地金の厚みが薄くなっていき幅も狭くなっていく形なんです

この形の板を丸めていくと月形というリングの形になります
この形にする理由はエメラルドが綺麗に入る為なんですよね
作業が進むにつれて「こういう事か」と分かると思いますw

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指輪の他にも細かい部品を作っていきます

今までの鍛冶作業の写真では指輪を作っている場面ですが
他にもエメラルドが入る枠や、エメラルドを留める爪を
作らなければなりませんので細かい部品類も作っていきます

エメラルドをより魅せる為にエンゲージリングのデザインは
とってもシンプルな平打ちタイプなのですが、リングより
ルースが落ち着く枠に手間がかかるんですよね(小さい部品)

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エメラルドが入る石枠作り

ルース(宝石)が入る部分の枠を作る事を石枠作りと呼びます
今回はエメラルドの石枠作りですが、他の宝石でも同じように
宝石が石枠にピッタリとはまるように作っていきます(^ω^)

石枠から宝石がはみでると、爪で留めるときに不具合がでます
逆に石枠よりも宝石が小さいと、見た目で枠が見えて格好悪い
という事と、やっぱり爪で留めた時に緩くて不具合が出ます

石枠を作る時のポイントはルース(宝石)の全面のサイズと
石枠が隙間なくピッタリと入り込むのが1番良いという事です
石のサイズだけでなく宝石の肉厚と角度も揃えながら整えます。

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エメラルドの石枠が完成!

エメラルドのサイズ(幅や高さや角度)に合う石枠を作ったら
四角形になる石枠の4つの角に爪をロウ付け(溶接)をします

4本の爪の写真を良く見ると分かるかと思いますが、爪には
三角の溝が入っているんです。この溝にエメラルドの角が
ピッタリと入ってエメラルドが落ち着くんですね(^ω^)

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本当はもっと細かく写真を撮って部品作りを塊の段階から
順番に説明したいのですが時間がなくて諦めました(;´Д`)

どうしても部品作りは細かい工程が凄く多くなるので・・・
今度、時間のある時にでも紹介しますので今回はすみません

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石枠の次は腕(リング側)を制作します

先程、プラチナで月形のリングのベースを制作しましたが
そちらをヤスリで削っての彫金作業で形にしていきます

石枠と腕(リング)のバランスも重要なので整えていきます
ちなみにリングの形は角を落としたタイプのデザインです。

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段階的に指輪の角を削り落としながら角度を調整

角を落とし過ぎると甲丸っぽくなってしまいますし平過ぎても
平打ちの変わらなくなるのでバランスよく角と全体を削ります

大きな色石を使用する指輪は、婚約指輪に限らずどの指輪
でもトップが大きくなるので全体のバランスを重視しましょう

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石枠とリングをロウ付け(溶接)をします

石枠とリングを丁寧に仕上げたら溶接をして一体化にします
石枠とリングに隙間が生じないようにピッタリと合わせます

少しでも隙間があると上から見た時に石枠が曲がって見えたり
指輪を横から見た時に石枠が沈んだり傾いたりとなりますので
ロウ付けをする前に、少しでも狂いがないか確かめましょう!

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エメラルドのエンゲージリングを仕上げます

ロウ付け(溶接)が完了すればエンゲージリングのベースの
完成となります! ほとんど完成したような形に見えますが
まだまだこれから仕上げていく作業が沢山あります(*´Д`)

まずは婚約指輪の着け心地を良くする為に、
婚約指輪の内側を丸く削って滑らかにしていきます。

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石枠と指輪を同じように丸く削る事がコツとなります
ほとんどの人の指の形に合う形が「楕円形」なんです

指輪の内側が丸すぎると、指と指輪が密着する面積が
少なすぎて緩く感じますし、平すぎても密着度が強すぎて
違和感(きつく感じて)ストレスを感じてしまうんです

仕事柄、お客様のたくさんの指の形を23年以上も見て
きましたが、楕円形にする事が指に1番フィットします!

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サンドペーパーでプラチナを仕上げます

ヤスリでの彫金作業が続いていたので小傷があります
耐水性のサンドペーパーでプラチナリングの全面を
丁寧に擦って小傷を消しながら仕上げていくのですが
水を含ませながら擦ると砂が小傷に入るので効率アップ

小傷をきっちりと消しておかないと磨きの時に困るので
目に見える小傷は紙ヤスリでキッチリと消す事が大事です
プラチナリングの全面が真っ白になると小傷も減ってます

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研磨ゴム(シリコンポインター)で仕上げる

ペン型のリューター機という工具の先端にバーを設置
シリコンポインターのバーですが形が様々あるんです
指輪の形やデザインに合わせて使っていくんですよね

写真のようなバーが高速回転によって回って磨きます
紙ヤスリの跡や超小さい傷を取り除いて磨いていきます

研磨ゴムにも色んな形があるとお伝えしましたが
ゴムの形以外にもゴムの性質もあるので(硬さや研磨度)
シリコンポインターを変えながら磨く事が必要ですね

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ヘラがけ(ヘラ磨き)

この磨き工程が光沢(鏡面)を作るうえで
1番重要だと自分は思っております!
ヘラ磨きなしに光沢は語れないとまで思っていますw

昔から続く地道な磨き作業の「ヘラがけ」なんですが
今も昔もこのヘラ磨きがあるという事は後世に残すべき
これこそ磨き作業だと私は思っております\(^o^)/

 

磨き方(やり方)はいたってシンプルです

ヘラ棒という棒をプラチナリングに強くおしつけて
プラチナの面を潰すようにしながら磨いていくんです

シンプルな手法ですが、めちゃくちゃ難しい作業です!
潰すだけでは光らなく押し付けるだけでも光りません
指輪に鏡面を生むという事は本当に大変なんですよね

今の時代、機械も優れていますのでヘラ磨きナシでも
指輪に鏡面を出す事は可能ですが、手でしっかりと
磨いたヘラ磨きの奥深い輝きは別格だと思います(*´Д`)

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バフ仕上げ

ヘラがけでプラチナにピッカピカの光沢(鏡面)が出たら
「バフ」という磨き布でプラチナの全面を磨きます(*´Д`)

基本的にバフは円盤型の布が高速回転をして磨く道具です
バフの大きさやパワーには何種類もあるので用途によって
使い分けながらプラチナ全面をガッツリと磨いていきます!

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エメラルドの石留め

バフで磨くと細かい布や磨き油が指輪に付着しています
その状態の婚約指輪を超音波洗浄機で洗い流せばOK!

磨き上げたピッカピカの婚約指輪にエメラルドを留めます
宝石などのルースを石枠や指輪に留める事を「石留め」と呼びます

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タガネという工具や石留め用の鋼の棒で石留めをします
爪をゆっくりと寝かしながらエメラルドを固定して留めます

エメラルドに限らず角がある宝石は、角が弱いので注意!
爪を思い切り寝かしたりすると宝石の角が折れたり割れたり
取り返しのつかない事になるので細心の注意をしましょう

無事に爪を4本寝かせたとしても安心は出来ません!
爪の角度や位置によって爪のせいでメインのエメラルドが
曲がって見えたりするのでキッチリと計りながら留めます
そして寝かせた爪を精密ヤスリで整えれば完成です(^ω^)

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エメラルドの婚約指輪が完成!

真正面からエメラルドの位置と爪の位置、形を見て下さい
指輪と枠とのバランスもすべて計算された婚約指輪です!

少しでも爪が曲がっていたり、少しでもエメラルドの石枠が
曲がったりするだけで全体のバランスが崩れるという事です
写真のように目で見ても定規で計っても同じなのがベスト!

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枠造りにもこだわりましたがメインの宝石
エメラルドもめっちゃ綺麗でしょ(*´Д`)

傷もなく、汚れもなく、ムラもなく透明感も抜群!
カットも綺麗だし緑色も濃いし上質なエメラルドです

エメラルドは傷がつきやすいデリケートな宝石なので
緊張しましたが素敵な婚約指輪を制作させて頂きました
ご依頼を頂きまして誠にありがとう御座いましたm(__)m

エメラルドリングの制作記事は以上になります
記事をご覧頂きましてありがとう御座いました!
次回の記事は結婚指輪の制作工程の予定です(^ω^)

 

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鍛造で作る結婚指輪は、ごく稀で希少価値のある結婚指輪
世界中の全てのジュエリーのうち鍛造で作られたリングは
1パーセント未満と言われるほど鍛造リングは少ないです

その理由は、鍛造リングは地金を金槌で叩いて炎で焼いて
じっくりと時間をかけて地金密度を上げていくという製法
熟練された技術や知識を持った職人のみしか作れない技法
鍛造リングを作る為の専門工具や機材など設備も必要な為

伝統工芸と言われる鍛造リングは日本の宝だと思いますが
受け継ぐ職人が激減しており鍛造リングは衰退しています
だからこそ鍛造技術を受け継いだ私が広めたいと思います

指輪作りの制作日記をご覧頂いて、鍛造技術に納得をして
私の結婚指輪をご購入して頂けると作り手として幸せです。

 

お気軽にお問い合わせOKですよ(^ω^)
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